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【ろうどうコラム】海外勤務で実感した各国の労働生産性と人生の楽しみ方

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年10月9日更新

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H30.10.9 海外勤務で実感した各国の労働生産性と人生の楽しみ方

労働委員会 使用者委員 千歳 芳雄     

 現在、働き方改革が多くの場面で議論されています。長時間労働、職場の人間関係、過労死等々、解決すべき課題が山積しています。

 私たちは学校を卒業すると同時に就職して40年から50年の間、職業人としての時間を過ごします。まさに人生=仕事のようなもので、家族と過ごす時間よりも職場にいる時間の方がはるかに長いのではないでしょうか。特に日本人は働くことに熱心でありますが、反面、自分自身の時間を犠牲にしている方が多いのも事実と思います。
 自分の人生を有意義なものにする為にも、働き方改革の議論を自分のこととして捉えていくべきと思います。


 では、具体的にはどのようなことに取り組めば良いのでしょうか。
 私は40年のサラリーマン生活の中で3回の海外勤務を経験しています。その中で感じた各国の働き方について印象に残っていることを書きますので、少しでも皆様の参考にして頂ければ幸甚です。

 25年前、最初の駐在地はドイツのデュッセルドルフでした。この町はルール工業地帯の中心地で、当時8千人の日本人が住んでいました。ライン川に沿った大変美しい街で、今でも良い思い出が沢山残っています。
 日本では遅くまで残業するのが当たり前でしたが、ドイツでは事務所の職員は皆5時になるとすぐに帰宅します。だからと言って仕事を中途半端に終わらすようなことはありません。
 皆、朝からその日の業務計画を念頭に置いて効率よく仕事を進めていました。これからの日本が目指すべき高い労働生産性を実現するには、このような働き方が非常に重要になります。
 又、ヨーロッパの人々は夏休みなどの長期休暇を非常に大切にします。大体の人は3週間程度の休みを取ってバカンス旅行に出かけます。職員の話を聞くと、海や山の景勝地でゆっくりと過ごして、仕事のことは全て忘れてリフレッシュしているようでした。
 日本人はお盆の休みに一斉に休みを取る為、どこへ行っても大混雑で、休みが終わると皆疲れ切っているのとは正反対です。こういう人生の楽しみ方は日本人も大いに参考にすべきでしょう。

 2回目の駐在は米国のインディアナ州の田舎町にある工場でした。トウモロコシ畑が延々と続き、米国の開拓者魂が息づく街でした。この工場の就業時間は朝6時から午後3時までで、最初は大変戸惑いました。理由を聞くと、従業員は農家の人が多く、夕方は早く帰って農作業を行うことと、家族とゆっくり過ごす時間を確保するとのことでした。米国人の考え方は非常に柔軟性があり、効率を重視する国であることを実感しました。

 3回目の駐在はハンガリーのブタペストにある工場でした。ブタペストはドナウ川の真珠と呼ばれる大変きれいな街で、最近は日本からの観光客も沢山訪れています。
 ハンガリーの人々は理科系の学問が得意で、ノーベル賞の受賞者は13人を数えます。人口比率では世界一だと自慢していました。
 立体パズルのルービックキューブもハンガリー人の発明品です。この様なお国柄ですので、若い人達はIT技術に優れており、工場のシステムも日本では高いお金を出して購入するようなものも、自分たちで安価に作ってしまいます。これからの日本ではITやAIが導入され、人々の働き方が大きく変化していきますが、その変化を単に恐れるのではなく、ハンガリー人のように自分たちでその変化を作り出していくことが重要です。


 日本における働き方の変化は待ったなしで訪れます。諸外国のように労働生産性を高め、人生を豊かに有意義に過ごせるように、私たち一人ひとりが自ら考えて行動することが求められています。 

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