福島県
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現在、労働委員会の使用者委員として2期目になるが、今まであっせん件数が1件と大変少なく、労働委員会委員としての役割である「労使紛争の解決、労使関係の正常化、将来の労使関係の安定・維持発展に貢献すること。労使関係の正常化を妨げている事情・条件を把握し、阻害要因を取り除くことによって正常化を図ること」に今尚、経験不足もあり不安をもっている。やはり、一定レベルまで勉強し、知識を蓄えることかと常々考え、自分の職歴の中で得たもので自信をつかもうと努力中である。 審査が少ない中、労働委員会が実施しているワークルール出前講座は地道ではあるが、私にとっては労働委員としての取組みとしては大変重要なものと捉えている。就職前の大学生・高校生に出前講座を実施することにより、基本的な労働の知識「ワークルール」を理解してもらい、近い将来仕事に携わったとき、労働トラブルの未然防止、解決に大いに役立つものと考えている。 出前講座を実施するにあたり、順序だてて「ワークルールとは」「社会人としての基本姿勢」「労働契約」「就業規則」「時間外労働」等々の説明。それらを学生に分かり易く説明することは、自分にとっても再確認の上で大変勉強になる。 たとえば、社会人としての基本姿勢として、朝夕「挨拶」をきちんとする。明るく元気よく!時間を大切にする。約束をした時間は守る!「身だしなみ」は整える。他人に不快に思われない服装で!「言葉遣い」に気をつける。お客様・上司・先輩等に敬語を使いましょう!等、当たり前のことを、一つ一つ、自分が今まで得た経験を交え学生に説明することは、大変有意義と思える。以前勤務した会社で採用関係もしていた。それが大変参考になっている。 また、時間外労働についても、日本の法律では労働時間は、1日8時間、1週40時間。これを法定労働時間と言い、これを上回って時間外労働するためには、協定(三六協定)を結ばなければならない。就職前の学生に分かり易く説明するも、理解してもらえるか不安である。大事な項目であり時間を割いて説明している。また「退職」についても、法律的には2週間前に会社に退職願いを出せば、退職を受理されるが、近年の福島県の3年以内の新卒離職率は35%以上と大変高く、経験の蓄積、能力向上にはつながらず、また再就職するとしてもスキルが乏しく、フリーターや非正規雇用になる傾向にあることを説明。やりたくない仕事や意に沿わない仕事も自分を磨き強くする力があることを説明し、我慢強さも必要かと持論をも話している。 「社会人になるにあたり、いろいろなことを知ることができました。自信を持って社会人になることが出来そうです。」「資料に書いてあること以外にも具体的なことを話してくださり、とても分かりやすかったです。これからの将来に生かしていきたいと思います。」等の学生から感想を頂くと、やっていて良かったなと思う。 コロナ禍がまだ終息しておらず、出前講座の要請が少なくなっているように思われる。要請があれば積極的に学生への出前講座をしていきたい。
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