集団Q&A4-(2)労働協約の効力
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労働協約の効力 |
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質問 会社の業況が厳しいため、会社と過半数労働組合が協議し、3年間に限り、賃金を減額する労働協約を締結しました。 |
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答え労働協約には規範的効力が認められますので、減額に同意しない組合員に対しても、労働協約に基づいた賃金が支払われます。 解説労働協約の効力としては、通常、「規範的効力」と「債務的効力」があるとされています。 1 規範的効力 労働組合法では、「労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。」と定められております(第16条)。このように労働協約には、「労働条件その他の労働者の待遇」に関して、個々の労働契約を直接規律する効力、いわゆる「規範的効力」が与えられています。 なお、規範的効力が認められるためには労働協約が労組法第14条の要件(合意内容を書面にし、両当事者が署名又は記名押印すること)を満たさなければなりません。 2 債務的効力 労働協約は、使用者と組合間の契約として全体的に債務的効力を有します。つまり、協約当事者は、労働協約の規定の全般について契約当事者としてそれを遵守し、履行する義務を負います。具体的には、ユニオン・ショップや、組合事務所の貸与、団体交渉のルール等、労使間の運営についての何らかのルールには債務的効力が認められます。 (参考) 〇 労働協約の適用対象 労働協約の規範的効力については、原則として組合員にだけ及びます。しかしながら、労働組合法では、以下のとおりの例外が定められております。 ・拡張適用制度(労働組合法第17条) ある労働組合が一つの事業場に常時雇用される同種労働者の4分の3以上を組織している場合には、その組合の協約上の労働条件を、組合に加入していない他の同種の労働者にも及ぼして、当該事業場の同種労働者の労働条件を統一する制度です。 判例○ 朝日火災海上保険(石堂)事件(最一小判9.3.27 労判713号) |
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