【2012年12月20日(木曜日)】 Vol103
目次
- 日々の思い
県教育委員会教育長 杉 昭重(すぎ あきしげ) - リレーエッセイ
県教育委員会委員 蜂須賀 禮子(はちすか れいこ) - お薦めの一冊コーナー
- 学校自慢コーナー
- 下郷町立楢原小学校
- 三春町立沢石中学校
- 福島県立白河第二高等学校
- 福島県立聾学校
- 福島県立聾学校福島分校
- 福島県立聾学校会津分校
- お知らせ
- 編集後記
日々の思い
「子どもにとって最大の教育環境は先生です。」
県教育委員会教育長 杉 昭重(すぎ あきしげ)
復興元年と位置づけて、福島の子どもたちの未来と幸せのために、みんなで頑張ってきた 平成24年、あと少しで新しい年を迎えます。皆さんにとって、この一年はどのような年だった でしょうか。復旧・復興に向けて着実な歩みを進めていますが、まだまだ道半ばであり、 ふくしまの再生のために、これからも頑張っていかなければなりません。
私は、4月に教育長に就任以来9か月、校長の時と変わらず、子どもたちの命を守り、 子どもたちの健やかな成長のために、全力を尽くすという姿勢でやってまいりましたが、 教育長になって初めて経験したのが県議会での答弁でした。6月議会、9月議会、 12月議会と、これまで3度の議会を経験しましたが、毎回緊張の連続です。誠意を持って 答えようと、質問者の眼を見ながら答弁しています。
予定された質問の要旨は事前に示されていますが、再質問は何を聞かれるか わかりません。そこで自分の思いを答弁することになるのですが、たびたび教育環境に ついての再質問がありました。私はこの時、県立学校長会議の時も申し上げました 「子どもにとって最大の教育環境は先生です。」という趣旨の答弁をしました。
児童生徒が、卒業の時、また卒業してからよく言うのは、「○○先生の授業は楽しかった。」 「○○先生が担任で良かった。」「○○学校の卒業生であることを誇りに思う。」・・
高校では大学合格者に合格体験記を書いてもらうことがあります。その中にはこんなのが あります。「生徒のために必死になってくれる先生方です。先生方を信頼し、努力を常に 怠らないことです。」「先生方は私たちのために朝課外を実施してくれました。その熱意に 応えようとみんな必死でした。」「合格できたのは、先生がやってくれた添削指導や 小論文指導のお陰だと思っています。」「担任の先生から大学入試の情報をもらい、早くから 準備できたのが良かったかなー。」・・
また、今、学校では生徒による授業評価を実施しています。生徒が大変満足している 授業の理由として、「熱心に授業をしてくれる。」「明るく一生懸命教えてくれる。」「準備が しっかりなされていてわかりやすい。」「授業構成がしっかりしている。」「親身になって 教えてくれるし、励ましてくれる。」「いつも元気に授業をしてくれる。」「先生が頑張っていて とても良い。」「熱意が伝わってくる授業で楽しい。」「生徒一人一人をしっかり考えて、 生徒思いだから。」・・・
さらに、私たち教員の中には、教員である親や担任、そして部活の先生の影響を受けて、 「○○先生のようになりたい。」「○○先生のような人生を送りたい。」と教員になった者が かなり多くいます。私もその一人です。小学校の時の担任の先生、Y先生はとても厳しい 先生でした。悪ふざけでも悪いことは悪いと、事の善悪をきちんと話して指導してくれました。 又、算数の時間にはよくほめていただいたのを記憶しています。私が数学の教員になる きっかけを与えていただいたと思っています。私もY先生のように、児童生徒から模範と されるよう、これからも日々精進していきたいと思います。
その先生も今は、原発事故のため、浪江町から栃木県の那須町に避難しています。 来月、103歳の誕生祝いと私の現況報告に、また、お邪魔しようと思っています。 いつまで経っても、私にとっては、理想の先生です、Y先生は。
リレーエッセイ
「新任のごあいさつ」
県教育委員会委員 蜂須賀 禮子(はちすか れいこ)
会津はびっくりするぐらいの雪が降りました。
木に残った多くの柿の実の上に真っ白い雪が積もり、とても美しい風景が心を和ませて います。
大熊から会津に避難して1年10ヶ月、やっと生活にも慣れてきた感じがします。
でも子供達はどうでしょうか。
慣れない学校、通学路、大人達よりも大変な思いで学校生活、家庭生活をしていることと 思います。
私にも孫が一人、同じく避難をしています。少し救われるのは避難前の友達と同じ学校で 学校生活が出来ていることです。
10月19日、福島県教育委員会委員に任命され、自分に与えられた責任の重さを今、 ひしひしと感じます。
私は時々、孫を通して色々なことを学んでいます。子供の楽しい、苦しい、悲しい気持ち。
それは大人が想像する以上のものだと思います。
高校生になれば、もっともっと大変だと思います。
子供達には未来があります。その未来の夢を見るために、少しでもお手伝いが出来ればと 思っています。サテライト校で頑張っている生徒。中学校で思う様に部活動も出来ないでいる 生徒。父親と離れ離れで一生懸命勉強している生徒。
基本理念である、“ふくしまの和”で奏でる、こころ豊かなたくましい人づくり。
この理念に向かい、多くの子供達に食の安心、生活の安心、そして心の安心が早く 取り戻せる様に誠心誠意、福島県教育のために微力ではありますが、全力を尽くしたいと 思います。皆様の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
お薦めの一冊コーナー
このコーナーでは、福島県立図書館司書のお薦めの一冊を御紹介します。
おすすめの一冊 『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』 クリストファー・ロイド/著 文藝春秋
世界の歴史を語るとき、最初の章を何にしますか?この本の第一章は、「ビッグバン宇宙の
誕生」です。137億年前から今日まで、地球上で起きた様々なできごとを、42のテーマに
よって、時系列でまとめあげています。世界中をめまぐるしく廻りながら、現代に向かって
旅するように読める歴史の本です。(県立図書館司書 K.O)
県立図書館024-535-3218
http://www.library.fks.ed.jp/
学校自慢コーナー
このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を 県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。
『地域を知り、ふるさとの文化を受け継ぎ発信する ならはらっ子!』
下郷町立楢原小学校
下郷町は豊かな自然環境と新しい文化が息づく町です。本校ではこの恵まれた自然環境を知り、ふるさとの文化を受け継ぎ発信するような教育活動を行っています。
下郷町立楢原小学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
下郷町立楢原小学校のホームページへ
『閉校を地域づくりのチャンスへ』
三春町立沢石中学校
本校は三春町の北部に位置し、阿武隈高地の中の自然豊かな農村地域にあります。
全校生徒44名は皆素直で明るく、様々な活動に一生懸命取り組んでいます。
学校再編により、平成25年3月に、66年の歴史に幕を下ろします
三春町立沢石中学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
三春町立沢石中学校のホームページへ
『文化の光 煌々と』
福島県立白河第二高等学校
本校は、「勤労と学業の両立をとおして、社会人としての自覚と自主及び自立の精神を養う」ことを教育目標にしています。
生徒は、二高食堂で夕食を仲間と食べることから学校生活がスタートします。
福島県立白河第二高等学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立白河第二高等学校のホームページへ
『いい音!いい声!いい笑顔!~FM補聴システムの活用』
福島県立聾学校
いい音は、子どもたちにたくさんの明るい声と、とびっきりの笑顔をもたらします。
本校では、平成23年12月より、FM補聴システムを全国にさきがけて幼稚部・小学部に導入し、効果的な教育を推進しています。
福島県立聾学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立聾学校のホームページへ
『おもちゃの図書館~みんないっしょにあそぼうよ~』
福島県立聾学校福島分校
本校では、地域の方々やボランティアの方々との出会いを大切にして、経験を広げ豊かな心を育てる取組を行っています。「おもちゃの図書館全国連絡会」の「東日本大震災支援活動プロジェクト」の支援による活動もその一つです。
おもちゃを仲立ちにした心と心をつなぐ活動で笑顔がどんどん広がっています。
福島県立聾学校福島分校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立聾学校福島分校のホームページへ
『聴覚障がい児が太鼓の演奏に取り組んでいます』
福島県立聾学校会津分校
本校では、聴覚障がいがある幼児児童が毎年太鼓の演奏に取り組んでいます。
これまでは、教師や学生ボランティアが一緒に太鼓を打っていましたが、今年の文化祭では大人に頼らず、自分たちだけで発表しました。
福島県立聾学校会津分校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立聾学校会津分校のホームページへ
お知らせ
街を歩くとマスクをした人が目立つようになりました。風邪、インフルエンザ、ノロウィルス等、 心配は尽きません。これからますます冷え込みが厳しくなる時期、くれぐれもお体に気を つけて下さい。
さて、12月のお知らせコーナーです。
「美術館への年賀状展」のお知らせ
毎年恒例の「美術館への年賀状展」。福島県内の小・中学生のみなさんから お送りいただいた楽しい手作りの年賀状を、エントランスホールに展示します。
「美術館への年賀状展」では賞の授与は行いませんが、届けられた年賀状はすべて 展示します。版画やイラスト、はり絵など、子どもたちの豊かな創造力がかいま見える 本展は、美術館の新春の風物詩となっています。
現在、下記のとおり作品を募集しています。子どもたちのアイデアあふれる作品を お待ちしています。
募集:平成25年1月4日(金曜日)まで必着
展示:平成25年1月12日(土曜日)から31日(木曜日) 観覧無料
※臨時休館および年末年始休館:平成24年12月25日(火曜日)から平成25年1月4日(金曜日)
宛先とお問い合わせ
〒960-8003 福島市森合字西養山1番地 福島県立美術館
「美術館への年賀状展」係
県立美術館 024-531-5511
http://www.art-museum.fks.ed.jp/
県立図書館からのお知らせ
100年カエル館×福島県立博物館×福島県立図書館連携展示
「この冬、”ふくしま”に、カエル。」
福島県は県内にモリアオガエルの繁殖地が多くあり、またカエルの詩人で有名な 草野心平ゆかりの地であるなど、「カエル資源」の豊かな県であるともいえます。 そんな福島県喜多方市で3代にわたり収集したカエルコレクションを展示するのが 「100年カエル館(現在休館中)」です。
100年カエル館から福島県立博物館へ寄託された「グッズから見たカエル」と 当館所蔵資料による「本やお話から見たカエル」のコラボレーションによる展示を 図書館で行います。世界中のカエル愛好家のみならず、その愛らしい姿を見て “ほっと”したい方も必見の展示です。
東日本大震災以後、さまざまな理由によりふるさと“ふくしま”を離れざるを 得なかった大勢のみなさん!!大震災以後“ふくしま”を応援してくださる全国の 皆さん!!“ふくしま”にもう一度“カエルって”きませんか?
日時:平成25年3月6日(水曜日)まで
場所:展示コーナー
「八重の桜」~新島八重とその時代~展 PART2
平成25年1月よりNHK大河ドラマ「八重の桜」が放送されることにちなんで、 主人公新島八重(会津出身)に関する資料並びに新島八重が活躍した時代に関する 資料を展示・貸出しています。
日時:平成25年2月11日(月曜日)まで
場所:時事展示コーナー
県立図書館 024-535-3220
http://www.library.fks.ed.jp/
福島県文化財センター白河館「まほろん」からのお知らせ
指定文化財展「ふくしまの重要文化財10 福島市和台遺跡」 のお知らせ
国の史跡に指定されている福島市和台遺跡から出土した考古資料を中心に 展示します。
縄文時代中期を中心として栄えた和台遺跡のムラの移り変わりに焦点を当て、 周辺地域からの出土資料を含めて紹介します。
是非、御観覧ください。
日時:平成24年12月22日(土曜日)から平成25年2月17日(日曜日)
「昔の遊び」を体験してみませんか?
12月18日(火曜日)から27日(木曜日)、1月5日(土曜日)から14日(月曜日)の期間、 体験活動室のメニューが「昔の遊び~盤双六・毬杖など~」となります。
家族が集う年の始めに、世代を越えて楽しんではいかがでしょうか?
※年末年始休館 12月28日(金曜日)から1月4日(金曜日)
まほろん 0248-21-0700
http://www.mahoron.fks.ed.jp/
編集後記
今号の学校自慢コーナーで、県立聾学校の様々な取組を御紹介させていただきました。 このうち、FM補聴システムを活用した授業研究については、県立聾学校が 福島県学術教育振興財団の助成を受けて実施しているものです。
筆者が同財団の事務局長を兼務しているため、この場を借りて財団の活動をPR させていただきますと、同財団は、基本財産の運用益を原資に県内教育関係者による 教育研究活動に対して助成を行っている公益財団法人で、これまで大学でのユニークな 研究や、小学校に専門家を招いての授業など、小規模ながらも可能性あふれる活動事業に 対して助成を行ってきました。まもなく平成25年度助成事業の募集も開始される予定です。
厳しい経済状況の中で運用益が減り、助成額は年々減少傾向にありますが、人々の ニーズが多様化し、行政が支援しにくい細かな支援の重要性が増しています。財団の活動を お知りおきいただけますと幸いです。
教育総務課長 森下 平(もりした たいら)
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)