【2015年11月20日(火曜日)】 Vol138
目次
- リレーエッセイ
県教育委員会委員 浅川 なおみ(あさかわ なおみ) - 日々の思い
高校教育課長 大沼 博文(おおぬま ひろふみ) - お薦めの一冊コーナー
- 学校自慢コーナー
- 南会津町立舘岩小学校
- 鏡石町立鏡石中学校
- 福島県立相馬農業高等学校
- 福島県立遠野高等学校
- お知らせ
- 編集後記
リレーエッセイ
「芸術の秋」の舞台裏
県教育委員会委員 浅川 なおみ(あさかわ なおみ)
「芸術の秋」まっただ中の今、日本各地で数え切れない程の演奏会が開催されています。この裏には抜群のテクニックで観客を圧倒し、お見事!と声を掛けたくなる芸術系の大学を卒業したての若者から、歳を重ねた方までさまざまな演奏家がおります。
後者には、柔和な心とホッとする温かさやぬくもりがあり、癒される気持ちになりゆとりや余裕さえ感じられます。
皆様も何らかの形でホールでの演奏会をお聴きになったことはおありかと思います。さて、その舞台裏はと言うと、演奏会当日は最終日であることをご存知でしょうか。
演奏会は約1年前から始まっています。
先ず演奏家に払えるギャラで誰を呼べるかという人選から始まり、所属事務所との日程の打ち合わせ、契約書作成、そしていよいよ当日となります。駅までお迎えに上がった方が良いのか、タクシーでお出でになるのか、ピアノを使うのであればピッチを幾つにして調律をするのかなど、何か聞き漏らしがあっては当日ではどうにもならないこともあるので、神経を一番使うところです。
1人から2人のステージでも時によっては舞台監督、音響関係、マネージャーなど裏方として5人から6人が来ています。当日はホールスタッフと出演者関係、アナウンス関係等の人数を間違えないように飲み物から軽食、ケータリング関係、ある時にはアイロン、アイロン台、花束等、前もって出演者、マネージャーとの密な打ち合わせをしておく必要があります。
全て計画通りに事が運べば頑張った甲斐があった、と思うのは素人です。
開演後ロビーに音声が聴こえてこない為、拍手の間にお客様が出入りするドアを急遽打ち合わせていたドアから違うドアへ変更することもあります。
時には最悪な状況になったりすることもあります。そのため係員への徹底した伝達が必要となります。
演奏会の委員長たる者が説明しても「何で打ち合わせのときに言ってないことを急に変えるんだ」と迫られることもしばしば。そんな時は「申し訳ありませんが急遽そうさせていただきます」とひたすらお願いするしかありません。
このようなハプニングをたくさん経験し、次へのステップへとつながることを信じる裏方がいて、ステージでは心地良い音楽が演奏されているのです。
花束贈呈、アンコールも終わると、会場の片づけ、時にはスタッフ一同も交え打ち上げに繰り出し、お帰りの時間に演奏者を駅までお送りします。
観客として客席に座っているのとは違い、舞台裏では汗をかきながら走り回っている、これが私の姿です。
この様な舞台裏があって美しい音色に聴き入ることができることをおわかりいただければ、開催者として頑張った甲斐があったというものです。
手作りコンサートの一幕を御紹介しました。
日々の思い
「書評の面白さ -ビブリオバトルに思う-」
高校教育課長 大沼 博文(おおぬま ひろふみ)
週末のひととき、新聞や雑誌で書評を読むのがちょっとした楽しみです。本選びの参考にというのも理由の一つですが、読書にあてられる時間が限られる中で、その本の内容や魅力、面白さが評者の言葉によって味付けされ、手に取って読んだ気にさえなれる良さが書評にはあります。
2012年春まで20年以上続いたNHKBSの『週刊ブックレビュー』は、書評誌をテレビ番組にした形で、これも毎週土曜日の楽しみでした。
毎回3名のゲストがお薦めの本を紹介したり、国内外の作家に自身の作品の魅力をインタビューしたりする内容だったので、放送終了はとても残念でした。
現在は、インターネット上にも多くの書評サイトがあり、いつでもお気に入りのサイトから様々なジャンルの書評を読むことができるようになりました。楽しみが増えたともいえるのですが、一週間のリズムを保つためにも、アクセスは週末だけにしようと自制しているところです。
先月31日、郡山市で開催された『ビブリオバトル福島県大会』を観戦しました。県教育委員会主催による第1回大会で、県内の高校生11名がお気に入りの本を持ち寄り、書評合戦を繰り広げました。
バトルのルールは、
(1)順番に一人5分間で本の面白さを紹介する、
(2)それぞれの発表後、参加者や観戦者とのディスカッションを2分から3分行う、
(3)全員の発表終了後「どの本が一番読みたくなったか」を基準として投票を行い、『チャンプ本』を決める、というものです。
全員がそれぞれの個性を生かした発表で、自分自身の言葉で推薦本の面白さを観戦者に語りかけてくれました。私に「ぜひ読んでみたい」と思わせた3人の中から『チャンプ本』が選ばれたこととあわせて、楽しい時間を過ごすことができました。
ビブリオバトルに興味を持ったのは、前任校の国語科の教員が授業に取り入れていたのを見学したのが最初でした。読書そのものへの関心を高めるということだけでなく、他者の興味・関心や考え方を理解する機会となり得ること、プレゼンテーション能力を向上させことができることなど、様々な可能性が広がる取組みだと、今回改めて実感しました。
「朝の読書」活動が全国に広がり始めた二十数年前から、ホームルーム担任となった時には、教室の片隅に読み終えた文庫本や新書などを並べるようにしていました。
授業前のひととき、毎日生徒と一緒に本を読みながら、時には書棚にあるお薦めの本を紹介したりしていたなあと、懐かしい記憶を蘇らせてくれたビブリオバトル観戦ともなりました。
お薦めの一冊コーナー
このコーナーでは、福島県立図書館司書のお薦めの一冊を御紹介します。
おすすめの一冊 『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか ― 新美南吉の小さな世界』 (畑中章宏/著 晶文社 2013)
「北の賢治、南の南吉」と称される児童文学作家・新美南吉(1913年ー1943年)の『ごん狐』は、半世紀以上にわたり国語教科書に掲載されてきました。
困難な時代のなかで彼が生み出した作品には、どのような思想が宿っているのでしょうか。
本書は、新美南吉の作品世界から発せられる問いかけに、今日的な意味を見出そうとしています。
県立図書館024-535-3218
http://www.library.fks.ed.jp/
学校自慢コーナー
このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。
『地域に根ざし,生きる力を育む舘岩小の教育』
南会津町立舘岩小学校
南会津の雄大な自然に囲まれた本校では、地域の豊かな環境を“価値ある教育資源”として有効活用することに力を入れています。そこから「舘岩小ならではの実践」を創造し、子ども一人一人に“地域を愛する心”と“生きる力”を育む教育活動を推進しています。
南会津町立舘岩小学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
『地区No.1の中学校を目指して 』
鏡石町立鏡石中学校
本校では、生徒と教職員全員が「地区No.1の学校になる」を合言葉に諸活動に取り組んでいます。その一つである本校の清掃活動は「無言清掃」が徹底されています。また「町内公園の美化活動」を行い、自分たちが住む町をきれいにしようとする意識を高めました。
鏡石町立鏡石中学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
鏡石町立鏡石中学校のホームページへ
『地域に元気を発信!~地域と共に歩んできた112年の歴史と伝統、そして新たな挑戦~』
福島県立相馬農業高等学校
112年の歴史と伝統を誇る本校は、地域とともに歩んできた農業高校です。
震災後の本校は、地域は元より全国、世界中の皆さんに支えられながら「地域に元気を発信!」を合い言葉とし、生徒・教職員が一丸となって、学習活動に取り組んできました。「質実剛健」、「明朗闊達」、「不屈敢行」の校訓を胸に、社会の情勢が変わろうとも、困難に屈することなく果敢に立ち向かう「相農魂」は、不易のものとして継承していきます。
今年度も地域に開かれた、地域と共に歩む学校づくりを目指していきます。
福島県立相馬農業高等学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立相馬農業高等学校のホームページへ
『遠野の風に未来を乗せて ~高校生が汗を流す復興活動と地域づくり~』
福島県立遠野高等学校
震災から復興しつつある地元遠野町を広く知ってもらうため、また、風評を払拭するため、「東京キャラバン」で地域の方々と共に東京で遠野町と特産品などをPRしてきました。
福島県立遠野高等学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立遠野高等学校のホームページへ
お知らせ
ここからは11月のお知らせコーナーです。
会津自然の家からのお知らせ
ウィンターフェスティバルを開催します!
期間: 平成28年1月23日(土曜日)、24日(日曜日)
募集: 平成27年12月1日(火曜日)から19日(土曜日)
会場: 福島県会津自然の家、猪苗代スキー場
参加対象:県内在住の小中学生とその家族160名
(県北・県中・県南:50名 会津・南会津:50名 いわき・相双:60名)
※スキー体験やソリ・チューブ遊び、雪と親しむ活動を行ったり、会津の民話を聞きます。
会津自然の家 0242-83-2480
http://www.aizu-nc.fks.ed.jp/
まほろんからのお知らせ
まほろん感謝デーを開催します!
期間: 平成27年12月6日(日曜日)
会場: まほろん(福島県文化財センター白河館)
まほろん 0248-21-0700
http://www.mahoron.fks.ed.jp/
施設財産室からのお知らせ
広告を募集しています!
県教育委員会及び県立図書館のHPのトップページに掲載いただける広告を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください。
→ http://www.pref.fks.ed.jp/koukoku/index.html
ふくしま教育総合ネットワーク(FKS)からのお知らせ
市町村教育ポータルサイト導入支援実施中
現在利用している市町村の一覧
→ http://www.web-meeting.gr.fks.ed.jp/?page_id=1126
導入サポートサイトQ&A
→ http://www.web-meeting.gr.fks.ed.jp/?page_id=1124
※導入後のお問い合わせは、情報教育チームにお願いします。
福島大学からのお知らせ
ぜひ御参加ください!
「21世紀の教員力・学校力・教育力の創造~教育実践福島ラウンドテーブルからのスタート~」
期日:平成27年12月19日(土曜日) 9時30分から16時30分 受付開始 9時00分
会場:コラッセふくしま 企画展示室(3階)
内容:
第1部 地域の未来を拓く創造的教育復興 ~地域・学校・大学の新しい協働~
第2部 地域が変わる 学校が変わる 授業が変わる
プログラムやお申込み方法の詳細は、こちらを御覧ください。
→ http://hdc.educ.fukushima-u.ac.jp/kyoikufukkou
金融広報中央委員会、福島県金融広報委員会からのお知らせ
「先生のための金融教育セミナー」(福島)を開催します!
期日:平成28年1月6日(水曜日)
会場:コラッセふくしま
内容:児童生徒にお金との正しい関係を伝え、社会を生きる力を育むために、金融教育について
考えることをテーマに、基調講演や実践発表、ワークショップなどを通じて、金融教育の実践に向けた手がかりをご紹介します。
プログラムやお申込み方法の詳細は、こちらを御覧ください。
→ http://www.shiruporuto.jp/event/2016/16semi/
編集後記
「ふくしま教育の日」(11月1日)に橘高校で開催された教育フォーラムでは、テーマ「スポーツがつなぐ絆、そして未来」について、300名を超える多くの方と思いを共有することができました。
中学生から大学生までの意見発表者5名はいずれも確かな目標を掲げ、日々強い意志をもち、努力しておられていて、参加者からは「目標に立ち向かっていて輝いている」と賛辞の声が出ました。
私自身は、忙しさという隠れ蓑に甘んじて、いつのまにか努力することすら忘れて目標に向き合いきれていないことを反省。気持ち新たに挑戦を誓いました。
スポーツを突き詰めれば突き詰めるほど、怪我やスランプなどの挫折を味わいます。劣等感、嫉妬など負の感情に苛まれることもあります。
それらを乗り越え、また目標に向かってまっすぐに努力し、挑み続けている人は美しく、力と勇気を与えてくれます。その姿勢、心意気が人をつないでいくのですね。
「見る」「する」「支える」―どんな形であれスポーツと関わりながら、勇姿に励まされたり、自分を磨いたり、誰かの夢を支えたりしながら生きていきたいものです。
教育総務課長 大類 由紀子(おおるい ゆきこ)
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