会津地方10(喜多方市):巡りあう(ハマナカアイヅ)
読書の秋、食欲の秋、実りの秋。
黄金の季節はまた巡ってきました。
気が付けば、金色に染まる雲が流れていました。
福島の風景は、いつも私を癒やしてくれています。
木漏れ日を浴びる落ち葉の道を抜けると、目的地にたどり着きました。
去年(2013年)10月のJETスタディツアーでお世話になった農家民泊「大川荘」に再訪しました。
その日は、いわき明星大学に留学していた張さんと一緒に宿泊しました。
張さんとは、2014年6月に行った留学生スタディツアーを通じて友達になりました。2009年から留学していたことから、震災以前の福島の様子などとても大事な情報も教えてくれました。
9月末に帰国を控える彼女は、どうしても福島で思い出を作りたがっていました。私に相談した結果、ふたつのスタディツアーをきっかけに知り合った人たちを結び付けることにしました。
一年ぶりの再訪ですが、宿主の渡部さん夫婦は変わらぬおもてなしで私たちを受け入れてくださいました。
農家民泊ならではの料理、ならではの歓談、ならではの居心地良さがあります。
食事の時、別の宿泊者の北村さんが出身地の地酒を振る舞いながら、話を盛り上がりました。
北村さんは、高校ボート競技大会のボランティアスタッフとして全国に飛び回っており、その日は喜多方市で開催される東北高等学校選抜ボート大会の運営に協力するため現地で宿泊したとのことです。
さらに、渡部さんが喜多方市にボート場があり、これまで数多くの全国大会や東北大会を開催してきたことについて、紹介しました。
正直、これらの情報は、はじめて聞きました。
喜多方市と言えば「蔵のまち」のイメージが強いですが、実は市自体は「ボートのまち喜多方」のスローガンも宣言しています。
町の魅力は、やはりその町を熟知している住民が一番分かっています。
この住民たちと接することによって、町の魅力を発見する一番の近道になると思います。
この記事が公開される時には、ボート大会は終わり、張さんもすでに帰国しました。
しかし、一泊とはいえ、あの日私たちが語り合い、笑い合った思いはこれからずっと心に残っていくと思います。
巡りあう人、巡りあう季節。
この秋に、ふくしまを通じて編み出した絆は、また強くなったような気がします。
(投稿者:徐)