会津地方19(金山町):出動!雪かたし隊!(ハマナカアイヅ)
応募、そして...
- 「決して一人で除雪するべからず」
- 「不用意に軒下に近づくべからず」
- 「ハシゴかけ屋根登るまでが肝要と心得よう」
このような注意書きを読みながら「今回は大丈夫なのかな」と心配していました。
福島県では冬には雪が多く、特に奥会津の豪雪地帯では除雪が住民の日常生活の一部と言っても過言ではありません。
私は2年間以上福島に住んでいますが、これまで除雪の経験がありませんでした。
それで除雪ボランティア募集のチラシを頂いた時、私たち交流員はすぐ申し込みました。
しかし。
資料が届いたら、上記の箇条書きのような除雪の危険性に関する注意書きがいっぱい載っていました。
雪かたし体験
町に着いたら、簡単なオリエンテーションを受け、雪かきの基本を学びました。
雪を潰さずに、ブロック状に取り出すのが秘訣です。
土日にわたり、二軒を訪れ、雪かきの手伝いをしました。
今年は暖冬ということもあり、例年より雪が少ないと住民に言われましたが、雪がほぼ降らないニュージーランド育ちの私にとって、それでも十分多いように感じました。
寒さがちょっと心配でしたが、作業に入れば体がすぐ温まり、気持ちよく雪かきに取り組むことができました。雪かきの装備ですが、やはり防水性のある手袋と長靴が必要不可欠です。
金山町について
金山町は福島県の奥会津地域に位置しており、人口2,000人あまりの小さな町です。
町には日本の原風景が残っており、昔のままの自然溢れる景色が楽しめます。
しかしこの小さな町は日本社会が直面している課題の真っ先に立っています。
日本の高齢化問題です。町民の半数以上が65歳を超えており、日本では高齢化が最も進んでいる町になっています。
それで町が日本における地方創生のモデルを目指し、観光客や新しい住民の呼びかけに取り組んでいます。
町の特性を活かして「天然炭酸水」
福島県は温泉で知られていますが、金山町では温泉の他に貴重なものが湧き出しています。
それは天然の炭酸水です。誰でもが自由に水を汲むことができます。他県から水を汲みに来る方が出る人気ぶりです。
町が炭酸水を商品化しており、2年連続モンドセレクション最高金賞を受賞しています。こういう町の特性を活かした取組みは観光客や新しい住民に繋がります。
日本を考えると多くの人が東京のような大都市を思い浮かべます。最先端の技術が溢れる近代都市。
確かに、それを魅力的に感じるかもしれません。しかし「何もない」地方だって十分魅力があると思います。
日本の原風景、長い歴史から生まれた伝統文化、温かいおもてなし、東京ではなかなか味わえないものがたくさんあります。新しい技術などは他の国にでもすぐに導入され、当たり前になります。
しかし一方で、歴史、伝統文化、地方ならではのおもてなしは日本にしか存在しない財産です。
技術の発展が進む中、このような伝統的な魅力を守り、大事に育てるのがますます重要な課題になってきます。
日本を訪れる機会があれば、ぜひ東京だけではなく、地方にも足を運びいただいて、様々な魅力を体験してください。
(投稿者:ウィリアム)