福島第一原子力発電所1~3号機の原子炉注水量の低下事象について
これまでの経過
(1) 平成24年8月30日、東京電力(株)福島第一原子力発電所から、1~3号機の原子炉注水流量が、原子炉の冷却に必要な注水流量を下回ったので、原子炉施設保安規定で定める「運転上の制限」を満足していないと判断したとの通報を受けました。その後、流量調節弁を調整することにより各号機の流量は回復したものの、依然として流量が減少する傾向が継続しており、東京電力では原因究明の調査を進めています。(9月3日現在)
⇒東京電力から受けた通報連絡内容について(平成24年9月3日21時00分現在)[PDF形式、148KB]
(2) 平成24年9月13日、東京電力から、原因が特定され、対策を実施した結果、注水量が安定したことから、保安規定に定める運転上の制限内への復帰を判断(16時)したとの連絡がありました。
【原因】
原子炉冷却水の移送ホースの信頼性向上対策のため、塩化ビニール製からポリエチレン製に交換する作業を行った際、配管の加工において発生した「微小な破片(大きさ約1cm程度)」が、貯水タンクに混入し、流量調整弁で目詰まりを起こし、冷却水の流れが妨げられ、注水流量が低下した。
【対策】
貯水タンク内の清掃を行い、混入した微小な破片の回収、除去を実施し、水質分析により、タンク内の冷却水の水質は、以前と同等な良好な状態になっていることを確認した。
必要注水流量は確保され、各号機の原子炉圧力容器温度等のデータについても有意な変動は確認されておりませんが、平成24年8月31日、県として、東京電力に対し、引き続き、監視を強化しその状況を速やかに報告するとともに、早急に原因を究明し必要な措置を講じ、冷温停止状態の安定的維持に万全を期すよう求めました。
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