中長期ロードマップにおける作業従事者登録数の記載に係る厳重抗議

　福島第一原子力発電所1～4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップにおける“作業従事者登録数”について、事実と異なる記載がなされたことに関して、11月6日(火曜日)、県は資源エネルギー庁及び東京電力(株)に対して厳重抗議を行い、事実関係を調査し、速やかに回答するよう求めました。

　その後、11月16日(金曜日)、資源エネルギー庁及び東京電力(株)より、記載に関しての調査結果の報告を受けました。

判明した経緯

　平成24年11月5日における一部報道にて、本年7月に示された「福島第一原子力発電所1～4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」において、「2012年5月時点において福島第一原子力発電所に従事登録している作業員数は約24,300人となっており、要員の不足は生じない見込みである。」と記載されているが、実際には現時点で約8,000人の登録しかないことが判明しました。

東京電力(株)への確認内容

　その後、平成24年11月5日夜、県は東京電力(株)に対して、事実関係の確認を行いました。その結果、下記のような説明を受けました。

中長期ロードマップに記載されている「約24,300人」というのは、震災以降から今年5月時点までの累計であり、これまでに従事者登録を解除した人数も含むものである。
現在、実際に登録しているのは約8,000人である。

県の対応(厳重抗議)

厳重抗議

　廃炉作業人員の確保については、中長期ロードマップの信頼性に大きくかかわるものであることから、下記のように、資源エネルギー庁と東京電力(株)を召致し、マスコミ公開の場で厳重抗議を行い、当該記載にある事実関係の把握の経緯や、今後の廃炉作業の推進に向けた要員確保の取組方針等を速やかに回答するよう求めました。

東京電力(株)への厳重抗議

厳重抗議（東京電力）

日時　平成24年11月6日(火曜日)　17時30分から
場所　自治会館303会議室
概要
　荒竹生活環境部長から、東京電力(株)　新妻常正常務執行役に対し、厳重注意するとともに、(1)事実関係の把握の経緯、(2)事実関係を把握しながら、中長期ロードマップの訂正や公表を怠ってきた経緯・理由、(3)今後の廃炉作業の推進に向けた要員確保の取組方針について、速やかに回答するよう通知しました。
⇒廃止措置等に向けた中長期ロードマップにおける東京電力の要員計画に関する記載について（通知） [PDFファイル／42KB]

資源エネルギー庁への厳重抗議

厳重抗議（資源エネルギー庁）

日時　平成24年11月6日(火曜日)　17時30分から
場所　自治会館303会議室
概要　
　荒竹生活環境部長から、経済産業省資源エネルギー庁　荒川嘉孝東京電力福島第一原子力発電所中長期対策官　福島双葉地域担当官事務所長に対し、厳重注意するとともに、(1)事実関係の把握の経緯、(2)事実関係を把握していたとすれば、中長期ロードマップの訂正や公表を怠ってきた経緯・理由、(3)今後の廃炉作業の推進に向けた要員確保の取組方針について、速やかに回答するよう通知しました。
⇒廃止措置等に向けた中長期ロードマップにおける東京電力の要員計画に関する記載について（通知） [PDFファイル／43KB]

調査結果報告書の受理

　上記のように、調査結果について速やかに回答するよう求めていたところですが、11月16日(金曜日)、資源エネルギー庁及び東京電力(株)より、調査結果について、下記のとおり報告がありました。

資源エネルギー庁からの調査結果の報告

調査報告書受理（資源エネルギー庁）

日時　平成24年11月16日(金曜日)　16時00分から
場所　県庁西庁舎8階　801会議室
概要
　資源エネルギー庁荒川嘉孝東京電力福島第一原子力発電所中長期対策官　福島双葉地域担当官事務所長から調査結果の報告を受けました。
　なお、調査結果報告の中で、「福島第一原子力発電所1～4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」における要員計画の記載について、平成24年11月16日付けで訂正するとの話がありました。
⇒廃止措置等に向けた中長期ロードマップにおける東京電力の要員計画に関する記載について [PDFファイル／185KB]
⇒東京電力(株)福島第一原子力発電所1～4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを訂正しました(資源エネルギー庁) （リンク切れ）

東京電力(株)からの調査結果の報告

調査報告書受理（東京電力(株)）

日時　平成24年11月16日(金曜日)　16時00分から
場所　県庁西庁舎8階　801会議室
概要
　東京電力(株) 新妻常正常務執行役から調査結果の報告を受けました。
⇒廃止措置等に向けた中長期ロードマップにおける要員計画に関する記載について（回答） [PDFファイル／281KB]

県からの申し入れ

申し入れ

　報告の受理に当たり、荒竹生活環境部長は、国と東京電力に対して、信頼関係を損ねることのないよう、次の3点を求めました。県としては、引き続き、国と東京電力の対応を確認してまいります。

今回のような事案は、中長期ロードマップの根幹にかかわるものであり、記述に疑義が生じた時点で、しっかりと精査すること。
要員が安定的に確保できると判断する根拠について、分かりやすく説明すること。
作業員の被ばく管理の徹底を図りつつ、安定的な要員確保の取組を強化すること。