アニサキス食中毒にご注意ください
印刷用ページを表示する 掲載日:2018年7月5日更新
アニサキス食中毒にご注意ください
1.福島県で多発しています!
- 平成29年は11件、平成30年は6月末時点で30件のアニサキス食中毒が報告され、増加傾向となっています。
- なお、県内の発生地域に大きな偏りは見られません。
2.アニサキス食中毒について
【アニサキス(幼虫)の特徴】
- 線虫の一種で、長さ2~3cm、幅0.5~1mmの白い糸のように見えます。
- サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの様々な魚介類に寄生します。
- 魚介類の内臓に寄生したアニサキスは、鮮度の低下と共に筋肉に移動するとの報告が知られています。
アニサキスの幼虫 | サバの内臓への寄生状態 |
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【アニサキス食中毒の症状】
アニサキス幼虫が寄生している鮮魚介類を食べた後、胃壁または腸壁にアニサキス幼虫が刺入し、アニサキス症となります。報告される症例のほとんどは胃アニサキス症です。
- 急性胃アニサキス症 : 数時間から十数時間後にみぞおちの激しい痛み、吐気や嘔吐を呈します。
- 急性腸アニサキス症 : 数十時間から数日後に激しい下腹部痛、腹膜炎症状を呈します。
鮮魚介類の喫食後、激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください。
3.アニサキス食中毒の原因魚種について
【カツオに注意】
- 福島県内のアニサキス食中毒で原因魚種が特定又は推定された38事例のうち、25事例についてはカツオが原因でした。
- 昨年までは、9月から12月にかけて患者が報告されていますので、今後も注意してください。
- なお、アニサキスはカツオ以外の様々な魚種にも寄生しますので、季節に関係なく注意が必要です。
4.予防対策について
【重要な対策】
アニサキス食中毒を予防するためには、以下の対策が重要です。
- 冷凍処理 ; -20℃で24時間以上の冷凍
- 加熱処理 ; 60℃で1分間以上、70℃以上であれば瞬時
【それ以外の対応】
上記が重要で確実な対策ですが、実施困難な場合は以下の対策を実施してください。
- 魚を丸ごと1匹で購入又は仕入れた際は、速やかに内臓を取り除く
- 目視でアニサキスの幼虫を除去する
【注意点】
- 購入又は搬入後、速やかに内臓を除去しても、水揚げから長時間経過していた場合は、アニサキス幼虫がすでに内臓から筋肉へ移動している可能性があります。
- イカやアジなどに比べ、比較的厚めにスライスされるカツオは、アニサキス幼虫を目視で発見することは困難です。
- 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。