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会津地方02(会津坂下町): 人情味溢れる酒蔵~その2~(ハマナカアイヅ)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年3月26日更新

酒造りの工程

 日本酒作りの工程の一つひとつは、実に深い。

 その工程はまず酒造好適米を精米するところより始まる。普通酒で70%前後、吟醸酒で60~50%、大吟醸ともなれば50%以下まで磨く必要がある。曙酒造では、郡山市の業者さんに依頼し、委託精米を行っているという。

 続いては「洗米」。米を洗う作業に入るわけであるが、繊細な米粒だけに作業は慎重を要する。曙酒造では、機械で精米を均等(誤差わずか0.001キロ前後という)にバケツに入れ、洗米を行っている。それは、のちの工程「蒸し」で蒸しあがった時にさばけがよく、外側が硬めに、内側は麹が食い込みやすいように軟らかく、仕上げたいが為である。
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誤差を最小限に抑えた電子秤

すべての工程は従業員が丹念に行う

 程よく水分を含んだ米は、甑(こしき)と呼ばれる大きな蒸し器で蒸される。蒸しあがた米は丁寧に掘り起こされて放冷場に運ばれ、一定の温度まで下がると、「麹づくり」のため、また麹室に運ばれることになる。

 うまい酒造りの鍵を握っているのが麹で、その出来映え次第で酒の質が左右される。麹室の温度は、30度前後に調整されていて湿度は高めである。これは、麹カビが生育しやすい環境を保つためである。蒸し米を台の上に広げ、水分を蒸発させた後に、種麹の植え付けである。この手順を、蔵人たちは約2時間おきに行い、24時間態勢で寝ずに番をする。このことが、昔から「杜氏は麹と寝る」と言われる所以である。
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蔵人による種麹の植え付け

出来上がった麹米は乾燥室にて保存

 こうしてできた麹は、しばらく乾燥させ酵母、蒸し米、水といっしょにタンクに入れ、「酒母(しゅぼ)」として仕込まれる。さらに、できた酒母に麹、蒸し米、水を加えて「醪(もろみ)」を仕込む。曙酒造では、麹や蒸し米は一度に加えず、「添え」・「中」・「留」と、日を追って三回に分けて加える。これを「三段仕込み」といい、雑菌の汚染を防ぎ発酵をスムーズに行わせる、日本酒独特の技法である。

 「留」の工程から25~30日間の発酵期間を経って、熟成した醪を圧搾して、酒と酒粕に分ける作業(「しぼり」)が行われる。醪を布袋に入れ「ふね」と呼ばれる箱型の容器に積み上げ、上から圧力を加えると槽の底の管から「ふな口」とよばれるタンクに流れ込みという具合である。
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仕込中の酒母 

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わかりやすい「三段仕込み」の工程

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しぼりに使われる容器「ふね」

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「ふな口」から流れ込む清酒

 長らく述べていたが、この時点で出来た代物ははじめて「清酒」と呼ばれるそうで、後に「滓引き」(ろ過)、「火入れ」(加熱殺菌)、「瓶詰め」などといった工程を経って、ようやく日本酒の成品になるという。

<その1>  <その3>  <その4(おわり)>

  

(投稿者:徐)

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