2号機燃料デブリの試験的取り出し
震災発生時、福島第一原子力発電所では運転中だった1~3号機は自動停止しましたが、その後津波の影響によって原子炉内燃料の冷却が停止したことで高温となり、燃料が溶融しました。溶融した燃料は、燃料を囲む構造物や圧力容器も溶かし、格納容器の底部に溜まっていると推測されています。
燃料デブリの取り出しを進めていく知見を得るために、まずは2号機で試験的に少量の燃料デブリを取り出して性状分析を行い、その後段階的に取り出し量を拡大していく計画となっています。
試験的取り出しの着手時期については、中長期ロードマップでは当初令和3年内の予定でしたが、海外での開発が新型コロナウイルスの影響で遅れたことやロボットアームを通す配管内の堆積物除去(令和6年1月より開始)、ロボットアームの調整に時間がかかっており、予定よりも2年以上遅れ、遅くとも令和6年10月頃を見込むとされております。
燃料デブリの取り出し方針・方法の詳細については、経済産業省のHPにて御確認ください。
【参考】
原子力用語集
廃炉作業全体の計画については、福島第一原子力発電所の廃止措置状況を御確認ください。
会議の結果
福島県では、2号機燃料デブリの取り出しについて、会議で進捗を確認しています。下表記載の会議の他、廃炉安全確保県民会議においても、廃炉作業の進捗について適宜説明を受けています。
会議 | 開催日 | 2号機燃料デブリ取り出しに関する議題 |
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第56回(平成29年度第3回)廃炉安全監視協議会 | 平成29年9月7日 |
・【原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)】技術戦略プラン2017について |
第59回(平成29年度第6回)廃炉安全監視協議会 | 平成29年10月27日 | 中長期ロードマップの改訂について (燃料デブリ取り出し方針決定) |
第72回(令和元年度第5回)廃炉安全監視協議会 | 令和元年12月5日 | 中長期ロードマップの改訂について (初号機の燃料デブリ取り出し方法決定) |
第75回(令和2年度第3回)廃炉安全監視協議会 | 令和3年3月8日 | 2号機に係る状況(PCV内部調査および燃料デブリ試験的取出しの準備状況について) |
令和3年度第3回福島県原子力発電所安全確保技術検討会 | 令和3年12月24日 | 分析・研究施設第2棟(燃料デブリの分析を行う施設)の耐震クラス設計の考え方について |
第91回(令和5年度第4回)廃炉安全監視協議会 | 令和5年11月17日 | 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の準備状況について |
第92回(令和5年度第5回)廃炉安全監視協議会 | 令和6年1月31日 | 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の準備状況について |
中長期ロードマップについては、廃止措置に向けた取組(経済産業省)を御確認ください。
現地調査の結果
調査報告書 |
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令和5年11月8日 |
【参考】福島県原子力安全対策課現地駐在
福島県では、東京電力ホールディングス株式会社の廃炉に向けた取組等の確認体制を強化するため、平成26年4月1日から、楢葉町内に原子力安全対策課職員が常駐し、現地確認やトラブル時の迅速な情報収集を行っています。なお、重大なトラブルが発生した時には休日・夜間も現場確認ができるように体制を整えています。
本ページで取り上げた2号機燃料デブリの試験的取り出し作業だけでなく、日々行われている廃炉作業の進捗についても確認しております。
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