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増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染に対する申し入れ

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年8月16日更新

 令和5年10月25日、増設多核種除去設備(増設ALPS)にて、クロスフローフィルタ出口配管内の洗浄作業を実施していたところ、洗浄廃液を移送していた受入タンク内から仮設ホースが外れ、近傍で作業していた作業員に洗浄廃液が飛散した。洗浄作業に携わった作業員5名の内4名に身体汚染が発生し、内2名に対して除染を行ったが退出基準(4Bq/cm²)以下まで除染が困難であったことから、福島県立医科大学付属病院へ搬送された。鼻腔スミアにより内部取り込みがないこと、また、医師の診断結果から放射線障害による熱傷の可能性は低いと判断された。

 事故発生の原因として作業員の内2名は適切な装備をしておらず、現場の作業管理に問題があった。また、東京電力からの発信が当初洗浄廃液の飛散量が100mlと伝えられていたが、その後の作業員からの聴き取りから数Lに変更になった。さらに、当初作業員は、1次下請5人と伝えられていたが、3次下請5人と訂正があったことから東京電力の情報発信の正確性に問題が見られた。

 このことから県では令和5年10月31日(火曜日)に開催した福島県廃炉安全監視協議会労働者安全衛生対策部会において、下記のとおり東京電力に対し申し入れを行いました。

概要

  • 日時 令和5年10月31日(火曜日)14時25分
  • 場所 県庁北庁舎 2階 プレスルーム
  • 申入者 
    • 危機管理部 政策監 鈴木 晶(福島県廃炉安全監視協議会労働者安全対策部会長)
  • 相手方 
    • 執行役員 福島第一廃炉推進カンパニー バイスプレジデント 阿部 俊一

    申し入れ

東京電力からの報告内容

申し入れ内容

  • ガス発生や廃液の飛散、身体汚染が発生した原因を究明し、再発防止対策を行うとともに、高濃度の放射性物質を取り扱う現場であることを再認識し、作業に応じた防護装備や危険予知等による作業安全の確保を徹底すること。
  • 複数の協力企業が関わる共同作業について、作業計画、現場の工事監理、事故災害発生時の報告等の総点検を行い、その結果を他の作業にも水平展開して、安全管理体制を構築すること。
  • 今回の情報公開においては、内容の正確性や信頼性を欠く部分が見られたことから、その原因について調査するとともに、正確な情報発信に責任をもって取り組むこと。

 

申し入れに対する東京電力の対応

東京電力からの説明

【これまでの経緯】

 
令和5年11月17日

第91回(令和5年度第4回)廃炉安全監視協議会

〇東京電力から発生状況の原因究明及び今後の対応について以下の通り報告を受けた。

<発生状況の原因>

予定にない弁操作の実施、不十分なホースの固縛位置、現場管理体制の不備(作業班長の不在、防護装備の未着用)

<今後の対応>

設備面では、弁開度調整操作の禁止を徹底、洗浄廃液が飛散しない恒久化した設備構造を行う。恒久化対策が整うまでの間は、モックアップにより固縛位置を確定する。作業員に対しては、放射線防護のふるまい教育を実施し、現場の作業体制・適切な防護装備の着用などの理解を図る。

令和6年1月31日

第92回(令和5年度第5回)廃炉安全監視協議会

〇東京電力から以下の通り説明を受けた。

・社員による現場確認強化、協力企業への再教育、危険な薬品を扱う場合の飛散防止強化を実施し、再発防止に取組む。 

・設備の改善策として、ホースの固縛位置、差し込み長さの再設定を行う。

(参考)原子力規制庁からの説明

原子力規制庁から東京電力の実施計画に対する問題点と暫定評価(実施計画の違反(軽微)について以下の通り報告を受けた。

・東京電力の再発防止策について検査を続けており、防護指示書と現場実態が合っているかの確認を行っている。

・協力企業への再教育、洗浄廃液の飛散防止設備に係る対策の状況など、一部について改善されていることを確認している。

・2月の原子力規制委員会において、最終評価を行う予定である。

令和6年2月26日

第36回(令和5年度第3回)労働者安全衛生対策部会

〇設備の再発防止対策について現場状況を確認した。​

〇東京電力から発生要因を踏まえた対策(防護指示書と現場実態の整合性確認、計画段階における安全対策の強化、防護教育の強化)の実施状況について説明を受けた。

(参考)原子力規制庁からの説明

原子力規制庁から保安検査において、実施計画の違反に至った項目について、再発防止に係る改善が図られているものと判断したことから、洗浄作業を再開しても差し支えないと判断したとの説明を受けた。

令和6年6月14日

第37回(令和6年度第1回)労働者安全衛生対策部会

〇東京電力から設備面の恒久対策(洗浄液を配管内で循環させることにより、構造的に外部漏洩が発生しない設備改修)について検討中であること。今年度中に設計や資材調達を進め、来年度の配管洗浄作業は恒久化した設備で行うことについて説明を受けた。

原子力規制庁から応急的な再発防止(廃液ホースの固定方法改善)が妥当であるとの評価を受け、本年3月に配管洗浄作業を再開し、無事に終了している。において、実施計画の違反に至った項目について、再発防止に係る改善が図られているものと判断したことから、洗浄作業を再開しても差し支えないと判断したとの説明を受けた。

 

今後の対応

楢葉町駐在職員による現地確認を継続してまいります。

 

 

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