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森林(もり)との共生を考える県民懇談会(第6回)発言要旨についてお知らせします

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

意見交換における発言の概要

【座長】
 今日が最後の懇談会。これまでの5回の会議で出た意見をまとめた案について、最終的なとりまとめをしたい。

県民参画の新たな枠組み~森林・林業の活性化をめぐる書き込み方について

【委員】
 「県民一人ひとりが参画する森林づくり」というのは、森林ボランティアのように体を使って汗を出すこと、政策づくりや事業づくりに知恵を出すこと、お金を出すことの3つだと思う。
 ところが、第4の2のタイトルが「森林・林業の活性化」とあり、これは収まりが悪い。これを、森林・林業の活性化に向けた「政策づくり、事業への参画」という表現にすれば、表題に合うのではないか。
 なお、「おわりに」では、汗をかくことと、お金による支援とでまとめられているが、知恵を出すことも入れたら良いと思う。
 本文でも、「第4 県民一人ひとりが参画する森林づくり」の始めに、県民参画というものは、汗をかく、知恵を出す、お金を出すの3つがあって、その3つについて懇談会は提言する、と書けば分かり易い。
 さらに、「農山村の活性化と森林・林業の活性化が不可欠であります」と書いてあるが、森を守り育てるためには、森林・林業の活性化が必要であって、そのために県民が政策づくりや事業づくりについて参加し、支援する必要がある、つまり参画を通して森林づくりをやっていくのだということを明確に出した方が良い。

 本文「第2 森林・林業の現状と課題」最後のフローチャートで、右側「新たな枠組みの構築」の中に「県民参画の推進」と「森林・林業の活性化」が同格に書いてある。県民参画の推進には森林・林業の活性化に向けた施策づくりへの参画が含まれているのだから、「県民参画の推進」だけで良い。森林・林業の活性化とだけ言ったら従来からの施策の枠組みではないか。

【座長】
 森林・林業の活性化自体は、従来の「うつくしま森林・林業・木材産業振興プラン21」に掲げる施策としてずっと続いてきており、それに対する新たな枠組みとして県民参画が加わる。政策形成から県民を締め出そうということではなく、県民参画という形で従来の施策に対しても加わっていけば、予算の使い方も含め切り込んでいくことができる。

【委員】
 おっしゃるとおり。報告書案がそのような構成になっているので、ならばそのように分かり易く書いた方が良い。

【座長】
 第4の最後の図で分かるように、県民の新たな参画というものが、従来の「プラン21」の上に乗っている。県民の新たな参画を通じて森づくりが進められ、それと従来型の施策とが系統的に行われて「森林文化の郷里」が全国に発信できる、というイメージになっている。

【委員】
 企画立案まで入れればより良いのだろうが、懇談会の報告書としては、問題点を把握し、どうあるべきか理想を唱えれば良いと思う。県民一人ひとりが参画するために、森林の管理やお金の使い方をどうすべきか枠組みは示されければならないが、実施の段階では、行政や森林組合、ボランティアなど既存の組織があって、これらの専門的な知識がなければ実行に移すのはなかなか難しい。企画立案まで書けるなら織り込んだ方がよいが、書くだけではだめだと思う。

【委員】
 県民参画とは何かであるが、案には施策や事業に対して主体的に参画するのだと書かれている。しかし、その中身は汗を流すこととお金を出すことになってしまっている。タイトルの県民参画の推進は、文中どこで受けているのかがわからない。
 この施策に、例えばモニターでも良い、何らかの形で県民が加わっていくということを書かないと、労力提供と資金提供が県民参画なのだとなりかねない。

【座長】
 必ずしもそればかりではなく、森林環境学習の推進など、施策例を幾つか、こういう形で参画するのだと示している。

【委員】
 「県民参画の推進」と言うところにヒントがあると思う。例えば今日の会場である「フォレストパークあだたら」は単なるオートキャンプ場ではなく、森林のあり方や森林との関わりを勉強する場でもある。そこに積極的に参加することも県民参画のひとつではないか。ここの利用者がアンケートなどで森林行政に対する意見を述べるというのも企画立案のひとつの形。

【座長】
 例えば森林・林業の活性化に対してどうやって参画するのかというと、森林文化・木の文化という伝統的なものこそが新しい課題だ、という形で提起している。従来型の事業に食い込んで企画立案していくというところまでは、この懇談会では突っ込んで議論していない。

【委員】
 第4の提言部分の4の(2)に、新たに財源運営委員会を設置するとあるが、これには県民が代表で参加するのだと思う。こういった考えが県民一人ひとりの参画に繋がるのではないか。

【座長】
 そういうことだと思うがどうだろう。

【委員】
 これまでの議論では、森林を守り育てるには「森林・林業の活性化」が不可欠ということだった。報告書案には施策などが出ているが、県民がこういったものにどう関わるかを書くとすれば、諸々の施策に対して県民が関わるスタンス、位置づけを明記する必要がある。その実際の施策として、委員会、モニターなどが入ってくると思う。

「県民参画の新たな枠組み」の整理

【座長】
 広葉樹礼賛、針葉樹悪者論の話題があったが、実はそうではなかったとか、奥山の森林というものは素人のボランティアでは手に負えないものでプロの領域がきちんとあるのだということは、恥ずかしいけれど、この懇談会で初めて認識できた。
 県民参画ということを全ての領域で行おうとすると、事実上不可能な領域がある。ところがその事実そのものを県民があまり知らない。それも含めて、福島県の森林はどうなっているのかを知るということ、これこそが参画だというところに、この懇談会はたどり着いた。
 それぞれの領域で「プラン21」に基づく施策が講じられているが、これがなかなか大変であり、そこに新たな提言をするにあたって、従来の施策に絡め取られるような形で案を出しても結局は焼け石に水。新しい税を導入しても今までの予算の10%増しになるとも思えない。そこで、別の視点からプランを考えようというのがこの懇談会の結論だったと思う。
 だから、森林・林業の現状を県民が知らないといけない。知ってもらった上で意識を高めてもらう、そのためにいろいろな運動をしていく、そこが目玉ではないか。意識や関心を向ける第一歩として、ここで出したような提案をしていくということが最終的なものだと思う。

【委員】
 それは承知しているが、第4のタイトル「県民一人ひとりが参画する森林づくり」と記述の内容を合わせなければまずい。合わせるとしたら「森林・林業の活性化」を削ると非常に分かり易い。入れるとしたら、その関係を書かないとタイトルと中身とが合わない。基本的なフレームについては問題ないと考えている。

【委員】
 報告書の構成は、「はじめに」で課題が垣間見え、次に「第1 森林・林業の現状と課題」を前提として「第2 県民のいろいろな意向」があり、それらを踏まえて「第3 あるべき森林・林業の姿」を捉える、そして「第4 県民一人ひとりが参画する森林づくり」の提言となる。
 第4は、あるべき姿に向けて県民一人ひとりが参画する形で行こうではないか、そこで憲章を作って、その上で県民参画を推進しようという構成である。細かいところは別としてこれで良いと思う。
 くどいようだが、森林・林業の活性化がそのままここに入ってしまうのは、ちょっと違う。森林も林業も活性化しなければならない、従来からやってきたがより強く県民参画という方向付けをして行きたい、ということがこの懇談会の意向。
 そうすると、知恵を出そうということに対応して「森林文化の育成」があり、施作例として次代を担う青少年のための環境学習をしよう、とある。ところが、募金では足りないし公共事業でもやりきれない、だからちょっとお金を出してください、という構成にすれば良いのではないか。

【委員】
 森林を守るためには森林・林業の活性化は重要で、そのための戦略として県民参画が重要である、つまり、まず活性化という命題と目標があって、そのために参画できますよね、という流れかと思う。報告書案だと県民参画の中に森林・林業の活性化が入ってしまう。森林・林業の「活性化」を「活性化への参画」とかフォローしておけば収まるのでは、ということではないかと思う。

【委員】
 確かに農山村に人がいないと森林・林業は発達しないが、懇談会としてここまで踏み込むのは大きすぎやしないか。森林・林業の持続的な発展のくだりはよいが、林業や農山村の活性化は、大きすぎて捉えどころがない。具体的に絞った方が提言として出しやすい。

【委員】
 設置要綱では懇談会の目的は参画だけだったか、新たな施策についての提言というのもこの懇談会の役割だったか… 設置要綱の第2条には「県民全体で森林を守り育てる施策に関すること」とある。報告書案でいう森林・林業の活性化というのは、そういった部分もあるし、そうではない部分もあり、幅広い。

【委員】
 要綱第2条の(2)の「(1)の施策に必要な新たな県民参画のあり方に関すること」が重いのではないか。(1)の新たな施策に関すること、これは提言として出す。これは、ボランティア的な汗の部分で構わない。(2)の新たな県民参画のあり方とは、汗や知恵を出す、反対もあろうがお金を出して参画する、ということではないのか。
 だから「『新たな』とは何か」が重要。異論があるのは当然として、やはり新たな県民参加の施策、従来の施策のすき間のような部分に新たな県民参画の姿で入るためには「新たな財源」というものも必要なのだ、という提言になると思う。なかなか労力も出せない、知恵も出せないという人は費用負担でお願いします、わかりました、ということかなと理解している。
【委員】
 昨日の現地調査で、森林管理署の方は、この辺りの山は間伐をしなければならないが、経費を投入しても売却価格が折り合わないので、予算もないし出来ないと言っていた。やらなければならないことは解っているけれども出来ない、それをどうするかが一番のネック。
 いろいろ考える段階を超え、何らかの手だてをする時期になっている。しかし、一方的にやるわけには行かないから、県民のコンセンサスを得たり理解を得る、あるいは広汎な意見を求める場として、このような県民が参加する懇談会がある。
 その先の県民参画については、汗を出す、知恵を出す、金を出すという意見があったが、その人それぞれのやり方で、ボランティアをやったり意見を提案したりという形での参画になると思う。
 ここでは、こうしてくださいということはまとめきれないと思う。

【委員】
 県民参画の推進といって、知恵を出したり汗をかいたりお金を出すことがなぜ必要なのか、それは、森林と林業を一緒に入れてしまって良いのかどうかを別として、活性化したいから。
 誰かがおっしゃったように、森林・林業の活性化は(県民参画と)別立てではなく、あくまで県民が参画する森づくりの目的ではないかと思う。これを第4の1番目に乗せたらうまくまとまる。目的の下にあるアクションプランが県民参画の推進になって、さらにその下の実行プランが森林環境学習の推進とか文化の復興とかになるのではないか。

文章の構成に関すること

【委員】
 結局、どのように整理したらわかりやすいか、ということではないか。
 「第3 目指す森林・林業の姿」で施策提言が出来るし、第4では森林・林業の活性化に向けて県民一人ひとりが参画するということに言及してもしなくても良い。新たな施策づくりへの提案と、県民の参画の2つがポイントなのだから、第3の方に新たな施策づくりを書いても良い。
 目的は何かだが、「県民一人ひとりが参画する森林づくり」のくだりが「はじめに」と「おわりに」とでトーンが違う。読んでいくうちに「森林文化の郷里ふくしま」を創造したり全国の先駆けとなることが重要なのだとなっていて、目標がずれてくる。「森林との共生」と始まり、基本的には森林・林業の活性化、森林の保全だと言いながら、最後に文化的なことが出てくる。森林・林業の活性化や森林の保全が目的であり、併せて森林文化云々というように、大きな目標を整理した方がよい。今は、「森林文化の郷里」というのが突然出てしまう。
 書くのは良いが、第一の目標、その先の目標、というように順を追って書かなければならない。何のためにやるのかがだんだん広がっているが、基本は森林の保全と森林・林業の活性化をどうするのかではないのか。

【座長】
 この懇談会の構成員を見るとわかるように、ユーザー側の意見が入ることに価値がある。文化として、学習の場として、癒しの場として、いろいろな視点が論点に入ってくるからこそ、このメンバー構成の意義がある。ただ単に、森林・林業の活性化という話なら、現場サイド、技術サイドの人達が集まってやればいいわけで、そうではない構成でそうではない新しい仕組みというものが提案されることには、それなりの意味があるのではないか。

【委員】
 それはわかるが、今の文面では何のために、と言うことが解らない。例えば「おわりに」にある「森林環境保全するための各種施策が確実に推進されることを期待します」のくだりは、途中で出てくることとトーンが合わない。「はじめに」と「おわりに」は分かり易く書かれているが、中段にいろいろ入っていて、読んでいるうちに、ぶれてくるのが気になる。
 だから、目標が何で、何の施策が必要で、ということを今話し合っているが、構成の仕方というか、表現の仕方を直さなければならない。

【委員】
 目標というのはみんなの心の中にある。自ずと自分たちの生活の実態や考え方の違いがあるから、自然や山に向かった対応、必要性もばらばらだと思う。
 それを、大体代表した形で提言として書いているのであり、全て完璧に列記は出来ない。今後施策を実行しみて、問題があればその時点で改善を加えていったらどうか。いろいろな施策をキックオフする際の動機付けとして整理したものが報告書だと思う。条件を整えてスタートしても、Jリーグだっていろいろ変わっているように、ある程度やっていれば変えていくことは当然必要になる。そもそもこのような懇談会を持てたということ自体が進歩だと思う。

【座長】
 この懇談会で出た意見をまとめて県に提出し、県は審議会に諮って、と言う手順になるのでしょうから、はじめに県をつつくものが出せればよい。
 森林・林業の活性化を文化とどう結ぶのかは難しいものがあるが、ただ単に福島の森林・林業をどうやって守り発展させるかだけではない、もう少し広い範囲の中に森づくりというものを位置づけし直してみようということ。そうすれば県民みんなの目が森に向いて関心が移っていく、そのときに現状があまりにもひどい、と言うことになれば、では何とかしようではないかと言う話になる。そのように、なんとか持っていく方法はないかとなると、やはり人の心を育てるということになって、円く流れていくと思う。
 行政関係の方は「新たな財源」ということになろうし、民間から来た委員は「そう簡単に税制は受け入れられない」と言う主張がある。実際に活動している森林ボランティアの委員は「森林のすばらしさをもっと県民にして欲しい」という意見もある。だから、非常に論点の次元がそれぞれに違う角度で出されてきた。
 それをまとめながら、なおかつ新しい施策と言ったら、既に存在している従来の施策とどういう関係になるのかと言う話になる。だから、第3の「森林・林業の目指す姿」も目次上の場所を入れ替えるとか…。

【委員】
 やはり活性化しなくてはいけないから県民一人ひとりが参画する森林づくりになるので、第4の1番目に持ってくるのではなく、第3の目指す姿の中で説明すべき。あるべき姿をきちんとして、そこで県民が参画するんですよ、とした方が分かり易い。

【座長】
 施策の例として示した概念図だが、これは参画のあり方の実例。こういうアイディアも参画のあり方としては、どこに置くかは別にして意味があると思う。

森林・林業の活性化の取り扱い

【委員】
 第4の中で、森林・林業の活性化の位置づけが問題になっている。
 この提言は、今の林業の現状では福島県の森を守りきれないから、ボランティア、その他の施策で守ろう、ということ。そこに、県民一人ひとりが参画する仕組みのひとつとして林業の生業の部分も入っていることが問題になっている。ただ、林業自体の、森林所有者や労働を提供している人達も県民のひとりであるということは間違いない。そう理解していくと、林業という生業を前面に挙げてしまうと諸問題が出るということだと思う。
 林業を行っている人達も県民のひとり。ただ森林を守るために参画するというのも良いのではないかという感じがする。ここでこれを取り立てて動かすのに果たして適当なところがあるのか、というとほかの所に入れるとまた問題が生じる。山に携わっている人も県民のひとりだという考えは出来ないものだろうか。

【委員】
 森林・林業の活性化が、参画の前にある目的だということで、第3の目指す姿に入れた方が話としては分かり易い、ということだった。と言いつつ、活性化するということをちょっと工夫した方が良いと申し上げたのは、施策の例があるので、それはもったいないから。だから、それを分けて書くか、あるいは森林・林業の活性化への「参画」か何かの言葉にしておけば、ある程度落ち着くのかなと思う。

【座長】
 タイトルの要点を、もう少しふさわしい形にするということですね。

【委員】
 参画のひとつとしての林業の活性化ということがぽんと出てくると、それは従来の施策の話でしょう、となってしまう。タイトルを「参画」とかにしておいて、今の活性化自体も強調し、参画も出てくるので両方のことが言える、と言うこともあるのかなと思う。

【座長】
 そんな形で調整させていただいてもよろしいか。

それぞれの書き込みに関すること

【委員】
 気付いたことでは、「はじめに」にある「森づくりの仕組みについてとりまとめた」の「仕組み」はいらない。この懇談会でがっちり固めてしまわずに、今後県が段階を踏んでまとめていけばよい。同様に、第2の現状と課題の最後にある「新たな枠組みの構築」という図表は、文章だけで良い。県民参画の推進と森林・林業の活性化の2本建てになっているから、分かり難くなってしまう。第4章の最初にある「新たな枠組み」も、「新たな取組み」くらいの、柔らかな表現にしてはどうか。
 最後のページに「森林環境を保全する」という言葉があるが、「森林を保全する」が一般的。環境という目的があるのは解るが「森林環境を保全」とはどういうことか判りにくい。森林・林業と繋げて言うようになったのはここ10年くらい。森林というとその公益性を指していて、林業は生業の部分を指している。このような背景を思いながら議論すると、理解の仕方が共通になるのかなという気がする。

【座長】
 森林環境保全を使っているのは、森林環境教育と同じ考え方。多面的な機能、しかも公益的な機能を含めて、森林の学習ではなく森林環境学習と言っている。自分たちの生活に必要な水などを含めて環境という表現になっている。
 第2にある概念図は、全体を見ると解るが、提言が幾つかあり、それをまとめる上で今までにないもの、つまり行政と森林審議会だったものに、もう一つ別の枠を作ったらどうかということなので、それはまさに、枠組みであり、仕組みづくりだろうと思う。
 つまり、森づくりを検討するのではなく、森づくりを進めるためにどういう枠が考えられるかを検討しており、これは今まで考えてこなかったことで、まさに仕組みだということをご理解いただきたい。

【委員】
 先ほどの、林業をやっている人も、林業に携わっていない人も、県民のひとりなんだという考えは、全くその通りだと思う。
 「第2…」に県民の様々な意見が乗っているが、そういういろいろな形の見方があって、いろいろの考え方が出来る、ということを、私は逆に森林審議会に出せたら、この懇談会はとても意義があるのではないかと思う。
 「新しい仕組み」というと、新しいものを新たに設けて作らなければならないと言うイメージが強いが、逆に、今まであったものの見方を変えてみるのも、立派な「新しい仕組み」だと思う。この懇談会は、いろいろな人の意見があって、なかなか整合性をとりにくいだろうが、それをまとめようとするからやりにくいので、一つの視点にとらわれないで、選択肢を提供するだけでも意義がある。
 せっかく「森林との共生を考える県民懇談会」という名前が付いているのだから、ひとつの視点にとらわれないで、利用者サイドの意見、林業者サイドの意見、本当にいろいろな意見がありますよ、と報告すればよい。その代わり実現可能なものを企画立案し実行可能なプランに移すのが審議会であり行政の選択だと思う。その選択肢を提供したということが、この懇談会の意義なのかなと思うがいかがか。

【委員】
 この委員を引き受けたとき、提言という具体的なものを持っていたが、あくまでも懇談会では次へ投げかける事項について検討するのだと思う。
 検討した結果を誰に言うのかというと、知事に対して。それが審議会まで行くのかどうかは別として、検討した結果、例えば、森林文化の創造について検討するようを提言すると、このようなまとめ方が良いのかなと思う。

【座長】
 どちらかといえば今まではサプライサイドからのご意見だったが、ユーザーサイドからの意見を幾つか伺いたい。

【委員】
 活性化については、現状と課題の所と枠組みの構築の中とに入れた方が良いのではないかという意見があったが、森林・林業の活性化は課題の方に入ると思うので、分かりやすい表を作り、環境・経済の下に課題として森林・林業の活性化も入れておくと、内容が分かりやすくなるのではないか。
 いろいろな意見があって、いろいろな人の話があって良い。ユーザーサイドでもサプライサイドでも意見があって、こういう意見を聴いて大変なんだなと言うことが分かったし、私もこれは譲れないと言う部分もある。
 だから、現場の大変な人も、そうではない人も、それを知る形としては良くまとまっていると思う。ここは課題にしておいた方がもっと分かりやすいのではないかと思う。

【委員】
 流れに関連したものではなく、基本的な意見を3点。
 森林の機能の中で、水源のかん養のところに、森林は土壌そのものを形成していることを書き込んだ方が、より森林の機能を的確に言っていて良い。
 森林・林業の目指す姿の中に「森に遊び、学ぶ」とあり、これは今日的な視点であるが、特に癒しと言うことで科学的にも検証されているので、森林の保健、レクリエーション機能の所に精神面、健康面の機能を書き込むと、もっとふくらむ。
 全体的に見て、この素晴らしい森林を観光資源として積極的に活用するという視点が薄いので、第4の施策の例の一文に、「森林の魅力や大切さを広く伝えるエコツアーの振興」のような見出しを立て、森林の達人と合わせたエコガイドのようなものを組み合わせた施策を入れたらどうか。森林を観光的な資源として活用しようとするガイドの仲間も着実に増えているし、裏磐梯は国土交通省が力を入れているエコツアーのモデル地区にも指定されたという追い風もある。

【委員】
 タイトルは「県民一人ひとりが参画する森林づくり」だけで良いのか。森づくりが森林・林業の活性化に繋がっていると解釈するわけだから、括弧書きででも「森林の活性化」などが入っても良いのではないか。
 第4の2の図で「活性化コーディネーター」とあるが、これはどういう人を想定しているのか。行政主導ではなく、農山村のリーダー育成の視点が必要。

【座長】
 コーディネーターは行政に限らない。都市側では森林や農村に対する憧れが非常に強いが、農山村側では人が来ない、人がいなくなるという話をしている。都市と山村が交流すればお互いの利益になり、それが森林を育てていくときのエネルギーになる。その間に立つ人の重要さというものをこの図で示している。
 場合によってはボランティアを行政が支援する形もあるし、コーディネートする会社が出てくるかもしれない。それらを広く「活性化コーディネーター」と書いた。だから今あるエコガイドがやってもいいわけで、その起業を支援するインキュベーターについても書き込んでいる。

【委員】
 福島県の木はケヤキ、花はシャクナゲ、鳥はキビタキだが、ここ県民の森でそれらが簡単に見られるかというと、そうとは限らない。それでも皆さんの意識の中では県民の森として通用している。施設を作って長い期間使っていく中で育ってくる。今回の報告書も、今後どう活かされていくのか次の段階で検討するべきものもあり、表現の問題はあるだろうが大筋では賛成だ。

【委員】
 最後の概念図に「絆の再生」とあるが、この報告書の目玉は、まさにこれ。ユーザーサイドとサプライサイドの人々が互いに相手を必要としており、相互の連帯関係が、これから森を守っていく上で欠かせない、という視点が、この報告書で打ち出すべきところではないか。
 両者の視点が違うということを併記して終わるのではなく、もう少し相互の連帯に踏み込んだ内容となっていて、そのキーワードが「絆」。
 森林・林業の振興と森林文化の再生とは決して対立していないし、関連性があるものだと思う。今、森林の恵みを享受できるのは森林を守ってきた人々が居たからで、それは農山村に暮らす県民。農山村の暮らしや生活を維持することが森林づくりに繋がり、利用者サイドが享受している快適さを守ることにも繋がる。
 森での労働や暮らしといった森との関わりを守って行かないと森林は荒廃してしまうが、そのためにユーザーサイド、サプライサイドは何ができるのかという発想で、お互いにどういう絆を作っていくのかということが、この報告書の一番重要なところ。できれば「連帯」とか「絆」ということが副題に入れば、森林・林業の活性の必要性がわかり易くなるかと思う。

【委員】
 私は、首都圏に暮らしていた時は森を目指して行ったユーザーだった。この懇談会に入って、気持ちの良い森に入るということは、実は整備したり維持していくことに費用と労力がかかって大変なのだということを学んだ。今後、報告書にあるような枠組みができて、県民の方々が森の現状を理解する契機となり、一人ひとりが森に入っていきたいとか、自主的な活動が生まれたらいいなと思っている。

【委員】
 全体的に良くまとまっていると私は思う。強いて言えば、1センテンスが長くて、途中で主語が変わってしまうところなどもあるので、できるだけ短めにとめるとわかりやすいと思う。
 森林林業の活性化の5行に及ぶ記述は、先の「福島県の森林・林業の課題」の(1)と(2)の間にも記述すると、なお分かり易くなる。
 昨日、森の中を歩いたが、とても楽しかった。あのような体験を子供たちや大勢の県民に体験してもらって、自分の身近なところでも森林づくりをしていかなければならないと思う。
 最後の「おわりに」に書いてあるように、県民の関心がいっそう高まること、森林を守り育てていくこと、関心だけにとどまらず、森林環境保全をするための各種施策が確実に推進されることが大事だ、とまとまっているので、この懇談会の意義が良く出ているなと思う。

【委員】
 細かいことだが、施策の例の示し方で、「(次のような)(支援する)仕組みなどについて」の書き方が統一していないが、その違いに意味があるのか。 インキュベーター、ワークショップなどの語は解説が必要。

【委員】
 施策の例示については、本文に書いていない言葉がフローチャートにどんどん出てきてわかりにくい。フローチャートは文章の補足なのだから本文の言葉を使いながらわかりやすいように組み立てるべき。
 この提言をわかりやすくするには、構成の工夫、目標の明確化、わかりやすい図示の3点が必要かと思う。

【座長】
 ほかに言い残したことはないか。最終提言まではあと1週間ほどあるので、メールなりで連絡をいただきたい。
 文言の修正は一任して頂き、その間、最後の最後まで粘って直したい。7月26日に県の農林水産部長に提出するのでご了解を。
 長い間の協議に感謝する。林業界内だけではなく、まったく異なる視点の意見が飛び交って、有意義な懇談会だったと思う。普段考えもしなかった別の意見が出るということは、ある意味で異業種交流のような場がここで成立していたと思う。

【事務局】
 6回という大変長い開催期間の中で、素晴らしい意見をありがとうございました。
 皆さんからいただいた意見を、座長に協力して最終的に整理し、提言書を真摯に受け止め、これから展開する施策の中に十分反映させたい。
 とりわけ、今日の最後の意見は、いろいろ考えさせられるものがあった。皆様には引き続き県政、特に林政の施策の推進についてなお一層御協力をお願いして、御礼の言葉に代えさせていただきます。ありがとうございました。

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