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震災後の農林水産業の状況Q&A

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印刷用ページ表示 更新日:2023年12月22日更新

家族3世帯が首をかしげて疑問を頂いている様子のイラストとキビタン

  • 福島県の農林水産業は、震災により、重大な影響を受けました。
  • 影響は、大きく分けて、「地震・津波による被害」と「原子力災害による影響」の2つがあります。

キビ

(1)地震・津波による被害

  • 地震や津波によって、農業者の方が被害に遭われたり、農地、農業用施設・機械が壊れたり、流されてしまったために、農業ができなくなってしまったところがあります。
  • 例えば、地震では、田んぼや畑などにひびが入ったり、農道や農業用のダムが壊れたり、大型の園芸用のハウスが倒れるなど、農地や農業用施設に甚大な被害がありました。
  • 津波でも、海岸近くの農地や水路、排水の施設が壊れたり、ハウスやトラクタなどが流されてしまった上、がれきやヘドロが農地に堆積したり、海水により土壌に塩分がたまり、農業の再開に時間がかかる要因となりました。
  • 林業では、地震で山腹が崩れたり、林道が壊れるといった被害がありました。
  • 漁業では、津波で漁港や魚市場、水産加工の施設、そして漁船が被害にあったほか、漁場にがれきがたまるといった被害がありました。
  • 被害の状況は、次のとおりです。
農林水産業に関する被害の状況 平成23年4月23日
区分 箇所数等 被害額(千円) 備考
農業等被害   300件 2,110,000  
農作物 101件 805,000  
農業関係施設 199件 1,305,000  
水産被害     26,377,000  
水産関連施設 1,341か所 19,068,000  
養殖水産物等 2,232トン 670,000  
漁船 873隻 6,639,000  
農地等被害   4358か所 230,258,000  
農地 1,283か所 93,507,000 A=5,991ha
水路 1,133か所 27,491,000  
道路 894か所 2,966,000  
ため池 745か所 23,611,000 ダムを含む
頭首工 59か所 3,125,000  
揚水機 113か所 28,624,000  
橋梁 4か所 84,000  
湖岸堤防 2か所 3,000,000  
農業集落排水施設等 105か所 22,431,000  
海岸保全施設 20か所 25,419,000  
林業等被害   735か所 2,362,000  
森林 11か所 265,000  
林産物等 39か所 146,000  
林産施設等 52か所 1,162,000  
林道 633か所 789,000  
治山被害   113か所 14,253,000  
林地 103か所 10,681,000  
治山施設 10か所 3,572,000  
合計     275,360,000  
大型園芸ハウス
【大型園芸ハウスの被災の様子】
ため池「
【ため池堤体被災の様子】
農地
【津波による農地の被災の様子】
集落
【農業集落排水施設の被災の様子】

(2)原子力災害による被害

1.避難区域の設定

  • 原発事故による避難区域の設定で、区域内の農地に立ち入れなくなったり、区域内の生産者が避難しました。
  • 例えば、原発事故で避難指示のあった12市町村※1の総農家数は約14,600戸。震災前の県内総農家数96,600戸の約15.0% (※2)になります。

キビ   農家数

  • ※1 避難指示のあった(警戒区域・計画的避難区域・緊急時避難準備区域が設定された)市町村
    田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村。

    ※2 一部の市町村では、避難区域の設定は一部地域に限られていたが、ここでは当該市町村の全体値で積算。

2.作付の制限や出荷制限

  • 原発事故で広がった放射性物質の影響で、普通に生活できる地域でも、一部の地域では、お米の作付が制限されたり、野菜や果物、きのこなどについても、放射性物質の検査をして、基準値を超えてしまった場合には、出荷の制限がかかりました。
  • 放射性物質の検査を継続したり、作物が吸収しないよう生産者の皆さんが対策をした結果、制限される地域はかなり減りました。しかし、一部(避難指示区域等)ではまだ解除できていません。

3.風評による影響

  • 福島県で生産され、流通している農林水産物は、放射性物質を吸収しないよう対策をとり、きちんと検査をしている(※後述参照)ため、安全性が確認されていますが、一部の消費者の中には、食べるのが不安なので“なるべく福島県産は買わない”という考えの方もいます。
  • そのため、福島県産の農林水産物(商品)を店頭に置いてもらえなかったり、価格を低く抑えられたりしてしまうこともあります。
  • 値段が安くなると、同じ数の農林水産物を売っても、売上げ(産出額)は減少してしまいます。
  • 以上のことから、震災後、福島県の農林水産業の産出額(売上げ)は減少してしまいました。下記のグラフをみるとわかるように、2011年は大きく落ち込みましたが、福島県の農林水産業の再生に向けて、生産者のみなさんは、関係者とともに努力を続けています。

農業産出額推移

 (1) 生産基盤の復旧 (2) 被災した農林漁業者への支援 (3) 農林水産物の安全の確保 (4) 風評への対応
の4つのことをしています。

キビ

(1)生産基盤の復旧

  • まずは、壊れてしまった田んぼや畑、ダムや水路、農道や林道、漁場・漁業生産関連施設等の復旧を進めました。
  • 農林水産業施設等の復旧状況については福島県HP【福島県農林水産業の現状】を参照ください。

 【福島県農林水産業の現状】https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36005b/norinkikaku2.html

(2)被災した農林漁業者への支援

  • 農業では、経営再開に向けて、農業者が共同で実施する復旧作業を支援しているほか、施設・機械等の導入に対する助成など、様々に支援しています。例えば、共同利用するカントリーエレベータや、園芸や畜産の施設のほか、新たな取組として、植物工場が作られたりもしています。
  • 避難された農業者が、避難先で一時的に農業を始める場合にも、初期の経費など、支援しています。
  • 林業では、林業者や木材産業事業者に対し、施設等の復旧・整備等を支援しています。森林の再生のため、森林整備と放射性物質の対策を一体的に推進しています。
  • 漁業では、沿岸漁業の本格的な操業に向けて、モニタリングの結果を踏まえながら、水揚げ拡大に取り組んでいます。
  • 農林漁業者が被った原発事故による損害に対する賠償が迅速かつ円滑に進められるように、支援しています。

(3)農林水産物の安全の確保

  • 一方で、安全な農林水産物を出荷することが大前提になります。
  • そのため、農地や果樹の樹木の除染が行われてきているほか、農地にカリウム資材を入れるなど、作物が放射性物質を吸収しないよう対策がとられています。
表土の削り取り
【表土の削り取り】
反転耕
【反転耕】表層土と下層土を入れ替える
樹皮の洗浄
【樹皮の洗浄】
  • そして、安全性を確かめて、消費者に安心して食べてもらえるように、生産→製造→流通→消費の場面で、食品の放射性物質検査(モニタリング検査)を行っています。
  • そして、その結果をHPなどを通じて、情報発信して、何が安全か分かるようにしています。 
  • 特に、主食であるお米については、県内でつくられた全ての玄米を検査する“米の全量全袋検査”を実施して、安全性が確認されたものには“検査済みラベル”を貼って販売するなど、安全管理を徹底してきました。
  • お米については、平成27年度以降5年間基準値超過がないことから、令和2年産米から順次、営農再開の状況に応じて、避難指示等のあった一部市町村を除きモニタリングへ移行しています。
  • 避難指示等のあった一部市町村では、営農再開が進んでいない地域や新たに作付が行われる水田もあるため、全量全袋検査を継続していますが、営農再開の状況や市町村の意向を確認しながら、モニタリングへの移行を検討しています。

 【福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報HP】https://www.new-fukushima.jp/
 【ふくしまの恵み安全対策協議会HP】https://fukumegu.org/ok/Contentsv2/

安全図

(4)風評への対応

  • テレビCMやHPをはじめ、トップセールスや各種キャンペーンを通じて県産農林水産物の安全性や魅力を全国に発信するなど、県産食材の安全・安心の確保と風評の払拭に向けた取組を進めています。
トップセールス
【県ブランド米「福、笑い」トップセールス】
福島プライド
【オンラインストア「ふくしまプライド便」】

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