井戸水には放射性物質の影響はないの?
井戸の特徴などを解説します。 |
放射性物質の井戸水への影響について
放射性物質は土粒子に吸着する性質があるため、地表面付近の土壌に留まります。そのため、井戸の水源である地下深くの滞水層までたどり着くことはありません。よって、井戸水が放射性物質による汚染を受けることはありません。
井戸水の用途について
井戸水は、工業用・農業用・生活用そして水道事業の水源として利用されています。水道の原水として利用される場合には適切な浄水過程を経て各戸へ配水されています。
また、水道が普及していない区域は、生活用水として井戸水が利用されていることがありますが、適切に管理され飲用されています。
井戸のタイプについて
井戸は、浅井戸と深井戸の二つのタイプに分けられます。
- 浅井戸とは
一般的に深さ10~20メートルまでの浅い位置にある滞水層の地下水を集水する井戸です。近傍の川・池を供給元としており天候により水量の変動が大きく、また、周辺環境の影響を受けやすいのが特徴です。 - 深井戸とは
深い位置にある水を通し難い地層(岩盤や粘土層)より下にある被圧水(水位が地表近くまで上がってくる地下水)を水源とする井戸です。地表から遮断され汚染の恐れはなく水量が豊富なところが特徴です。
井戸水から放射性物質が検出された場合の原因は?
井戸の管理が適切でない場合が考えられます。地表面から落ち葉や雨水が入り込まないよう蓋をする、部外者・動物が近づけないよう柵で囲む等の対策を施す必要があります。
井戸水はどうやって検査しているの?
市町村が受け付けた井戸水を県に検査依頼した場合、水道水と同じくゲルマニウム半導体検出装置で検査しています。
検査受付についてはお住まいの市役所・役場へお問い合わせください。
井戸水の基準は?
水道水に準じて管理目標値として、放射性セシウム(セシウム134とセシウム137の合計)が10Bq(ベクレル)/kg(キログラム)としています。
井戸水の検査は、水道水と同じく放射性ヨウ素(ヨウ素131)、放射性セシウム(セシウム134、137)のそれぞれについて、 1Bq(ベクレル)/kg(キログラム)まで測定しています。(検出限界値<1Bq(ベクレル)/kg(キログラム))これは、管理目標値の10倍厳しい条件で確認しています。