11月17日(月曜日)10時00分~10時15分
場所:県庁応接室
【質問事項】
1.関係省庁等への就任挨拶について
2.消費税増税について
3.定例記者会見について
4.東京電力第一原発廃炉・汚染水対策について
5.集中復興期間について
6.衆議院解散・総選挙について
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【質問事項】
【記者】
今日、明日と知事が東京を回られて各関係省庁の挨拶まわりをされるということですが、改めて県として国に今回求めたいことですとか、どういったことを要望されるのかということを御説明いただけますでしょうか。
【知事】
基本的に、今日、明日の上京というのは、新任での挨拶まわりということが基本であります。
ただ、そうは申しましても、色々な政治情勢の動きですとか、福島県内の重大な課題もありますので、例えば原子力の問題で言えば、事故の収束をしっかり進めていただきたい、あるいは、選挙の私自身の公約ということでもございますが、全基廃炉ということを求めていく。あるいは、復興を進める道に停滞があってはならないのだと、こういう話はしっかり申し上げていきたいと思っております。あるいは、中間貯蔵施設の問題、環境大臣、復興大臣もそれぞれ関わりますが、こういった点についても国の対応というものをしっかり進めていただきたいとお話ししようと思います。
ただ一方で、今回は挨拶まわりということになりますので、あくまでも私自身が御挨拶を申し上げるということが中心になろうかと思います。
【記者】
先程の新生ふくしま復興推進本部会議の中でも知事から御発言があったのですが、先程、内閣府で7月から9月期のGDPの速報発表がありまして、年率換算でマイナス1.6%という結果が出ました。
これを受けて、消費増税の先送りされる公算が非常に高まったと思うのですけれど、消費増税先送りに関する本県への復興に対する影響をどのようにお考えなのかお聞かせください。
【知事】
消費増税の先送りということについて、やはり国としての財政全体を考えた時に、どうあるべきかというのは、非常に重要な国政上の課題でございます。
これについては今後、安倍総理また政府としての御判断があろうかと思います。県としては、我が国の最優先課題である震災からの復興、再生の歩みが滞ることがないよう、国において法に基づいて、地域経済の状況等に十分に配慮の上、判断をしていただきたいと考えております。
【記者】
先程の本部会議の中では、「言うべきことを言い、取るべきことを取る」というお話がありましたけれども、そちらについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
増税の先送りをする、しないという判断に関わらず、福島県が復興再生をしていく上で必要な財源についてはしっかりと確保できるように、私自身先頭に立って、また県全体で求めていくということを申し上げた訳でございます。
【記者】
改めての質問となりますが、定例会見がこれまで月1回程度というところを原則毎週1回となりましたが、その狙いというものをお聞かせください。
【知事】
この会見というもののやはり大事なのは、福島県の思いというものを、まず県民の皆さんに知事の声をしっかりと届けるということです。それからまた色々な機会があるごとに、思いを全国的に発信するチャンスにもなろうかと思います。
やはり今、いろんな時代の情勢というものが大きく激しく動いておりますので、やはり月1回、2回ということではなくて、毎週1回できるだけ発信をする場を作るということが福島の復興再生にとっても重要ではないかということで、このようなことを今進めております。
【記者】
先週、東京電力第一原発に入られましたけれども、これに関連して二点質問させていただきます。
福島第一原発の廃炉・汚染水対策の現状をどのようにお考えでしょうかというのが一点です。
もう一点が、この廃炉・汚染水対策に関連して、東京電力はこの4月に廃炉推進カンパニーという組織を発足させました。このカンパニーの評価をお伺いしたいと思います。
【知事】
まず一点目、廃炉・汚染水対策の現状でありますが、例えば、4号機の使用済み燃料の取り出しであったり、あるいは雨水対策、汚染水のタンクですが、あれが去年ですと台風があるごとに漏れたりしていました。ああいったことは今のところ無く、順調に推移しているといった形で色々な形で作業がしっかり前向きに進んでいるということは全体として感じました。
ただ一方で、汚染水対策はまだまだ長期的な課題で、喫緊に対応してほしいにも関わらず、なかなかそこがうまく進んでいないという点であったり、あるいは、先日、蓋を開けた時に飛散した問題がありましたが、そういった不安解消のためにも、きめ細かな対応が必要であると感じております。
さらに一番問題は、溶融燃料・デブリの取り出しの方向性・目途が立っていないということもございますので、前に進んだ部分がある程度あるにせよ、まだ、この第一原発の廃炉・汚染水対策は、中長期の長い闘いなのだということを肝に銘じて、国と東京電力はしっかり対応すべきだというのが私の印象でございます。
二点目の廃炉カンパニーの関係ですが、昨年に比べると色々な意味で有機的な連携が進んできたかと思います。私自身バスに乗ったり現地で降りてですね、カンパニーの社長と一緒にあるいは廣瀬社長と色々なやりとりをしながら感じておりまして、そこの進展具合は評価しているところがございます。
ただ一方で、彼ら自身が言っておりましたが、6,000人の方が現場に入って作業を進めているとなかなかそういった横の連携が完璧に取りきれなくて、そこを模索していると言っております。
その一つの例が、先日あった大きな事故ですね。あれは、やはりそれぞれを担当している会社が違って、そこの連携が上手くいかなかったことによるものであったと。従って、カンパニー自身が以前に比べると良くはなってきているけれど、それでパーフェクトではないという自覚を持って、更により良い作業環境を整えて、廃炉・汚染水対策をしっかり前に進めていただきたいと、私は考えております。
【記者】
二点お聞かせ願います。
集中復興期間終了後の予算の確保についても、今日求めていくのかということが一点です。
もう一点が、就任直後ということでお聞きしたいのですが、知事は総務省御出身ということで、国と太い強いパイプがあるという一方で、なかなかお知り合いもいるので言いづらいところや、相手の内情が分かってしまう部分もあるのではないかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
【知事】
まず、集中復興期間の関係です。
福島県の場合はやはり他県と違って原子力災害という大きな傷を負っていますので、集中復興期間が終わったからといって、復興が終わるということは残念ながらあり得ません。従って、集中復興期間が終了した後も必要な財源をしっかりと国に対して申し上げて、取るべきものを取って来るというのが県の基本スタンスでございます。
さらに、既に前の復興大臣等々も、福島県の場合はこれは別だと、きちっと所要財源を確保しなければいけないということを、国会等でも答弁しておられますので、こういった姿勢は国として続けていただけるものと私は考えております。
それから国との関係でございます。やはり色々な人間関係があるということはプラスの面がございますので、これはしっかりと活用していくと。一方、そのしがらみと言いますか、あるいは遠慮、配慮ということは、福島県の知事にとってはやはり必要はないと考えておりますので、そこは堂々と言うべきことを申し上げて、県民の代表として対応するのが知事だと私は考えております。
【記者】
先程、国政の動きがあるというお話がありましたが、年内に解散総選挙が行われた場合、当然福島県の復興に関わる大臣もまた代わるという可能性も高まると思います。特に経済産業大臣に関しては、政治と金の問題で先日代わられたばかりで、他の担当関係大臣もまた代わる可能性が高いということについて、知事はどのように受け止めていますか。
【知事】
人事の問題も非常に重要な問題だと思います。私自身は、個別の具体的な内容に踏み込むというのはいかがかとは思いますが、いずれにしても、国政の動きが仮にあろうにせよ、無いにせよ、福島県あるいは東北の被災地域の復興の歩みを止めることがあってはならない。その基本スタンスを、今日、明日と政府の幹部の皆さんに、タイミングをみてきちっと話をしていきたいと考えております。
【記者】
改めてですが、今回の選挙について、復興の歩みを止めてはならないと仰られていますが、少なくとも必ず復興について影響が出ると思います。そういった意味で野党からは「大義なき選挙」とも言われていますが、知事は「大義なき選挙」と思われますか。
【知事】
私自身のスタンスは、先程申し上げたとおりで、今の時点でまだ確定している訳ではありませんので、そこの仮定を前提にしてコメントするのはどうかと思います。あくまでも、今日、明日丁度上京するというチャンスがあるので、福島の復興再生というものをしっかりと進めてくださいということを、私なりに伝えていきたいと思っております。