12月15日(月曜日)10時00分~10時20分
場所:県庁応接室
【質問事項】
1.衆議院議員総選挙について
2.東京五輪競技誘致について
3.知事就任1ヶ月を振り返って
4.再生可能エネルギーについて
5.中間貯蔵施設について
【質問事項】
【記者】
衆院選が終わってですね、実感というのを教えていただきたいのですけれども、選挙前は復興の妨げになるのではないかといった懸念もあったというお話を伺ってですね、実際に選挙戦を見られて、福島の復興と再生に一歩前進する選挙だったのか、結果を見られてどのように感じられたのか教えてください。
【知事】
はい、まず冒頭にですね、今回当選された新しく国会議員になられる皆さんにお祝いを申し上げたいと思います。
今回の衆議院選の結果ですね、昨日出た訳でありますが、やはりこの間、復興に関する議論というものが、県内においてはやはり一定程度活発になされたと受け止めております。
一方、全国的にどうかと言いますと、やはりそこはこれまでに比べるとですね、復興の議論が顕在化しているかというと、そうではなかったというのが私自身の受け止めであります。
やはり今後、当選された県選出の国会議員の皆さん、そして国会、さらに政府、国全体として被災地域の復興に向けてですね、しっかりとした取組を進めていただきたいという思いを持っております。
【記者】
先程、知事自らですね、全国的に復興に関する議論というものが十分でなかったように見受けられるという御発言がありましたけれども、何故そうなったのか、また福島県の知事として、それをどういう思いで選挙戦を見ていらしたのか。そして今回の、全国そして福島県の議席を取った選挙結果をですね、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
【知事】
まず、復興の議論が全国的には必ずしも十分でなかった。その一番大きな要因は、やはり時間の経過だと思います。3年と9か月、これだけの時間が経った。やはり風化というものがどうしても進んでいくというのが、これはどうしても必然なのかなと思っています。だからこそ私自身、自分の知事選でも訴えてきたのですが、この風化、あるいは風評という別の側面もありますが、こういったものを乗り越えていくために、福島県として更なる情報発信、それは量の面でも大切なのですが、質の面でもですね、今までと同じような訴えかけをしているだけでは、中々、全国的な共感が得づらくなっているというところがありますので、やはり今の現状を正確に出しつつも、ポジティブに前向きに頑張るんだ、そういうイメージを、福島県としてしっかり打ち出していかないと、どうしても風化の波にのまれてしまうのではないかという危惧を持っています。
そういう意味でも今後とも、様々な機会に、福島というのは今もこういう厳しい現状、影を抱えています。一方で、努力をしてこういう光も見えていますということを発信し続けていかなければいけないということを、改めて今回の選挙戦を通じて感じました。
あと、一方でですね、今回、一定のレベルで政権を継続するという国民としての思いというものが、この選挙結果に表れていると思います。今後、この政府与党、あと国会全体を通してですが、やはり福島の復興、被災地域の復興というのは、与野党の垣根を越えて、オール福島、オールジャパンで取り組む課題なのだという、また原点に戻っていただいて、今日からやはりオールジャパンで被災地域の復興を、国を挙げて、総力を挙げてやるのだという思いを、共有をしていただいて実行に移していただきたい、そういう思いを持っております。また、そういう思いを今後とも様々な機会を通じて、私自身も伝えていきたいと考えております。
【記者】
選挙に関連してもう一問お聞かせください。
昨日は雪が降りましたけれども、戦後最低の前回と比べてですね、投票率が6ポイント下がりました。特に双葉郡は、場所によっては11ポイント以上下がった場所もあると、避難先の方によっては、その投票区の学区によっての影響が出ている、そうではないと色々な見方があると思いますけども、その投票率の低下、特に避難地域での投票率の低下というものをどう受け止められて、その民意はいったい何だったのかと、それをもし変えていこうという思いをお持ちならば、どういう形でそれに臨んでいこうとお考えでしょうか。
【知事】
投票率の全体としての低下傾向、これに対して私自身も非常に懸念を抱いています。
今回、例えばですね、雪が降った、あるいは被災地域、特に双葉郡の皆さん等は非常に特殊な状況に置かれているので、なかなか投票がしづらいという側面も一部あったかと思いますが、いずれにしても全体のトレンドとして投票率が下がるということは、民主主義である日本にとってやはり根本的な問題だと感じています。
私自身、知事選の投票率も45%、これは決して高いものではありませんでした。それをかみ合わせて考えた時に、やはり復興政策に対する国あるいは県に対してもそうですが、行政に対する信頼という問題が根底にあるのかなと私は感じています。
やはり、そういった住民の皆さん、県民、国民の信頼を取り戻していくためにも、県も当然ですし国も含めてですが、やはりしっかりと向き合って対策を講じて、結果を出していかないと、その信頼が取り戻せないのかなと感じております。そういう意味でも、今後も国とも連携をしてですね、一番苦しんでいる被災地域の皆さんを始め、福島県自身、全体を元気にしていく、そういう施策をしっかり打ち立てていかなければいけないと私自身感じております。
【記者】
知事は先週の議会でですね、東京五輪の競技誘致を目指す方針を表明されました。早速ですけど、今週中、東京都の舛添知事とも御会談なさるという御予定となっておりますが、そちらの方でもその話をなさるのかどうかということと、その競技誘致へ向けた取組というのを、もし今お考えであればお聞かせください。
【知事】
はい。先週の県議会においてオリンピック競技を誘致するという考えを、初めて表明をさせていただきました。
まず大前提は、福島の復興・再生に全力を注ぐと、これはもう当然のことでございます。
その上で、2020年の東京オリンピックということになりますと、ちょうどあの震災・原発事故から10年目ということになります。そこの節目に向かってですね、きちっと福島が本当の意味で復興・再生しているんだという姿を、全国に、世界に発信する絶好の機会になるのではという考えで、あのような思いを示させていただきました。
当面、既に被災地域での競技開催について発言をされているのが森喜朗会長と、そして舛添都知事ということになりますので、今後もこのお二人とも、お会いする機会を作ってお話をしていきたいと思っております。特に舛添都知事は表敬訪問ということで、明日、元々想定しておりましたので、そういった場面の会話の中でも触れていきたいと思っております。
一方、また組織委員会の方も非常に重要な位置付けになりますので、森会長に対しても、また今後なるべく早い機会に時間を作ってですね、福島県の思いというものをお伝えをしていきたい、このように考えております。
【記者】
知事は就任から今日で1か月ちょっと経ちましたが、この1か月で御自身が感じられて、こういった点で頑張ったという点、若しくはこの1か月進められてきた実績ですとか、またこの部分が足りないのではないかということがあればそういった点を。またもう一つ、首長さん達と年内に全員とお会いするというお話ですが、その話の中で見えてきたことがありましたらよろしくお願いいたします。
【知事】
「現場主義」それから「国との協議」というこの二つの観点でお話をしたいと思います。
まず、現場主義ということで言いますと、就任直後に福島第一原発を訪れました。やはり原発事故の収束というのが、本県の復興を進める上で、本当に大切な要素になります。
この3年9か月である程度前に進んだ取組と、それからまだまだ課題が山積していて、困難で長期間掛かるという状況を目の当たりにしてまいりました。
その上でですね、現場主義の中で今、市町村長さんのお話がありましたが、年内に59人の市町村長さん全員と、お話をある程度することができる見込みになっております。その中でやはりありますのが、例えば、農業の問題であったり、少子高齢化の問題であったり、それから風評の問題であったり、あるいは医療問題、医師不足とか看護師不足、こういった様々な地域の問題を伺っております。
あと、被災地域においては当然、原子力災害の克服の問題もございますが、各地域において福島県は広い県ですので、それぞれ課題が違うということを改めて実感しております。浜通り、中通り、会津、あるいは各市町村それぞれの課題に応じた県としての対応が重要だということを改めて感じています。
こういったものを、実際、生でやりとりできたというのは一つの成果だと思っておりまして、今はその宿題をある意味頂いた状態ですので、これをこれからの例えば27年度の予算であったり、今後の県の政策の中にまず反映させていきたいと思っています。
そして、国等との協議の関係なのですが、就任してから、例えば総理大臣を始め、各省庁大臣、副大臣等々と色々な課題について意見交換をしました。その中で、やはり今回予算で、特に県として要望している案件、幾つもあったのですが、そういったものに対して非常に前向きな回答を頂いているというのは印象に残っております、あるいは福島復興再生特別措置法の改正、制度改正を復興庁にお願いをしておりますが、これについても、今、前向きに検討していただいているなと思っております。
それから、再生可能エネルギーの保留の問題、これにつきましても、経産大臣が非常にしっかりと受け止めてくれまして、これについて「必ずやる」という形で断言をしていただきました。その後、具体的な動きも見えてきましたので、選挙も終わったことですし、これから具体的な形を出していただけるように、また働き掛けていきたいと考えております。
以上が1か月の成果とはまだ申し上げられる状況ではございませんが、具体的な動きの中で、ある程度の手掴み感、掴めてきた感じというものは持っておりますので、これをまた形にできるように、更に努力をしていきたいと考えています。
【記者】
再生可能エネルギーについてなのですけれども、国の方が東北電力に福島での接続優先を要請するような話もきかれたという話も出ておりますが、それに対して県がどのように関わるのか、例えば県もその場に同席するですとか、いつまでに要求してほしいというお考えをお持ちなのかということがまず一点と、先日の提言の中で、東京電力の送電網を活用したいというお話があったと思うのですが、東京電力への直接県としての要求や申入れというのは、国や東北電力と違ってまだされていなかったと思うのですが、そのあたり県として直接正式に何らかの申入れをされるつもりはあるのかをお願いします。
【知事】
今回の再生可能エネルギーの接続保留問題について、今ちょうど選挙期間中だったということもあって報道にはあのような形で出ておりますが、まだ具体的な動きは聞いておりません。
ただ、今、報道されている流れというのは、正に福島県が10の提言ということで、経済産業省と東北電力に対して申し上げたそのラインに沿っていると思いますので、県としては、是非そういった流れをですね、実際の形にしていただきたいと考えております。
また、東京電力に対しましても、実は私が東京電力第一原子力発電所の視察に行ったとき、あの時、社長であったり、あるいは代表と懇談をする中で、実はこの接続保留問題に触れております。その際、東京電力としては「福島県に大変多大なる迷惑をかけているので、最大限の対応をしたい」ということを明確に言っておられましたので、今後また実務レベルでもですね、国の考え、東北電力とのやりとりが見えてきた段階で、また改めてお話しすることもあるかもしれませんが、県としての基本的な思いはもうお伝えをしてあるという認識でございます。
【記者】
中間貯蔵施設についてなのですけれども、先日、大熊の町議会でですね、受入れの方針を決めるというような話もありました。来年1月の搬入開始という国の受入れがどんどん近づいている訳ですが、今後、立地地域の受入れの手続きとして住民説明会とか色々なものがある中で非常に厳しいスケジュールだと思うのですが、このあたり県として、再度スケジュールについてのお考えをお伺いします。
【知事】
中間貯蔵施設のスケジュールの件は前からお話ししておりますが、スケジュールが云々ということではなくて、やはり大熊町・双葉町が正に当事者で、今、本当に色々な意味で悩みながら議論を進めておられます。
特に大熊については、苦渋の判断をされたものと重く受け止めておりますし、双葉町においても、色々な議論が正に現在進行形でなされております。県は広域自治体として、実は大熊・双葉と本当に頻繁に共に情報交換して、意見交換をしておりますし、また国とも連携を取っております。
やはりこの難しい問題に対して、大熊・双葉だけの問題ではなく、県全体の問題だという意識でこれからも丁寧に両町と、あるいは国としっかり向き合って対応していきたいと考えております。