■日時 平成27年6月15日(月)10:00~10:25
■会場 本庁舎2階応接室
【発表事項】
6次化新商品購入機会拡大事業について
【質問事項】
1 6月定例県議会について
2 秋篠宮同妃両殿下のお成りについて
3 「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」について
4 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けたロードマップについて
5 個人情報漏えいについて
6 危機管理基本方針について
7 仮設・借上住宅の供与期間延長及び避難者への支援策について
8 復興事業のあり方について
【知事】
6次化新商品購入機会拡大事業について、発表いたします。
福島県では、農林水産業復興の牽引力として、地域産業の6次化の可能性に着目しております。1月には「新ふくしま地域産業6次化戦略」を策定し、農林水産資源に付加価値を付ける取組を重点的に推進しております。
依然として風評が残る福島県農林水産業の復興を加速化するため、6次化により生まれた「200」を超える加工品を、全国の皆様に知っていただく事業を実施することにいたしました。
事業の概要といたしましては、6月19日から「ふくしま おいしい大賞オンラインショップ」で、キャンペーンを展開するものであります。
クーポンキャンペーンは、商品購入代金の最大40%の助成を受けることができるものであります。
その他、送料無料キャンペーン、あるいは6次化新商品モニターキャンペーンなどを随時、実施してまいります。
是非、全国の多くの皆様が商品を実際に手に取って、そのおいしさを実感していただきたいと考えております。
【質問事項】
【知事】
6月県議会についてでございます。6月県議会、大きな内容が二つあろうかと思います。
一点目は、2月の県議会で成立を致しました福島県の当初予算約1.9兆円という非常に大きな規模に上っておりますが、現在、その執行がスタートしたところでございます。この予算執行を含め、この1年間の福島県がどういう形でしっかり事業展開をしていけるのか、非常に多くの内容を含んだ予算でありますので、こういった点が審議の重点的な内容になってくると考えております。
そして二点目は、喫緊の課題である、これからの5年間の財源確保の問題でございます。これもまた、これからの5年間財源確保なくして福島の復興はあり得ません。県自身が先週も含め、今、様々な形で国との協議を続けているところでございますが、県議会においてもそれぞれの会派において、今後の財源確保について、中央との協議を続けていただいております。福島県が一体となって財源確保を行い、その上で安定的に復興を進めていく、こういったことが今回の6月県議会の大切な論点になってこようかと思います。
【記者】
17日に秋篠宮御夫妻が福島を訪れられるということで、改めて知事のお気持ちをお聞かせください。
【知事】
秋篠宮同妃両殿下のお成りについてでございます。
福島県においでいただきまして、現在の福島の復興の進捗状況であったり、あるいはどういう難しい課題を抱えているか、それを実際に見ていただくこと、感じていただくことは大変重要なことであると思います。
私自身も随行させていただきますが、こうやって福島の現地を見ていただく機会を作っていただくことは非常に喜ばしいと考えております。是非、両殿下に、今の福島、これからの福島というものを実感していただければと考えております。
【記者】
先週の12日ですが、政府が福島の復興の指針の改訂を公表しまして、これまで帰還困難区域以外の2区域の早期帰還の支援ですとか、あと賠償格差の解消という形でいろいろ打ち出してきたと思うのですけども、これまで被災者、避難者への支援という形から、生活支援、自立支援というふうに舵を切った一つの方向転換には見える指針の改訂だったと思うのですが、その改訂の内容について、知事の受け止めをお願いしたい。
【知事】
今回、国が改訂をしました「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」、ここにおきましては県内事業者の事業再建に向けた新たな対策を打ち出すなど、その一つ一つが福島県のこれからの復興にとって重要なものであると受け止めております。
また、今、御指摘もありましたが、その内容が非常に多岐に渡っております。これは福島県が原子力災害から真の意味で復興をしていくためには、本当に多くの課題が山積しているということを如実に表しているものと考えております。特に、先週も要望、協議を進めてきておりますが、復興予算の確保が極めて重要な課題でございます。
原子力行政をこれまで推進をしてきた国の責務としてこれからも福島復興のためにきちんと事業を継続すること、また、拡充をすること、そして財源確保を行うこと、これが大切だと考えておりますので、県としてこの点を強く要請を引き続き行っていきたいと考えております。
【記者】
関連ですが、今回の改訂の中では帰還困難区域の避難指示の解除についての方針が示されないままだったということで、他の2区域に比べて、帰れる地域、帰れない地域と いうことの差を政府自身が如実に示してしまったことになると思うのですが、一方で賠償について2018年3月まで一律で支払うということで避難指示解除準備区域と居住制限区域の中では格差が生まれないようになっている。一方で、旧緊急時避難準備区域については、特段の措置をするというようなことはなく、既に打ち切られてしまっているところもある中で、いろんな格差ですとか、放射線量や賠償について同じ避難者でも格差というのがまた鮮明になってきたところもあるかと思うのですが、このように同じ原発事故による避難で皆さん苦労されている中でそういう格差が出てしまうことですとか、帰れる地域、帰れない地域というのが5年目の今ということになってまた改めて浮き彫りになってしまったことについて、知事の受け止めをお願いします。
【知事】
今回の原子力災害の特殊性として、非常にいろんな意味での溝が生まれてくる、そういう部分が各地域であったり、各業種であったり、あるいはお一人お一人であったり、そういったところにどうしても現れてくるというのが今回の原子力災害の特有の事象だと重く受け止めております。特に、例えば賠償の関係で言いますと今回原子力損害対策協議会として種々申し上げてきましたが、一定の国の考え方が示された。ただ、ポイントは2年間でどこまできちっと事業再建だったり、生活再建を果たすことができるのか、その結果が大切であると受け止めております。避難指示解除準備区域あるいは居住制限区域において、今後の一つの展望が見えてきたという側面もあろうかと思いますが、その大前提はやはり2年間でどこまでできるか、それがないと成り立たないというのがまずポイントになります。また、帰還困難区域においては、残念ながらそこまで至っていない、これは事実でございますが、並行して復興拠点、町内復興拠点という言い方をしておりますが、そういったものを実際に見せていくことで町民の皆さんにゆくゆくは帰り得るんだという展望を見せていくということも併せて進めて行かなければいけないと考えております。いずれにしても様々な格差が、一つの施策を進めるとどうしても出てくるという側面もありますので、そういった格差をいろいろな他の手法を用いて埋めていくような努力というものを国はきちっと進めなければいけませんし、また東京電力においては賠償の点においてそれぞれの避難者、あるいは被害を受けている方々の実情に応じた的確な賠償をこれからも進めていくべきということを強く訴えていきたいと考えております。
【記者】
追加でもう一点、旧緊急時避難準備区域については、指針の改訂の中では復興施策の措置というような形で隠れていたのですが、特段、具体的な内容については触れられていなかったと思うのですが、これらの方々も既に賠償が打ち切られておりますし、県としてどのような復興施策を求めていきたいとか、逆に広域自治体として県としてはどのように進めていきたいと考えがあるのかお願いします。
【知事】
旧緊急時避難準備区域、帰還の準備をされていたエリアの皆さんにとって、例えば広野町、川内村、こういった自治体とは今、様々な形で意見交換を進めているところであります。国として、復興支援というものをしたいということを申しておりますので、今後、広域自治体としてですね、こういった町や村のお考えですとか、どういう手法が最もその自治体にとって良いのかということを、我々なりに酌み取って、その上で自治体とともに国に対して向き合って的確な対応ができるように支援を続けていきたいと考えています。
【記者】
同じく先週の金曜日ですが、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けたロードマップが改訂になりました。これまでのいわゆるスピード重視の姿勢からリスク低減を優先的にして安全を確認しながら進めていくというのが今回の柱だったと思うのですが、今の帰還の話も関係してきますが、燃料の取り出しが今回2年から3年遅れるという中で、住民の方々には帰れる環境を作るから帰ってくださいと言っておきながら、ロードマップでは行程そのものが遅れるということがあって、今まで知事も福島県の復興の前提には廃炉の安定的な着実な推進が必要だとおっしゃってきたと思うのですが、今回のロードマップの改定と今回の政府の指針についての整合性をどのようにお考えですか。
【知事】
私自身もこの会議に出席をいたしました。その際、廃炉・汚染水対策について国内外の英知を結集して、国が前面に立って取り組み、確実に結果を出していただくよう県民の総意として強く発言をしたところでございます。今回のロードマップには本県の廃炉安全監視協議会が求めてきました、政府、事業者及び関係機関の責任の明確化であったり、マイルストーン、主な目標工程ですね、この設定などの意見が反映されました。改めて国が前面に立って取り組むということを確認したところでございます。改訂された中長期ロードマップに基づいて廃炉対策が、安全に、安定的に行われることが、今後の様々な帰還の施策を進めていく上でも非常に重要だと受け止めています。
【記者】
廃炉安全監視協議会の意見としては、高レベル廃棄物について県外処分をするようにと確か意見があったかと思いますが、今回の中ではそこの部分については盛り込まれませんでした。今後、県として、原子力廃棄物についてどのように取り組んでいく考えですか。
【知事】
放射性廃棄物の今後の処分の在り方については、先般、私どもの意見としては、国に対して申し上げたところでございます。今後とも機会あるごとにこの点をしっかり申し上げて、在るべき廃炉対策というものを国において進めていただきたいと考えております。
【記者】
日本年金機構で御承知のとおり情報漏えいが問題になっておりますが、決して対岸の火事ではないのではないかと。知事におかれては総務省時代に住基ネットを構築されたという御実績もある中で、同じこういった公的インフラでずさんな対応といいますか、非常に攻撃を受け情報漏えいも相次いだと、まずこれに対しての受け止めとですね、さらに、県も膨大な個人情報を抱え、外部とのネットをつないでいると思うのですが、セキュリティ対策の強化についてどのようにお考えですか。
【知事】
今後、この問題に関して、県民あるいは国民に対する影響が懸念されます。従って、国においては早急に検証作業を進めながら流出情報の悪用の防止策を講じますとともに、このようなことがないような管理の徹底を是非していただきたいと受け止めております。また、併せてこの情報化社会の中で、この問題は対岸の火事ではなくて、県自身あるいは市町村も含めてですが、県内行政全体の喫緊の課題であると受け止めております。様々なセキュリティ対策、例えばハード面であったりソフト面であったり、取り扱う人間、マンパワー対応においても、もちろん講じてはおりますが、常に100パーセントというものはないと思います。それを超える様々な侵入であったり不法な行為というものもあり得ますので、そういったことを危機管理の一環にも当然なってくると思いますが、常にそのリスクというものを頭に置きながら、より良い形のセキュリティ対策を講じていくことが行政には求められていると受け止めております。
【記者】
今の質問に関連するのですが、情報セキュリティも含めて危機管理ですね、本当に常にいろいろあるわけですが、その中でも危機管理方針の素案がこの間公表されました。ただ素案段階で拝見しますと、同じような内容というのは、既に岩手県であるとか長野県とか、他県では正直早め早めにできているところもかなり多くあります。不祥事や危機発生時に備えまして、やはりもう少し一歩踏み込んだ何らかの計画、具体的な手順を定めたもの、場合によってはそれを訓練に反映していく方針の次の手が大事だと思うのですが、それに関して知事のお考えと、具体的に何か今、検討指示しているものがないか、もしくはされるお考えはないかお聞かせください。
【知事】
現在、危機管理の基本方針の策定作業を進めているところであります。4月から様々発生した不手際であったり、そういった事象について検証した結果、例えば危機の感度が低かった、組織内の情報共有が不十分であった、情報提供の方法や時期に適切さを欠いていた、事務処理の確認が不十分であった、こういったことが問題点として浮かび上がっております。今、御指摘をいただきましたが、これは本来きちっとできていなければいけない当たり前のことという見方もあろうかと思います。ただ一方で、県という一つの組織において、また様々な仕事を現在同時進行で進めていく中で、このことができなかったという事実がございますので、こういった問題点を一つ一つの現場で、更に言うと一人一人の県職員で、あと関わる方々も実は関連してくるのですが、そういった中でどうやってきちっと当然のことを進めていけるのか、こういった点を検討して、基本方針の中に織り込んでいきたいと思います。また、常々申し上げておりますが、基本方針を一回作ってそれで終わりということではなくて、常に進化をしていかなければいけないと思いますので、ただいま頂いた御指摘を受けてそういったものをきちっと進めていきたいと考えております。
【記者】
自主避難者の借上住宅についてですが、国との協議もあるでしょうけども、市町村との話し合いが行われてきたと聞きます。そろそろ県としても自主避難者の生活再建の見通しのためにも考え方をまとめる時期にきたと思います。災害救助法を決定するのはあくまで県ということなので、県として市町村からの聞き取りも含めた考え方、現在どのようになっているのか、今後どういうスケジュールでこの問題が進んでいくのかお聞かせください。
【知事】
ただいまの案件につきましては、これまで国、あるいは市町村との協議を続けてきたところでございます。このことについて、改めて機会を設けて、県としての考え方を御説明をしていきたいと考えております。
【記者】
今後のスケジュールはどのようになるのでしょうか。
【知事】
今、申し上げたとおりでございます。
【記者】
応急仮設住宅の関係なのですが、先週各省庁と各党へ要望書を持って回られて、その中で今年度の場合、応急仮設住宅の供与期間の延長という項目と、避難者の生活支援という項目が分かれていて、応急仮設住宅の供与期間の延長というのは避難指示が継続している区域の避難者等について供与期間の適切な延長を行うこと、それ以外の津波、地震、原子力災害による避難者については災害救助法に基づく応急仮設住宅から恒久的住宅への円滑な移行支援まで総合的に支援することと、書き方が昨年度と変わっているのですがこれはどのような考えに基づくものなのでしょうか。
【知事】
この件については、また改めてお話をさせていただきたいと思います。
【記者】
今、国の復興予算の対象の検討が進んでいると思いますが、藻バイオマスの研究補助ですとか、除染の研究開発に係る手当、国から予算が来ない可能性のものがいくつかありますけど、来ないとなった場合、県の予算で今後手当していく可能性はあるのでしょうか。
【知事】
今、正に復興財源の議論を行っております。大枠の議論、それから今お話があったような個々の施策についての議論、これを同時並行で行っております。
まず当面は、大枠の全体としての財源のあり方というものをしっかりと国と協議をして、結果を出していくことがまず最優先だと思っております。あと今お話のあったような個別の案件については、今回の大枠の議論の中で併せて整理できればそれは当然良しですし、ただ、今後概算要求に向けて個別の審議事項になることもあり得ますので、結果を出せる時点がいつになるかは、実際の結果を見てみないとわからないというのが率直なところでございます。
ただ一方で、今回例えば我々が今求めている再生可能エネルギーの問題ですとか、例えば企業立地の問題ですとかこういったことは、福島の復興を進める上で、非常に重要な施策だと考えておりますので、県で全て丸抱えでやっていくというよりは、国の復興政策の中で然るべき財源手当をすべきものと考えておりますので、その方針の下でしっかり臨んでいきたいと思います。
(終了)