■日時 平成27年6月29日(月)10:00~10:20
■会場 本庁舎2階応接室
【質問事項】
1 県民世論調査結果について
2 ふくしまデスティネーションキャンペーンについて
3 懲戒処分の公表基準について
4 欧州訪問等について
5 医療関連産業の振興について
6 自由民主党原子力規制委員会の在り方を検討するプロジェクトチーム会議について
7 危機管理基本方針について
8 情報公開制度について
9 楢葉町及び富岡町における住民説明会について
10 甲状腺治療への支援について
【質問事項】
【記者】
今日、一部新聞でも報道になりましたけれども、この週末に県民世論調査を行った結果ですね、知事の支持率の方が67.3%という数字が出ているのですけれども、これについての受け止め方が一つ、もう一つが同じくこの調査で、県の旅行券事業に関しての販売方法についても聞いたところ、74.9%の方がやはり何かしらの見直しが必要ではないかというような回答が出ています。この二点に関して、知事のお考えをお聞かせください。
【知事】
県民の皆さんが、一日も早い福島の復興を望んでいる、そうした思い、御意見というものを真摯に受け止めて、私自身が知事として避難地域の復興、あるいは安心して暮らせる環境の回復、さらに産業の再生など、福島の復興に係る施策を先頭に立って、しっかりと進めてまいりたいと考えております。
そして、もう一点、旅行券の関係でございますが、現在、第1期の販売の検証、あるいは他県の販売方法の調査を実施しております。第2期以降の販売におきましては、これらの結果を踏まえまして、分かりやすく、かつ、購入機会の公平性が担保されるよう見直してまいります。
【記者】
具体的に見直す方向ということですか。
【知事】
はい、見直します。
【記者】
間もなく終了を迎える、ふくしまデスティネーションキャンペーンなのですが、これから終わってから諸々数値とか出ると思うのですが、現時点で知事が感じている手応えと、今回のこのデスティネーションキャンペーンで観光客が増えたこと以外で、今の福島県に対してどういうプラスの影響があったのかということ、最後にこれから先どうするのかということをお願いいします。
【知事】
今回、たくさんの笑顔、あるいは心からの「おもてなし」によって、ふくしまデスティネーションキャンペーンを盛り上げていただいた県民の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。
全体的な感触としては、今年は桜の開花時期が予想より早かった、あるいは磐梯吾妻スカイラインが一時的に通行止めがあった、こういうマイナス要因もございましたが、DCの特別企画が好評で、また、福島県民のおもてなしが非常に良いという評判もありまして、全体として県内各地で大きなにぎわいが見られたということを実感しております。
そして大事なのは、このDCを契機に、県全体が大きな一体感、盛り上がりを見せております。地域自らが主体となった、観光振興・地域振興の取組というものに勢いを感じております。
今後はこうした勢いをこの3か月間に止めることなく、取組を定着させ、夏の福島、秋の福島、冬の福島、一年間を通じて観光を活性化させて、来年春のアフターDCに向けて更なる観光の振興・再生につなげていきたいと考えております。
【記者】
先般から質問が出ているかと思うのですが、人事の懲戒処分の公表基準についてなのですが、先週判明しましたが、例えば昨年ですと飲酒運転後に事故を起こしてという結構重大な案件も懲戒処分の中に含まれています。これについて知事は、こういったものはやはり公表すべきだとお考えでしょうか。それと飲酒運転以外にも、セクハラですとか無断欠勤23日間ですとか、県民にとってみれば怒りを感じるような内容も含まれておりますけれど、このことについて今どのように検討されているのか、あと受け止めについてお聞かせください。
【知事】
懲戒処分の公表の在り方、今、頂いたような様々な御意見もございます。
これまで県の制度にのっとって対応してきたところではありますが、現在、この公表基準の在り方について、関係部局で検討を進めておるところでございます。その時代時代において、こうした制度というものをきちんとその時代に合った形で見直していくことが重要だと私は考えております。
【記者】
それでは、今の公表基準については見直すお考えということでしょうか。
【知事】
現在、見直す方向で担当部局が検討を進めております。
【記者】
くどくて申し訳ないのですが、今回の例えば飲酒運転後の事故というのは、知事御自身の考えでは公表すべきだというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
現在見直し中なので、また具体的な内容については、その後ということでお願いをしたいと思います。
【記者】
知事の初外遊となります欧州訪問が来月中旬に迫ってまいりましたが、改めまして今回の訪問の狙いをお聞かせ願いたいのと、もう一点、東アジアの特に中国・韓国でまだ風評が根強いと思うのですが、そちらの地域に向けた県としての取組、そのお考えなどをお聞かせ願います。
【知事】
まず7月のスイス・イギリスの訪問についてであります。
スイスについては、国際機関が非常に多く所在をしている国でございます。また、再生可能エネルギーにおいても先進的な取組等がございますので、まず国際機関の方々等に対して、福島の今の復興の状況でしたり、あるいは抱えている課題の大きさ、重さ、そうしたものを率直に発信をしていきたいと思います。また、スイスにおける再生可能エネルギーに関わる取組等についても視察をし、今後の福島県の復興につなげていきたいと考えております。
また、イギリスにおいては、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン、UCLでの講演ですとか、国会議事堂で関係議員を招いてのレセプション等もすることができるようでございます。こういった様々な機会において、福島の状況をスイスと同様に発信をして、福島の今、光と影というものを伝えて、世界に様々な形でより理解を深めていただく機会にしていきたいと考えております。
そして、中国・韓国への対応でございます。これにつきましては、かねてからもそれぞれの取組を進めてきたところではございますが、なかなかまだ理解が積み切らない部分がございます。現在、例えば外務省ですとか、農林水産省とも連携をして、両国に対する働き掛けをしているほか、私の方に大使が来ていただいたり、領事が来ていただく機会もございます。そうした機会も活用しながら、機会がある毎に、福島県の例えば食品の安全規制の取組であったり、現在の放射線の状況であったり、そうした事実をきちんと伝える中で理解を深めていければと考えております。
【記者】
これまで何度もお伺いしていて繰り返しになってしまって大変恐縮なのですが、知事も着用されたことがある自立支援ロボット、来月から県内の病院ですとか、介護施設で無料貸出しが開始されますけれども、改めてそういった介護関連産業、医療関連産業の集積に向けた県の意気込みを教えていただけますでしょうか。
【知事】
福島県は4年数か月前の3.11、それからそれに連なる原子力災害によって、産業基盤が多大なるダメージを受けております。今後、福島が本当の意味で復興を遂げて行くためには、これまでの産業を再生すること、これももちろん重要でありますが、新産業、新しい産業を創出していくことが重要です。その場合の新産業というのは、国内だけではなくて、世界的にマーケットが見込めるもの、成長が期待される分野が重要です。ロボット事業というのは正にそれに当たるものと捉えておりまして、特に今、県が力を入れているいわゆる「アシストスーツ」「サポートスーツ」というのは、医療、介護、福祉の現場で御活用いただいたり、あるいは建設業であったり、物流、農作業においても、今後、活用が期待される製品だと思っております。
現在、浜・中・会津それぞれにおいて、企業がこうしたロボットを作ろうという具体的な動きが進んでおりますので、県としては是非こういった取組を後押しして、メイド・イン・福島のサポートスーツ、アシストスーツが全国で活用されて、例えば介護分野であったり、そういう分野において笑顔が出てくるような産業の振興に努めていきたいと考えております。
【記者】
明日だと思うのですが、鈴木副知事が自民党の原子力規制委員会の在り方を検討するプロジェクトチームに、意見・参考人として呼ばれているかと思います。原子力規制委員会自体が政権・政府からある程度距離をとるという目的で設置されたものです。そういったものに対して、自民党というものがプロジェクトチームを持って、ある程度意見をしていくことに対して批判もあるかと思うのですけれども、そういった政権と距離を取ることを目的として作られた原子力規制委員会に、原発事故を経験した福島県の副知事が行くことが、今後の再稼働の動きも含めて、正直どうかと思う部分もあるのですけれども、知事の意見をお聞かせください。
【知事】
本県において、今回、副知事が行ってお話をすることというのは、3.11以降の原子力災害というものの非常に過酷な現状、それによってどういった影響が福島県全域に、しかも中期・長期に渡って生じているか、これを率直にまずお伝えすることが重要だと考えております。
さらに我々は、原発が稼働する云々ではなくて、今、福島第一原発は過去、例を見ない、世界でも例を見ない廃炉という状況にあります。通常の廃炉ではありません。事故を起こした炉の廃炉ということ、例えば汚染水対策、あるいは実際に汲み上げた水の処理、保管、さらに作業員の方の健康管理、燃料デブリのあり方一つ取っても、現時点では分かっていない。
そういった非常に厳しい状況にあるということを率直に伝え、原子力災害が一度起きれば、どのようなマイナスの影響が生じるのかということを率直にお伝えするというのが、福島県の立場だと考えております。
【記者】
危機管理の基本方針の件なのですけれども、弊社でも報じているので既に御承知と思うのですけれども、今回、危機管理の一番、胆の一つである情報の迅速な公表というところについて、他の県庁内の部局から、公表すると断言したらどうかというような意見が出ていたにも関わらず、断言調では強すぎる、努めるといういわゆる努力規定に表現を緩めた形になったのですけれども、知事は法律も作られておられましたので、努力規定と断定調では全然効果としては雲泥の差があるのではないかと思うのですけれども、やはり情報の公表に一番積極的でなければならない危機管理部がこのような状況で果たしていいのか、さらに文言が適切かどうかということを一点お聞かせいただいてよろしいでしょうか。
【知事】
只今の御意見は御意見としてしっかりと受け止めさせていただきます。そして、大事なのは危機管理の方針というものを実践していくことが重要だと思いますので、例えば、重大な危機事象、これを県民の皆さんに速やかに公表するのは当然のことでありますので、こういったことを今後実践の中できちんと対応していきたいと考えております。
【記者】
情報公開制度の在り方で知事の御意見をお伺いします。情報公開ではまず公文書というものをまず特定をして、その上で個人情報だとか公益を害するのではないかというものについて、きちんと判断をして、場合によっては非開示にするというのが今回の流れだと思うのですけれども、そもそも公文書というもので明文的にこうだというような規定がない部分がありますけれども、その場合にですね、公文書の可能性はあるけれども、例えば行政職員、実施機関の裁量、言ってみれば例えば恣意性を帯びたような裁量で弾くということが適切なのか、それとも今回の制度の趣旨を考えて、まず公文書かどうか広く捉えて、その上で開示すべきかどうかきちんと厳密に判断すると、個人的には後者ではないかと思うのですけれども、公文書の特定の在り方、範囲の決め方について、知事のお考えをお聞かせください。
【知事】
これまで、県の公文書の開示の在り方は情報公開制度に基づいて対応してきたものと認識をしております。また、具体的な個別の内容については、担当部局にお尋ねいただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、先ほど出た様々な制度の在り方、こういったものはその時勢時勢に応じて、きちんと状況に合わせて、より進化させていくということは大切だと考えております。
【記者】
それはやはり県民目線に立って、広く取っていくということも必要ではないかということなのでしょうか。
【知事】
一般論として申し上げますと、県の制度というのは、状況状況に応じて、進化させていくことは重要だと私は常に考えております。
【記者】
週末にですね、楢葉町の住民説明会、富岡町のエコテック処分場の説明会、いずれも終了しましたけれども、その住民説明会が終わって、今後、それぞれ国・町の検討が進む訳ですが、今後の判断について、どのように進めていくべきか知事の考えをお聞かせください。
【知事】
楢葉町の今後の避難解除の在り方、あるいは富岡町における指定廃棄物の処分の問題、それぞれ両自治体にとって、非常に重要な中身となります。国自身が当事者として、町・自治体、あと今、町民の皆さんの声を広く伺っているところかと思いますが、そういった思いをきちんと受け止めながら、丁寧に対応していくことが重要だと考えております。
また、特に楢葉町の帰還の議論というのは、国・町だけではなくて、県自身も当事者としてきちんと生活環境、インフラを整えていくことが重要だと思っておりますので、そこは一体的に対応していく必要があると考えております。
【記者】
先週、甲状腺検査を受けた結果生じた保険診療の部分の治療費について、県の方で公費負担をするという詳細な内容が出ましたけれども、今後、長期的に検査を受けて、手術をした後に薬を飲み続けなければいけないとか、そういった場合に治療費を今後とも長く負担してもらえるのかというところが気になるところではあると思うのですけれども、そのあたり知事として財源確保をどのように取り組んでいかれるのか教えてください。
【知事】
現在、県は18歳以下の医療費無料化を県の単独施策として進めているところでありますが、今回、甲状腺の関係で問題が生じた方に対する医療費の支給ということも方向性として決めたところでございます。
今回、原子力災害という特有の事象を福島県は負っています。そういった懸念を払拭していくためにも、国、自治体とも協議をしながら、きちんと安心ができるような支援体制を継続していきたいと私は考えております。
(終了)