ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 「チャレンジ県ふくしま! ~ 福島県知事 内堀雅雄のページ ~」 > 定例記者会見 > 平成27年度 > 知事記者会見 平成27年7月21日(火)

知事記者会見 平成27年7月21日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年7月23日更新

知事記者会見録

■日時 平成27年7月21日(火)10:00~10:30
■会場 応接室

【報告事項】
 欧州訪問について

【質問事項】
1 欧州訪問について
2 新国立競技場の財源問題について

知事記者会見 平成27年7月21日 動画を見る

【報告事項】

欧州訪問について

【知事】
 海外において、福島県の現状と復興が着実に進む姿を広く伝え、風評払拭、風化防止を図るため、7月12日から18日にかけまして、スイス、イギリスの両国を訪問してまいりました。
 まず、スイスにおいては、在ジュネーブの各国政府代表部大使や国連機関の幹部等に対するブリーフィング等を通し、私自身が直接、福島県の現状や復興への取組などをお伝えすることができました。
 また、国際赤十字・赤新月社連盟のシィ事務総長、あるいはスイス連邦政府エネルギー庁のシュタインマン長官等とお会いをしまして、福島の復興ですとか、再生可能エネルギーなどについて意見交換を行いまして、交流を深めることができたことは大変意義深いことでありました。
 また、イギリスにおいては、世界有数の総合大学でありますユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)と福島県との国際交流や情報発信などの協力に関する覚書を締結し、今後、連携していくことを確認いたしました。
 さらに、UCLでのシンポジウムやイギリス国会議事堂でのレセプションなどにおいて、福島県の現状、復興への取組を直接伝えますとともに、県産の日本酒や「天のつぶ」など、本県の魅力も併せて発信をしてまいりました。
 今回の欧州訪問を通じて、世界各国からの御支援に対して、心からの感謝の意をお伝えするとともに、未曽有の複合災害から立ち上がり、復興に向けて着実に歩みを進める福島県の姿をしっかりと伝えることが出来たと考えております。
 引き続き、国内外において、福島県の現状や復興の取組などの正確な情報を発信し続け、風評の払拭、そして風化の防止を図り、復興の足取りを加速させてまいります。

【質問事項】

1 欧州訪問について

【記者】
 今、お話がありました欧州訪問を終えられてですね、知事御自身、手応えがあった部分とですね、あとその一方で改めて見えてきた情報発信の課題というものがありましたら、教えてください。

【知事】
 まず二つのジャンルについてお話をしたいと思います。
 まず、再生可能エネルギーであります。スイスは脱原発を目指していく、イギリスは原子力を継続していくということで、ある意味、対照的な取組をされておりますが、いずれの国においても、再生可能エネルギーについて非常に強い関心がありました。
 また、スイスは自分自身が脱原発をやっていますので、やはりきちんと舵をきっていかなければいけないという強い意思を持っていまして、イギリス・スイス両国において、福島県が再生可能エネルギーについて様々な取組をしているということに対して、非常に共感を頂いて、お互いに再生可能エネルギーを伸ばしていこう、そういう思いを確認できたことが、私自身、非常に印象に残りました。
 そしてもう一点が、風評払拭・風化防止という観点でありますが、海外においてはなかなか福島の現時点の、あるいはそれぞれの時点の正確な情報が伝わっておりません。ですので、今回の私のプレゼンでしたり、色々な場面において、非常に関心を持ってお話を聞いていただきました。
 そういう中で、3.11で時計の針が止まっていないのだなということを感じておられたり、あるいは福島の復興のために何が手伝えるのであろうということを、非常に気にされて、向こうからアクションをしていただけるという場面が多かったと感じました。
 逆に言うと、今回、触れ合っているのは、スイス・イギリスの二国であります。もちろんスイスにおいては、国際機関がある程度参加をしていただいたので、複数国に対する影響というものもあったとは思いますが、まだ一部の限定ということになります。
 今後とも、どういう形で国際的な情報発信を正確に適時行っていくのかということが、今後の大きな課題だと思っております。
 あと一番大きいのは、顔を合わせてお話をすると、その伝わり具合が全然違うという感じがします。実際にプレゼンが始まる前と終わった後、色々な方と、話をした人とは握手をしたりしますが、その時の共感の度合いというのが、前後でやはり劇的に変わります。
 そういう意味でも、できる限り直接伝わるような伝え方というものも、色々な場面で工夫をしていかなければいけないということを改めて感じました。

【記者】
 欧州訪問についてですけれども、今回の成果と課題を、8月に策定予定の「風評・風化対策強化戦略」にどういうふうに反映させていくかという点と、あとUCLと交わしました覚書ですね、人材交流ですとか情報発信について、今後具体化していくために何か考えがありますか。

【知事】
 まず一点目は、風評払拭についてですが、今回実際に、国際的な情報発信を知事がダイレクトにしたのは、私自身初めてということになりますが、こういったトップセールスの重要性でしたり、あるいは知事自身でなくても、数を重ねることの大切さというのは改めて感じました。
 今回の取組の成果・課題というものを、今後の県の風評払拭の指針の中に盛り込んでいくということが重要だと考えております。
 そしてもう一点、UCLとの関係ですが、二つ大事な側面がございます。
 一点目は、お互いに交流をしていこう、特に若者の交流というものをこれまでもある程度やってきたのですが、今後、更に加速させていこうということを覚書の中に盛り込んであります。
 今回も福島県の高校生があちらに行って、英語でプレゼンをしました。これも私のプレゼンとはまた違った意味で、非常に説得力があったと思います。ああいった高校生のお互いの交流というものを、場面を増やしていく。それをUCLとの覚書に基づいて進めていくことが、まず一点、重要だと考えています。
 そしてもう一点、UCLが非常に関心を示しているのは、「イノベーション・コースト構想」であったり「ロボット構想」です。こういったものについて、UCLには非常に幅広い専門家がおられるので、是非そういった専門家同士の交流も含めて、お互いに連携協力したいという意向を示されておりますので、今後どういった分野で、どういった形で具体的に進めていくかということを、実務的にも議論、整理をして進めていきたいと考えています。

【記者】
 今回の海外視察を通じてですね、風評と風化というのは、結局どんなことが原因なのだろうかという知事の中での整理を聞かせていただきたいのと、併せて、具体的にどのような取組ができるのか、特効薬が無いと言っても何かしらはしなければいけないという状況はあると思うので、具体的に何か教えていただければと思います。

【知事】
 風評払拭・風化防止のキーワードは、やはり「共感」なのだと思います。
 お互いに思いを一つにできる、何かつながりを感じられるかどうかというのが、今後の福島の復興に非常に重要です。
 今回、スイスでもイギリスでも、本当に数多くの方とお会いしました。例えば、国際機関の関係であったり、各国の大使であったり、あるいは大学の先生だったり、メディアの方だったり、一般の大学生や高校生だったり、そういう様々な方とお会いをして話をすると、皆さん、「福島」という地名を間違いなく御存知です。その上でその福島という地名に対して、残念ながら非常にネガティブな強いイメージを持っておられる。それに対して、今の福島の現状というものは、残念ながら良く御存知ない。その今の現状というのは何かと言うと、それは「光」と「影」、両方が混じり合っている福島というものなのです。
 私自身、今回の一週間で、福島の良い場面だけを発信した訳では全くありません。厳しい現状も言いました。例えば、11万人以上が今もなお避難生活を続けているとか、仮設住宅の現状がどうなのだとか、あるいは福島第一原発が廃炉対策に、特にデブリの取出しには30年、40年かかるというお話でしたり、あるいは汚染水対策を色々と新しい科学手法を使ってやろうとしているけれど、まだ結果が出ていないとか、そういう部分も発信をして、非常に彼らは私が「光」と「影」両方を率直に話すことに対して、共感をしてくれたと感じています。
 従って、色々な意味で皆さんに福島の今の状況を率直に伝えて、それに対して共感をしてもらう。「何が出来るだろう」ということを考えていただくこと、これが風評払拭であったり、風化防止のための王道なのだと思います。
 これには正直、時間も手間も掛かると思います。ですが、それをいとわずに、これからも続けていくということが、福島にとって大事な一つの使命だと受け止めております。
 あと、視点を変えてお話をしたいのが、福島県が今抱えているのは復興の問題だけではないのです。震災・原子力災害からの復興、これも大事なのですが、人口減少・高齢化対策という構造的な問題があります。
 これは、福島だけでなくて、日本全国どの自治体も抱えている問題なのですが、これについて非常に心に残ったのは、スイスです。
 例えば、ソロトゥルンという人口が1万6,000人程度の市、ルツェルンという7万9,000人という規模の市、これは非常に小さい自治体です。ところがそこが世界的に非常に名を馳せている。例えば、ソロトゥルンですと歴史です。ルツェルンだと音楽祭。あの小さな市に立派なコンサートホールがあって、世界中からお客さんが集まってくる。
 人口が減少している中、高齢化が進む中にあっても、その自治体がどういう地域づくりをしていけば良いかという点について、非常に参考になるものがありました。
 そこでのキーワードは結局、元々あるものをどう磨くかということと、そこにおられる中心人物がもの凄いパワーがありました。実際にルツェルンで音楽祭をやっている方、あるいはソロトゥルンの市長さんをはじめ、自分たちの歴史や伝統を守るんだっていう強い決意を持った方々。こういう方々が自分たちの町を元気にするのだという強い意思を持って、それもここ一年、二年ではなくて、十年、二十年、三十年かけて、活動を続けてきた成果が、今の活性化につながっていると思います。
 こういった自治体が、人口が少なくてもどういった取組ができるのかということについても、今、人口減少対策あるいは人口ビジョンというものを県で取りまとめていますが、そういった考え方も是非入れて、今回の欧州訪問の一つの成果として組み込んでいければと考えております。

【記者】
 全般的に非常に歓迎をされたり、理解が広がったということで実りの多い訪問だったと思いますが、一点ですね、一番最後の方で「会津ほまれ」が世界一になったということで大変喜ばしいニュースだったのですけれど、ちょっとこちらで一点残念なことがあって、現地でですね、人がちょっと出せなくてという報道機関もあって、大変いいニュースだったと思うのですけれども、こちらの方の現地で広報されたのがですね、翌日の午後7時に投げ込みがあったという段階でですね、取材が間に合わなかったという社もいくつかあったと思うのですけれども、こちらにもう少し前に届いていたようですし、まずこういったやはり大きな風評払拭にいいニュースはまずいち早く、決裁とかですね短縮していただいてやっていただくのが必要だと思います。
 そういう意味では、正直きつく申し上げると、ちょっとまだ風評払拭でアピールしていこうという感度がですね、低いのではないのかなという事例だと思いました。そういう意味では戦略を紙で作るだけではなかなか意識改革が進まないと思うのですが、職員の皆さんの意識向上ということで改めてお聞かせください。

【知事】
 非常に大切な御指摘だと思います。県という一つの行政体、特に福島県という行政体にとっては、先ほど「光」と「影」という話をしたのですが、やはり悪い情報もきちんと適時に出すこと。あとせっかくの良い情報である以上は、できるだけ早く出して、色々な形で大きく取り上げていただくというということは、非常に重要だと思うのです。そういう意味で今の御指摘の点、時間・タイムラグがあったということについては、申し訳なく思いますし、せっかくのチャンスなのにもうちょっと早く出せなかったのかということは、今改めて感じております。
 そういう意味でも、4月以降、様々な場面で県の情報発信の在り方が問われていますが、良いことも悪いことも、きちんと適時に出すということは、特に福島県にとって重要だと思いますので、そういった点についても、より一層気を引き締めて、対応していかなければいけないと考えております。
 それで直接ではないのですが、実はここでちょっと良い情報の一つで、先ほど漏れてしまったのですが、この辺に高校生があるいは中学生かもしれないのですが、結構若い世代の子たちが聞いてくれています。
 その子たちが終わった後、レセプションの会場に、いきなり恥ずかしそうに4人くらいで来てくれて、私に紙袋を渡してくれたのです。で、お土産が入っていました。
 そこに「Mr.Uchibori」という手紙が入っておりまして、「Best Wishes」ということで「福島頑張れ」という趣旨だと思うのですが、自分たちの名前をこうやって書いて、私にこのようなカードをプレゼントしてくれました。ちょっと恥ずかしそうに来てくれたのですが、彼らが私と高校生のプレゼン、トータル2時間くらいありました。非常に長い時間なのですが、ずっと真剣に聞いてくれていて、終わった後、ちょっと恥ずかしそうに照れながら、ハイっといって私に「Thank you」と言いながら、これを渡してくれた。
 これも小さなことかもしれないのですが、非常に印象的であったので、質問に加えてで申し訳ないのですが、紹介をさせていただきます。

【記者】
 原発の廃炉の考え方について伺いたいのですけれども、はじめのお話でですね、スイスとイギリスが脱原発に向けて、国で全く正反対だという話があったのですけれども、知事は常日頃から、県内の廃炉については訴えられていらっしゃると思うのですけれども、やはり国ぐるみでやっている正反対の両国を御覧になってですね、国全体で廃炉を訴えていくべきではないかという思いを持ったのか、それとも今の現状のまま、県内廃炉で、福島はあくまでもアドバイザーというか、こういう現状を訴えていくというそれだけという言い方は悪いですけれども、それで良いのかといった、もしお考えが何らかの新たなものを持っていらっしゃったら教えてください。

【知事】
 先ほど、スイス・イギリスの原子力に対する根本的な話をしたのですが、実際に会話を交わしていると、その逆の傾向も見えました。
 スイス自身が全体のエネルギーの5~6割が水力です。原子力が3割程度、その3割が無くなって、どうするのと私が聞くと、水力をリノベーションしてより効率を高めるとか、再生可能エネルギーのウェイトを高めるとか、あと省力、省エネを熱心にやる。さらに過渡的には、スイスはヨーロッパの他の国と地続きなので、買電ですね。電力を他国から買うということも言っていました。
 実は脱原発というのはそんなに簡単ではなくて、その過渡的な議論というものがなかなか難しいということで、どうやって一定のプロセスをきちんと、例えば、経済であったり生活を維持しながら、エネルギー構想を考えるかということで悩んでおられました。
 イギリスは逆で、結構原発が老朽化していまして、今後、リプレイスをどうするのかという議論があるのですが、今度は逆に福島原発の事故を見ているので、どうやったら安全対策ができるのであろうか、どうやったら皆の理解を得られるのであろうかということに、むしろ真剣に悩んでいるというところがあって、単純に脱原発だからこうだとか、あるいは原発維持だからこうだということではなくて、皆さんそれぞれジレンマを思いながら、原子力政策・エネルギー政策を考えておられるなというのが、印象に残りました。
 そして我々自身は従来どおり、福島はこういう事故を正に現在進行形で味わっている県ですので、県内の全基廃炉をしっかり訴えつつ、原子力に依存しない社会を目指すために、再生可能エネルギー、まだまだ課題がありますので、その課題を具体的にどう克服するのかというところを「先駆けの地」として実証していくことが重要だということを再認識いたしました。

【記者】
 風評払拭でですね、続けるのが大事だと。さらに今回トップセールスも非常に手応えを感じられたということですけれども、ミラノ国際博覧会には行かれますか。

【知事】
 ミラノ、食の万博ですね。これについては色々な情報を取りながら検討していきたいと考えております。

【記者】
 行きたいとはお感じになってらっしゃいますか。

【知事】
 実際に直接現地に伺って、情報発信するのは重要です。
 私自身、先ほど言いましたが、顔が見える関係でのつなげ方というのは、非常に説得力というか信頼関係をとれますので、出来得れば、行きたいと思っておりますが、知事としての色々な全体のスケジュールもありますので、まだ現時点では未調整となります。

【記者】
 欧州訪問で知事は色々な方とお話ししたと思うのですけれども、率直に行く前、福島に関してどの程度海外の人が、どういうイメージを持っているかというものと、実際に話をしてみて、福島に対しての印象というのは率直に知事が想像していた以上に知らなかったのか、知っていたのか、そのギャップというのはどうでしたか。

【知事】
 分かりやすく言うと、私が想定していたとおり「知らなかったな」というのが印象です。
 おそらく海外の方、実は国内の方もちょっと距離が遠い方が大体そうなのですけれど、あまり通常ニュースに触れることがないのです。海外の方もよく言われているのが、福島第一原発でトラブルがあったニュースはよく見ているよと言うのです。
 そうするとそれ以外の情報にほとんど触れていないので、例えば、福島第一原発の廃炉がこうやって進んでいるという話をすると、非常に驚いておられました。
 例えば、海側遮水壁、陸側の凍土壁、バイパスを作っているとか、あるいは浄化槽を作って、アルプスで水をきれいにしているという話をほとんど御存知ない。あるいは復興がこんなに進んでいる、国道6号とか常磐自動車道。あるいは避難区域が最初これ位の設定であったのが、ある程度縮んできていますよとか。あと、実はそれは全体面積の中の13分の1で、福島県のほとんどの部分は通常の生活が戻ってきている。こういった事実について御存知ない方がほとんどでありました。
 これはある意味、私が想定していたとおりでしたので、それに対して大体30分~40分お話をすると、かなり今の福島についての正確な情報がスッと浸透したなという実感はあります。
 ただ、それもあくまでも今回触れたのは、スイス・イギリスの一部の方ですので、こういったことを色々な形で続けていかなければ、なかなか海外での風評払拭であったり、風化防止は図れないのだなという課題の大きさも改めて実感しているところでございます。

【記者】
 最後もう一つ、再生可能エネルギーに関してですけれども、もちろん再生可能エネルギーの技術開発も大事だと思うのですけれども、先ほどもあった省エネルギーの意識、県民も企業も含めてだと思うのですけれど、省エネ意識というものを今後どのように県内で醸成していきたいとお考えですか。

【知事】
 実は今回、私自身が再生可能エネルギー、どちらかで言うと、エネルギーを作る方に重点を置いてきたのですが、省エネルギーのウェイトというのも非常に重要だと思います。
 福島県ですと、これまで「福島議定書」と言いまして、企業や学校などと連携して、日々の省エネ意識、こういったものを醸成して、できるだけCO2を減らしていこうという取組をやってきました。これはこれで今後とも続けていくことが重要だと思います。
 それに加えて、例えば、家であったり、あるいは企業が、より省エネに思い切って取り組めるような、やり方というものをもう少し研究していかなければいけない。
 例えば、スイスであれば、建築物をリノベーションして、省エネ型の構造にする。あるいは企業が二酸化炭素税を払う義務があるのですが、これまで使っていたエネルギーを大幅に削減すると税を払わなくて良いというシステムがあります。そうすると、彼らは投資意欲が生まれるので、企業の設備投資が省エネに向かいやすいというシステムになっています。こういったものは、こういうやり方があるのだなということを改めて感じました。
 ただ、これは国税の制度なので、県が直ちにどうこうということではないのですが、企業行動であったり、家計の行動というものが、省エネに結び付くために、どういったことが自治体としてできるのか、あるいは国に対してどういう提言が可能なのかということを、こういった経験も踏まえて、再度、研究をしていきたいと考えております。 

2 新国立競技場の財源問題について

【記者】
 知事がヨーロッパに行っている間の話で恐縮なのですが、新国立競技場の問題が一定の決着を見ました。政府がいわゆる白紙撤回ということで、ゼロベースで今後計画案を見直すということですが、今回の国立競技場の問題はですね、非常にコスト計算がずさんということで、2,000億円以上の負担が最初予定をされるということになりました。政府はですね、我々、被災地に対しては、来年度以降、地元負担を求めているにも関わらず、あまりにもずさんなコスト計算をしていて、今回のような問題を招いてしまったと。こういう今回の一連の経緯について、知事はどのように受け止めていらっしゃますか。

【知事】
 まず国立競技場の問題、これは「東京オリンピック・パラリンピック」というものが、2020年に開催される際に、日本国全体で復興を盛り上げていかなければいけない、極めて重要な国際的なイベントです。
 その中でこういった問題が生じることによって、国民のオリンピックに対する思いに陰りが生ずるということがあってはならないと思います。今回、ゼロベースで見直すということになりました。オリンピックというものについて、国民が理解を持って、そして5年後に迎えることができるように、政府・関係機関はきちんと責任を持って、この問題に対処をしてほしいと考えております。
 また、その際、福島あるいは東北地域が5年後に向けて、どれだけ復興できているかというものは、オリンピックの成果に関わる非常に重要な要素だと私は考えています。
 誘致の時に「復興五輪」という言い方をされていました。福島県が、あるいは東北が、2011年という年次に、東日本大震災であったり原発事故というものを味わって、今もなおその復興は途上なのです。
 そして2020年、ちょうど10年目にその節目のオリンピックを迎えるということになりますので、復興財源の確保を含めて、国として成すべきことをしっかりやること、そして自治体自身も、あるいは住民も含めて復興に向かって懸命に取り組むこと、その両方が全体として重要だと考えております。

 【記者】
 2020年はですね、「イノベーション・コースト構想」ですとか、今回作っている「12市町村の将来像」の一つのマイルストーンとなっているかと思うのですが、今回、東京五輪の整備に関してですね、首都圏に建設需要が集中すると、被災地の復興が遅れてしまうのではないかという懸念がまだ残っております。こちらについて、どのような対応を求めていらっしゃるお考えですか。

【知事】
 これは実際に五輪の誘致が確定する段階から、一つの懸念として持っておりますし、現状、例えば人員の不足であったり、資材の不足、あるいは価格の高騰という面で一定の影響が出ている。これは事実だと受け止めております。
 今後も、東京都等と実は県の土木部でも情報交換をしておりますが、我々の色々な復興事業、特に原子力災害の被災地域の事業というのは、福島県はこれからなのです。岩手県・宮城県とは違う、そのタイミングの違いというのがありますので、できるだけそういった影響が生じないような工夫というものを進めていかなければいけないと思います。
 その際に、国においても、東京オリンピックはもちろん大切なのですが、その大前提で福島であったり東北地域の復興が重要なのだ、大前提なのだということを頭に持ってもらって、そして国としてもできる限りの対応策を講じていただくことも重要かと考えています。 

(終了)

 ■内容についてのお問い合わせ先
  欧州訪問について
  → イギリス訪問関係 総務部広報課 電話024-521-7124
     スイス訪問関係  生活環境部国際課 電話024-521-7182

  再生可能エネルギー・原子力政策について
  → 企画調整部エネルギー課 電話024-521-8417

  風評・風化対策について
  → 総務部広報課 電話024-521-7124

  イノベーション・コースト構想について
  → 企画調整部企画調整課 電話024-521-7129

  人口減少・高齢化対策について
  → 企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7809

  省エネルギーについて
  → 生活環境部環境共生課 電話024-521-7248

  東京オリンピック・パラリンピックについて
  → 企画調整部文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7312

▲ページのTOPへ

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。