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知事記者会見 平成27年11月24日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月26日更新

知事記者会見録

■日時 平成27年11月24日(火)10:00~10:22
■会場 応接室

【発表事項】
 既存管理型処分場の活用等に関する対応について

【質問事項】
 1 既存管理型処分場の活用等に関する対応について
 2 県民健康調査について
 3 東京オリンピック・パラリンピックについて
 4 応急仮設住宅一斉点検結果について
 5 双葉郡内医療機関の再開に向けた意向調査について
 6 適切な事務の執行について

知事会見 動画を見る

【発表事項】

既存管理型処分場に関する自由度の高い交付金について

【知事】
 既存管理型処分場の活用につきましては、今月の16日、県、富岡町・楢葉町、両町からの申入れに対します国の回答が提示をされたこと、また、極めて自由度の高い交付金については県に協力要請があり、今後、両町が検討する際の判断材料として、交付金についての県の考えを示す必要があることから、先ほど関係部局長会議を開催いたしました。その結果をお伝えいたします。
 国から要請のあった極めて自由度の高い交付金については、国の提示内容を精査し、しっかり対応していただくことが確認できれば、国が行う措置と相まって、両町が地域振興に主体的に取り組めるよう、県から両町に交付金を措置することにいたします。
 規模は、両町が長期にわたって必要な地域振興や風評対策等に取り組めるよう、総合的に判断をし、両町合わせて100億円といたします。
 国から提示された内容については、引き続き、精査・確認をしてまいります。
 なお、交付金についての県の考えは、両町及び国に伝えたところであり、また、本日開催されます富岡町議会全員協議会においても県から説明をいたします。

【質問事項】

1 既存管理型処分場の活用等に関する対応について

【記者】
 三点ほど確認させていただきたいと思います。
 まず一つは、100億円を県が財政負担をするという形ですけれども、県がその受入れを認めた段階でもなくて、両町が受入れを認めた段階でもなくてですね、そういった状況で財政負担をするということの理屈をもう少し詳しくお聞きしたいのが一点。それから二点目は、この財源をどこから引っ張ってくるのか、一般会計なのか中間貯蔵施設関連の交付金なのかということを確認させていただきたいのと、それから両町で合わせて100億円という形になっていますが、当然、それぞれ分け合わなければならない時が来ると思うのですけれども、それは財源を負担する県が最終的に裁定する形なのか、それとも国を交えて協議していくのか、どういう形で描いていらっしゃるのか、その三点を確認させていただけますでしょうか。

【知事】
 まず一点目ですが、県としての受入判断との関係についてであります。今日は、受入判断をしたものではございません。あくまでも交付金について、現時点での県の考え方を取りまとめたものでございます。従って、受入判断については、これは別途、国の提示内容を精査・確認をした上で、また、富岡・楢葉両町とも協議をした上で判断をしてまいります。
 次に二点目、財源の問題でございます。これは国の提示内容の精査をし、しっかり対応していただくことが確認できれば、極めて自由度の高い交付金の財源は、県として対応していく考えでございます。その場合、具体的にどうするかという中身は、まだ今後の検討課題になりますが、自由度というものが強く求められますので、その観点からすると一般財源か、あるいは県の関係基金の活用を考えてまいります。
 そして三点目です。この自由度の高い交付金の両町への配分の考え方でございます。これについては、国からの提示内容を精査・確認の上、今後、両町と協議をしていく考えでございます。「国と」というよりは、県と両町で整理をしていくということになろうかと思います。

【記者】
 エコテックの話についてですが、今の知事のお話ですと、今回の自由度の高い交付金が、今後、両町にこの決定を伝えてからの判断になるのかと思うのですけれども、前回の地域の安全対策のところでは一定の評価をし、今回の県からの交付金の話もある程度具体的になった場合に、今後受入れを判断する上でのポイントというのは、知事の中でどのようなところが重要なポイントとなるとお考えでしょうか。

【知事】
 中間貯蔵施設あるいは今回の指定廃棄物の処分場については、一番大切なのは受入自治体となる立地自治体のお気持ちというものかと思います。
 今日、富岡町で町議会における全員協議会が開催されておりますし、今後、楢葉町においても開催されます。町・町議会あるいは当事者である住民の皆さん、それぞれのお気持ちがあろうかと思いますので、そういったものを丁寧に伺いながら、検討を進めていくことが重要だと思います。

【記者】
 後は両町の判断になるのだと思うのですけれども、県としては、国が提示してきた点と、両町から申し入れた二つの「地域安全対策の強化」と「具体的な地域振興策」という意味では、ある程度、条件として揃ったとの認識でよいですか。

【知事】
 両町との協議は、今、正に真っ最中でありますので、あまり予断を持った言い方は避けたいと思うのですが、例えば、地域振興策でも、国の交付金をどういう形で充てていくのかという議論はまだ途上でございます。
 県としてはそういった部分に対応し、更に安全対策、具体的には安全協定上の取扱い等も含めて、県としての精査・確認というのをそれぞれ進めていく必要があると考えております。

【記者】
 エコテックの問題なのですけど、正にこれからということだと思うのですが、確認なのですが、いわゆる実質的な財源負担ですね、県から財源を出すけれども、いわば裏負担と言いますか、例えば県が出す分についても、後で国から補てんをしてもらう、その分復興財源を上積みするということもあり得るのか、本当に県の持ち出しということもあり得るのかですね、その辺をお聞かせください。
   
【知事】
 エコテックの財源でございます。国の提示内容を精査して、しっかり対応していただくということが確認できれば、極めて自由度の高い交付金の財源は県として対応する考えでございます。

【記者】
 今の質問にも関連するのですが、そもそもエコテックの指定廃棄物の処理というものを国がやっている中で、県の方が交付金の負担をするということへの考え方の整理を伺いたいのと、先ほど知事が、国の提示内容をしっかりと対応してもらうことが確認できればという言葉がありましたが、この確認方法を含めて、今後、国にどういうことを求めていくのかというのがあれば、お願いします。

【知事】
 今回の指定廃棄物の処分場の問題というのは、例えば、富岡・楢葉両町の問題かと言うと、そういうものではございません。やはり福島県全体に関わる問題であると。広域自治体として今回の問題について、どう真剣に取り組むかということを総合的に勘案する中で、今の方向性というものを整理しているところでございます。
 今、エコテックに関わる色々な議論を、国あるいは関係自治体とそれこそ連日のようにやりとりをしております。そういう中で必要な精査・確認をしっかりと進め、また、両町と町議会の様々なお考えもあろうかと思いますので、そういったものを伺いながら、丁寧に対応を進めていきたいと考えています。
   
【記者】
 二点ほど確認したいのですけれども、エコテックの関係なのですが、まず一点目に100億円という数字を今回初めて示されたのですけれども、その100億円という数字の根拠と言いますか、そういったものをまず教えてもらいたいのと、財源の方で、県の一般財源または関連基金というお話だったのですが、その関連基金の具体的な例示と言うか、例えばどういったものが財源として用いられるのか教えていただけますでしょうか。

【知事】
 まず100億円の考え方でございます。富岡・楢葉両町が、長期に渡って必要な地域振興や風評対策等に取り組むことができるよう、総合的に判断をして、100億円といたしました。
 そして、先ほど関連基金というお話をいたしましたが、例えば、その具体的な名称を一つ申し上げますと、「福島県中間貯蔵施設等影響対策及び原子力災害復興基金」、こういったものの活用も併せて検討を進めております。

【記者】
 エコテックの関連なのですけれども、一つは、国としてしっかり対応できることが確認できればということを重ね重ねおっしゃっておりますけれども、その確認をする前にお金を出すという話はなぜなのだろう、なぜ今日なのだろうというのが、国の対応をまず確認している最中で金だけ出しますよ、ということの理屈がどうしても分からないのが一点。
 それから先ほど国からの交付金についても今後見ていきたいということでしたが、それと自由度の高い交付金の区別を一応確認させていただきたいのと、それから中間貯蔵の基金は前回、国からの1,500億円のうちの県の持ち分650億円という認識でよろしいのかと、その三点を確認させていただいてよろしいでしょうか。

【知事】
 まず、なぜ今のタイミングなのか、それは正に今日、富岡町において町議会の全員協議会が開催される。現在、国の方から安全対策と地域振興の二つの方向性が既に示されています。これについては、国なりの考え方が整理されている。そして一部留保がかかっているのが、県としての自由度の高い交付金の取扱いです。ここをある程度方向性というものを見せないと、両町が、楢葉においても今後全員協議会があると思いますが、具体的な議論を深めていくことができないのではないかということで、急きょ、関係部局長会議を開いて、方向性を示したということでございます。
 また、自由度の高い交付金の考え方ですが、これは色々な受け止め方があろうと思いますので、こういったものは、国の福島再生加速化交付金等で、まず最大限対応していただきたい。その上で、どうしても中々難しい部分は、両町が国の財源が手当てできないものについて、この自由度の高い交付金をいかすことができるということになると思いますので、優先度合いとしては、国の交付金でできる限り対応をする、その上でそれが難しいものについては、今日、お示ししているこういったものを活用していただくという二段構えになると思います。

【記者】
 基金は、1,500億円の原資で造られているという認識でよろしいですか。

【知事】
 そのとおりです。

2 県民健康調査について

【記者】
 県民健康調査の甲状腺検査なのですが、今、想定を上回る多発が明らかになっていますが、これまで中々、記者会見で多発を否定されてきた県民健康調査検討委員会もですね、委員の方でも多発をお認めになってですね、甲状腺の評価部会の中間取りまとめでは、数十倍のオーダーの多発という表記にもなっています。何らかの対応とか対策が必要ではないかという指摘もあるのですけれども、知事のお考えをお聞かせ願えればと思います。

【知事】
 県民の健康管理の問題、非常に重要でございます。甲状腺検査を始め、どうやって県民の皆さんの健康を守っていくか、その観点に立って、専門家の御意見というものを、委員会の場、部会等でもしっかりと取り入れながら、今、検討を進めているところでございます。様々なデータというものもあろうかと思いますし、色々な御意見もあろうかと思います。そういったものをそれぞれ受け止めながら、また、専門家の意見を伺いながら、県としてどういう対応が必要かということを常に考えていきたいと思っております。

【記者】
 状況がですね、5月の中間取りまとめで数十倍のオーダーというふうに出てきてですね、大きく変わっているように思うのですけれども、検討委員会の委員の皆さんも驚かれるようなデータも出ていますし、そうすると見守るといった場合にですね、やはり知事としても当面は見守るということで、対策は特にお考えになっていないという受け止めでよろしいでしょうか。

【知事】
 常にこの健康維持の問題については、専門家の御意見、後はデータの整理分析というものが重要かと思います。そういったことについて、県として適時適切に対応していくということが基本かと考えております。

【記者】
 当面、具体的な対策は、つまり多発ということが、原因が放射線由来なのか過剰診断なのか色々な専門家の意見が分かれると思うのですけど、多発については、検討委員会でかなりの共通認識となっていると思うのですが、そこについての大きな、やはり子どもを持つ親の不安もあると思うのですけど、それに対する県の情報発信とか対策とか、特に具体的には無いということでしょうか。

【知事】
 繰り返しになってしまうのですが、色々なデータが出てくる、そういったものを取り込みながら、専門家の意見を聞きながら、最適な対応を県としては検討を進めていくということでございます。

3 東京オリンピック・パラリンピックについて

【記者】
 東京オリンピックに関してですけれども、今日からエンブレムの応募も始まりますし、一部報道で県内でも市町村が事前合宿の誘致に名乗りを上げているということもあるので、改めて東京オリンピックに向けて、各市町村これから誘致に向けて色々動きがある中で、県としてどのようなスタンスで知事は取り組んでいくのか。後は、今後登録をする上で、小さい市町村だと中々、登録施設の面で登録できない可能性もあると思うのですけれども、そういった場合、市町村に対しても、知事としてどのように県としてやっていきたいのかをお聞かせください。

【知事】
 2020年の東京オリンピック、今からカウントしてちょうど5年後ということになります。これからの5年間の福島の復興の進み方、歩みというものは、これまでの5年と合わせたトータル10年ということになりますので、2020年の東京オリンピックの中で、福島県がここまで復興・再生が進んだという姿を、国内のみならず世界に見せることは極めて重要だと思います。
 その際、大切なのは、例えば一部競技の誘致であったり、合宿ですとか、関連イベントの開催が福島県と関わっていくということが重要であろうかと思います。
 現在、関係自治体から積極的に手が挙がってきております。こういったものを県として全体を束ねて、例えば国や組織委員会としっかりと協議交渉を続けていくこと、また、それぞれの自治体単独でということではなくて、連携をして取り組んでいくことが大事だと思います。そういう意味でも、広域自治体である県の役割は重要であると考えておりますので、福島県全体としてオリンピックとの関わり、特に「復興五輪」としてのオリンピックとなるような働き掛けを更に強めていきたいと思います。

4 応急仮設住宅一斉点検結果について

【記者】
 県内の仮設住宅の建物を支える木製の杭が、シロアリとか腐食の被害が県の一斉点検で分かったということなのですが、応急的な住居ではあるとは思うのですが、中々、帰還の時期が見通せない中で、長く入居者の方が今後生活することも考えられますが、県としてこれの対策はどういったことをされますか。

【知事】
 4年8か月という長期に渡って避難生活を続けておられる方々、特に仮設住宅に住んでいる方々が決して安定的に住める環境ではないというのがまず根本的にございます。更に、今回点検をした結果、不具合や不十分なところがあるというデータが出ておりますので、これについては応急対策をまずしっかりとやっていくことが重要です。
 併せて大切なのは、復興公営住宅の整備をできる限り早くして、そういったところに移っていただいて、より安定的な生活をしていただくよう県として取り組んでいく。この二つの部分について、力を入れていきたいと考えております。

5 双葉郡内医療機関の再開に向けた意向調査について

【記者】
 双葉郡の医療機関で、今後5年間で地元で再開したいのが6施設というアンケート結果を県が先週発表しましたけれども、まず、知事はこの結果をどう受け止めているのかというのが一点と、先週の会議の中で県ですとか、国からの支援が必要という意見が多く出されました。今後、双葉郡の医療復興に県としてどう関わっていくかという二点についてお聞きします。

【知事】
 双葉郡、例えば帰還困難区域、あるいは居住制限区域等を抱えている自治体も多くございます。そういう中で戻って、改めて再開をしたいという医療機関が一部であるというのは、今後住民の皆さんが安心して帰還していく上でも、まだまだだと受け止めております。
 これまでも我々、正に国に対して、この同じ問題意識を以前から持っておりますので、医療環境が整わなければ住民の皆さんが帰還できないのだということを、あらゆる場を通じて強く訴えております。
 今後も、例えば復興庁や厚生労働省ですとか、関係の機関に強く訴えながら、医療機関が単独で自力で戻るというのは非常に難しい環境にあるので、国としての支援、また、県は県として独自に診療施設の再開を進めようとしておりますが、全体として連携して、バックアップできるような対応というものを考えて取り組んでいきたいと思います。

6 適切な事務の執行について

【記者】
 県のガバナンスの問題について二点ほど。まず先日、前回もお伺いした例の防災講演会についてですね、知事はこういったことが無いようにとお話になっていたのですけれども、知事ないし知事から指示を受けた関係部局長から、具体的に部局長への何かの指示であるとか、啓発というものを何かされたのかということ。もしされたのであれば、内容といつかというのが一点。
 もう一点は全く別の話なのですが、借上住宅の家賃の過払いの問題でですね、これについて今のところ、現段階では処分をしたということは承知していないのですけど、土木部の当時の幹部も含めて、どのように処遇されるのかを改めてお聞かせください。

【知事】
 まず、一点目の問題についてでございます。この件については当事者である危機管理部長と副知事に対して、こういったそれぞれのイベントや催しが、本来の目的に沿ってきちんと対応されるべきだということを指示して、徹底をしているところでございます。
 また、二点目の問題については、関係部局にお問い合わせいただければと思います。

(終了)

■内容についてのお問い合わせ先
  既存管理型処分場の活用等に関する対応について
  →生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043

  県民健康調査について
  →保健福祉部県民健康調査課 電話024-521-8219
 
  東京オリンピック・パラリンピックについて
  →文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7312
 
  応急仮設住宅一斉点検結果について
  →土木部建築住宅課 電話024-521-8187
 
  双葉郡内医療機関の再開に向けた意向調査について
  →保健福祉部地域医療課 電話024-521-7221
 
  適切な事務の執行について
  ・防災講演会について
    →危機管理部災害対策課 電話024-521-7194
  ・借上住宅の家賃等に関する対応について
    →土木部建築指導課 電話024-521-7522

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