■日時 平成27年12月21日(月)10:00~10:20
■会場 応接室
【質問事項】
1 県民世論調査の結果について
2 指定廃棄物の処理について
3 東京オリンピック・パラリンピックについて
4 全国体力テストの結果について
5 政府機関の地方移転について
6 市町村の広域連携について
7 避難指示区域等への支援について
8 森林除染について
【記者】
週末ですね、弊社と他社共同の世論調査でですね、内堀知事の支持率は72.9%と過去最高になりました。これについての受け止めをまずお聞かせいただけますでしょうか。
【知事】
この調査結果、真摯に受け止めております。県民の皆さんは福島復興、地方創生をしっかりと前に進めてほしいと願っておられます。この県民の強い思い、強い願いを胸にして県政に全力で取り組んでまいります。
【記者】
もう一点お伺いします。消費税10%引き上げ時に適用される軽減税率についてです。
こちらの世論調査ではですね、賛成が50.6%、半数を超えたのですが、一方では財源の確保について9割を超える人が心配だというような回答をしております。これについて知事の御所感をお聞かせください。
【知事】
消費税の軽減税率制度の導入については、社会保障制度、こういった改革と併せて私たち国民全体の生活に密接に関わる重要な国政上の課題であります。従いまして、被災地を始め、地方の声というものにも十分配慮の上、地方自治体の運営あるいは被災地の復興に影響が及ぶことがないよう、しっかりと議論を進めていただきたいと考えております。
【記者】
知事としては、例えば国の方に要望とか、そういったようなお考えはおありでしょうか。
【知事】
ただいま申し上げた考え方というものを、折に触れてお話をしていきたいと考えております。
【知事】
指定廃棄物の取扱い、あるいはこういった放射能に関わる廃棄物の問題については、国が放射性物質汚染対処特別措置法に基づく基本方針あるいは関連の制度というものを、今、整備をしているところでございます。
国においては、そういった現在定められているルールに則って、責任を持って対応していただきたいと考えております。
【記者】
そうしますと、福島県内で受け入れることを検討する余地はあるのですか。
【知事】
これまでもお話をしているとおりですし、今、申し上げたとおり、国の方針であったり、ルールに則って対応されるべきものと考えています。
【知事】
昨日、JOCの竹田会長、そして5人のオリンピアンが福島に来ていただいて、子どもたちと触れ合っていただきました。その際、事前に若干お話をする機会がございましたので、福島県の考え方を申し上げました。
その福島の考え方というのは、今回の2020年の東京オリンピック・パラリンピック、これは非常に大切な、正に大イベントであります。その際、2020年ですから、今から5年後ということになりますが、復興が着実に進んでいる福島の姿を是非世界に発信をしていきたいと、そういう思いをまず申し上げ、それと絡んで「復興五輪」という位置付けというものを、是非汲み取ってもらって、例えば、五輪競技の予選の一部開催、あるいは合宿であったり、関連行事というものを、積極的に福島あるいは被災地で開催をしていただくことで、国全体を挙げた「復興五輪」の位置付けができるのではないかというお話をさせていただきました。
竹田会長は、これまでも組織委員会や関連の機関に対して、福島県がそういった要望をしていることをよく御存知でありましたので、「そういった思いは私としても真剣に受け止めております」というお話を頂きました。
【記者】
関連して、その後、竹田さんですね、「福島で何か見れますか」という質問に対して、「可能性は十分にある」というふうに記者団に答えているのですけれども、新年度に向けてですね、県としてその組織の体制強化であるとか、予算枠を付けるだとか、そういったことはどういったことを検討してらっしゃるのでしょうか。
【知事】
まず大切なのは福島県と、県内のそういった関連事業を誘致したいと思っている市町村との連携であります。従って、まず体制としては、「オール福島」の体制というものを既に作り上げておりますので、その組織がより活発に動くように努めていきたいと思います。
また、関連の予算でありますと、例えばこういった関連行事の誘致に係る予算であったり、あるいは福島県の若いゴールデン・エイジの年代の子どもたちを「夢アスリート」ということで、現在、計画的に育成をしておりますが、そのメンバーの幅を広げたり、あるいはよりレベルの高い研鑽を積めるように、予算上の措置をしていくことが重要だと思っております。
現在、当初予算の編成作業が始まっておりますので、こういった国の全体の動向、あるいは追加競技の種目の今後の在り方を見ながら、適時・適切に予算の対応、人員対応、組織対応、それぞれしっかりやっていきたいと思います。
【知事】
子どもたちにとって、運動すること、体を動かすということは、本当に発育過程上、重要な内容を含んでいると思います。ただ福島県は、3.11以降、環境放射能の問題等もありまして、中々、一時期、表で当たり前の運動をすることができなかったという時期がありました。
その後、もちろん環境改善はされてはきているのですが、そういったもののマイナスを引きずっている部分が正直あると思います。子どもたちが運動・スポーツ面で、非常にはつらつとしていることは、子どもたちを健やかに成長させていくための非常に重要な要素と考えておりますので、総合教育会議、あるいは県教育委員会、文化スポーツ局、それぞれ連携をしながら、福島の子どもたちが健康的に笑顔で運動できるような環境・育成というものに力を入れていきたいと考えています。
【知事】
地方分権の議論というのは、実は平成だけではなくて、昭和の初期から常に言われ続けている問題です。裏返しますと、中央集権の議論そのものの議論を、今後、どう国全体として進めていくかというところが、ど真ん中になってくると思います。
中央機関を地方に移転するというムーブメント、これを議論することは、私自身は評価をしておりますが、ただ結果として現時点において、なかなか地方自治体の思いと中央政府の現時点での対応というものが、かみ合っているかというと、そうは思いません。
福島県自身も、いくつか具体的な提案をさせていただきました。我々自身、非常にこだわりを持ったものもあったのですが、結果として一部はダメであって、そして一部は残っているという形になっています。この分権の議論というものは、国の制度、枠組みの根幹に関わる議論ですので、今回の議論だけで終わるものではないと思います。
今、「地方創生」という新しい動きがあります。この地方創生という、新しいトレンドの中で、我々自身が一つ一つ具体的な結果を出していく。例えば、人口減少に一定の歯止めを掛けた、あるいは出生率が一定の改善を見せる、そういったところを見せていく中で、地方自治体にもこれだけのことができるのだということを中央政府に示しながら、更なる分権推進に取り組んでいきたいと思います。
【記者】
最後に一つなのですけれども、中央官庁出身ということで、気持ちも分かると思うのですけれども、なかなか手強いなというところは感じますか。
【知事】
おそらく、特に省庁の移転ということに対しては、国会の対応がどうしてもネックになるという部分はあると思います。本当に1年間の中の相当の期間、国会が開会されていまして、その対応に職員が忙殺されている。かつ実際に、例えば、大臣、副大臣、関係部局長や課長が国会に詰めて、対応しなくてはいけない。従って、難しいというのが政府の考えだと思いますし、それ自身は、これまで私自身官僚の経験がありますので、そういう感覚はあるのだろうなというのは理解できます。
ただ、繰り返すのですが、日本という国家がこれから大きな人口減少の波の中で、どうやって日本全体が元気に発展していくかという中で、パラダイムシフトをどうやってしていくかという真剣な議論は、今、始めなければいけないと考えています。
【知事】
おそらくこれまで合併であったり、広域連携の議論というものが、他県と単純に比較した場合に福島県が進んでいないように見受けられる点というのはあると思います。
ただ、その前提として、我々の頭に入れておかなければならないのは、福島県は県土が広いということであります。具体的に言いますと、福島県の面積は、全国で3番目に広いのです。この3番目の広さを更に分かりやすく言うと、東京・千葉・埼玉・神奈川、一都三県を足した面積より福島の方が広いのです。従って、各市町村の合併論というものはこういった広域性というものを考えながら進めていくことが重要ということで、これまで我々、市町村の意思を尊重するというスタンスを続けてきました。
一方で、広域連携というものは重要だと思います。例えば、消防や廃棄物の処理であったり、今、観光政策ですとか地域振興、こういった面での広域連携について、全国的に色々な良い取組がございます。また、県内でもそういったものに取り組んでいる市町村があります。
具体的に市町村の枠組は残しながらも、広域連携によって、こういった効果が出るんだよということを、今回の地方創生の議論の一つの基軸にもなってくると思いますので、他県の良いモデルケースあるいは県内の良い取組、あるいは制度そのものの説明というものも、広域自治体としてきちんとお伝えをしながら、各市町村が自分たち自身で、自律的にかつ広域的な対応ができるような取組を進めていけるようサポートをしていきたいと考えています。
【記者】
今、そうした意味では、具体的にはモデルケースや制度の説明という上で「サポート」という言葉をおっしゃったのですけれども、来年度以降、具体的にサポートという部分においては、例えば、制度、資金面的なことは、今、知事の中でお考えになっているものはあるのでしょうか。
【知事】
私が昨年知事に就任しましてから、福島県では27年度予算の中で地域振興の予算を大幅に拡充しております。その中の一つとして、実は広域連携をした場合に、県が積極的に支援をするという財政システムを構築して、枠を広げてかつ使いやすくするという手立てを作っておりますので、こういったものを積極的に活用していただくことで、広域連携が進む一助になると私は考えています。
【知事】
今回、国の補正予算で、そういった原子力災害の被災地域に対する色々な支援事業のメニューを用意してくれました。その中で、一つの事例として、そういったプレミアムの地域振興券の在り方というものが提示されていると思います。
大切なのは、国の考え方はもちろん一つの基軸として重要ですが、実際、その12市町村、あるいは双葉郡も含めてですが、そういった方々がどうやって使うか、そちらが主になると思います。従って、国の制度建ては、制度建てとしてもちろん活用するのですが、例えばその中で、自治体がこうやりたいんだけど、ちょっと使いづらいよねというような話があるのであれば、県はまた仲介をして、国に対して積極的に発信をしていきたいと思います。
自治体自身が、帰還のタイミングが全部違う、進捗状況が違いますので、一律にそれを使うかどうかというのは自治体の判断になると思います。既にある程度、帰還が進んでいるところは積極的に使うという思いがあるかもしれませんし、一方で、まだまだそこまで至っていない自治体もありますので、段階に応じ、自治体の意思を尊重して、県としては対応していきたいと考えています。
【記者】
旧緊急時避難準備区域の4市町村に対する県の支援、方向性というかですね、どんなふうに進めていくのかお聞かせください。
【知事】
12月県議会の中で、私の方からそういった答弁をさせていただきました。
今、制度構築を正に進めている最中で、関係の自治体の御意見も頂きながら、今後、予算化に向けて具体的に進めているところですので、現時点ではまだ具体的な中身は控えさせていただければと思います。
【知事】
そういった具体的なお話は、まだ承知しておりません。
県としては、確か先月だったと思いますが、環境省に対して、森林除染についてしっかりと方向性を出してほしいということ、そして森林というものは、福島県全体でも非常に大きな面積がありますし、また、避難地域の住民の方々にとって、生活と密接に関わる大切なエリアなので、しっかりとした対応をしてほしいということを要請しているところであります。今後とも、このスタンスに則って対応していきたいと考えております。
(終了)
■内容についてのお問い合わせ先
県民世論調査の結果について
・知事の支持率について
→ 総務部政策調査課 電話024-521-7184
・消費税軽減税率について
→ 総務部財政課 電話024-521-7029
指定廃棄物の処理について
→ 生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043
東京オリンピック・パラリンピックについて
→ 文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7312
全国体力テストの結果について
→ 教育庁健康教育課 電話024-521-8409
政府機関の地方移転について
→ 企画調整部企画調整課 電話024-521-8627
市町村の広域連携について
・市町村の広域連携について
→ 総務部市町村行政課 電話024-521-7057
・市町村の地域振興について
→ 企画調整部地域振興課 電話024-521-7118
避難指示区域等への支援について
→ 避難地域復興局原子力損害対策課 電話024-521-7103
森林除染について
→ 農林水産部森林計画課 電話024-521-7425