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知事年末記者会見 平成27年12月28日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月28日更新

知事年末記者会見

■日時 平成27年12月28日(月)10:00~10:18
■会場 応接室

【発表事項】
1 年末挨拶「県民の皆さんへ」
2 今年の漢字「誇(ほこり)」について

【質問事項】
1 平成27年を振り返って
2 国等への要望について
3 今年の漢字について
4 中間貯蔵施設について
5 森林除染について
6 文化・スポーツへの期待について

知事年末会見動画を見る

【発表事項】

1 年末挨拶 「県民の皆さんへ」

【知事】
 平成27年の年の瀬を迎えました。
 今年は、福島の復興を前に進めるため、「現場主義」により、市町村や地域の現場を精力的に回り、様々な思いを受け止めるとともに、その実現に向け、私が先頭に立って、対外交渉を行うとの姿勢を続けてまいりました。
 そのような中、常磐自動車道の全線開通を始め、ふたば未来学園高等学校の開校、医療や環境分野といった拠点施設の整備の進展、ふくしまデスティネーションキャンペーンの展開等を通した県内のにぎわい、さらに、全町避難を続けていた楢葉町の避難指示解除など、復興に向けた明るい光が一層の強まりを見せた一年だったと思っております。
 その一方で、10万人を超える皆さんがふるさとを離れ、5度目の年末年始を迎えようとしておられます。
 引き続き、避難者の皆さん一人一人の思いを受け止めながら、生活の再建や産業の再生など、復興に向けた取組を着実に進めるとともに、地域を元気にしていくため、地方創生にもしっかりと取り組み、福島県全体の復興・再生につなげてまいります。
 今後も、広く市町村や地域との対話を重ねながら、県民の皆さんに一日も早く復興を実感していただけるよう、全力を尽くしてまいる考えであります。
 日々、寒さが、厳しくなってまいりました。皆さんには、お体を大切にされ、健やかに新年を迎えられますことをお祈り申し上げ、年末の御挨拶といたします。

2 今年の漢字 「誇(ほこり)について」

【知事】
 今年の漢字は「誇」、プライドであります。福島県にとっての今年1年は、福島の誇り「ふくしまプライド。」を取り戻す、あるいは、新たな「ふくしまプライド。」、福島の誇りを作り出す1年であったと思っております。
 もちろん、まだまだ誇りを取り戻すための戦いは続きます。ただ、この1年、一歩一歩、「ふくしまプライド。」という思いを、県民の皆さんが着実に実感をしながら、復興を前に進めることができた、そういう1年であったと考えております。

【質問事項】

1 平成27年を振り返って

【記者】
 先ほどの御挨拶と被るかと思うのですが、27年を振り返ってですね、施策等で手応えのあったことと、積み残してしまったと思われること、これについて教えてください。

【知事】
 まず、一定の進展を見せることができたというのは、例えば常磐自動車道の全線開通であったり、ふたば未来学園高校の開校、あるいは医療や環境分野における拠点施設の整備が進んでいること、また、デスティネーションキャンペーンの展開等によって観光客が一定の増加を見せている、こういった具体的な進展があった1年だと考えております。
 また、全町避難を続けておられた楢葉町が、避難指示解除にまで至ったということも一つの大きな進展だと思います。
 ただ一方で、いまだ10万人を超える避難者の方々が避難生活を続けている。あとまだまだ帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域といった12市町村あるいは双葉郡における避難地域の問題という重い問題を抱えております。
 また、県全体における風評・風化の問題もございますし、こういった点については、まだまだ厳しい課題を福島県が抱えているということを改めて実感をしております。

2 国等への要望について

【記者】
 今までですね、国とか東電とかにですね、色々なことを要望したりですね、求めてきたりした4年間だったと思いますけれども、2016年は、国に今後どのようなことを福島県として訴えていくというテーマを教えていただきたい、予算のことであったり、何でもよろしいですけれど。
 それとあともう一つ、東京電力に対して、今後、何を求めて、福島をどうしていってほしいのか、福島第一原子力発電所をどうしていってほしいのかということを知事として、2016年、最も重要と考えているものを教えてください。

【知事】
 まず新年、2016年に向けて、国に対してしっかりと申し上げていきたいのは、財源の問題であります。平成28年度予算あるいはその前段で復興・創生期間、これからの5年間の財源確保の問題を2015年に進めてまいりましたが、福島の復興を進めていくためには安定的な財源の確保がなくてはできません。従って来年においても、私は国に対し、自分自身が先頭に立って、着実な財源確保を求めてまいります。
 併せて、制度的な様々な手立てについても訴えていきたいと考えています。今回、税制改正の特例ですとか、あるいは特別な措置というものを年末に向けて講じていただきました。こういった福島向けの特例措置をしっかりと運用していくことが重要であります。
 福島県全体の課題にもなるのですが、例えば中間貯蔵施設であったり、指定廃棄物の処分場の問題、これは国が責任を持って、自ら進めることが何よりも重要であります。県としても、ある意味、複雑な思いを持ちつつも、新年度から新たに県職員の派遣というものを今検討しておりますが、あくまでも責任主体、当事者が国だということをしっかりと訴えてまいります。
 当面の喫緊の課題としては、森林除染の問題がございます。この森林除染の問題については、年明け早々にも県幹部が国の政府高官に対して、福島県の思い、福島県の考え方というものを関係の方々と共に、しっかりと要請というか思いを伝えていきたいと考えているところでございます。
 また、東京電力につきましては、大切なのは福島第一原発の事故収束を着実に進めるということであります。2015年はサブドレンの運用開始であったり、海側遮水壁の完成、こういった形で進展のあった1年であったと考えております。
 ただ、こういったものも運用を誤ると、大きな問題を引き起こします。また、こういった進展には、漁業者の皆さんの苦渋の判断があったということも忘れてはなりません。亡くなった方、死亡事故が発生したという重い問題もございます。2016年においては、一層気を引き締めて、着実な廃炉に向けて前進を続ける1年にしていただきたいと考えています。

3 今年の漢字について

【記者】
 先ほど知事が選ばれたですね、「誇」という字、「ふくしまプライド。」というものがありましたけれど、非常に分かりやすくてですね、県民にも響く言葉ではないかと私は受け止めました。改めてその思いについて伺います。

 【知事】
 福島県、4年余りですね、今年1年、本当にまた苦労しながらも、復興に向けて前進を続けてきました。
 例えば、農業者の方や産業関係の方であったり、観光関係の方あるいは学校関係、色々な県民の皆さんがそれぞれの自分の立場において、福島の誇り、プライドを取り戻したいという思いを持って懸命に前に進んでおられるという姿を実感しています。
 県は行政の主体として、広域自治体として、県民の皆さんのこの頑張りを応援したい。そして失われてしまった、壊れてしまった福島の誇りを取り戻したい。その強い思いを持って1年間、様々なアクション、行動を進めてきました。ただ、これは1年で誇りが取り戻せるかというと、そういう甘いものではございません。私たちが失ったものは大きい、それを取り戻す試みには時間が掛かります。
 また、ただ元に戻すだけでは、福島の復興は成し得ないと思っておりまして、新しい誇り、「ふくしまプライド。」を作ってこそ、本当の真の復興が達成できると思っております。多くの県民の皆さんと力を合わせて、新しい年も福島のすばらしい誇りを形作っていきたいと考えています。

4 中間貯蔵施設について

【記者】
 先ほど、知事が中間貯蔵施設の話をされたと思うのですけれども、去年、受入れが決まってからもう1年以上経ちますけれども、この1年間で地権者との交渉であったりとか、そういった部分について、この1年の動きというのを知事はどう評価しているのか、それと来年はどう取り組んでいくのかをお願いします。

【知事】
 中間貯蔵施設、昨年の9月に建設受入れの容認を国に伝え、そして今年の2月に、搬入受入れを容認いたしました。その後、国として地権者との本格的な交渉に今入っているところでありますが、まず、居所、連絡先がつかめずにアプローチできないという問題がございます。また、アプローチできる方についても、頻度がまだ十分ではなくて、しっかりと連絡を取れていないという点があるかと思います。
 さらに、連絡を取れた方の中でも、今度はその方の土地や建物についての評価というものをお示ししないといけないのですが、そういった点について手間取ってしまっているという面があります。
 先般、丸川環境大臣が、私が今挙げたようなネックについて、国として解決し得る方策というものを出しました。とにかく県としては、その方策を実行に移して、結果に示してほしいということを今述べているところでございます。
 本来、これは国が設置当事者であり、責任を持って進めるべきことではありますが、地元の事情を良く分かっている広域自治体としても、新たな対応をしなければいけないということで、先般、県議会で申し上げましたが、新年度から県職員を国に派遣をして、この中間貯蔵施設の手伝いというものをしていくということを考えております。

5 森林除染について

【記者】
 先ほどですね、森林除染について、年明け早々にも「福島の思い」というものを国に伝えたいというお話がありましたが、福島の思いというのは、もちろん生活圏以外の森林について除染するという方針があって、林業を営む方の生業の再建ですとか、住民の帰還についての支援というのはされるかと思うのですが、国が示した生活圏以外は除染しないという方針に対して、そこについても福島としての、県としての思いというのを伝えるのでしょうか。

 【知事】
 今般、国としての方針が一つ出たのは、検討会の結果ということであろうかと思います。今後、国自身がどうするかということが問われる訳でありますが、県はこれまで国に対して森林全体の除染や適正な森林管理に関する方針を示すよう求めてきました。放射性物質対策については、何よりも県民理解を得ながら進めることが重要であり、国は十分な説明責任を果たすべきだと考えています。
 この森林全体の除染、あるいは放射性物質対策について、引き続き実効性のある方策、この構築に向けた取組というものを、国に対して年明け早々にも求めていきたいと考えております。

6 文化・スポーツへの期待について

【記者】
 今年は、知事が今おっしゃられた部分以外にも、スポーツですとか文化の面で県民の活躍が目立ったところもあったかと思います。
 来年、リオデジャネイロ五輪もありますけれども、そこも含めて、今年のスポーツ・文化の面、そして来年に期待するところを教えていただけますでしょうか。

【知事】
 今年も、例えばバドミントンであったり、あるいは県内の若手高校生、中学生たちがスポーツの分野で本当にすばらしい活躍を見せてくれました。また、合唱であったり、吹奏楽やマーチングバンドなどの文化の面でも、福島の元気というものを全国に発信してくれたと思います。
 そういった若者たちと私は会うことが多いのですが、非常に凜としていて、目を輝かせていて、こういう世代が震災後にたくましく成長して、これからの将来を背負っていってくれるんだなという非常にうれしい期待感を持っています。若者たちの頑張りに負けないように、私たち大人も、しっかりと復興あるいは地方創生を前に進めて、もっともっと元気な福島を創っていきたいと思います。

(終了)

■内容についてのお問い合わせ先
 平成27年を振り返って
 ・県政全般について
 →総務部政策調査課 電話024-521-7184
 ・避難地域の復興について
 →避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8429

 国等への要望について
 ・政府予算対策について
 →企画調整部企画調整課 電話024-521-8014
 ・中間貯蔵施設について
 →生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043
 ・森林除染について
 →農林水産部森林計画課 電話024-521-7425
 ・東京電力福島第一原子力発電所について
 →危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054

 今年の漢字について
 → 総務部政策調査課 電話024-521-7184

 中間貯蔵施設について
 → 生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043

 森林除染について
 → 農林水産部森林計画課 電話024-521-7425

 文化・スポーツへの期待について
 → 文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7312
   文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7795

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