■日時 平成28年3月28日(月)10:00~10:25
■会場 応接室
【質問事項】
1 復興・創生期間について
2 アフターデスティネーションキャンペーン(DC)及び「東北復興月間」について
3 地元金融機関のMRJ誘致について
4 危機管理部及び風評・風化対策監について
5 政府関係機関の地方移転について
6 中間貯蔵施設について
7 女性管理職について
8 こども未来局について
【知事】
いよいよ4月1日から新しい5年間、「復興・創生期間」に入ります。
これまでの5年間は「集中復興期間」ということで、例えばインフラの復旧であったり、法制度、予算制度といった基本的なフレーム、枠組みを作りあげてきた期間であったと思います。
この5年間で基本的なスキームというものは出揃ったと受け止めておりまして、これから具体的な復興を前に進めていく大切な期間になると考えております。
特に、福島県の場合は原子力災害という重い荷物を背負っております。今後、例えば避難指示解除をどのように進めていくかという問題であったり、昨日も議論になっておりますが、中間貯蔵施設をどのように整備して、県内のあちこちに山積みにされているフレコンバッグの山をどのように解消していくか、このような具体的な取組を進めていくことが重要であると考えております。
そして「復興・創生期間」の最終年度は、ちょうど2020年ということで、震災から丸十年、また一方で、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年にもなります。
そういう意味でこれからの5年間で、福島県の復興・再生をより前に進めて、世界の皆さんが、あるいは日本の皆さんが、当然ながら福島県民の皆さんが復興を実感できる5年間にしていかなければいけないと考えております。
【知事】
昨年、高木大臣が復興大臣に就任されてから、とりわけ力を入れておられているのが、風評・風化対策、そして、その風評対策と連動する形での観光の振興ということでございます。
高木大臣が気にされておられるのが、例えば、東北地方全体のインバウンドの減り方、伸びない状況というものを気にされておられます。
被災地を盛り上げるためにも観光客を増やしていくというのは重要な要素となると思いますので、福島県としてもこの取組と連動して進めていきたいと考えています。
特に本県の場合は、今年の4月から6月は「アフターDC」ということで、大型観光キャンペーンの期間とぴったり重なります。
多くの方々に福島県に来ていただいて、例えば、春の桜であったり、おいしいお酒であったり、是非、笑顔になって帰っていただけるためにも、こういった国の取組と連動して盛り上げて、たくさんのお客様に来ていただけるように力を尽くしていきたいと考えております。
【記者】
もう一つ、先日、北海道新幹線が開業しましたけれども、これから始まるアフターDCについて、どのように関与していきたいと考えていますか。
【知事】
今回、北海道新幹線が開業いたしました。畠副知事もその関係行事に参加をしておりますが、アフターDCの期間の中で、是非、北海道に対して、我々としては観光のPR、プロモーション活動をかけて、北海道の皆さんが、是非、この新幹線を活用して福島の地に来ていただけるような、そういうキャンペーンを進めていきたいと考えております。
色々な形での行き来というものは大事ですし、新しい動脈ができたという前向きに受け止めて、アフターDCにいかしていけるように我々は取り組んでいきたいと考えています。
【知事】
先般、東邦銀行さんが関係の方々と新たな協定を結んで、MRJの関係について新しい取組をされるというお話を伺っております。
福島空港は御承知のとおり、震災後、より厳しい状況にある。現在は、札幌便と大阪便の二つの路線しか飛んでいないという状況でありますので、我々としては、是非、福島空港の活性化のために、様々な手立てを検討していきたいと考えておりますし、そういう意味で今回の東邦銀行さんの取組というものをしっかりと注視していきたいと考えております。
また、一方で、MRJそのものが、現在、整備計画がどうしても遅れる傾向にあったりとか、全体的な流れの中で福島空港との関わりがどうなるかという面がまだ見えない点もありますので、そういった点が今後の課題になるかと思います。
ただ、いずれにしても、様々な方策を尽くして、福島空港が元気になるように、また、空の玄関口になるように、県としては力を入れていきたいと考えております。
【知事】
まず、危機管理部でございます。危機管理部は、福島県が震災であったり、原発事故を体験している正に被災県として、今後、福島県内において何か事があった場合に、迅速に、そして的確に対応するための部署ということで、昨年設けさせていただきました。
ただ一方で、実際、設置されて間もなくの間、様々な不手際があったという事実もございます。そういった反省も踏まえて、この一年間手綱を引き締めながらしっかりと対応していく必要があると捉えていたところでございます。
また、危機管理の形というのは常に変わります。何か一つマニュアルを用意していれば、それで事足りるというものではなくて、時点時点での対応というのが重要になると思いますので、そういう意味でも、今後とも、常に24時間気を引き締めながら、危機管理部が新年度においても機能してもらえるよう部長継続ということでありますので、部局全体を捉まえながら、事にあたっていただきたいと考えております。
また、風評・風化対策監であります。風評・風化対策というものは私自身がトップセールスで行う部分も当然多々ございますが、全ての行事に出たり、全ての現場での対応ができる訳ではありません。対策監自身が様々な方面に出かけていって、私の代わりになって非常にソフトな口調で話しかけていただいて、「非常に分かりやすかった」という場面もあったように聞いておりますし、知事だけでできない部分を対策監自身が体現をして、県の代表として色々な所でお話をする、あるいは対応していくということが、これからも重要だと考えております。
いずれにしても風評・風化対策は、むしろ年を追うごとに、その任務というものが重要になってくると思います。そういう意味で6年目に入るこの4月からも、風評・風化対策監自身、私も含めてですが、更に懸命に取り組んでいかなければいけないと考えております。
【記者】
今おっしゃった危機管理部、マニュアルを用意しておけば事足りることではない、正にそのとおりだと思います。その点で危機管理部の今回の働きを見ておりますと、部を作ったということで、純粋に新設されたのは危機管理課と認識しておりますけれども、会見を色々と伺っていると、例の方針を作って、また、職員の研修をしているということは聞いているんですけれど、それ以外でなかなか目立った活動がないように思うのですが、例えばもう少しですね、外、先進県の取組であるとか、場合によっては人材を招へいしてトップとかサブリーダーに据えるというくらいの、何か新しいものをして危機管理対応能力を向上する。これくらいやってもいいのではないかと思うのですが、これについてはいかがかということと、もう一つ、風評・風化対策監についてなんですけれど、トップセールスということで対策監がお話になるというのもあるのですが、やはり今後はマスコミュニケーション、例えばそれこそCMを使ったりであるとか、ネット戦略であるとか、そうした部分というのが注目を集める部分では一つのキーになるのではないかと思うのですが、ここの部分の取組がちょっとまだ見えない、色々と広報課さんでやっているのですけれども、抜本的に変わった、大きく変わったというのが見えてこないのですが、局所的な話ではなくて、そうしたマスのコミュニケーションという点で何か期待する部分がありますでしょうか。
【知事】
まず、危機管理部の対応についてであります。危機管理部、常に絶えず100%という体制というのは無いので、進化し続けなければならない、新しい備えを作り続けなければいけないという観点において、例えば他県においてより良い取組をされている、あるいは色々な御意見を持った有識者の方がおられるということであれば、そういった方々の御意見ですとか、お考えを参考にしながら福島県に当てはめて、より良くしていくというのが重要だと考えております。
そして、風評・風化対策の関係で、特にマスコミュニケーションというか、皆さんとのコミュニケーションの方法、これも従来型のやり方だけではなかなか難しいと考えています。
色々な御評価もあるかもしれないのですが、最近、私どもが新しくチャレンジした二つのパターンがあります。一つは「みらいへの手紙」ということで、アニメーションで福島県内の実話10本を使ってアニメ化をして、多くの方々に見ていただいている。
これはこれまで県が行っていた従来型の広報とは全く異なる性質のもので、反応も非常にビビッドであります。こういったアニメという形が、老若男女あるいは世界の方を含めてなのですが、伝わるのだなということを実感をしております。
そしてもう一つは3月12日、3.11の翌日ですが、全国紙あるいは地元紙を含めて、福島県の一面の広告というのでしょうか、思いを載せさせていただきました。
これも非常に反応が大きいです。従来の福島県がやっていた広報とは全く違う形のメッセージの出し方というものが、色々な方々に伝わるということを実感しておりますので、我々自身がこれからもどういった意見の出し方、広報の進め方がより伝わるのかということを切磋琢磨して、吟味しながら、また新しい挑戦を続けていきたいと考えております。
【知事】
私自身、今、地方自治体、広域自治体の長というポジションをやっております。
一方で、従前、国家公務員に席を置いていたというところもありますので、その両面の観点から見て、やはり大切な「地方創生」、このキーワードの捉え方だと思います。
国は、今、地方創生を進めるということで、担当大臣を置いて様々な施策を進めていますが、やはりキーワードは「現場主義」なのであろうと。その現場にいるということによって、実際の状況が生で分かります。リアルさが分かります。その上で施策を作るということが、一番効果がある訳です。
そういう意味で、今回の中央省庁機関の移転の議論も様々ありますし、本県としても、要望してきたことが全て取り入れられた訳ではない。そこは色々な協議をしていく中で、東京の方々の思いというのが、我々の思いと食い違っているなということは正直感じたところがございます。
また、例えば昨日、福島県で復興再生協議会というものを開催しました。そこには、復興大臣、経産大臣、環境大臣の三大臣、そして三つの省の副大臣、総務省政務官等が、皆さん福島市に来てやりとりをする。終わった後、皆さんそれぞれ県内に移動して、現場の状況を御覧になっていただいております。こういった取組が、国の色々な制度設計であったり、予算を考えていくに当たって、非常に大事なポイントになってくると思います。
私は地方創生というのは、これからの日本にとって非常に重要な戦略だと考えておりますので、今後とも「現場主義」、地方に軸足を置いて国の政策を進めるために、どういった形が良いのかというものを全国知事会等と共に問い掛けていきたいと考えています。
【記者】
それはどちらかというと、やはり今以上にもっと真剣に、地方に移転ということを真剣に考えた方が良いのではというお考えということでしょうか。
【知事】
例えば、「首都機能移転」も従前、議論がありました。それは、例えば危機管理の観点、そして、地方が元気になっていくという観点で議論が進められたのですが、一旦ある意味立ち消えになっている。
現在、地方創生の議論がメインになっていますが、今後、様々な大規模な災害というものが想定されます。危機管理の観点も含めて、改めてこういったことを国自身が真剣に考えるべきではないかということを知事会議の中でも議論をしておりますので、こういったことを訴えていきたいと考えております。
【知事】
昨日、丸川環境大臣から、中間貯蔵施設整備の5年間の方針というものが示されました。
これまで県として、あるいは関係の自治体から、そういったものを「早期に出してほしい」という要望を受けたものでありますので、こういった方向性が出たというのは、一つ前進であろうかと思います。
一方で、その考え方、進め方が実際に形になるかどうかが、これからが勝負であります。
地権者の皆さんへの丁寧な説明を進めて、実際にそれが具現化できるように、国は施設設置者として総力を挙げて、責任を持って進めていただきたいと考えております。
また、県内全域から見ると、フレコンバッグの山が放置されている状態というものが、福島県全体の復興マインドというものを、なかなか前に向けることができないところもありますので、そういった意味でも、今後、平成32年度までの間に減らしていくという方向性は、評価をしているところでございます。
ただ、いずれにしても、今後の地権者の皆さん、立地自治体との対応というものが焦点になってまいりますので、丁寧に進めていただきたいと考えております。
【記者】
今後、事故対策の地域を交えての訓練、事故防止の合同訓練であったりとか、何か懸念しているというか、もちろん用地取得が大事ですけれども、それ以外、トラックが走り回ることで知事は何か懸念されることはありますでしょうか。
【知事】
今後、大量のトラックが県内の各地を走るということになります。こういった輸送面での安全・安心対策というものは、これまでも国と協議を続けております。関係の自治体とも連携をしながら、安全・安心を最優先に、輸送がスムーズに行われるように、国と連携して対応してまいります。
【知事】
まずは女性の活躍促進という観点ですが、人事上、女性の管理職の割合を増やしていきたいという強い思いは持っております。
ただ一方で、今、御指摘がありましたとおり、もともと県庁内での今の中堅幹部と言いましょうか、そういった方々の中で女性の割合のそもそもの議論というものがあるものですから、なかなか一挙に数字を上げていくということが難しいという側面もあります。
ただ、いずれにしても、女性の方々が、また、男性も含めてですが、能力をいかして活躍していけるような人事をしていくということは重要ですので、女性活躍という観点を常に持って、今後の人事を進めていきたいと考えております。
また、イクボス宣言でありましたり、私自身の仕事の進め方の問題もあるのですが、これはメリハリをどうつけるかということに尽きると思います。今、部長会議という中でも、どうやって超過勤務を減らしていくかという議論も昨年来しているところでありますが、今週末から、また新しい年度に入りますので、新しい体制の中でも、部局長と共に、ある意味、悩みながらではありますが、今の多い仕事を上手に効率的にさばいて、トータルの効率は下げずに、しかし職員が、より良い職場環境といいますか、ワークライフバランスがとれるような対応をこれからも考えていきたいと思います。
【記者】
50%の場合は、大卒の割合は前から設定していると思うのですけれども、一方で30%前後で、上がったかと思えば、また下がったりということもあってですね、なかなか伸びてるというのはデータから見えないのですけれども、残り5年間で、過去5年間伸びなかったものを、どうやったら伸びるとお考えでしょうか。
【知事】
一回一回の職場の中で、女性職員自身が、働きやすい環境を作るというのもありますし、その上で、彼女たち自身が管理職として今後伸びていくための素養を身に付けていただくという観点もあります。
そういったもの全て総合的にやりながら、人事上の配置を模索していくということになりますので、何かこう一つ具体的な手段があるかというとなかなか難しい。総合的な対応を丁寧に重ねていくしかないと考えております。
【知事】
こども未来局が設置されて1年間、これまで福島県の組織の中で、部局として「こども」という名前を冠した部局は無かったので、そういう意味では非常に分かりやすくなって、「福島県は子ども、子育て、若者に力を入れているんだな」というところを明示できたという側面はあったと思います。
一方で、まだでき上がって1年ということもありまして、関係の部局との連携というものはまだまだこれからというところがあろうかと思いますし、リーダーシップを執って、各部局を引っ張っていくという面ではまだまだこれから努力を重ねていかなければいけない部分があろうかと思います。
一方で、併せて今、地方創生の議論を進めていまして、地方創生総合戦略を昨年末に策定しました。その中でも、人口減少をどうやって食い止めるかというのがメインテーマになっていますが、その中でまた主軸になってくるのは、こども未来局になります。
そういう意味で、新年度に向けて、こども未来局がよりリーダーシップを発揮して、今後、関係部局との連携をより密にして、効果のある施策を打ち出していくことが今後の大切な課題であり、実践すべきことだと受け止めております。
(終了)
■内容についてのお問い合わせ先
復興・創生期間について
→ 企画調整部企画調整課 電話024-521-7129
アフターデスティネーションキャンペーン(DC)及び「東北復興月間」について
→ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7398
地元金融機関のMRJ誘致について
→ 観光交流局空港交流課 電話024-521-7127
危機管理部及び風評・風化対策監について
・危機管理部について
→ 危機管理部危機管理課 電話024-521-8652
・風評・風化対策監について
→ 総務部広報課 電話024-521-7012
政府関係機関の地方移転について
→ 企画調整部企画調整課 電話024-521-8627
中間貯蔵施設について
→ 生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043
女性管理職について
→ 総務部人事課 電話024-521-7033
こども未来局について
→ こども未来局こども・青少年政策課 電話024-521-7198