■日時 平成29年7月31日(月)10:00~10:20
■会場 応接室
【質問事項】
1 高レベル放射性廃棄物最終処分場の特性マップについて
2 県立高等学校でのいじめについて
3 全量全袋検査の検討会について
4 東京五輪の運営費について
5 全国知事会議について
6 内閣改造について
7 知事の発言について
【記者】
先週、政府は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の調査を開始するに当たり、いわゆる核のゴミに関するマップを出しましたが、これと併せて、世耕経産大臣が政府として「原発事故の収束など復興に全力をあげている福島県については、相応の配慮が必要であり、何か新たな負担をお願いする考えはない」という趣旨の発言をされておりますが、この発言に対しての知事の受け止めと、この選定に当たり、福島県に対してはどのように政府として対応するべきと考えていらっしゃるか、その2点お伺いします。
【知事】
これまで国のエネルギー政策や首都圏への電力供給に協力してきた福島県としては、原発事故前から国に対して、福島県内に最終処分場を設置しないことを求めてまいりました。7月28日、経済産業大臣から、「福島県は、現在、政府として原発事故の収束と復興に全力をあげて取り組んでいる状況であり、相応の配慮が必要である。こうした中で、高レベル放射性廃棄物の問題について福島県に何か負担をお願いする考えはない」との発言がありました。この高レベル放射性廃棄物の最終処分については、国の責任において、しっかりと行われるべきものと考えております。
【記者】
「国の責任において」と、原発事故の前から福島としては言ってきたということで、今回、「具体的に福島に対しては負担をお願いすることはない」と言われましたが、この発言についての評価はどうでしょうか。
【知事】
これまでの福島県の考え方や意見を踏まえ、このような発言がなされたものと評価しております。
【記者】
世耕大臣が、福島と併せて発言された青森県については、六ヶ所村の絡みもあり、事故前から青森県内には最終処分場を設置しないことを確約し、書面できちんと国から約束されています。今回、大臣の発言がありましたが、福島としても、何か書面で、福島県内に最終処分場は作らないことを国ときちんと約束を交わすようなお考えはありますでしょうか。
【知事】
原発事故前から、福島県がそのような最終処分場になることはあってはならないと国に申し上げてまいりました。また、原発事故後は、このような厳しい状況下に置かれておりますので、例えば県内で説明会を開催したいというお話がありましたが、このような状況を考えて対応して欲しいと求めてまいりました。今後とも従前同様、福島県としての考え方をしっかりと伝えていく中で、国が適切に対応されるべきものと考えております。
【知事】
未来ある若い命が失われたことは誠に遺憾であります。御遺族に心からお悔やみを申し上げます。県いじめ問題調査委員会がまとめた調査報告書の内容を重く受け止め、教育委員会において厳正な処分がなされたものと考えております。今後、この調査報告書の提言を踏まえ、いじめ防止に向けた実効ある取組がなされることが何よりも重要であると考えております。
【記者】
調査報告書に基づいて、他県の例を参考にしながら処分内容を決めたとのことですが、一部の有識者からは、「他県では懲戒という形になっているのに軽いのではないか」という指摘もあります。そのあたりについてはいかがでしょうか。
【知事】
そういった対応については、福島県の教育委員会が責任をもって行うべきだと思います。様々な御意見もあろうかと思います。そのようなものも含めて、きちんと対応していただけるように期待しております。
【記者】
女子高校生の自殺の問題で、今月、県の調査委員会がまとめた報告書を全ての県立学校に配ったと思います。その前の報告書は、当該高校でも十分に読まれていなかったと思うのですが、この報告書を教育現場で活用してもらうために大事なことや、どのように活用して欲しいかについて、知事のお考えはいかがですか。
【知事】
「未来がある若い命が失われてしまった」、「このようなことを二度と起こしてはいけない」という強い思いを現場の教職員を始め、関係の皆さんが共有していただくことが何よりも重要です。そのような意味で、今回の報告書により、「このような事態を起こさないために、自分自身どうしたらいいのだろうか」という当事者意識を強く持っていただき、県内の関係者の皆さんが思いを一つにすることを期待しております。
【知事】
検討会においては、全量全袋検査について当面継続して欲しいとの意見が多く出されましたが、今後の方向性について検討を進めていくことに異議はありませんでした。また、風評対策のためにも、タイミングを見ながら、今後の検査の方向性について何らかのメッセージを出す必要性があることも了解されました。
これから消費者へのアンケート調査や農家への聞き取り調査、検査関係者との地域別意見交換会の開催、さらに、有識者の方々からも意見を伺うなど、幅広く丁寧に意見を聞いてまいります。
【知事】
東京都から運営経費の財源を宝くじとするため、関係自治体の知事、市長の連名により要望したいとのお話がありました。福島県としては、オリンピック競技のような世界規模の大会を開催するに当たって、一定の行政サービスが発生するため、その財源確保は重要であるとの考えから、連名での要望を了解したところです。一方で、関係自治体の役割等については、5月の東京都、組織委員会、国、関係自治体との合意の中で、今後、協議することとされました。関係自治体に対して丁寧な説明をお願いしたいと、東京都にお伝えしているところです。
【記者】
福島県として財政、財源の確保が必要という観点からそのお話に対して了解されたということですが、宙に浮いている350億円の負担に宝くじを充てるという趣旨についても賛同されたということでしょうか。
【知事】
5月に、東京都、組織委員会、国、関係自治体で、今後この部分を協議することが決まっておりますが、いまだその詳細が整理されておりません。その議論をしっかりと進めていくことが大前提です。その上で、オリンピック競技全体の財源が非常に厳しい状況にありますので、全体の財政フレームの中で宝くじ財源をお願いしていくという方向性については了解した。このように分けて捉えていただければと思います。
【知事】
東日本大震災、原発事故から6年余りが経ちました。今年の全国知事会議は岩手県での開催で、2011年以降、初めて被災地での開催となりました。47都道府県の知事さんは岩手でこうして知事会が開催できるようになったことや、一部の知事には福島を見ていただいておりますが、実際に岩手の現場には、課題がまだまだ残っていることを自ら実感していただいたという点で意義があったと思います。
また、会議の中でも、福島県、宮城県、岩手県あるいは福岡県、秋田県等からも、いったん災害が起きた際の困難さ、その後の復興の難しさをお互いに意見交換しました。そのようなことを各県の知事が皆、我が事として受け止め、大変な事があった自治体に対し、「皆で支援し合い、継続していこう」という思いも共有し、「岩手宣言」を発出することができました。
特に、福島県については、私が原子力災害の過酷さ、重大さを発信することと併せて、各県の知事に、「機会があったら是非福島に来て、原発事故がどのようなものか、今後どうしたらいいのかを、我が事として実感して欲しい」とお話をしたところ、何人かの知事から非常に強く共感いただき、「是非行きたい」というお話も頂きました。
このような会議の場において、原子力災害や東日本大震災についてお互いに意識を一つにすることや、地方創生も含め、一緒に連携して取り組むことの大切さを共有できたことは、今回の知事会議における一つの成果と考えております。
【記者】
岩手宣言の中で、復興庁の被災地移転について、全国知事会として初めて盛り込んだと思いますが、その意義をお伺いします。
【知事】
震災から、丸6年が過ぎたところですが、10年間で復興庁の在り方、あるいは復興財源の在り方等がいったん切れるという制度、仕組みになっております。福島県においても、今後の在り方や、財源フレームは当然ながら、その後も継続していかなければいけないことを強く訴えていますが、本県単独の要望に加え、今回、全国知事会議において、皆さんの合意の下であのような提言を取りまとめていただいたことは非常に意義があると考えております。
今後、復興大臣、復興庁を始め、政府においても、そのような意見を是非くみ取っていただき、復興創生期間後、どのように政府として責任を持った対応をしていくべきかについて、真剣な議論を始めていただきたいと考えております。
【知事】
先週、福島イノベーション・コースト構想に関わる関係閣僚会議が開催されました。その際、安倍総理から、政府全体にとって復興・創生が極めて重要だという意義と、閣僚全員が復興大臣であることを改めて言明していただきました。
今後、内閣改造が仮にあり得るとしても、政府においては、その考え方が変わることなく、政府の全ての関係者が「福島の復興、東北の再生なくして、日本の再生はない」という思いを共有して、一丸となって当たっていただきたいと考えております。
【知事】
県政を執行していく上で大切なことは、県民の信頼です。特に福島県においては、県民の皆さんが復興に向けて懸命に努力を続けておられ、その信頼関係の中でこそ、様々な課題に取り組むことができることを忘れてはいけません。いまだ有事の状況にある福島県にとって、例えば、災害など危機管理に関わることについて、トップである私を含めて、幹部がどのように対応するべきかという判断一つ一つが重要です。私たち自身が常に気を引き締めて臨んでいくことが重要だと考えております。
【記者】
うそをついてしまったら。
【知事】
うそをつく、つかないという以前の問題です。県民との間で信頼をきちんと醸成していくことが何よりも重要だということです。
(終了)
【問合せ先】
1 高レベル放射性廃棄物最終処分場の特性マップについて
⇒ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
2 県立高等学校でのいじめについて
⇒ 教育庁高校教育課 電話024-521-7769
教育庁職員課 電話024-521-7781
3 全量全袋検査の検討会について
⇒ 農林水産部水田畑作課 電話024-521-7360
4 東京五輪の運営費について
⇒ 文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7312
5 全国知事会議について
⇒ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
6 内閣改造について
⇒ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
7 知事の発言について