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知事記者会見 平成29年8月28日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年8月31日更新

知事定例記者会見

■日時 平成29年8月28日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【発表事項】
1 マレーシア及びベトナム訪問について
2 ふくしまの今を伝える「新イメージポスター」の作成について

【質問事項】
1 マレーシア及びベトナム訪問について
2 福島空港の国際線について
3 応急仮設住宅の供与期間について

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【発表事項】

1 マレーシア及びベトナム訪問について

 先週、マレーシアとベトナムを訪問しましたので報告いたします。
 マレーシアでは、現地の貿易会社等と面談し、県産米の年間輸出目標を100tに、また、県産桃は、昨年の2倍を超える15tを輸出することで合意いたしました。これにより、県産米の輸出量は震災前を超え、過去最高となる見通しとなり、桃についても、タイへの輸出と合わせて過去最高となる見込みであります。また、クアラルンプールの商業施設において、県産米と桃の店頭プロモーションを行い、福島県の農産物のおいしさと魅力をお伝えしてまいりました。
 ベトナムでは、ダン・ティ・ゴック・ティン国家副主席にお会いして、経済、文化、観光などの交流促進について、意見交換を行いました。また、現地の航空会社や旅行会社と面談し、来年2月から4月にかけ、ベトナムとのチャーター便としては福島空港開港以来最多となる連続チャーター便15本、延べ30便を運航し、併せて、旅行商品を造成していただけることになりました。さらに、ホーチミンの商業施設において、ベトナム向け初輸出となった県産梨のおいしさや県内観光の魅力をお伝えするとともに、ベトナム県人会等の皆さんと懇談を行い、親交を深めてまいりました。
 今回の訪問で築いたネットワークをいかし、更なる経済、文化等の交流促進を図るとともに、復興へ向けて挑戦を続ける福島県の姿を今後も積極的に発信してまいります。

2 ふくしまの今を伝える「新イメージポスター」の作成について

 次に、バックパネルに掲示しておりますが、福島県の今を伝える新しいポスターを作成しましたので、発表いたします。
 昨年度作成したメッセージ性の強い「来て」のポスターをベースに、県クリエイティブディレクターである箭内道彦さん監修のもと、作成いたしました。リニューアルした観光誘客の「来て」、県産日本酒PRの「呑んで」、農林水産物PRの「味わって」、定住・二地域居住促進の「住んで」、復興への感謝の気持ちを込めて「ふくしま」と表したポスターの5種類となります。
 風評払拭や風化防止に向けた起爆剤とするため、本県として過去最大規模の枚数を作成し、JR等の駅や羽田空港、全国のハローワークのほか、福島県を応援してくださるたくさんの企業や団体等に無償で配布し、掲示についての御協力をお願いしてまいります。

【質問事項】

1 マレーシア及びベトナム訪問について

【記者】
 東南アジアの二か国訪問についてお伺いします。マレーシアは昨年に続いての訪問で、ベトナムは今回初めてということで、現地の輸入会社や航空会社からは予想を超える反応があり、大変熱い思いも感じてこられたと思います。中国や韓国が厳しい中で、東南アジアに絞って戦略を進めており、今回の訪問も踏まえて感じている手応えと、課題などあればお聞かせください。

【知事】
 今回のマレーシア、ベトナム訪問を通じて感じたキーワードは、「信頼」という言葉です。3つのエピソードを話したいと思います。
 一つ目は、ベトナムの国家副主席とお話をしました。当初30分程の会談を想定していましたが、それを優に上回る時間をとっていただきました。知事が副主席とお話をすることも簡単なことではありません。副主席は手元に原稿はありましたが、一度もそれに目を落とすことなく、ずっと御自身の言葉で思いを伝えていただきました。副主席が福島について事前に様々な勉強をされて、その上で熱心に話しかけていただいたと感じました。
 二点目は、県産農産物の取引関係者、航空会社等とお話をしましたが、その際、想定を上回る成果について相手側から積極的に言及いただきました。県の事務方が以前から時間をかけて交渉しており、一定の成果は想定していましたが、例えばお米やエアラインにおいて、想定を上回り、もっと一生懸命に福島と関わりを持っていきたいと積極的に訴えていただき、非常に感激しました。
 三つ目は、ベトナムの量販店で梨の試食、販売を行った時のことです。法被を着て、梨のプレートを持って親子連れの方に声をかけました。若いお母さんが梨を取って、お子さんの口に持っていったのですが、お子さんはまだ小さく、歯が生えておらず、まだ離乳食の段階だと思いました。そのお子さんは、口元にいきなり梨を持ってこられて、最初、何となく嫌そうな雰囲気を感じましたが、お母さんに「食べてごらん」と優しく話しかけられたので、とりあえず口に含んでみたら、顔がぱっと変わり、甘くてみずみずしいことが分かったのだと思います。その後すごく夢中になり、まだ歯もないので梨を吸っていました。お母さんと私がしばらく懇談をしている最中に、梨が口から離れてしまったところ、お子さんがもっと食べたいと、自分から梨を追いかけて、また口に含んで熱心に食べてくれました。その子が笑顔になり、それを周りの人が見て「福島の梨を食べて笑ってる」と笑顔になっていました。
 今3つのエピソードを紹介しましたが、実はいずれも「信頼」という言葉がベースにあります。国家副主席と福島県知事が会談する際には、双方の信頼がある。県の農産物を取り扱っていただく皆さんやエアラインの皆さんと県との関係にやはり信頼がある。そしてベトナムのホーチミンの一般の方、親子と私たちの間にも信頼があり、その先に笑顔があった。こうしたお互いの信頼、笑顔があることが、福島県が今後、風評の払拭や観光客を増やす取組を行っていく上で欠くことのできない重要なものであることを改めて感じることができました。
 今後の課題ですが、現在、例えばタイ、マレーシア、ベトナム、あるいはドイツ、そのような国々とは一定の信頼関係に基づき、非常に良い相互の関係をつくり出すことができています。ただ世界全体ではまだまだ輸入規制をしている国々があり、福島県に対して大きな誤解をまだ持っている国や国民の皆さんも少なくありません。我々はスタート地点に立ったばかりですので、これからも様々な機会にトップセールスや他の施策を行い、政府の力も借りながら、福島の正確な今、そして風評払拭と復興に向けて取り組む我々の姿勢を積極的に国内外に訴え続けていかなければいけないと考えております。

【記者】
今回のポスターの発表や今のマレーシアなどに行かれたお話、また、先日駅裏で取材をしましたら、最近、日本酒をお土産に買っていかれる方が結構多いという話を聞くなど、これまで風評に対して長年頑張ってこられましたが、少し潮目が変わってきた、良い方向に向いてきたのではないかと思います。チャーター便の話もあり、マレーシアなどの訪問を踏まえて、そのような実感はありますか。

【知事】
 今回、マレーシア、ベトナムの両国を訪問しまして、政府関係者や日本の大使、旅行関係の方々、あるいは福島県産の農産物を以前から取り扱っていただいている方々と親密に意見交換をしてまいりました。その中で感じたのは、今回の二国とタイも含めて、風評の影響は相当薄くなっているという実感です。
 例えば、お米や、エアラインでもそうでしたが、我々がこれくらいのラインと思っているところを優に超えて、もっと積極的に関わっていきたいと、相手側から非常に熱心にお話をされ、例えば「福島県の農産物は品質が高くておいしいので、是非マレーシアの人々に食べて欲しい」ということを本当に熱い思いを持って話していただきました。また、あるマスコミの方が「風評はどうですか」と質問をしましたが、「それはあまり考えなくていいのではないでしょうか」とさらっと答えていました。もちろん国によって、あるいは国の中でも状況によって事情は異なると思いますが、震災と原発事故から7年目になり、風評は良い意味で変わってきたと受け止めています。ただ、世界全体が同じかというと決してそのようなことはありませんし、日本の国内においても、御承知のとおり、まだまだ風評が残っているのが厳しい現実です。
 したがって、努力を重ね、信頼関係をつくり、情熱を持って相手方と話をして、成果を一つ一つ出していけば必ず風評は払拭できるという一つのお手本だと思います。我々が努力をすれば必ず一定の結果や希望は見出せることを感じながら、これからやっていけると今回の訪問を通じて感じたところです。

2 福島空港の国際線について

【記者】
 福島空港の国際線について考えますと、中々突破できていないという状況ですが、例えば台湾や今回のベトナムもそうですが、風評が少ないと思われる東南アジアから突破していきたいという思いや政策はあるのでしょうか。

【知事】
 空港に関して一番大切なことは、このポスターにもありますが、福島の風評を払拭する際に大切な「来て」いただくこと、そして、お酒を「呑んで」いただくこと、おいしいと笑顔で「味わって」いただくことが、百聞は一見に如かずで、分かりやすいと思います。
 特に、ベトナムからのチャーター便はこれまでも造成しており、それを使って来られる方が年々かなり大きな割合で増えており、来られた方々が非常に満足して帰っておられます。今回、ベトジェットやベトトラベルとお話をしましたが、これまでの実績を踏まえて、日本の観光の中では、これから福島や東北の観光が一大潮流になり得ることを、私ではなく、彼ら自身が熱心に話をされていました。その際、まずはチャーター便を増やすことが第一歩ですし、福島空港の利活用という観点から、将来的には定期便も我々にとって非常に大きな目標ですので、このような理解や信頼関係を築けている方々とより一層綿密に協議をしていく中で、突破口を切り開くことができればと考えております。

3 応急仮設住宅の供与期間について

【記者】
 先ほど開催された新生ふくしま復興推進本部会議の二つ目の議題で、応急仮設住宅の期間延長について方針が決まりましたが、そのことについて質問いたします。最近、避難指示が解除された自治体で、避難指示が出されていた区域については、平成31年の3月末まで延長するという方針が出されました。原発周辺の4町については未定となっている一方で、南相馬市や川内村、全村避難であった葛尾村と飯舘村については、基本的には特定延長を除けば31年3月末で終了ということで、2種類に分かれたと思います。同じく被災しながら、特に葛尾村や飯舘村は、富岡町や浪江町と同じく、自治体の全住民が避難を強いられる状況でしたが、今回の対応は分かれました。線引きの理由や、線引きに対する知事の見解についてお伺いします。

【知事】
 応急仮設住宅の供与期間の延長については、避難指示区域の実情や、解除後の住まいの確保状況などを踏まえて国との協議を重ね、今般、延長の同意がなされたものです。
 大切なことは、これからも避難されている方々の一日も早い生活再建につながるように、きめ細かな支援を継続していくことだと考えております。また、各自治体とも今回のこの終了の方向性を考えるに当たり、非常に丁寧に協議を続けてまいりました。双葉郡や避難地域の各市町村でそれぞれ実情が全て異なります。そのような状況において、国、県、市町村、様々な課題をお互いに丁寧に話し合いながら議論を進め、今回の結果になったところです。

【記者】
 基本的には、各市町村と県で話し合いをして、両者とも異存はないということでしょうか。

【知事】
 自治体の意向は丁寧にお話を伺った上で、今回の方向性を整理しております。

【記者】
 災害救助法に基づく応急仮設住宅、住み替えにより東京電力からの賠償により無償で住んでおられる方もおりますが、これが延長されたことにより、東京電力の賠償が来年3月までとなっておりますので、避難者によっては無償で住める期間に差が出てしまうことを一部自治体は懸念しております。今後、東京電力や県に対して、賠償の期間を延長して欲しいという要望が出されると思いますが、県としてどのように対応していくのか、県としてどのようにこの問題を捉えているのかについてお伺いします。

【知事】
 一部の自治体からそのような供与の終了時期と家賃賠償の終期の不一致の問題があり、この問題をどうしたらよいかというお話を伺っているところです。家賃賠償など、住まいの確保に係る賠償については、国や東京電力に対し、地域の実情を踏まえた対応を求めているところです。

(終了)


【問合せ先】
1 マレーシア及びベトナム訪問について
⇒観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7296
⇒観光交流局空港交流課 電話024-521-2987
⇒農林水産部農産物流通課 電話024-521-8041

2 福島空港の国際線について
⇒観光交流局空港交流課 電話024-521-2987

3 応急仮設住宅の供与期間について
⇒避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8629
⇒避難地域復興局原子力損害対策課 電話024-521-8216