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知事記者会見 平成29年10月30日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年11月1日更新

知事定例記者会見

■日時 平成29年10月30日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【発表事項】
北米・南米県人会訪問について

【質問事項】
1 北米・南米県人会訪問について
2 衆議院議員総選挙について
3 東京五輪について

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【発表事項】

北米・南米県人会訪問について

 今月18日から27日にかけて、アメリカ、ブラジル、ペルーを訪問しましたので報告いたします。
 アメリカ・ロサンゼルスでは県人会との懇談、ブラジルでは県人会創立100周年、ペルーでは県人移住110周年をお祝いし、県人会の皆さんの長年の御労苦への敬意と、震災後に頂いた多くの御支援に対する感謝の思いをお伝えして、皆さんとのきずなを更に深めてまいりました。
 また、それぞれの訪問先において、福島復興セミナーを開催し、福島県の現状を説明するとともに、「挑戦」をキーワードに、再生可能エネルギーやロボットなどの新産業の創出に積極的に取り組んでいる福島の姿をお伝えしてまいりました。特に、サンパウロでは、日本の魅力の発信拠点として今年5月に開館した「ジャパン・ハウス」において、日本の都道府県知事として初めて講演を行うことができました。
 今回の訪問により、更に強固なものとなった各県人会との信頼関係、そして世界の方々との共感の輪をいかし、未来に向けて懸命な努力と挑戦を続ける福島の姿を今後も積極的に発信してまいります。

【質問事項】

1 北米・南米県人会訪問について

【記者】
 今回の北米・南米訪問での最大の成果はどのようなところでしょうか。

【知事】
 今回の訪問における成果は二点あります。
 一点目は、県人会の皆さんとの様々な交流を通して、ふるさと福島に対する誇りを改めてお互いに共有することができたことです。県人会の皆さんは、2011年の東日本大震災と原発事故以降、自分のふるさと福島がどうなっているのだろう、これからどうなるんだろうと心配されておられました。それに対し、福島の現状や今後の展望をお伝えする中で、「福島は復興に向けて頑張っているんだ」ということを実感していただき、改めて、古里への誇りを持っていただきました。このように誇りを共感することができたのが一点目です。
 もう一点は、今回、福島県の原子力災害と東日本大震災からの復興の道筋について、各国で多く問われる機会がありました。現状について話をする中で、福島県の自然災害や原子力災害からの復興への取組が、各国や各地方政府において非常に参考になるということで、関心を強く持っていただきました。福島県が復興に向かって歩む姿を発信することが、世界に対して非常にプラスになり得るということを今回感じることができました。
 今後とも、福島県の復興の歩みを発信することが、世界の御理解、あるいは役に立つということを念頭に置いて、積極的な発信を進めていきたいと考えております。

【記者】
 各国政府や地方機関の代表との懇談の中で、(福島が)復興する姿を発信していくことが世界のためになると、先ほど言及されましたが、更に詳しくお話を伺いたいと思います。

【知事】
 今回、サンパウロ州ではアルキミン知事に直接お会いすることができ、その際、国際部長も同席されていました。また、ペルー政府の外務副大臣やアジア担当局長、官房長と意見交換をすることができました。皆さんが非常に強い関心を持っていたのは、福島県が自然災害からどのように復旧・復興を進めているかについてでした。地震、津波、豪雨に伴う災害は、世界の共通の課題です。現にブラジルやペルーでもそのような災害でこれまで様々な苦しみを感じてこられました。ペルーでは今年、非常に大きな大雨災害があったと聞いております。そのような状況の中、原子力災害ももちろんありましたが、福島県が現実に地震と大津波、さらに会津における豪雨災害等もあり、そこからどのように立ち直っているのかを具体的な写真も示しながら話をしたところ、非常に感銘を受けておられました。「短い期間でこれだけの復旧をなしていることはやはりすごい」、「これらをどのように進めているのか」、「ハード以外の対策でどのようなことが参考になるのか」というお話を受けました。私からは、ハード面は、国や関係機関と連携して、まず財源を確保して、事業者としっかり相談しながら、スケジュールをつくって復旧作業を進めていると話をしました。併せて、ソフト面の対策として、防災・減災対策は重要であり、例えば住民の皆さんの避難訓練、避難地域を明示すること、あるいは実際に災害が起きた時の伝達方法をどうするか、このような部分に力を入れていると話をしましたが、非常に興味深く聞いておられました。昨年、福島県の沖合で大きな地震があり、震災後初めて津波警報が発令されましたが、その際、住民の皆さんにテレビ等で「避難してください」と、従来にないくらい強く訴えたことが、住民の皆さんがよりスムーズにスピーディーに避難するに当たって重要だったという話をしたところ、非常に関心を持っていただきました。防災は、ハード面の対策とソフト面の対策の両方をやっていかなければいけないということと、住民の皆さんに自助・共助の意識を持っていただかなければいけないという話をしたところ、それぞれの国でもこの部分をいかさなければいけないと、政府幹部の皆さんが言っておられたのが印象的でした。福島県は、復旧・復興が完成しているわけではなく、まだ途上ですが、その途上のプロセスを伝えることにこのような意味があることを改めて実感したところです。今後とも、こうした取組を国内外に積極的に発信していくことも、福島にとって大切な使命だということを改めて感じております。

2 衆議院議員総選挙について

【記者】
 知事が、南米・北米訪問中に衆議院議員総選挙がありました。この選挙結果について、知事としてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。また、希望の党の小池東京都知事の政治的な行動について、問題を指摘されている点もあり、政治スタンスも違いますが、知事の立場としてどのように評価されていますか。さらに、東京オリンピック・パラリンピックについて、福島でも野球・ソフトボールの試合の一部が開催されますが、東京都知事の行動について、何か危惧を覚えることがあるのかどうか、知事として率直にどのように思われているかお伺いします。

【知事】
 三点お尋ねを頂きました。
 一点目、今回の衆議院議員総選挙についてです。まず、改めて当選された皆さんにお祝いを申し上げたいと思います。今回の衆院選は、福島の復興が新たなステージを迎えている中で行われた重要な選挙でありました。また、経済政策や教育・子育て、外交・安全保障など、我が国が直面している重要課題をどう解決していくのかが問われた選挙であったと思います。当選された方々には、県民の皆さんの思いをしっかりと受け止めて、その役割を果たしていただきたいと考えております。今後とも、福島県にとって最優先の課題である東日本大震災と原子力災害からの復興と地方創生が更に前進するように、与野党の垣根を越えて、オールジャパンで取り組んでいただくことを期待しております。
 二点目は、小池都知事についてです。直接的に言及することは差し控えますが、私は今、福島県知事という重要な責務を担っており、全身全霊、精一杯やってもまだまだ足りない、もっと頑張らなければいけないと日々実感しております。今回も、北米・南米を訪問して、県人会だけではなく、世界の皆さんからも、福島の復興再生が注目されている、非常に強い関心を持っていただいていることを実感したところです。帰国してから更に頑張らなければいけないと実感している状況ですので、私は、福島県知事の仕事に100%全身全霊をかけることを継続していきたいと考えております。
 そして三点目、東京オリンピックの関係です。東京オリンピック・パラリンピックは2020年に開催されますが、開催まで1,000日を切ったところで、本当に時間がない、まだまだ為すべき仕事は多々あろうかと思います。その時に大切なことはただ一つ、「オールジャパン」だと思います。政府や東京都、関係の道府県、国民の皆さん、競技団体、企業など、あらゆる方々が力を合わせることで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを成功に導くことができると思います。
 総選挙が終わり、結果も出たわけですので、これからまた、オールジャパンでスクラムを組んで、一丸となって成功に向け取り組んでいくことが何よりも大切だと考えております。

【記者】
 衆議院議員総選挙について、結果として福島県内では1区、3区、4区で比例復活があり、他県に比べて衆議院議員の数が多くなりましたが、この状況について知事はどのように評価していますか。また、小池知事について直接の言及はしない、知事としては福島県に100%全力投球ということですが、知事の立場で今回のように活動することをどのように見ていらっしゃいますか。国政にも関与する政治手法について、一般論、または御自身の考えとしてどのように考えていらっしゃるのかをお伺いします。

【知事】
 二点お話を頂きました。
 一点目、今回、福島県内で比較的多くの国会議員が当選されていることについてです。各政党にはそれぞれの主義や主張があります。そして、それぞれの候補者が、県民の皆さんにその政策を懸命に訴えていく中で、結果として、このような状況になっているものと思います。それぞれお一人お一人が福島の復興や地方創生に対して強い決意を持っていただいていると思います。そういう意味では、県民の皆さんが各候補者や当選者に託していますので、その思いを今度は中央政府や国会において実現していただくことが何よりも大切だと思います。各政党それぞれの立場がありますので、場面、場面では是々非々ということもあろうかと思いますが、一方で、福島の復興再生については、オール福島で取り組んでいただくことが何よりも重要だと思いますし、県民の皆さんもそれを望んでおられると思いますので、そのスタンスでこれから国会議員として活躍していただくことを期待しております。
 そして二点目、知事としての国政への関わりについてです。これは、それぞれ難しい部分があろうかと思います。事情や立場もありますし、東京都だけでなく他の道府県でも、そのような関わり方を一定レベルでされている知事さんは、程度の差はありますが、それぞれ考えておられるものと思います。少し立場が異なりますが、京都府の山田知事は、京都府知事と全国知事会長をやっておられます。これも非常に難しい役職ですし、また相当ウェイトを割く部分がありますが、これは全国知事会長の立場と、京都府知事の立場を兼務することが全体として非常に重要、必要であるという判断を山田知事がされていると思います。それぞれの軸足の置き方は、各自治体、各知事の判断だと思いますが、福島は為すべきことが山積していますので、私は、福島県の復興再生に全力を注ぐ、このスタンスで一生懸命頑張っていきたいと思います。

3 東京五輪について

【記者】
 オリンピックまで1,000日となりました。県としてどのように準備に取り組んでいくのかと、今回の北米・南米訪問の中で、福島でオリンピックの野球・ソフトを開催することに関して、何かやりとりがありましたら教えていただきたいと思います。

【知事】
 2020年まであと1,000日を切っています。「時間が限られてきた」というのが率直な思いです。特に直接的なものとして、野球・ソフトボールの一部競技を福島県で開催しますので、東京都と連携して準備をしっかりと進めていくことが務めだと考えております。現在、県営のあづま球場の改修について内容を詰めております。これを整理して、オリンピックに間に合うように整備を進めていくことにしっかり取り組んでまいります。
 Jヴィレッジですが、サッカーの日本男子代表や女子日本代表にオリンピック前の合宿で活用していただきたいと考えております。これも現在、順調に再生が進んでおり、青々としたピッチを再生して、浜通りの復興の一つのシンボルとしてJヴィレッジを蘇らせ、サッカーやラグビーのトップチームが合宿を行えるように取組を進めていきたいと考えております。
 オリンピック関連では、今、GAPを増やす取組をしております。東京オリンピック・パラリンピックではGAP認証を頂いた食材だけが使用されることになりますので、「ふくしまGAPチャレンジ宣言」をしましたように、多くの農家の方にGAPのシステムをクリアしていただいて、福島県産の農産物が東京オリンピック・パラリンピックの会場で、多くの方においしいと笑顔で食べていただけるような取組も進めてまいります。
 また、現在、浪江町に水素の世界最大の製造拠点を整備しております。ここでCO2フリーの水素、再生可能エネルギー100%でつくった水素を製造して、それを東京オリンピックの場で活用していただくことを、東京都と連携して進めております。
 このような様々な取組や自治体のホストタウンの取組など、全体をこの1,000日の中で進めていかなければいけませんので、関係者と力を合わせて取り組んでいきたいと思います。
 北米・南米訪問で開催した復興セミナーの中で、東京オリンピック・パラリンピックの野球・ソフトボールが福島で開催されるという話をしましたが、驚かれました。皆さんはまだその意識を持っておられなかったようで、福島で開催されることを喜んでいただきました。ブラジルやペルーでも、野球・ソフトボールは盛んで、「見てみたい」、「それは間違いなく復興のシンボルになる」という共感を頂いたことが印象に残っております。

(終了)

【問合せ先】
1 北米・南米県人会訪問について
⇒ 生活環境部国際課 電話024-521-7183

2 衆議院議員総選挙について

3 東京五輪について
⇒ 文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7867
(県営あづま球場の整備に関すること)
⇒ 土木部まちづくり推進課 電話024-521-7507
(Jヴィレッジに関すること)
⇒ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
(GAPに関すること)
⇒ 農林水産部環境保全農業課 電話024-521-7350
(水素製造拠点に関すること)
⇒ 商工労働部産業創出課 電話024-521-8286
(北米・南米訪問に関すること)
⇒ 生活環境部国際課 電話024-521-7183