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知事記者会見 平成30年1月22日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年1月24日更新

知事定例記者会見

■日時 平成30年1月22日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【質問事項】
1 米の全量全袋検査について
2 原子力規制委員会 更田委員長の発言について
3 カジノ法案について
4 福島第二原発について
5 福島第一原発2号機原子炉格納容器の内部調査について
6 家賃賠償について
7 南相馬市長選について

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1 米の全量全袋検査について

【記者】
 米の全袋検査についてお聞きします。先週、県としての方向性について、今後、数年間は全袋検査を続けてからモニタリング検査に切りかえるが、営農再開地域は各自治体と協議していくということが示されました。この方向性について、知事のお考えを聞かせてください。

【知事】
 先週開催しました「米の全量全袋検査の今後の方向性に係る検討会」においては、全量全袋検査をあと数年継続し、モニタリング検査に移行するという方向性、素案について大きな異論はありませんでした。また、本年産米から農家の自家消費米については、検査を希望制とすることや、震災後、新たに営農再開する地域等では作付再開が一定程度進み、検査データが蓄積されるまで、全量全袋検査を継続することについても特に異論はありませんでした。検討会でのこうした意見等も踏まえ、年度内に今後の方向性を決めてまいります。

【記者】
 具体的にいつから始めるかはこれから決めると思いますが、来年産米を含めて、少なくとも数年は全袋検査を続ける方向性でまとまったと思います。これからの数年間、農家や消費者の方への丁寧な説明や、米に限らず県産品の販売対策などについて、県としてどのように力を入れるのかお伺いします。

【知事】
 震災と原発事故以降、福島県において、こうした全量全袋検査を行っていることは本当に悩みながらの対応でした。一方、全量全袋検査の結果が良い形で出てきております。このような中で、これまで慎重に検討を進め、現在、こうした方向性が出つつあるところです。今後、最終的な結論は年度内に固めてまいりますが、福島県が農林水産業において安全対策をしっかりと行うことや、こういった検査を通じて、福島県産品の正確な情報を国内外に提供していくこと、そして風評払拭のため、県の取組はもちろんですが、関係機関や国の力も借りながら、しっかりと正確に伝えていくこと、こういったことを継続的に着実に進めていくことが何よりも大切だと考えております。

【記者】
 検査の中身を具体的にどのように変えるのかはもちろん大事ですが、今回の問題は、県としてのメッセージをどのように出していくかがとても重要だと思います。知事の役割もとても大きいと思いますが、メッセージの出し方についてどのようにお考えかお伺いします。

【知事】
 メッセージの出し方の一番の基本は、正確な情報を発信していくこと、しかも、粘り強く継続的に発信していくことが何よりも大切だと思います。まず、私自身によるトップセールスなど、福島県知事としての情報発信を継続的にしっかりと国内外で行い、さらに関係の皆さんの力をたくさん借りながら、福島県の正確な情報発信にこれからも取り組んでまいります。

2 原子力規制委員会 更田委員長の発言について

【記者】
 17日に原子力規制委員会の更田委員長が、除染の基準となっている「1時間当たりの空間線量0.23マイクロシーベルト以下」という基準について、4倍程度保守的であり、実態に即さない厳しい数字ではないかという認識を示しています。県は、この基準に基づいて、様々なことを進めてきましたが、この発言に対する受け止めをお伺いします。

【知事】
 更田委員長の発言については、報道等で拝見しております。まずは原子力規制庁と環境省において検討されるべきものと考えています。県としてはその動向を注視していくとともに、放射性物質汚染対処特別措置法の基本方針に定めている長期目標としての「年間追加被ばく線量1ミリシーベルト以下」を目指して、引き続き、福島県内の県土の環境回復に努めてまいります。

【記者】
 先日、知事にお会いになった吉野復興大臣が、トリチウム水の放水について、「これ以上福島の漁業者に迷惑をかけることはとんでもない」とおっしゃるなど、更田委員長の発言は、今回の件でも、環境大臣が「発言の趣旨を確認して対応を考えたい」と反応しています。このような公の場での発言について、福島県に対する説明が十分なのか、突然出されて県で対応しなければならなくなるこのやり方についてどのように思いますか。

【知事】
 原子力規制委員会や委員長において、様々な御意見があろうかと思います。一方、私どもがいつも大切にしているのは、国、政府との関係です。政府の中で意見の統一やコンセンサスを持って、こういった問題一つ一つに丁寧に臨むことが何よりも大切だと思います。原子力規制委員会と環境省、あるいはトリチウム水の問題であれば、規制委員会と経済産業省等、それぞれ関係の省庁があろうかと思いますが、政府内においてしっかりと議論を深めて、方向性を出していただくことや、そのプロセスにおいて、福島県や自治体、あるいは関係機関や団体等、様々ありますので、そういったところと丁寧に協議していただくことが何よりも大切だと私は考えています。

【記者】
 0.23マイクロシーベルトについての発言の確認ですが、1ミリシーベルトを堅持するのであれば、0.23マイクロシーベルトは見直しても構わないというニュアンスにも受け止められますが、いかがでしょうか。

【知事】
 そのようなニュアンスではございません。

【記者】
 0.23を見直すことに関して、知事としては是と非、どちらの立場でしょうか。

【知事】
 改めて申し上げます。まず、原子力規制庁と環境省で検討されることが根本です。県としてはその動向を伺うことになりますし、既に法律に基づく基本方針があり、それに則り、県も各市町村も除染を進めていますので、我々はその方針に則り、しっかりと対応するということを申し上げたところです。

3 カジノ法案について

【記者】
 国会が始まりました。議論が注目される中にはカジノ法案も入っています。福島県への外国人観光客数は、関係者の努力もあり、復調していると思いますが、将来的にカジノという話が出た場合、カジノは自治体が認めないとできませんので、知事の現時点でのカジノ、IRに関しての見解を教えてください。

【知事】
 福島県内へのインバウンドがようやく回復してきました。東日本大震災と原発事故以降、本当に急減していた外国人観光客の入り込みが震災前水準に戻りつつあり、そして今も全体として増加傾向にあることは我々にとって本当にうれしいニュースです。これからも、福島県が復興・創生にしっかりと取り組んで、その姿を正確に国内外に発信する、また福島県の魅力や宝、先日も皆さんの御協力いただいてすばらしい映像をつくり上げましたが、あのようなものを世界に届けていく中で、多くのお客さんに笑顔で来ていただく取組を実直に進めていくことが大切だと考えております。
 今御指摘いただいたことについては考えておりません。

4 福島第二原発について

【記者】
 第二原発についてお伺いします。先日、世耕経済産業大臣が第一原発を視察して、その後の記者とのやりとりの中で、第二原発については、他の原発と同列線上では語れないという話があり、一方で、知事も、先日の小早川社長との面会の中で、第二原発の廃炉を訴えていらっしゃいます。知事の一期目の任期が今年11月までと迫る中で、この過去3年を振り返られて、第二原発の廃炉についてどの程度、道筋をつける実績を残してこられたとお考えなのかが一点と、残りの任期の中で、第二原発の廃炉についてどの程度まで道筋をつけていきたいとお考えなのかお伺いします。

【知事】
 福島第二原発を含む県内原発の全基廃炉は、県民の強い思いであり、また、県議会を始め、各自治体からも強い要請が出ているところです。国、東京電力においては、こうした県民の思いを受け止め、しっかりと対応していただきたいと考えております。これまでの3年間、この第二原発の廃炉について要請を続けてまいりました。まだ結論が出ていない、これは事実だと思います。ただ一方で、時点、時点において、国、東京電力の回答が少しずつニュアンスが変わってきているというのが私の印象です。いずれにしても、私は福島県知事として、県民の強い思いを国、東京電力に訴え続けてまいります。

【記者】
 少しずつニュアンスが変わってきているということでしたが、具体的にどういった点でニュアンスが変わってきているのでしょうか。

【知事】
 例えば初期段階と現段階で、特に国側の発言を見ていて、「福島第二原発、あるいは福島県内の原発は全国の他の原発と同等に扱うことができない」という発言があります。他と同列に論じられないという表現は初期段階ではありませんでした。こういったものは重要ですし、また、東京電力においても、私からの要請や県議会からの要請を重く受け止めるといったニュアンスもきちんとお話していただいていると思います。このあたりを比べていただけると、一つの変化のシグナルかと考えております。

5 福島第一原発2号機原子炉格納容器の内部調査について

【記者】
 2号機格納容器のデブリについてお伺いします。東電が今日の夕方に動画を公開するということで、新たに2号機の状況が実際に映像として分かる段階になってきました。知事はこの状況をどのように受け止めていらっしゃいますか。

【知事】
 2号機の原子炉格納容器の内部調査によって、燃料デブリと思われるものが確認されたことは、今後の廃炉を進めていく上で大きな前進であり、国、東京電力においては、中長期ロードマップに掲げる燃料デブリの取り出し開始に向けて、安全を最優先に着実に進めていただきたいと考えております。
 一方で、今回の調査結果は、この事故がいかに過酷で深刻であったのか、また、事故を起こした原子炉の廃炉がいかに難しいものであるかを改めて示したものと考えております。これからも長く険しい道のりになりますが、国と東京電力において、世界の英知を結集して、山積する課題を一つ一つ乗り越えながら、何としても、廃炉を成し遂げていただきたいと考えております。

6 家賃賠償について

【記者】
 先週、家賃賠償に関して、東電の大倉代表が、3月で家賃賠償が打ち切られるが、4月以降も財政支援していきたいという考えを示されました。これを受けて、県として今後どのように対応されるかお伺いします。

【知事】
 家賃賠償対象世帯の方々への適切な対応について、昨年の11月には、私から、関係省庁に対して、また、12月には、県と双葉郡の4町から自民党東日本大震災復興加速化本部の額賀本部長に対して要望を行いました。こうした要望を踏まえて、先週、国と東京電力から御提案を頂きました。県としては、生活再建を後押ししていくことが最も重要であるとの視点に立って、家賃賠償の対象世帯への支援について出来るだけ早く制度を固めていきたいと考えております。被災者の安定した生活や一日も早い生活再建につながる対策に、引き続き、国は前面に立って取り組んでいただきたいと思います。

7 南相馬市長選について

【記者】
 昨日の南相馬市の市長選の受け止めと、新市長に期待すること、あるいは敗れた現職の方とはこれまでいろいろと関係があったと思いますが、コメントをお願いします。

【知事】
 今回の南相馬市長選は、接戦でありました。まず、当選された門馬氏にお祝いを申し上げます。当選された門馬氏には、リーダーとして市民の皆さんの思いをしっかりと受け止め、その役割を果たしていただくことを期待しております。
また、桜井氏においては、特に、東日本大震災以降、緊急時における対応、その後の復興再生に向けた対応など、御尽力を頂きました。これまでの御労苦に敬意を表します。
県といたしましては、今後とも南相馬市を始め、県内各市町村と連携を密にしながら、復興、地方創生など、福島県が抱える課題解決に全力で取り組んでまいります。

(終了)

【問合せ先】
1 米の全量全袋検査について
⇒ 農林水産部水田畑作課 電話024-521-7359

2 原子力規制委員会 更田委員長の発言について
⇒ 生活環境部除染対策課 電話024-521-8495

3 カジノ法案について
⇒(インバウンドに関すること)
  観光交流局観光交流課 電話024-521-7128

4 福島第二原発について
⇒ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116

5 福島第一原発2号機原子炉格納容器の内部調査について
⇒ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054

6 家賃賠償について
⇒ 避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8629
  避難地域復興局原子力損害対策課 024-521-8216

7 南相馬市長選について