【質問事項】
1 県民世論調査結果について
2 新年度を迎えて
3 日本の地域別将来推計人口について
4 旧優生保護法について
5 農産物流通実態調査について
6 ふるさと納税について
【記者】
福島テレビと福島民報社で世論調査を実施しました。この結果の受け止めについて二点お伺いします。一点目ですが、先週、国会で行われた佐川前理財局長の証人喚問で、その証言の内容について72.6%が納得できないという状況でした。これに関する知事の受け止めをお伺いします。
また、知事の支持率は相変わらず高く、微減はしたものの79%台となっています。この受け止めと、昨日、自民党県連の定期大会があり、会長から、これからも内堀知事に頑張ってもらいたいという声がありましたが、次の知事選に対してのお考えも併せてお伺いいたします。
【知事】
二つ質問を頂きました。一点目の問題です。現在、国民の間で様々な考えや受け止め方があろうかと思います。まず、公文書の書き換えはあってはならないことです。福島県としては、こういった決裁文書の在り方も含めて、公文書の適正管理にしっかりと取り組んでいくことを他山の石として対応していきたいと考えております。
また、今回、世論調査の結果が出ました。私としては、まずこの結果を真摯に受け止めること、そして、県民の皆さんが復興・創生を実感できるように、しっかりと県政に取り組んでいくことが何よりも大切だと考えております。また、後半のお尋ねですが、昨日も自由民主党県連から様々なお考えを伺っているところです。そういった叱咤激励も自分の糧にしながら、目の前に山積している課題一つ一つに真剣に取り組み、結果を出していくことに全力を尽くしてまいります。
【知事】
新年度において、大切な問題が二つあります。一つが複合災害からの福島県の復興再生、もう一つが、急激な人口減少への対応です。いずれの重要課題も極めて難しい問題であり、何か一つの手だてをとったから解決に導けるというものではありません。ただ、この二つの問題に立ち向かっていかない限り、福島の復興・創生は成し得ないものと考えておりますので、県の総合政策として真剣に取り組むことと、県だけではなく、国、自治体、関係機関、そして県民の皆さんの力を結集して、福島の復興・創生に全力でぶつかっていくことを新年度の大切な課題にしていきたいと考えています。
【記者】
3月30日に、国立社会保障・人口問題研究所が、人口の推計を発表しました。それによると福島県は2045年には、2015年よりも3割少ない130万人余りになるということです。これは危機的な状況だと思いますが、今後、この人口対策で具体的に特に強化していきたいと考えている取組はありますか。
【知事】
先般、調査結果が出たところであり、その状況をまず重く受け止めております。少子高齢化等の構造的な問題に加えて、震災と原発事故の影響もあって、福島県の人口減少は極めて厳しい状況にあり、危機意識を持って受け止めております。福島県においては、「ふくしま創生総合戦略」を策定して、「しごとづくり」、「ひとの流れづくり」、「結婚・出産・子育て支援」、「まちづくり」を柱とした施策に現在重点的に取り組んでいるところです。こういった中、これまでの取組もあり、合計特殊出生率が改善傾向にあり、福島県は現在、長野県と並んで東日本でトップクラスにあります。また、移住者についても震災直後は震災前の半分以下まで減少しましたが、徐々に回復して、平成28年度には震災前の水準を超えています。特に震災前は50代、60代以上の移住者が全体の7割を占めていましたが、現在は20代から40代までの若い世代、子育て世代の移住者が増加し、7割を占めるという状況になっております。また、先般の移住希望先ランキングにおいて福島県の順位が8位まで上昇したという状況もございます。まだまだ極めて厳しい状況が現在から未来にかけて続いていきますが、その中でも、このような希望の兆しもあることを頭に置きながら、福島県の人口総数を増やしていく対策、少子高齢化対策は総合政策ですので、例えば、結婚・出産・子育て支援の充実や定住・二地域居住の更なる推進など、様々な施策を積極的に推進していく中で、人口減少、高齢化の問題に歯止めをかけていきたいと考えております。
【記者】
西郷村など地域によっては、規模が小さい学校でも少人数ゆえに教師の目の行き届く授業ができるなど、努力している事例があります。移住コーディネーターが緻密に回るなど、人的資源や地域の特色をどういかしていくか、移住者を受け入れたいと思う地域をどうやって増やしていくかについて、考えていらっしゃることはありますか。
【知事】
この件については、同感です。私は毎年59市町村全てを回り、市町村長さんや地域の方々と意見交換をしていますが、必ずしも人口規模の大小だけで、この人口減少問題の特色や傾向が決まるわけではありません。福島県で現在人口が増えている、あるいは社会増となっている自治体で小規模な自治体もあります。そういった自治体では、非常に特色のある地域づくりや人づくりを、首長さんのリーダーシップもあって積極的に行っているという印象があります。私自身も実際に県内を回りながら具体的な施策の話やエピソードを聞き、それをまた他の自治体に展開させていくことを進めています。また、県の施策として、地域を総合的に支援する事業をつくり、その中で人口減少対策として特色のある事業を行いたいという自治体に対して積極的に補助を行っています。また、各自治体で外からの移住者を受け入れたいという希望がある場合は、東京にある県の移住相談窓口を始め、県がつなぎ役になって、その自治体をサポートするなど、やる気のある自治体の背中を押して、一緒に施策を進めることも人口減少対策の大事な要素になると考えております。
【記者】
市町村合併について、平成の大合併から10年ほど経ちましたが、今回、人口減少の推計を見ますと、59市町村の中には、単独では中々難しいというビジョンを描かざるを得ない市町村も出てくるかと思います。県としては、その自治体に対して、更なる市町村合併を視野に入れて話しをしていくのか、強制はできないと思いますが、背中を押していくのか、このことについて知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
福島県の地方自治に対する基本的な考え方については、「基礎的自治体である市町村の意向を最大限に尊重する」、これが伝統です。私はこの伝統を踏襲しておりますので、県が市町村に対して合併をと申し上げるつもりはありません。平成の大合併の中で90あった市町村が59に合併するというプロセスがありました。その上で59の市町村はそれぞれの覚悟を持って地方自治に臨んでおられ、地域を元気にしたい、人口減少に立ち向かいたいと間違いなく考えておりますので、それを積極的に支援するのが広域自治体である県のスタンスです。
また、大切なことは、自治体の規模の大小によって人口減少の影響がダイレクトに出るものではないということです。現に、規模の小さな自治体で、人口が社会増、純粋に増えている自治体が福島県内にはあります。そこには間違いなく特色のある地域づくりやリーダーシップがあります。また、地域の方々が非常に元気で、それは年齢とは関係ありません。人口が少ないからとか高齢化が進んでいるから何もできないということではなく、今、地域にある宝をいかして、古里を元気にしていこうという思いがある自治体は必ず輝くと考えておりますので、そのような自治体の在り方を応援していきたいと考えています。
【記者】
旧優生保護法に関する強制手術の問題に関して、厚生労働省は都道府県に対して調査を求めるとの考えを示しております。都道府県の中では独自に調査する自治体もありますが、現段階での県の対応方針をお聞かせください。
【知事】
現在、福島県としましては、当事者からの相談や本件に係る自己情報の開示請求等があった場合には、担当課を窓口にして丁寧に対応していくことを基本スタンスとしております。併せて、現在、国会において、超党派の議員連盟によって救済の在り方を検討する動きがありますので、その推移を注視してまいります。
【記者】
県として、積極的に調査に乗り出す考えはないということでしょうか。
【知事】
現在は当事者からのお話があった場合に対応を考えていく。そして、国全体の状況を丁寧に見守って、その上で県としての対応を考える。このようなスタンスです。
【記者】
先週、農林水産省が農産物流通に関する調査結果を発表しました。調査に答えた3割くらいが青果の取扱いを減少させ、その中の4割くらいが「福島以外の県産品を扱うように」と販売先から指示があったということですが、この調査結果について見解をお伺いします。
【知事】
東日本大震災、原発事故から丸7年が経過しました。特に原発事故の直後は、福島県の農産物に対する極めて厳しい状況があり、深刻な状態だったというところからスタートしました。その後、数年間の努力を経て、ある程度、福島県産の農産物に対する理解が深まってきて、取扱いが回復してきました。一方で、御指摘の調査結果にもあるように、県産の農産物に関して、例えば首都圏等の常設棚における販売が回復しない、あるいは一部の農産物の全国平均との価格差が回復しない等、様々な風評が残っているのも現実です。こういった調査結果を参考にしながら、現在、国、県、あるいはJA等関係の皆さんと共に、農産物の風評払拭のための具体的な施策を進めております。様々な施策展開を想定しておりますので、これらを実行していく中で、農産物の風評を一つ一つ解決していく、この姿勢で臨んでいきたいと考えています。
【記者】
ふるさと納税について、総務省から先般、30%という話があり、さらに、今回、地元の物にすべきだという話があるようですが、ふるさと納税についての考え方をお伺いします。
【知事】
ふるさと納税の制度ができてから、それぞれの地域に対する視線が変わったと思います。ふるさと納税があることによって、日本全国に1,700の自治体が、それぞれ一生懸命活動しておられますが、それを応援しようという機運が高まりました。ふるさと納税ができたことによって、地方に対する様々な眼差しができてきたことを評価しています。したがって、ふるさと納税というシステムを継続していけるようにしていくことが大事だと思います。
また、各自治体がそれぞれの判断で、この納税方式をどう活用していくかという観点があります。例えば避難市町村であった自治体がふるさと納税の際に、お世話になっていた他県や県内の他市町村の物を返礼品として使うという実例もあります。こういったものは一定のストーリーがあろうかと思います。したがって、必ずしも一律の基準ではなく、その自治体が持つストーリーに基づいて、こういった返礼を考えているということもかみ合わせて総合的に判断していくことも重要かと思います。
いずれにしても、ふるさと納税の根本的な制度そのものをこれからも継続していくことが、日本全体の都市、地方にとって重要であり、バランスを考えながら国と地方で制度を運営していくことが重要と思います。
(終了)
【問合せ先】
1 県民世論調査結果について
⇒ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
2 新年度を迎えて
⇒ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
3 日本の地域別将来推計人口について
⇒ 企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
⇒(定住・二地域居住の推進に関すること)
企画調整部地域振興課 電話024-521-7160
⇒(市町村の合併に関すること)
総務部市町村行政課 電話024-521-7304
4 旧優生保護法について
⇒ 保健福祉部子育て支援課 電話024-521-8205
5 農産物流通実態調査について
⇒ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-7356
6 ふるさと納税について
⇒(市町村のふるさと納税に関すること)
総務部市町村財政課 電話024-521-7305
⇒(県のふるさと納税に関すること)
総務部税務課 電話024-521-7067