■日時 平成30年6月6日(水)13:00~13:20
■会場 応接室
【発表事項】
1 平成30年度6月補正予算の概要について
2 ニューヨーク訪問について
【質問事項】
1 ニューヨーク訪問について
2 香港の輸入規制継続について
3 Jヴィレッジの利活用方策の検討について
4 浪江町長の辞意表明について
5 相馬市長の全国市長会長就任について
6 福島銀行への業務改善命令について
7 喜多方市揚津地区の地すべりについて
平成30年度6月補正予算の概要を発表いたします。
今回の補正予算は、復興・創生の実現に向けて緊急に措置すべき経費などについて計上いたしました。
その主な内容といたしましては、Jヴィレッジの全面営業再開を見据え、幅広く利活用方策を検討する取組、欧州で開催される展覧会に出展し、観光客の誘客を促進する取組、県議会議員補欠選挙の執行、国の交付金等を活用した道路、河川及び港湾の整備推進などに要する経費を計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、22億5千5百万円、本年度予算の累計額は、1兆4,494億6千7百万円となります。
次に、5月29日から6月2日に、ニューヨークを訪問しましたので報告いたします。
5月30日には、日本酒の販売で有名なワインショップ等を訪問し、全国新酒鑑評会で金賞受賞数6年連続日本一を達成した「ふくしまの酒」の更なる取扱拡大に向け、トップセールスを行い、新たに「ふくしまの酒専用コーナー」を設置することなどで合意しました。
また、本県初となる日本酒に特化したアンテナショップ「ふくしまの酒チャレンジショップ」をニューヨークに開設することといたしました。
さらに、9.11同時多発テロからの復興の象徴であるワン・ワールド・トレードセンターにおいて、情報発信セミナー及び交流レセプションを開催し、県産品の魅力や未来に向けて挑戦を続けるふくしまの姿を発信してまいりました。
5月31日には、国連本部で開催された「TGCファッションセレモニー」に福島の子どもたちと共に出演し、福島の元気な姿を世界に向けて発信しました。
また、野口英世博士の墓所を訪問したほか、国連日本政府代表部の別所大使やジャパン・ソサエティの櫻井理事長、チャウドリー国連大使にお会いし、福島の今をお伝えすることができました。
今後とも、県産品の販路拡大に取り組むとともに、復興に向けて チャレンジする福島の姿を世界に向けて積極的に発信してまいります。
【記者】
ニューヨーク訪問の件ですが、今回の訪問の成果はどういうところになるのか。知事に就任されてから海外へのトップセールスに取り組まれてきて、輸出量も震災前を大きく超える状況になってきていると思いますが、それに関しての御自身の評価はどうなのかをお聞かせください。
【知事】
今回のニューヨーク訪問の成果は3つあります。1つ目は、国連本部で行われたファッションセレモニーにおいて、子どもたちと共に福島の元気を発信したこと。2つ目は、「ふくしまの酒」のトップセールスを行い、成果を得たこと。3つ目は、情報発信カンファレンスにおいて、福島の現状と未来について直接お伝えすることができたこと。この3点でありますが、中でも具体的な成果として挙げられるのは、ふくしまの酒の販路拡大であります。まず、著名なワインショップ2店舗において、新たに「ふくしまの酒コーナー」の設置が決まりました。さらに、マーケット視察を踏まえて、ニューヨークに日本酒に特化した専門のアンテナショップを開設することにいたしました。今、ふくしまの酒は、全国新酒鑑評会において金賞受賞数6年連続日本一というすばらしい快挙を達成しています。このふくしまの酒を日本のみならず世界において、特に高額な日本酒の輸出が盛んであるアメリカにおいて、強く打ち出していくことが、風評払拭、あるいは、品質の高いふくしまの酒の評価を高めることにつながっていくものと期待しています。
また、知事に就任してから、お酒も含め、農林水産物等の販路拡大に力を注いでまいりました。特に、タイ、マレーシア、ベトナムといった東南アジアにおいて、福島の桃、お米、梨等の出荷を拡大することができたことは、福島県の農業の振興あるいは風評払拭に非常に大きな効果・意義があったと受け止めています。さらに、EUの規制緩和を受けまして、今年の3月には、ロンドン・パリにおいて、福島のお米の輸出拡大を決定することができました。メードイン福島に対する様々な思いがありますが、誤解を解いて、高い品質でおいしい福島県産の食を世界の皆さんに堂々と打ち出していくこと、これが今後とも重要であると考えております。
【記者】
昨日、香港政府が、5つの県でこれまでとられてきた輸入停止措置について、福島県を除く4県は緩和する方針を決めたということが報道されましたが、福島だけが輸入停止措置を継続されていることについての受け止めと、今後政府などへの働き掛けや、安全・安心ということをどういった形で伝え、香港政府に対する緩和措置を求めていくのかということをお伺いしたいと思います。
【知事】
香港の輸入規制の撤廃について、そういった報道を拝見しております。震災・原発事故以降、50を超える国・地域において、福島県産あるいは日本産の農産物に対する輸入規制というものがございました。その後、政府、あるいは我々自身の懸命な取組もあって、今、それが半分程度に減ってきております。そういった流れの中で、香港の本県に対する輸入規制については、現在、日本国の政府が協議を進めておられます。県としては、その対応を注視しているところであります。引き続き、科学的な根拠に基づいた情報発信を行うとともに、輸入規制の緩和に向けて、農林水産省や外務省への働き掛けを続けていきたいと考えています。特に、明日、政府予算対策で斎藤農林水産大臣等ともお会いする機会があろうかと思います。香港も含めて、まだ輸入規制を継続しておられる国・地域に対して、国、県、力を合わせて、正確な情報発信を続け、一日も早くこういった規制がなくなるよう努力を続けてまいります。
【記者】
補正予算について伺います。Jヴィレッジが来月、いよいよ一部営業再開ということになりますが、その意義をどのように考えていらっしゃるのか、改めて教えていただきたいのと、その利活用方策がとても大事だと思いますが、具体的にどういったことを考えていらっしゃるのか、2点お伺いします。
【知事】
御承知のとおり、Jヴィレッジは、原発事故以降、東京電力の廃炉対策の拠点となっていました。いろいろな表現の仕方があろうかと思いますが、一部の方は「戦場のようだ」という例えをされました。緑の青々としたピッチがはがされ、全体が駐車場になる。あるいは、選手や子どもたちの声が響いていたスタジアムが、職員の皆さんの宿泊施設になるなど、劇的に変わってしまいました。ただ、そういった役割を数年程度果たした上で、現在、再生が進み、いよいよ緑あふれる青いピッチに生まれ変わり、また、新しい施設も姿を現してきています。正に、2011年の原発事故以降の浜通りにおける復興のシンボルだと捉えています。
7月28日の一部再開、そして来年に向けて、全面再開という動きが続きます。Jヴィレッジが再開していくこと、戦場のようだった地がもう一度再生できるということを、避難地域の皆さん、県民の皆さん、そして国内外の皆さんに見ていただくことで、復興再生が可能なんだという希望を感じていただければありがたいと思います。
一方で、今後の活用方策でありますが、震災前のJヴィレッジと今のJヴィレッジが置かれている環境は全く異なります。御承知のとおり、避難指示が解除されても、全ての住民が戻られているわけではありません。産業の状況もまだまだ震災前とは違う。こういった状況において、Jヴィレッジが従来と同じ形で利活用されるかというと、決してそうではないと思います。一方で今、新駅の整備や、福島イノベーション・コースト構想の進展に伴い、浜通りを応援するという強い動きもある中、利活用方策を始め、どうすればJヴィレッジがより輝いていくことができるのか、復興のシンボルとして形になるのかといった議論をしっかりと進めて、具体的な施策を今後打ち出していくことが重要だと考えています。
【記者】
浪江の馬場町長がお辞めになるという話がありますが、原発事故からの復興に御尽力されてきた方だと思います。お辞めになるということの受け止めをお伺いできればと思います。
【知事】
浪江町の馬場町長が辞意を表明されたという報道は拝見しております。ただ、現時点においては、まだ御本人が明確に表明されているわけではないという前提でお話をさせていただきたいと思います。
まずは、馬場町長の一日も早い回復をお祈り申し上げます。浪江町においては、この春、開校しました「なみえ創生小中学校」を始め、今年の7月には、棚塩産業団地に世界最大級の水素製造工場の建設が予定されるなど、町の復興再生が着実に進んでいると感じております。
一方で、医療・介護の提供体制や買い物環境の整備、農業を含めた生業の再生、教育環境の整備など、今後、解決していかなければならない様々な課題があると認識しております。県としては、浪江町の復興に向けて、引き続き、町と連携して、しっかり取り組んでまいります。
【記者】
立谷相馬市長が、今日の総会で正式に全国市町会長への就任が決まるということで、新会長としてどのような役割を期待するかお伺いします。
【知事】
立谷相馬市長が全国市長会長に選任されたことについては、震災等の被災地の状況を十分かつ的確に把握されている方であり、福島県のみならず被災地全体にとって心強いものと感じております。また、新たなお立場から、地方創生と活性化に取り組まれることで、更なる地方自治の進展に御尽力を頂けるものと期待しております。
【記者】
先日、福島銀行に業務改善命令が出されたという一部報道がありましたが、これに対する知事の受け止めをお伺いします。
【知事】
福島銀行に対して金融庁の業務改善命令が出されたことは、報道等で拝見しております。地域金融の在り方は地域経済への影響が大きいことから、今後、県内の商工業者等への影響について注視してまいります。
【記者】
喜多方市の地すべりの件で、今回の補正には入っていなかったと思いますが、どうしてなのかということと、今後どのようにして予算措置していくのかということ、まだ分からない部分かもしれませんが、だいたいどれくらいの金額になるのかということを教えてください。
【知事】
喜多方市揚津地区の地すべり対策についてであります。まず、こういった災害関連の予算については、当初予算において一定の枠を確保しております。したがって、現在、県がボーリング調査を始め、必要な対策を早速講じておりますが、既存の予算の中で対応しております。
今後、ボーリング調査あるいは地下水の排水作業等を進めながら、本格的な対応をどうしていくかということをしっかりと検討してまいります。また、御存知のとおり、地すべりは現在進行形です。この状況を見極めながら、全体としての経費等については、今後の調査結果を踏まえてしっかりと検討してまいります。
(終了)
【問合せ先】
1 ニューヨーク訪問について
→ 企画調整部地域政策課 電話024-521-7870
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7296
2 香港の輸入規制継続について
→ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-8041
3 Jヴィレッジの利活用方策の検討について
→ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
4 浪江町長の辞意表明について
→ 避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8483
5 相馬市長の全国市長会長就任について
→ 総務部市町村行政課 電話024-521-7304
6 福島銀行への業務改善命令について
→ 商工労働部経営金融課 電話024-521-7274
7 喜多方市揚津地区の地すべりについて
→ 農林水産部農村基盤整備課 電話024-521-7407