■日時 平成30年8月6日(月)10:00~10:17
■会場 応接室
【質問事項】
1 桃田選手の活躍について
2 豪雨に対する対策について
3 知事選について
4 南郷トマトの地理的表示(GI)の登録について
5 広島原爆の日について
6 浪江町長選について
7 杉田衆議院議員のLGBTに関する寄稿について
【質問事項】
【記者】
昨日まで、中国で行われていたバトミントン世界選手権男子シングルスで、富岡高校出身の桃田選手が優勝されました。違法賭博問題からの完全復帰とも言えると思いますが、感想をお聞かせください。
【知事】
桃田賢斗選手がバドミントン世界選手権で見事に金メダルを獲得されました。本当におめでとうございます。
桃田選手は二つの大きな逆境を乗り越えてこられました。一つは、富岡第一中学校を経て富岡高校1年生の3月、東日本大震災と原発事故に見舞われました。その後、高校の2年間、猪苗代町において避難生活を送りながら、一生懸命、練習に励まれました。二つ目は、2年前、自身が起こした問題によって反省の日々を送ることとなりました。こうした大きな逆境を乗り越えて、日本バドミントン界史上初めて、世界選手権で優勝を成し遂げた姿に非常に大きな感動を覚えました。
また、今大会において桃田選手には三つのハードルがありました。一つ目は、2年間、選手として大会に思うように出られないという状況にありましたので、大きな檜舞台での勘が中々掴みづらい点があったかと思います。二つ目は、開催地の中国で中国の選手との決勝戦、完全アウェーの中での金メダル、そこに価値があります。三つ目は、今日になって私も知りましたが、彼自身が腹筋を痛めており、体調が必ずしも万全ではない中で、今回、優勝を成し遂げました。こういった三つのハードルを乗り越えて金メダルを獲得されたことは本当にすばらしいと思います。
桃田選手は、この2年間の経験を踏まえ、過去を変えることはできませんが、自分の未来をつくることができるとの思いで努力を重ねてこられたのだと思います。また、試合後のインタビュー等を拝見しておりましても、今後について強い思いを持っておられます。2020年東京オリンピックや、その他の大会も含め、これからも桃田選手が研さんを重ねて大活躍されることを応援していきたいと思っておりますし、心からその活躍を期待しています。
【記者】
先週、西田敏行さんに県民栄誉賞授与という話がありました。桃田選手に関してはいかがでしょうか。
【知事】
現時点においては、彼の活躍をしっかりと応援していきたいと思います。
【記者】
西日本の豪雨災害から1か月が経ちますが、山形でも昨日大雨が降り、他人事ではないという印象を持っています。福島県内の雨の備えについてどのように考えていらっしゃいますか。
【知事】
今年の異常気象は、猛暑、豪雨も含めて過去に例のないものです。特に今週の中頃からまた台風が北上し、東北地方も含めた日本列島を直撃する可能性があります。昨今の西日本の豪雨災害や昨日の山形における豪雨を念頭に置きながら、万全の備えをとること、そして、住民の皆さんに対し、身近な危険が迫ってきた際にはできるだけ早く避難等の対応をしていただくよう、市町村等としっかりと連携してアナウンスしていきたいと考えております。
【記者】
知事選の告示まで約2か月となりました。知事が(出馬を)表明された際に政策、公約等については後日お話ししたいということでしたが、公約等を発表される時期はいつ頃になりそうでしょうか。
【知事】
私は今、現職の知事として、福島の復興・創生に関わる様々な仕事を懸命に行っているところです。こうした会見も含めて、私の日々の仕事を通して、知事としてどういった政策や理念を持って、どういった施策を実行していくかを発信し続けているつもりです。公約については未定であり、スケジュール的には、しばらく先になろうかと思います。
【記者】
知事選挙まで2か月ということで、どういうことが問われる選挙になると思われますか。また、対抗馬となる候補者が出ていませんが、その点についてどのように感じていらっしゃいますか。
【知事】
一点目について、県政の重要な課題は二つあります。一つは東日本大震災、原発事故、風評など、複合災害からの復興再生。もう一つが人口減少対策、少子高齢化への対応という地方創生の二点であろうかと思います。
まず、復興再生について、今、震災から7年4か月余が経ち、状況は時々刻々と変化しております。これまで様々な課題をある程度解決してきました。一方で、まだ難しい課題が残っています。例えば、福島県内には依然として7市町村において避難指示区域が残っています。また、避難指示が解除された地域においても、その再生の道のりには時間がかかりますし、依然として風評の全県的な影響がございます。こういった復興の道のりをどうやって今後解決していくのかがまず問われると思います。
二点目は、非常に厳しい人口減少にどう向き合うかという問題です。特に震災後の7年余で、福島県の人口減少率は全国的に見ても極めて厳しい状況にあります。この危機意識の下、どういった地方創生の対策を具体的に打ち出して、市町村と連携して一つ一つ実行し、人口減少傾向に歯止めをかけるかが大きく問われることになるのではないかと私は考えております。
また、他の候補者については、私が述べる立場にはないと思いますので、今後とも状況を注視してまいります。
【記者】
出馬表明の段階で、県民党的な立場で選挙体制を構築していきたいということでしたが、どのような体制を考えていて、今後進めていきたいと思っているのか伺います。
【知事】
私は、4年前の前回の選挙戦においても、県民党という旗を掲げさせていただき、その旗の下に集っていただいた方々の支援を頂きながら選挙戦を戦ってまいりました。今回もその時と同様のイメージで、今、関係の皆さんから応援するという声を頂いているところです。そのことに感謝を申し上げたいと思います。
【記者】
本日、農林水産省からGI産品についての発表があり、福島県から初めて南郷トマトが選ばれましたが、どのように評価されていますか。
【知事】
農林水産物の地域ブランド価値の向上や生産者の利益保護を目的とする地理的表示、GI制度について、南郷トマトが本日付けで、福島県では初の登録となりました。本当にうれしく思いますし、ここまでたどり着いた地元の皆さんのこれまでの御努力と御労苦に対して心から敬意を表したいと思います。
南郷トマトには50年を超える栽培の歴史があります。産地の気候条件をいかした栽培により、食味などの品質が極めて良好で、かねてから評判が高いトマトです。今回の登録は、南会津地域の風土やトマトの品質、そして生産者の皆さんが長年培ってきた生産管理の方法等が認められた結果であると受け止めております。こういったGI制度の初登録を契機に、福島県内のブランド価値や生産意欲を更に向上していくことができるよう、県としても積極的に取り組んでまいります。
【記者】
今日、73回目の広島「原爆の日」を迎えました。福島県内にもたくさんの被ばく者の方がいらっしゃると思いますが、この日を迎えるに当たり、知事の見解をお聞かせください。
【知事】
先日、私は広島県を訪問し、広島県知事と対談を行いました。広島県には、戦争、原爆によって非常に大きな被害を受けた歴史がありますが、その事実を正面から重く受け止めることが重要だと思います。一方で、広島の皆さんは、その後懸命に復興再生に向けて挑戦を続けられ、今、国際平和都市として再生を遂げておられます。福島県にとって、広島県のこうしたこれまでの道のりを、きちんと自分たちの胸、頭に置いて、我々も復興再生に向けて歩んでいくことが重要だと思います。今日は8月6日、原爆が投下された日です。こういった日に改めて、歴史的な重い事案に思いを寄せて、その上で我々がまた新しい歴史をつくっていかなければいけないとの思いでおります。
【記者】
昨日、浪江町長選が行われ、新人の吉田さんが当選されました。気になるのが、投票率が過去最低だった前回よりも10ポイント近く下回ったことです。帰還率の低さもありますが、住民の復興に対する関心が薄れているという感じもします。知事としてこの投票率をどのように評価されていますか。
【知事】
投票率の評価は非常に難しい部分がございます。ただ、要因として、浪江町が震災、原発事故前と全く異なる状況にあるということが挙げられるかと思います。候補者の皆さんも選挙活動に非常に御苦労されています。(町民が)浪江町以外の地域にそれぞれ分散しておられ、また以前は、避難所や仮設住宅がございましたが、そういったものがなくなってきて、更に分散化が進んでいます。また、7年余りという歳月が過ぎる中で、古里への思いを持ちつつも、古里に対する関わり方がどうしても薄くなっているという現実もあろうかと思います。候補者の皆さんや浪江町も懸命に投票率を上げたいと努力されてきたかと思います。一方で、昨年、浪江町では避難指示が一部解除されましたが、その他の地域では、今後の方向性がはっきりしていないという事実もございます。浪江町の努力だけで、如何ともしがたい部分がございます。新しい町長が今後、「町のこし」を掲げ、馬場前町長の思いを胸に努力されていくと思います。国、県、市町村、関係機関が一体となって、浪江町の更なる再生に向けて努力することが何よりも重要だと考えております。
【記者】
自民党の杉田衆院議員が、LGBTについて「生産性がない」、「行政の支援に疑問がある」と寄稿されて議論を呼んでいますが、知事の受け止めをお伺いします。
【知事】
そうした状況を報道等で拝見しております。性別に関する自己認識等にかかわらず、等しく尊重され、受容される社会の実現を図ることが重要であると考えています。
県としては、引き続き、教員や市町村の担当者の皆さんへの研修を始め、学校と連携した啓発活動等を通じ、LGBTについての理解がより進むよう取り組んでまいります。
(終了)
【問合せ先】
1 桃田選手の活躍について
⇒ 文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7742
2 豪雨に対する対策について
⇒ 危機管理部災害対策課 電話024-521-7741
3 知事選について
4 南郷トマトの地理的表示(GI)の登録について
⇒ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-7377
5 広島原爆の日について
⇒ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
6 浪江町長選について
⇒ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
7 杉田衆議院議員のLGBTに関する寄稿について
⇒ 生活環境部男女共生課 電話024-521-7192