■日時 平成30年8月27日(月)10:00~10:15
■会場 応接室
【質問事項】
1 応急仮設住宅の供与期間延長について
2 福島県職員の障がい者雇用率について
3 いわき市職員の過労自殺報道について
4 教職員の不祥事について
5 旧オフサイトセンターの解体について
6 東京五輪 聖火リレーについて
【記者】
先程開催された新生ふくしま復興推進本部会議において、応急仮設住宅と借上住宅の供与に関して、今回初めて帰還困難区域を含めた期間が示されました。帰還困難区域など避難指示解除の見通しが立っていない地域もある中、今回打ち出された背景と、もしそれまでに解除されない区域の住民がいた場合、県として具体的にどのように対応していくのかお聞かせください。
【知事】
供与終了に当たりましては、関係町村とも議論を続けてまいりました。今後の生活再建の見通しを早い段階から立てていただくためにも、今回の終了時期をこうした形で進めていくことが重要という判断に至ったものです。避難指示が継続している間の住まいの確保が課題となりますことから、生活再建調整会議を通じて、国や避難元自治体等と連携を図りながら、安定した住まいの確保に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
【記者】
今回の方針ですと、双葉町と大熊町を除いて、再来年度で全ての供与が原則終了になるという状況かと思います。今後は、双葉町と大熊町がいち早く復興を進めていくことが大きな課題になってくると思いますが、両町が復興を進めて、住民の方が住宅を確保することができるようになるためには、県としてどのようなことが必要だと考えていらっしゃいますか。
【知事】
双葉町や大熊町を始め、依然として避難指示が継続している地域の再生にとって大切なことが二つあります。一つは、いわゆる復興拠点です。現在、それぞれの地域の中で復興拠点を指定し除染や整備を進めているところですが、こういった全町避難が現在も継続している地域においても、帰れるエリアがあることを住民の皆さんに感じていただき、そして実現していくことが重要であると考えております。
また、それ以外の地域の今後の方向性については、国、自治体、県を始め、関係機関が共に検討を進めていく必要があります。これには一定の期間がかかりますが、こういった検討を並行して進めていくことが重要であると考えております。
【記者】
応急仮設住宅について、今回の大熊町と双葉町以外では原則終了ということで、帰還困難区域で見ますと、大熊町、双葉町とそれ以外で差がついた形になると思います。この判断についてどのような考えがあったのかお伺いします。
【知事】
今回の応急仮設住宅の供与期間延長の取扱いについては、避難指示区域の実情や解除後の住まいの確保状況等を踏まえ、国との協議を重ね、延長の同意がなされました。
また、今回の判断については、関係町村とも協議を続けてきた中で、こういった結果に至ったものです。
【記者】
富岡町、浪江町、葛尾村、飯舘村については、終了の方向で良いという同意や意向があったということでしょうか。
【知事】
関係自治体と協議を続け、その上で、今回の方向性を示させていただいております。
【記者】
障がい者雇用率算定の問題について、中央省庁や全国の自治体でも相次いでいる中で、福島県でもありましたが、この受け止めと今後の対応についてお伺いします。
【知事】
障害者手帳を有していない職員を一定の期間、障がい者雇用率に算定しておりました。厚生労働省からの通知の解釈に相違があったために生じたものであります。意図的に行ったものではありませんが、このような結果を招いたことは残念であると捉えております。今後は、国のガイドライン等に基づき、適切に対応してまいります。
【記者】
去年、いわき市の職員の方が自殺された案件がありました。前線で仕事されている職員への負荷や課題などいろいろあると思いますが、そのことについて知事はどのようにお考えになっていて、どういう対応策が必要と考えていらっしゃるのかお伺いします。
【知事】
まず、亡くなられた方の御冥福をお祈りしますとともに、御遺族に深くお悔やみを申し上げます。
こういった事態に至ったことの状況を踏まえて、今の超過勤務の状況を改善していくこと、是正していくことが大切だと考えております。県もそうですが、特に福島県内の自治体では東日本大震災と原子力発電所の事故以降、非常に多くの超過勤務を行わざるを得ない状況が続いてまいりました。それぞれの自治体で努力や工夫を続けてきたことで、ある程度減少傾向にありますが、全体として見るとまだまだ多い傾向にあるのが事実だと思います。今後も各自治体と連携して、過剰な超過勤務が発生することがないように、職員のワーク・ライフ・バランス、さらには県内で働く皆さんのワーク・ライフ・バランスが図られるよう、共に取り組んでまいります。
【記者】
教職員の不祥事の関係ですが、今年に入ってから県職員の不祥事が立て続けに起きてしまっている中で、今回は国の公費を使って派遣された教職員がこういった事案を起こしてしまいました。このことに関しての知事の受け止めと、今後の是正策などについてお伺いします。
【知事】
今年度に入りまして、教頭が住居侵入で処分されるなど、教育に対する県民の信頼を損なう事態が生じている中で、今回、校長の不祥事による処分を行うに至ったことは大変遺憾であります。今回の処分については、教育委員会において調査を行い、懲戒基準に基づいて厳正に判断し、決定したものと受け止めております。
教職員あるいは県職員も含めて、改めて職員の綱紀粛正を図るとともに、県民の信頼回復に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
【記者】
大熊町のオフサイトセンターについて、9月議会の政調会で撤去の方針を示されましたが、震災直後、知事が副知事であった時代に、オフサイトセンターに向かわれていろいろな思いがあったと思います。その思いをお伺いしたいのと、あのまま解体してしまうよりも、例えばアーカイブとして残しておくなどの考えはありますか。
【知事】
2011年3月の原子力発電所の事故、しかも過酷事故という経験の中でオフサイトセンターが有効に機能することの重要性について、私も、また県や国全体としても体験したところです。大熊町が特定復興再生拠点区域の整備を進めていくに当たって、県として、同区域内の県有施設を解体することにいたしました。旧オフサイトセンター、旧原子力センターともに既に代替施設が整備されており、利活用の見込みがないことから、大熊町の意向も踏まえて、今回の判断に至りました。これらの施設内に残されております事故当時の状況を伝える物品等については、アーカイブ拠点施設における活用などに向けて調整を進めてまいります。
【記者】
事故当時、副知事時代に(オフサイトセンターに)行かれた時はどういう状況でしたでしょうか。
【知事】
あの3月11日の夜半でしたが、まず、地震、津波への対応が緊急の状況としてありました。当初はスクラム(原子炉緊急停止)がきちんと動いたということで、いったん安心しておりましたが、その後、きちんと注水ができない状態や電源が落ちるという状態の中で、異常事態が発生しているという報が夕方ぐらいから飛び込んでまいりました。原発がかつてない異常な状態にあるという状況の中、大熊のオフサイトセンターに車で向かったことを今でも鮮明に覚えております。
その後、どういう状況になるか全く分からない中で現地に着きましたが、停電しており真っ暗でした。そのような中でまずできることをということで、大熊、双葉、楢葉、富岡、いわゆる立地4町の役場や役場の代替施設を直接回り、当時の町長や議長、職員の方と、現状について真剣に協議し、その上で、電源が回復したオフサイトセンターに戻って活動を再開したことを覚えております。
こういった過酷事故を二度と起こさないためにも、新たなオフサイトセンターや代替施設を再整備しておりますが、福島県や日本のこういった災害拠点センターが二度と使われないようにすることが、国として極めて重要だと考えております。
【記者】
先週、オリンピック聖火リレーの協議が始まり、冒頭部分は公開されたのですが、具体的な協議の中身については非公開でした。今後もその方向で、非公開で行えば議論は進むと思いますが、一方で県民にとっても非常に関心の高い分野ですので、どのようなところが今話し合われていて、どういうところが候補に挙がっているのかなどを随時発表された方が、むしろ知事の言う県民参加につながってくると思います。今後の通過市町村などの公開の形をどのようにお考えなのかお伺いします。
【知事】
聖火リレーのルート選定は、福島県だけの問題ではなく、47都道府県全市町村が関わるものであり、また、組織委員会が全体の流れを整理されています。今の御意見や、様々な方々の意見を受け止めることも重要であると思います。県では、県民の皆さんや自治体の意見を随時伺っているところですが、今後、各県の状況や組織委員会との調整も踏まえながら、出来るだけ良い形でのルート選定に取り組んでいきたいと考えております。
(終了)
【問合せ先】
1 応急仮設住宅の供与期間延長について
⇒ 避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8629
2 福島県職員の障がい者雇用率について
⇒ 総務部人事課 電話024-521-7033
3 いわき市職員の過労自殺報道について
⇒ 総務部行政経営課 電話024-521-7893
4 教職員の不祥事について
⇒ 教育庁職員課 電話024-521-7794
5 旧オフサイトセンターの解体について
⇒ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7819
6 東京五輪 聖火リレーについて
⇒ 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312