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知事記者会見 平成30年9月3日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月5日更新

知事定例記者会見

■日時 平成30年9月3日(月)13:00~13:20
■会場 応接室

【発表事項】
1 平成30年度9月補正予算の概要について
2 ふくしまの今を伝える「新イメージポスター」の作成について

【質問事項】
1 補正予算について
2 新たなポスターについて
3 「サン・チャイルド」像について
4 県職員の不祥事について
5 トリチウム水の取扱いに関する説明・公聴会について
6 ネットフリックスで配信されている動画について
7 事実と異なる報道について

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【発表事項】

1 平成30年度9月補正予算の概要について

 平成30年度9月補正予算の概要を発表いたします。
 今回の補正予算は、県民生活における安全・安心の確保や、復興・創生の実現に向けて緊急に措置すべき経費などについて計上いたしました。その主な内容といたしましては、県有施設のブロック塀に関する安全対策や県産材を活用した木製フェンスを設置するモデル事業の実施、福島空港の活用による外国人観光客の更なる誘客促進、中間貯蔵施設に係る地権者支援を始め地域振興に関する交付金の交付、福島大学食農学類における地域課題の解決に向けた講座設置への支援などに要する経費を計上いたしました。
 以上により、一般会計における補正予算の総額は、100億5千5百万円、本年度予算の累計額は、1兆4,595億9千2百万円となります。

2 ふくしまの今を伝える「新イメージポスター」の作成について

 次に、バックパネルに掲示しております、福島県の今を伝えるポスターを新たに作成しましたので、発表いたします。
 県クリエイティブディレクターである箭内道彦さんによる監修のもと、昨年度に引き続き、「来て」、「呑んで」、「味わって」、「住んで」、「ふくしま」の言葉に、それぞれの魅力等を表す画像を組み合わせた5種類のポスターを作成いたしました。また、今回、「来て」のポスターについては、市町村との「共働」により、県内の様々な風景を映した方部別のポスターも作成いたしました。本日、作成に協力いただいた市町村の担当職員の方々にお越しいただいております。後ほど、一緒にポスターを披露させていただきます。
 風評払拭や風化防止に向けて、県内市町村と力を合わせ、JRの主要な駅や羽田空港、福島県を応援してくださるたくさんの企業や団体等に無償で配布し、掲示についての御協力をお願いしてまいります。

【質問事項】

1 補正予算について

【記者】
 補正のインバウンド復興対策事業について、福島空港を利用したインバウンドに更に力を入れるということですが、具体的にどういった背景があり、どういったことに取り組むのかを教えてください。

【知事】
 現在、福島空港の利用では、特にチャーター便が非常に活性化しております。私や副知事がトップセールスを繰り広げており、その流れの中で、例えばベトナムや台湾におけるチャーター便が着実に推移しています。今回は、こういったチャーター便運航の増加に伴う補正予算の増額が主たるものとなります。
 また、併せてインバウンドのみならず、アウトバウンドとして福島県からの送客も重要です。
 今回は、ベトナムの現地でのイベントや、台湾へのアウトバウンドを活性化していくといった予算も組んでおり、福島空港により多くの海外の方々に来ていただき、福島県からの送客を増やす取組を、今回の9月補正予算を通じて進めていきたいと思います。

【記者】
 補正予算について、県有施設のブロック塀の安全対策として、県産材を活用した木製フェンスの設置をモデル事業で行うということですけれども、この狙いとどのぐらいの規模で行うのかを教えてください。

【知事】
 先般、北海道で開催されました全国知事会議において、東京都知事から、木製フェンスの活用について提案がありました。御承知のとおり、大阪においてブロック塀が倒壊して、痛ましい犠牲が出るという事故がありました。今後、自治体がこういったフェンス改修に取り組んでいくわけですが、その中で、国産の木材を利用し、安全性の担保と併せて木材の活用ができないだろうかという御提案でした。一方で、ブロック塀にはブロック塀の特性があり、また木材には木材の良さもあれば、課題もあります。今回、全国知事会議で、各県の知事が木製フェンスの活用を議論してみようという中で、福島県もこういった形でモデル事業に取り組み、木製フェンスの良さあるいは課題を実際に確認していきたいと思います。

【記者】
 補正予算のブロック塀に関して、県産木材の新たな活用の一つのツールとしても有効かと思います。原発事故以降も、苦戦している県産木材の活用という側面からどのように期待されているかお伺いします。

【知事】
 福島県産木材の活用は、原子力発電所の事故以降、非常に厳しい状況にあります。もともと、日本全体の林業は構造的に厳しい状況にありますが、本県の場合はそれに加えて、原発事故による被害という側面もあり、この状況を打開するには、丁寧な取組が重要だと思います。このため福島県では、県産木材を様々な場面で活用いただくための補助制度、支援制度を展開してまいりました。今回の木製フェンスもその一つの流れに当たると思います。
 また、再生可能エネルギーにおける木質バイオマスの推進といった捉え方もあろうかと思います。今後とも、森林林業における間伐を適正に進めながら、そういった木材をどう活用していくか、いろいろな試みを行い、福島県の林業振興につなげていきたいと思います。

2 新たなポスターについて

【記者】
 ポスターについて、前回に引き続いてのシリーズだと思いますが、このポスターに対して、今までにどういう評価があり、今回リニューアルしたことで、どういう効果を期待するかお伺いします。

【知事】
 昨年からこのシリーズを始めておりますが、一番明確なのはメッセージ性です。「来て」というシンプルなメッセージが見た方に真っすぐ届き、そしてポスターを掲示する中で「行くよ」というリアクションもありました。また、「呑んで」「味わって」「住んで」「ふくしま」、こういった非常に簡潔なメッセージを全国の方へ届ける、それが昨年は功を奏したと考えております。また、このメッセージと併せて福島の美しい風景や食のPRも行っております。福島県の魅力がどこにあるのか、何が魅力で宝物なのかが見た瞬間にぱっと伝わる、これがこのポスターの強さだと思います。
 そして、今回、発行する枚数を過去最大規模に増やすという点と、やってみたかったのは、市町村との連携です。県ももちろん頑張りますが、それに加えて、市町村の皆さんも情報発信したいという思いを以前から持っておられましたので、同じメッセージ性を持った形で連携し、「共働」して行うことによって、よりその効果が高まると思います。今回の市町村と連携した事業は初めての試みですが、今後もこういったものに取り組み、メッセージに込めた真っすぐな思いを全国の多くの方々に伝えて、共感の輪を広げていくことができればと思います。

3 「サン・チャイルド」像について

【記者】
 福島駅前に設置されている「サン・チャイルド」という芸術作品について批判があり、福島市の木幡市長が撤去の方針を示されました。撤去を明言してから見る方が増えているという報道もありますし、様々な難しい問題があると思いますが、この一連の事柄についてどのように受け止めていらっしゃいますか。

【知事】
 「サン・チャイルド」の設置について、様々な経緯があることは報道等を通じて拝見しております。以前、この場でも申し上げましたが、原子力災害に関わる課題については、様々な受け止め方、捉え方、考え方があろうかと思います。こういった問題については、慎重な議論と検討が重要だということを以前から感じているところです。福島市においては、市民の皆さんからの様々な御意見を踏まえた上で、取扱いを検討された結果であると受け止めております。福島県としては、正確な情報発信、知識の普及など、引き続き、放射線に関するリスクコミュニケーション、あるいは、原子力災害に関わる情報発信を丁寧に進めていきたいと思います。

4 県職員の不祥事について

【記者】
 県職員の不祥事で、今年度は、免職など重い処分の方が特に多いという印象を受けておりますが、知事の受け止めを改めて教えてください。

【知事】
 今般の不祥事の対応を含め、今年度に入ってからも職員による不祥事が続いており、大変遺憾であると受け止めております。まず、我々が福島県はいまだ有事であるという認識の下、職員一人一人が緊張感を持って仕事にしっかりと取り組み、県民の皆さんの信頼感を一つ一つ得られるよう、努力を続けてまいります。

5 トリチウム水の取扱いに関する説明・公聴会について

【記者】
 先週末、トリチウム水に関する公聴会がありました。知事は、この公聴会をどのように御覧になられたのか、受け止めをお伺いします。

【知事】
 トリチウム水の取扱いについては、現在、国において、社会的影響も踏まえた検討がなされているところです。先週、今後の検討を深めていくために、広く国民から意見を聞くことを目的に、説明・公聴会が開催されました。この説明・公聴会では、県内外の団体や個人の皆さんから様々な意見が出されたところです。国及び東京電力においては、今回出された意見を踏まえ、改めて議論を深めていただきたいと考えております。

【記者】
 公聴会では、海洋放出に反対する意見が多かったように見受けられたのですが、こういった住民や団体の方々の意見を踏まえて、県として国に訴えていくことはないでしょうか。

【知事】
 県漁連を始め、県民を含めた多くの出席者の方々から、海洋放出に反対という意見が出されました。国及び東京電力においては、こうした声を受け止め、環境や風評への影響などについて議論と説明を尽くしながら、慎重に検討を進めていただきたいと考えております。
 また、かねてからこの問題については、国、東京電力に対し、社会的影響も踏まえた丁寧な議論をしていただくことを要請しております。そうしたことも踏まえ、今回の公聴会でもあったかと思いますが、このような検討を続けていくことが重要だと考えております。

6 ネットフリックスで配信されている動画について

【記者】
 ネットフリックスで風評被害を助長しかねない動画が配信されているという一部報道がありましたが、この動画について知事はどのように受け止めていますか。

【知事】
 そうした内容の番組が放送されているという話は伺っております。その上で福島県としては、正確な情報を丁寧に発信し続けていくことが重要であると考えております。これからも福島県の現状がきちんと理解されて正しく伝わるよう、様々な工夫と努力を重ねていきたいと思います。

【記者】
 ネットフリックスの関係で、何かしら対応をされるかのような報道もありましたが、現状で申し入れなど、県として考えていることがあったら教えてください。

【知事】
 現時点ではそういったことは考えておりません。

【記者】
 ネットフリックスの動画を御覧になっていましたら、感想を教えてください。

【知事】
 ネットフリックスは会員制により配信されていると聞いております。私は拝見しておりません。

7 事実と異なる報道について

【記者】
 原発事故から7年半が過ぎて、例えば夏休みに関する報道を見ておりますと、大手のテレビ局でもいまだに福島県では外遊びができないというような報道がなされております。もちろん大半ではありませんが、それらを一つ一つ潰していくしかないと思います。正確に伝わってないことについてどのように対応されていくお考えでしょうか。

【知事】
 震災と原発事故から7年半が経とうとしています。この間、例えば報道や情報発信の中で、我々が複雑な思いをする場面が多々ございました。そういった経緯を踏まえて、福島県という広域自治体としてなすべきことは、正確な情報をしっかりと発信していくことに尽きると思います。例えば、福島県内の空間放射線量の状況や海岸、海における水の状況、あるいは、福島県産の食のモニタリング結果などを正確に伝え、またできるだけ多くの方々に分かりやすく受け止めていただけるような努力を続けていくことしかないと考えております。

【記者】
 抗議するということではなく、地道に取り組んでいくしかないというお考えでしょうか。

【知事】
 私たちは、原発事故というこれまでにない経験をしました。その状況は、今もなお続いております。こういった状況の中で、今、福島がどういう状況にあるかを客観的なデータ、科学的なデータも含めて、しっかりと伝えていくことが我々の大事な使命だと考えています。

(終了)

【問合せ先】
1 補正予算について
⇒ 総務部財政課 電話024-521-7027

2 新たなポスターについて
⇒ 総務部広報課 電話024-521-7124

3 「サン・チャイルド」像について
⇒ 総務部広報課 電話024-521-7124

4 県職員の不祥事について
⇒ 総務部人事課 電話024-521-7033

5 トリチウム水の取扱いに関する説明・公聴会について
⇒ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054

6 ネットフリックスで配信されている動画について
⇒ 総務部広報課 電話024-521-7124

7 事実と異なる報道について
⇒ 総務部広報課 電話024-521-7124