■日時 平成30年10月1日(月)10:00~10:15
■会場 応接室
【質問事項】
1 東海第二原発の再稼働審査合格について
2 県民世論調査結果について
3 地方創生、地方分権について
4 トリチウム水の取扱いについて
5 内閣改造について
【記者】
先週、原子力規制委員会が、茨城県の東海第二原発について新規制基準への適合を了承したことで、再稼働の可能性が高まってきました。東海第二原発は最も近い県境から40キロしか離れていません。知事は県内原発の全基廃炉を求めていますが、東海第二原発の再稼働はどのようにお考えですか。
【知事】
東海第二原発が、原子力規制委員会の再稼働審査に正式合格となったという報道を拝見しております。原子力を含むエネルギー政策につきましては、福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び電力事業者が対応すべきものと考えております。
【記者】
県内の原発については全基廃炉ということですが、その理由は県民の安心・安全を最優先に考えるということだったと思います。その観点では、東海第二原発は人口30万人のいわき市まで50キロしか離れてないという状況があり、再稼働後に仮に事故があった場合には、県民の安全が守られるとお考えでしょうか。
【知事】
仮の質問に対してお答えするのは難しい部分がございます。私どもの基本は、2011年3月の原発事故の経験が現実にあり、こういった事故を二度と起こさないとの反省と教訓を踏まえて、国と電力事業者が真摯に対応すべきものと考えております。
【記者】
知事は、県内の原発は全基廃炉と明確におっしゃっていますが、県外については、「福島の経験を踏まえて」ということで、どのようなスタンスなのかが分かりづらいと感じています。基本的には、県外の原発についても廃炉を目指すべきだとお考えですか。
【知事】
福島県としては、再生可能エネルギー100%を目指しております。原子力災害を踏まえて、原発事故を二度と起こしてはならないという反省に立ち、また、強い思いに立って、県の復興計画の基本理念となっております。併せて、国の原子力政策に対しては、大事なこととして、2011年の原発事故の反省と教訓に立ち、住民の安全・安心を最優先に対応すべきだということをこれまでも訴えてまいりましたし、今後とも訴えてまいります。
【記者】
土曜日に実施した世論調査において、本日行われる国の小委員会を踏まえて、1Fにたまり続けているトリチウム水の海洋放出について尋ねたところ、53.8%が海洋放出に反対という結果が出ました。一方で、今後の議論の進め方についても調査しており、その中では、「意見を交わす機会がまだ少ない」という回答が4割を超えています。こういった県民の回答について受け止めをお伺いします。
【知事】
今回の調査結果を拝見しております。トリチウム水の取扱いについては、現在、国において社会的影響も踏まえた議論がなされているところであり、先般、今後の検討を深めるために、広く国民から意見を聞く公聴会が開催されました。そして、本日、国の小委員会が開催されますが、国及び東京電力においては、公聴会で出された様々な意見等を踏まえて、改めてしっかりと議論し、国民や県民に丁寧に説明をしながら、慎重に検討を進めていただきたいと考えております。
【記者】
例えば、今年度内に決めるのは、拙速だとお考えでしょうか。
【知事】
仮定の話に対してお答えするのは難しいということを御理解いただきたいと思います。
県としては、社会的な影響も踏まえ、非常に難しい重要な問題でありますので、慎重な検討が必要だということを今後とも機会を捉えて国に対して訴えてまいります。
【記者】
県民世論調査では、知事の支持率を毎回調査しておりますが、今回、83.6%と史上最高を示したことの受け止めをお伺いします。
【知事】
今回の調査結果については真摯に受け止めております。今後とも、県民の皆さんの思いや叱咤激励をしっかりと受け止めながら、福島県の復興・創生に向けて全力で取り組んでまいります。
【記者】
今朝、事務所開きがありましたが、告示まで10日となり、公約発表のタイミングをどのようにお考えでしょうか。
【知事】
現在、福島県の復興・創生に係る施策を現職の知事として執り行い、併せて、現在9月県議会の審議に臨んでいるところです。今後、しっかりと自分の政策の提案をしていきたいと考えております。
【記者】
知事は地方創生を訴えていらっしゃるが、振り返れば三位一体の改革から税源移譲も権限移譲もあまり進まず、昨今では、ふるさと納税が問題になっております。元総務官僚として、ふるさと納税を含め、地方分権と地方創生の現状をどのように見ていらっしゃいますか。
【知事】
ふるさと納税の問題は別として、地方創生の議論、古くは地方分権の議論は昭和の時代から継続的に行われてきました。私は地方分権、地方創生の進展は極めて重要だと考えています。地方自治は、住民に一番身近な自治体、例えば市町村や都道府県が、より権限、財源を強化しながら、住民の皆さんの思いに応える施策を講じていくことが基本だと考えています。しかし、日本の現在の制度においては、権限や財源の面で十分ではないという現実があり、これが国と地方との権限と財源はどうあるべきかという長い議論になっています。
そういう中で、今般、ふるさと納税の議論が行われています。ふるさと納税の制度そのものは、一つの財源の均てん化という面で効果があり、各自治体が自らの知恵と工夫によって多くの方に関心を持ってもらう一つの有力な手法になると思います。一方で、返礼品の競争が過度な状態になるのは、ふるさと納税制度そのものが継続的でなくなってしまうということから、一定のバランスや節度も重要かと思います。そういった流れの中で、今回の見直しが提起されていると思いますが、自治体が自分たちの知恵と工夫で、多くの方に寄附していただくことによって、自分たちの施策を展開していくという流れそのものは、続けていくべきだと思います。特に福島県の場合、飯舘村のように、非常に特殊な状況にある自治体がありますので、こういった自治体に対しては、一定の配慮がなされるべきだと考えており、現在、総務省に対してもそういったお話をしているところです。
いずれにしても、日本全体が元気になっていくためには、東京、大阪のような大都市も活躍していただくことは重要ですが、地方が元気になることによって、日本全体の力が強まりますので、我々も自分たちで何ができるのか、知恵と工夫をどう出すのか、そういう強い思いを持って施策展開していくことが何よりも重要だと思います。
【記者】
全国知事会や知事同盟など様々な活動をされていますが、地方分権はまだまだ不十分であり、これからも訴えていかれるというお考えでしょうか。
【知事】
地方分権、地方創生は道半ばだと考えています。であるからこそ、福島県として限られた状況、制約の中でも知恵と工夫を重ねて、ここまでできるということをきちんと示し、併せて、国に対して権限と財源をより自主性を保つ形で移譲できないかということを、全国知事会等と連携して訴えていきたいと考えています。
【記者】
先週、東京電力が、トリチウム以外の放射性物質の濃度が排水の法令基準を超過していることを明らかにしました。これは海洋放出する場合、再浄化が必要になり、コストや日程にも影響してくると思われますが、知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
排水を前提にした話は別にして、私どもは、国、東京電力に対しては、処理水にトリチウム以外の放射性物質が残留していることも含め、環境・風評への影響などを国民や県民に丁寧に説明をしながら、慎重に議論を進めるべきだとお伝えしているところです。
【記者】
明日の内閣改造について、今、復興大臣には吉野大臣が就かれていますが、今後、福島の復興・創生を進める上で、どういったことを望まれますか。
【知事】
吉野復興大臣は福島県選出の国会議員でもありますので、昨年来、何度も一緒に仕事をしておりますが、本当に福島の思いを体現して、復興に力を尽くしたいという思いを感じることができる、すばらしい活躍をされていると評価しております。
一方で、今後、人事によって復興大臣のポストがどうなるかは流動的です。国に対して求めたいのは、福島県の復興は残念ながら長い戦いでもあり、原子力災害の影響や避難指示区域における自然災害からの復旧・復興もこれからという状況ですので、復興大臣には、福島県や東北の現状や課題をしっかりと我が事として感じた上で、施策展開していただける方に頑張っていただきたいという思いを持っております。
(終了)
【問合せ先】
1 東海第二原発の再稼働審査合格について
⇒ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
2 県民世論調査結果について
⇒(トリチウム水に関すること)
危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054
3 地方創生、地方分権について
(地方分権に関すること)
⇒ 総務部行政経営課 電話 024-521-7893
(地方創生に関すること)
⇒ 企画調整部復興・総合計画課 電話 024-521-7922
(ふるさと納税に関すること)
⇒ 総務部市町村財政課 電話 024-521-7305
4 トリチウム水の取扱いについて
⇒ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054
5 内閣改造について