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知事記者会見 平成31年1月28日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月30日更新

知事定例記者会見

■日時 平成31年1月28日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【発表事項】
平成30年度香港における「ふくしまの今」発信事業について

【質問事項】
1 香港訪問について
2 県民世論調査結果について
3 新年度予算について
4 アイドルグループ「嵐」の活動休止について

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【発表事項】

平成30年度香港における「ふくしまの今」発信事業について

 24日から26日にかけて、本県産農林水産物の風評払拭と「Fukushima」のイメージ向上を図るため、香港を訪問しましたので、発表いたします。
 今回の訪問では、県産農産物の輸入停止など、原発事故による風評の影響が根強く残る香港において、香港政府や業界団体、現地メディアの皆さんに対し、復興が進む福島の現状や、農林水産物の安全性とおいしさ、様々な観光の魅力など、「ふくしまの今」を正確に、丁寧に、お伝えしてまいりました。
 輸入規制を所管する香港政府のソフィア・チャン長官には、震災後の御支援に対する感謝の思いをお伝えするとともに、輸入規制の撤廃に向けた更なる御理解をお願いいたしました。また、日本食品を取り扱う業界団体との意見交換や現地メディアを対象としたセミナーを開催し、食の安全・安心の取組や四季折々の観光の魅力、新産業の創出などを発信するとともに、県産食品の試食を通じ、おいしさを実感していただきました。皆さんからは、「大変おいしい」と評価いただいたほか、「紅葉や雪景色、温泉等の福島県の魅力をもっと知りたい」などの言葉を頂きました。
 今後とも、現地の言葉での情報発信の強化や、香港からのチャーター便の検討等の観光誘客対策の更なる充実など、食と観光の魅力を広く発信し、福島への信頼とイメージの向上、観光客の拡大につなげていきたいと考えております。

【質問事項】

1 香港訪問について

【記者】
 香港では、「大変おいしい」、「魅力をもっと知りたい」という声を聞かれたということですが、県産品の輸入規制が続く中で、今後、撤廃に向けて何が一番重要だとお考えですか。

【知事】
 福島の今の正確な状況を知っていただくことが何よりも大切だと思います。率直に申し上げて、2011年3月の東日本大震災と原発事故のイメージが非常に色濃く残っているのが、香港の現状だと思います。したがって、8年近く経ち、福島が今、復興に向って前に進んでいることや、県産農林水産物が安全で安心して食べられていて、しかも品質が高く、おいしいという事実、あるいは、福島県には観光地として魅力のある宝物がたくさんあることを、出来るだけ多くの香港の方々に知っていただく工夫を続けていくことが重要だと考えています。

【記者】
 輸入規制の撤廃は確実に進むでしょうか。知事の意気込みを伺います。

【知事】
 今回、福島県知事として、東日本大震災以降、初めて訪問することができました。立法会議員や輸入規制を所管している長官と直接面談し、今の福島の姿を正確に伝え、お互いの信頼感を醸成することができたことは非常に有意義だったと思います。また、両方のキーパーソンから、「今後とも対話を続けていきたい」、「今後どうやったら戦略的に規制緩和を実行できるのか検討していきたい」との意欲を伺うこともできました。今後とも、日本国政府の力を頂きながら、輸入規制緩和の前進に向けて努力を重ねていきたいと思います。

【記者】
 今回の香港訪問の成果を一言で教えてください。また、輸入規制の撤廃に向けて、今後、次の一手としてどういうことを考えていらっしゃるのか教えてください。

【知事】
 成果は二つあります。一つ目は、震災後に頂いた多くの御支援に対する感謝の思いを、政府関係者を始め、香港の皆さんに福島県知事として直接お伝えすることができたことです。
 二つ目は、復興が進む福島の現状や県産農林水産物の安全性、おいしさ、そして観光の魅力など、「ふくしまの今」を、香港政府や立法会議員を始め、日本食品を取り扱う関係団体、香港メディアの方々に対し、正確に丁寧に発信することができたことです。
 現状を一歩でも進めるためには、今、私たちにできることを積み重ねていくことが重要です。香港、台湾で使用されている繁体字という中国語がございますが、これからこの繁体字による情報発信の強化など、一人でも多くの皆さんに福島への理解を深めていただけるように、「ふくしまの今」の情報発信を積極的に進め、香港における風評の払拭、あるいは観光客の増加につなげていきたいと考えております。
 また、特にインバウンド、観光客の関係ですが、香港から福島県を訪れる方々の数は、ここ数年、47都道府県でも非常に低い状態にあります。しかし、この一年、正確には10か月ほどのデータを見ますと、香港からのお客さんが震災前の水準を超えて増えてきています。この状況を捉えて、香港の皆さんに福島に実際に来ていただき、見て、食べて、感じていただくことによって、香港の皆さんが誤解されている部分があれば、それを取り除くことで、さらに地元の皆さんにも伝えていただくことができるのではないかと考えております。その意味でも、香港に対する観光誘客により力を入れていく必要があると考えております。

【記者】
 香港訪問に関して、チャーター便を検討するとありましたが、具体的な方向性としてどういう形で対応されていくのかお伺いします。

【知事】
 震災後、私どもも香港からのチャーター便を考えており、今、様々な交渉を進めているところです。まだ具体的にお話しする段階にはありませんが、今回、香港を訪問して、非常に風評が強いと実感しております。風評を取り除くためには、情報発信や政府への働き掛けなど様々ありますが、直接的で一番効果があるのは来ていただくことだと思います。そういう意味でも、香港からのチャーター便を形にすることが、来ていただくお客さんを増やすことに直接つながると思います。さらに、先ほど言ったように、香港からのお客さんがこの一年弱で加速度的に増えています。この機を捉えて、県として関係する航空会社等に強く訴えかけていくことが重要ですので、それを担当部局に指示しているところです。

【記者】
 先ほど、いまだに香港では風評が強いと話されていましたが、どういう部分でそれを感じられたのでしょうか。また、香港の政府や立法会の方とのお話では、香港としても前向きに対応したいとのことですが、実際は中々できないということのネックがどこなのかについて議論はされたのでしょうか。

【知事】
 香港の風評の度合いについて、私が感じたのは、立法会議員や香港政府の長官、あるいは食品団体の方々とお話ししている中で、市民の皆さんの福島に対する意識として、懸念や不安、心配というものが根強くあるとおっしゃっておられました。これが私の一つの理解です。
 一方で、香港では時計の針が止まったままではなく、間違いなく前に動き出しています。これまで5県に対して輸入規制を継続しておりましたが、栃木、群馬、茨城、千葉の本県周辺の4県においては、昨年、輸入規制が緩和されました。これは間違いなく前進です。そして、香港政府や立法会の皆さんがおっしゃっていたのは、規制緩和はされたものの、4県における輸入がはかばかしく回復しているわけではないので、日本政府としてしっかりと力を注いで、4県の輸入規制が緩和されて前に進んだという実績が上がるように頑張って欲しいという趣旨の話でした。したがって、香港がいろいろな形で前に向かって動き出している中で、福島県としても今できることを一つ一つ積み重ねて、輸入規制緩和に向けて、しっかりと取り組んでいく。今回の訪問は、そのための大切な大きな一歩になったと考えております。

2 県民世論調査結果について

【記者】
 弊社と福島民報社の共同で行った世論調査についてお伺いします。今日、民報にも掲載されましたが、福島第二原発の廃炉について、「知事が前面に出て廃炉を求めるべき」と答えた方が32%で、「国がより前面に」と回答された方が、それよりも多く44.8%に上りました。このことの受け止めをお伺いします。

【知事】
 県民の皆さんのそうした思い、調査結果を真摯に受け止めております。福島第二原発の廃炉については、正式決定に向けて東京電力の社内において様々な課題の検討を行っていると聞いています。先般も私から直接、東京電力の小早川社長に対して、福島第二原発の廃炉を正式に決定するよう求めたところです。福島第二原発の廃炉を正式に決定し、県内原発が全て廃炉になることが示されるよう、引き続き私自身が、国、東京電力に対して強く訴えてまいります。

【記者】
 防災意識の設問についてお伺いします。東日本大震災から間もなく8年を迎えようとしていますが、その中で防災意識については、2011年当時から見て「非常に高まった」という方が28%、「ある程度高まった」という方が46%で、合わせると7割を超える状況です。これについての知事の受け止めをお聞かせください。

【知事】
 県民の皆さんの防災意識が高まることは極めて重要です。福島県では、地震、津波、原発事故と、通常では経験のしたことがない複合災害を県民の皆さんが直接体験されました。こういった思いや防災意識が風化することなく、今後、継承されていくことが重要であり、県も市町村等と力を合わせて、防災意識の醸成を続けていきたいと思います。
 特に、昨年一年間を見ても、西日本の豪雨災害や北海道の地震を始め、全国のどこでもいつ何が起こるか分からないのが今の日本の現実だと思います。常に災害への意識を心のどこかに置いておく、事前の準備をしておく、防災訓練に出来るだけ参加していただくことを、県民の皆さんにこれからも訴えて、防災意識の面での風化が生じないように、努力を続けていきたいと思います。

【記者】
 弊社と福島テレビとの世論調査の中で、第二原発に関して、44.8%の方が「国の関与をより積極的に求める」との声があります。県としては、現状の国による関与の度合いは十分であると考えていらっしゃいますか。

【知事】
 福島第二原発の廃炉は、県内原発の全基廃炉という県民の皆さんの強い思いを踏まえてのものです。これまでも、私自身が東京電力の社長のみならず、世耕経済産業大臣を始め、国の要人の方に直接お話をしてきました。これからも国の皆さんに、より強く関わっていただくためにも、知事が機会あるごとに訴えていくことが重要だと思います。

【記者】
 知事の支持率が8割を超えたことについて、一言お伺いします。

【知事】
 今回の調査結果を真摯に受け止めております。県民の皆さんの様々な思いをしっかりと受け止めて、福島の復興と地方創生に更に力を尽くしてまいります。

3 新年度予算について

【記者】
 先週から予算の知事査定が始まりましたが、復興・創生期間が残りわずかとなり、新たな施策が出しにくい環境にあると思います。知事としてどういうところを重視して予算編成されていくのかお伺いします。

【知事】
 今、知事査定の真最中です。私は、昨年の後半に二期目の知事選挙を迎えました。その選挙において、福島の復興と地方創生を更に進化させていくと訴えてまいりました。例えば、避難地域の復興・再生では、避難指示が解除された区域においても、まだ住民の方が十分に戻られているわけではありませんし、双葉町、大熊町のように復興拠点を整備している地域もございます。こういった地域の再生に、県としてどういった施策を講じていくのかが重要な点となります。
 もう一つは、地方創生です。今、急激な人口減少が続いております。この状況にどう歯止めをかけるか、少子化対策、産業振興、雇用対策、あるいは地域の魅力をより高める新規施策を予算査定の中で議論を続けているところです。皆さんには、知事査定が終わりましたら、新年度予算の中の重点施策をお示ししたいと考えております。

4 アイドルグループ「嵐」の活動休止について

【記者】
 アイドルグループの「嵐」が2020年で活動を休止すると発表しました。福島県内にもメンバーが被災地訪問されていますが、どのように感じていらっしゃいますか。

【知事】
 昨日、人気アイドルグループ「嵐」の皆さんの活動休止という報道を見て、本当に驚いております。嵐の皆さんには、震災以降、被災地でのイベント開催やチャリティーグッズの売上等による寄付金など、多くの被災者にたくさんの元気を与えていただきました。特に、昨年末の紅白歌合戦において、メンバーの皆さんが全員で飯舘村を訪問された姿を拝見し、本当にうれしく感じたことを覚えています。活動を休止されるという報道は寂しい部分がございます。一方で、休止されるまでまだ一定の期間もありますので、機会があれば、皆さんで是非また福島にお越しいただけることを期待しております。

(終了)

【問合せ先】
1 香港訪問について
⇒ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-7353
⇒(チャーター便に関すること)
  観光交流局空港交流課 電話024-521-7127
⇒(インバウンドに関すること)
  観光交流局観光交流課 電話024-521-7128

2 県民世論調査結果について
⇒(福島第二原子力発電所の廃炉に関すること)
  企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
⇒(県民の防災意識の向上に関すること)
  危機管理部危機管理課 電話024-521-8651

3 新年度予算について
⇒ 総務部財政課 電話024-521-7027