■日時 平成31年3月25日(月)10:00~10:20
■会場 応接室
【発表事項】
1 福島県都市ボランティアについて
2 ふくしま尾瀬の情報発信について
【質問事項】
1 福島県都市ボランティアについて
2 小惑星探査機「はやぶさ2」への会津大学等の参画について
3 東京 五輪聖火リレーのグランドスタート地となったJヴィレッジについて
4 津波浸水想定区域図の公表について
5 ふくしま尾瀬の情報発信について
【発表事項】
福島県都市ボランティアについて、発表いたします。2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける都市ボランティアにつきましては、県内外から、募集人員の1,500人を大幅に上回る、2,249人の御応募を頂きました。御応募いただいた皆さんに心から感謝を申し上げます。
東京2020大会には、多くの県民の皆さんに関わっていただきたいと考えており、今回、御応募いただいた皆さんにつきましては、大会に参加したいという思いを大切に受け止め、応募者全員に参加していただくことといたしました。オリンピック開幕まで500日を切った中、大会を成功に導くためには、都市ボランティアの皆さんの活躍が欠かせません。御応募いただいた皆さんが安心して、笑顔でおもてなしできるよう、しっかりと準備してまいります。
次に、本県では、福島県側からの尾瀬を「ふくしま尾瀬」と名付け、その魅力を広く発信し、入山者数の増加を図るため、様々な取組を進めております。このたび、「ふくしま尾瀬」をPRする2本の動画を制作しましたので、発表いたします。
動画の制作に当たっては、尾瀬の四季や地元、檜枝岐村の景色を、ドローンやタイムラプス手法を用いて撮影し、一つは、山ガールをモデルに尾瀬の絶景を楽しめる内容、もう一つは、檜枝岐歌舞伎に着想を得た物語仕立ての内容となっております。それでは、山ガール編の冒頭部分をご覧ください。
これらの動画は、本日から、「福島の今を知る動画サイト『FUKUSHIMA NOW』」に掲載するほか、今後、YouTubeやSNS、首都圏のトレインチャンネルなどで国内外に広く発信してまいります。さらに、本県からの提案で、「ふくしま尾瀬」の魅力や檜枝岐村の情報をふんだんに盛り込んだ旅行雑誌が本日発売されました。動画と併せて積極的に「ふくしま尾瀬」の魅力を発信し、更なる誘客につながるよう取り組んでまいります。
【質問事項】
【記者】
都市ボランティアについて、全員に関わっていただくということですが、定員の1,500人を超える方々は、どのような形で関わることになるのでしょうか。
【知事】
当初の予定を超えておりますので、今後、活動場所の追加や箇所当たりの活動人数を増やすことを含め、検討を進めていきたいと思います。
国内外から訪れる皆さんを笑顔でおもてなしをして、観光案内やおいしい県産品の紹介など、福島県の魅力をたくさんの方々に伝えていただきたいと考えています。また、これまで頂いた温かい御支援に対する感謝の思いや、来年段階での福島の今の姿を正確に発信していただくといった役割を果たしていただければありがたいと考えております。
【記者】
ボランティアの応募は途中まではかなり不調だったと認識しておりますが、最終的に大幅に上回った要因についてはどのようにお考えですか。
【知事】
オリンピックからまだ一定の期間があるということもあり、認知度が十分に向上しなかったという点があろうかと思います。県において、様々な呼び掛けをしたという側面もあり、また、マスコミの皆さんのお力を頂き、ボランティア募集をしていることを幾度も報道していただいたり、締め切り近くになっても十分に集まっていないことを報道していただいたのも非常に大きな要素になったと思います。この場をお借りまして、関係の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
【記者】
都市ボランティアに選ばれた方々のスケジュールはどのようになりますでしょうか。
【知事】
具体的なスケジュールは、現時点で想定もございますが、後ほど事務的に御説明をさせていただければと思います。
【記者】
都市ボランティアに関して、選抜しないのであれば、語学力にもばらつきが出てくると思われますが、どのように対応されるのでしょうか。
また、福島の今を正確に発信してもらうという役割も期待されているということですが、何が正確なのかに関しては、個々人で考え方にも差があると思われます。五輪が始まれば、福島の顔として情報発信することとなり、事前に発信内容などをすり合わせるといったお考えはありますか。
【知事】
まず、語学力の関係です。今回の都市ボランティアにおいては、語学がある程度堪能な方に参加していただくことはありがたいと考えておりますので、そういった力を持っている方には、相応のふさわしい場面を考えていきたいと思います。また、語学力がなくても十分おもてなしはできると思いますので、場合によっては語学力のある方と組み合わせてチームで活動ということもあります。全員が語学力を持っていなければボランティアに参加できないということではありませんので、それぞれの方に応じた対応も十分可能だと考えています。今回、2,200人という非常に多くの方々のお力を借りることができますので、お一人お一人の個性をいかした配置の仕方について今後、県としてしっかり考えていきたいと思います。
2点目についてです。(ボランティアの皆さんは)様々な形の質問を受けることがあると思いますが、その質問に対してある程度正確に答えることが大切ですので、今後、研修などを重ねていく中で、ボランティアの皆さんに一定の学びをしていただくことが重要になります。そして、常に申し上げているのですが、来年は、2011年の東日本大震災と原発事故からちょうど10年目の年になりますので、10年間で復興が前に進んだという「光」と、一方で、10年目に入ってもまだこういった課題があるという「影」の両方を率直に発信していくことが重要だと思います。こういった基本的な考え方をボランティアの皆さんに知っていただき、その上で、全員が全てを完璧に知るということではなく、それぞれの方が東日本大震災・原発事故以降の10年近い間、様々なことを御経験されていると思います。自分自身の体験も含めて、それぞれの場面でTPOに応じて発信していただくことが、一つの正確な福島の今ということになろうかと思います。
【記者】
会津大とJAXAの研究チームで、小惑星「リュウグウ」の中に水が見つかったと発表しました。県内の教育機関が携わったことに関して、知事から何か一言ございますか。
【知事】
「はやぶさ2」が、今、小惑星「リュウグウ」の近辺で一生懸命活動してくれています。この「はやぶさ2」が、宇宙での活動をしっかりとこなすことができるのも、会津大学や県内の企業の皆さん、そして日本の力を結集したおかげであると思います。特に今回、こういった形で水という要素が「リュウグウ」の中にあり、それが宇宙の起源あるいは生命の起源にも深く関わるという重大な内容につながってくるかと思います。また、先般、小惑星の表面に着陸して欠片を採取しておりますが、今後はインパクターを使って、小惑星の内部の成分を取り出して、それを地球に持ち帰るという大事なミッションが控えています。こういったもの全てに会津大学あるいは県内企業が何らかの形で関わっていることを誇りに思います。
メードイン福島の頭脳、技術、製品が、「はやぶさ2」の中で大活躍していることは、復興・創生を進める福島にとって大きな希望につながり、県民の皆さんにも感動を与えてくれると思います。また今後、若者たちを含め、県民の皆さんに「はやぶさ2」がどういう形で福島県と関わっていて、宇宙で頑張り、来年12月に帰ってくるということをお伝えし、努力を重ねればこういったすばらしい結果を作り生み出すことができるということを、県としても発信する機会を検討していきたいと思います。
【記者】
聖火リレーの出発地がJヴィレッジになったことの受け止めのコメントを頂いていますが、県内に与える影響や期待することについて改めてお伺いします。
【知事】
来年3月の聖火リレーのグランドスタート地として、福島県のJヴィレッジが選ばれました。これは東京オリンピック全体にとって非常に重要な起点となります。その地に福島県が、そして、復興の一つの大事なシンボルであるJヴィレッジが選ばれたことをうれしく思います。
御承知のとおり、Jヴィレッジは、2011年の東日本大震災、原発事故以降、東京電力福島第一原発の対応拠点として、サッカーのピッチではなく、最前線の基地として大きく姿を変えてしまったという現実があります。一方で、その役割りを終え、この数年間は整備を進めて4月20日にヴィレッジが全面再始動するという状況にあります。震災、原発事故による傷跡は非常に大きく、今も、そして今後も残ります。しかし、努力を重ねていく中で、Jヴィレッジのように再生を果たすことができる。そのJヴィレッジの地で、聖火リレーのグランドスタートが行われるということが復興五輪の一つの象徴になると思います。大切なことは、それがあくまでもスタートだということだと思います。復興五輪といいましても、復興が全て終わったというタイミングではありません。岩手県、宮城県でもまだ完成しているわけではなく、福島県においては、原子力災害も含めた複合災害との戦いということもあり、まだまだこれからというのが現実です。したがって、このグランドスタートを起点に、県内各地を聖火リレーで回っていただく中で、福島県の復興が進んだ「光」の部分と、一方で、「まだまだ難しい課題を抱えている」、「二度とこのような原発事故を起こしてはいけない」あるいは「自然災害への防災・減災を、日本はもとより世界各地でも取り組んでいかなければいけない」という情報発信ができればと考えております。
【記者】
津波の浸水想定が公表されました。都道府県の中では36番目で、決して早い方ではないと思いますが、このことについてどのように受け止めていますか。
【知事】
津波の浸水想定区域図を先般、公表させていただきました。こういったものをしっかりと作り上げることが非常に重要だと思います。これまで、沿岸自治体が津波ハザードマップによる避難計画の策定などに取り組むことができるよう、この津波浸水想定区域図の作成を進めてきました。
県では、震災発生後、海岸堤防の復旧等をまず優先して進めてきたところであり、復旧・復興事業が平成32年度に概ね完成することから、施設では守り切れない被害も想定し、これに備えるため、今回公表することとしたところです。
【記者】
これは市町村の防災計画の基礎資料になるもので、知事が特別警戒区域というものを設定できるということになります。全国の中で静岡だけしか設定していないという現状ですが、この特別警戒区域を設定するお考えはございますか。
【知事】
まず、県としては市町村に対して、津波ハザードマップや指定緊急避難場所等の再点検、さらに、市町村地域防災計画の必要な修正について助言を行うほか、津波想定の防災訓練などによって支援を進めていきます。
また、県の地域防災計画について、新年度から、地震津波被害想定の見直し作業に着手することとしており、その結果を踏まえて地震津波対策を再検討するとともに、県地域防災計画の 修正を行っていきたいと考えております。
【記者】
尾瀬について、原発事故後、観光客の入込みがかなり苦戦しているという話も聞かれますが、今回の動画と旅行雑誌を使って、どのような形で発信していきたいのか改めて教えてください。
【知事】
今回、大切なターゲットが2つあります。もともと、高齢層や中高年層の方々は尾瀬に理解があり、例えば「はるかな尾瀬・・・」という歌詞を御存じで、是非足を運んでみたいというお気持ちがあろうかと思います。そういった方々に対して、群馬から入る尾瀬も、もちろん素敵ですが、「ふくしま尾瀬」、福島から入る尾瀬もすばらしい魅力があることを「るるぶ」等を通じて改めて知っていただいき、足を運んでいただくきっかけになればと考えております。
そしてもう一つ、大切な対象は、女性、若者と外国人、インバウンドです。今、列挙しました方々は、どちらかというと比較的今まで尾瀬に入って来られていない方々です。そういったターゲットに対して、今回の動画やSNSの配信を通じて、より彼らに届きやすい手法を準備しました。また、彼らにとって、どういった尾瀬の魅力が「よし、行ってみよう」という気持ちにつながるのかということも考えて、今回のこのコンテンツを準備したところです。
元々のファン層である方々、そして、これから来ていただきたい女性、若者、外国人の観光客、こういった方々の双方に対して、それぞれのメディアの特性をいかしながら訴えて、尾瀬に入山される方、「ふくしま尾瀬」の魅力をより増やしていきたいと考えております。
(終了)
【問合せ先】
1 福島県都市ボランティアについて
⇒ 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7437
2 小惑星探査機「はやぶさ2」への会津大学等の参画について
⇒ (会津大学に関すること)
総務部私学・法人課 電話024-521-7092
3 東京 五輪聖火リレーのグランドスタート地となったJヴィレッジについて
⇒ 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312
⇒ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
4 津波浸水想定区域図の公表について
⇒ 土木部河川計画課 電話024-521-7482
⇒ 危機管理部災害対策課 電話024-521-7641
5 ふくしま尾瀬の情報発信について
⇒ 生活環境部自然保護課 電話024-521-7251