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知事記者会見 平成31年4月15日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年4月17日更新

知事定例記者会見

■日時 平成31年4月15日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室

【質問事項】
1 桜田 前五輪担当大臣の辞任について
2 令和2年度政府予算要望について
3 WTO紛争解決上級委員会報告書について
4 原子力政策について
5 福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プールからの燃料取り出しについて

平成30年4月15日 知事定例記者会見動画を再生する

【質問事項】

1 桜田 前五輪担当大臣の辞任について

【記者】
 先日、桜田大臣が辞任されました。震災、原発事故から8年が経って、気の緩みが出ているのかなとも思いますし、ある意味大臣の中でも風化があるのかなと、非常に不安に感じましたが、知事はどのように受け止めていますか。

【知事】
 五輪担当大臣には、東京2020大会の「復興五輪」という開催理念のもと、被災地に寄り添った対応が求められている中、あのような発言がなされたことは、被災地に対する思いや理解が欠けており、遺憾であります。一方、後任の鈴木大臣は、被災地である岩手県選出の国会議員であり、安倍内閣において二度目の五輪担当大臣として就任されました。「復興五輪」という開催理念のもと、被災地に寄り添った対応を期待しております。

 令和2年度政府予算要望について

【記者】
 もう一点、県も来年度の政府予算要望に向けて動かれていると思いますが、こうした状況ですと、更に風化が進む中、様々な折衝において支障が出てくるかと思います。震災から8年が過ぎ、(国への要望について)どのように対応していかれるのでしょうか。

 【知事】
 先日、県の幹部を集めた会議を開きました。令和2年度の国の予算に対して、福島県として今後どういった要請を行うか、整理を始めているところです。来年度は、ちょうど震災、原発事故から10年目の年であり、復興・創生期間における最後の予算となります。
 この10年目の予算において、風化することなく、福島の復興・再生は現在進行形であるということを政府に対して強く訴え、有事の状態にある福島に、国が全面的に責任をもって制度・財源を手当てすることが重要であることを、私自身の対応も含め、しっかりと訴えていきたいと思います。 

 WTO紛争解決上級委員会報告書について

【記者】
 先日のWTOの関係で、改めて伺いますが、知事から先日、「引き続き、国と連携して科学的根拠に基づく正確な情報発信を強化する」というコメントがありました。(情報発信の)強化という部分で、現時点で考えていること、あるいは今後、福島県として、どんなことをやっていかなければならないかについて伺います。

【知事】
 韓国の輸入規制に対しては、第一審では我が国の主張が認められていただけに、非常に残念であります。今回の報告書について、国が内容を分析して対応を検討していくとしていることから、まずは、その動向を注視していきます。
 現在、23の国と地域で輸入規制が継続されていることから、福島県として、引き続き国と連携しながら、県産農林水産物の品質の高さや安全・安心の情報発信を強化し、輸入規制解除に向けて粘り強く取り組んでまいります。

【記者】
 追加で伺います。震災から8年経ってもなおこういった課題が続いていることに対し、知事の率直な思いを伺いたいのと、情報発信というお話ありましたが、これは従来やっているものを引き続きというイメージなのか、それとも(従来とは)異なる働き掛けということで何か考えているのかお伺いします。

【知事】
 原子力災害に伴う風評の問題は、残念ながら長い戦いであると覚悟をしております。これまでも、各国の輸入規制の対応について、例えばEUにおいては、一度方向性が出たものの、それに逆行するような動きがありましたが、結果として無事解除され、今は農産物の輸出が進んでいます。あるいはタイにおいては、福島県産フルーツ等の輸入は非常に盛んに行われておりますが、その一方で、水産物については厳しい状況にあるという現実もあります。一進一退、風評の問題というものは簡単に払拭できるものではなく、その思いを持って、粘り強く丁寧に取り組んでいくことが重要だと考えています。
 その際、どのような形で情報発信するかについては、これまでの8年間においても既に様々な施策を進化させながら取り組んできました。これをやれば解決するというものがあるわけではなく、風評払拭に特効薬はありません。各国の状況等を丁寧に把握しながら、一つ一つ発信を継続していく、その中で、トップセールスも含めて、県として誠意をもって行動していくこと、これが唯一の道であろうかと考えております。

【記者】
 先ほどの質問に関連して、知事も先ほどおっしゃいましたとおり、果物と海産物とでは、かなり諸外国の反応に違いがあり、海洋汚染の影響があるというのは明らかと思いますが、今後、トリチウム水の議論が進む中で、今回の結果が影響してくる可能性、あるいは、その議論の中で、知事として発言しなければならないと思っている点などがあればお伺いします。

【知事】
 今回のWTOの問題でありますが、県産あるいは国産の農産物に対する安全性の部分については評価されていると国の方から聞いております。一方で、全体としては認められていないという厳しい現実がありますので、それは重く受け止めなければいけないと思います。したがって、水産物も含めた県産物について、今どのような安全対策を行っているのか、また、モニタリング調査をどのように丁寧に行っているのか、さらには、これまで行ってきた調査結果がどのようなエビデンスや実績になっているのかということを、様々な形で世界に伝えていくことができるよう、政府、関係機関と連携して、取り組んでいきたいと思います。
 一方、トリチウムを含めた処理水の取り扱いについては、現在、国において社会的な影響も踏まえて議論がなされております。国及び東京電力においては、引き続き環境や風評への影響などを十分議論の上、国民や県民に丁寧に説明しながら、慎重に検討を進めていただきたいと考えております。

 原子力政策について

【記者】
 経団連が8日に発表した政策提言について伺います。電力の問題に関して、「既設の原発の再稼働、さらには新設・増設について真剣に検討を進めるべき」という内容の政策提言が先週の月曜日、8日に発表されましたが、原発事故の被災県として、知事はどのようにお考えでしょうか。

 【知事】
 そういった報道を拝見しております。原子力政策については、福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び事業者が対応していくべきものと考えております。県としては、引き続き、県民の強い思いである県内原発の全基廃炉への取組が着実に進められるよう、国、東京電力に訴えてまいります。

 【記者】
 知事は、今、「全基廃炉」とおっしゃる時に、事故を起こした第一原発のみならず第二原発についても廃炉という主張を東電にしておりますが、この第二原発を廃炉にするというのは、どういった理由から主張されているのでしょうか。

【知事】
 福島県は、2011年3月に福島第一原発の事故を経験しており、事故によって県民の皆さんが避難生活を強いられ、その後、風評も含め、極めて厳しい状況を経験してきております。そのような中、県議会においては、県内原発の全基を廃炉にすべきという意見を頂きました。
 また、当時、復興ビジョン、復興計画を策定する中で、委員の皆さんから、原子力のない社会を目指していこうという提言を頂き、本県の復興計画の大切な柱になっております。そのような中、当時の福島県知事あるいは福島県として、県内原発の全基廃炉を国に求めてきました。
 その後、私が知事になって以降、国あるいは東京電力に対し、県としての方針を訴え続ける中で、先般、東京電力から福島第二原発の廃炉の方針が示された経緯がございます。

 【記者】
 知事がおっしゃるとおり、原子力のない社会という議会の要望を受けた県の行動ということですが、経団連の提言は、既設の原発の再稼働のみならず新設増設についても踏み込んでおり、これは県の方針とは相容れないものではないかと思いますが、どのようにお考えですか。

 【知事】
 私たちは、県の復興計画に基づいて、原子力のない地域社会を目指すために県内原発の全基廃炉の実現を訴えていくこと、そして、再生可能エネルギーの発展を目指していくことを徹底しているところです。
 また、国全体の原子力政策については、先ほどお答えしたとおりですが、国に対して、原発事故を受けた福島県として訴えていきたいと考えております。

5 福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プールからの燃料取り出しについて

【記者】
 今日、3号機の燃料取り出しが始まりましたが、知事の受け止めについてお伺いします。

 【知事】
 本日から3号機の使用済み燃料プールから燃料の取り出しが開始されます。燃料の取り出しは、福島第一原発廃炉の重要な工程の一つであり、廃炉作業に当たっては何よりも安全が優先される必要があります。これまでも燃料の取り出しに当たっては、万全の体制で作業に取り組むことを繰り返し求めてきたところであり、東京電力においては、引き続き安全・着実に廃炉作業を進めていただきたいと考えております。

 【記者】
 当初の計画より4年4か月遅れてのスタートになりますが、どうお考えでしょうか。

 【知事】
 事故を起こした原発における廃炉作業は、非常に難しいものであると思います。一方で、これまであったトラブルの中には、事前に準備をしておけば対応できたものもあったかと思います。一番大切なことは、安全を最優先にすることであり、東京電力に対しては、安全・安心を最優先にして着実に進めていただくことを訴えていきたいと思います。

(終了)

 

【問合せ先】

1 桜田前五輪担当大臣の辞任について
→ 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671

2 令和2年度政府予算要望について
→ 企画調整部企画調整課 電話024-521-8014

3 WTO紛争解決上級委員会報告書について
(農林水産物の輸入規制に関すること)
→ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-7353
  農林水産部水産課 電話024-521-7374
(トリチウム水処理の議論に関すること)
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

4 原子力政策について
→ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116

5 福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プールからの燃料取り出しについて
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252