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知事記者会見 令和元年5月27日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年5月29日更新

知事定例記者会見

■日時 令和元年5月27日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室

【質問事項】
1 東京オリンピック・パラリンピックに向けた思いについて
2 福島空港の民営化について
3 米の全量全袋検査の今後の方向性について
4 福島第一原発廃炉作業のトラブルについて
5 財政制度等審議会財政制度分科会における地方財政改革案について
6 氏名のローマ字表記について
7 賃金の地域間格差の是正について

知事定例記者会見 令和元年5月27日(月)   動画を再生する

【質問事項】

1  東京オリンピック・パラリンピックに向けた思いについて

【記者】
 オリンピックチケットの抽選を28日までネットで申込を受け付けています。風評など根強い問題もある中、オリンピックに向けて、チャンスをどのようにいかしていきたいと思われますか。

【知事】
 2020年東京オリンピック・パラリンピックは、東日本大震災からちょうど10年目の節目の年でもあります。福島県は二つの大切な役割を担っており、一つは聖火リレーのグランドスタートの地であること、もう一つは、野球・ソフトボール競技7試合が福島市で開催され、ソフトボールの第1試合がオリンピック全体の最初の試合であることです。
 こうした役割を担いながら、復興五輪として大切なことが二つあります。一つは感謝の思いを発信することです。震災以降、国内外の多くの方々から温かい応援を頂きました。そういった応援に対し、「ありがとう」という感謝の思いを発信したいと思います。もう一つは、福島の復興についての発信です。光の発信だけではなく、光と影の両方の発信が大切だと考えています。
 福島の復興は、この8年、9年で間違いなく前進しています。その姿を見ていただき、2011年の3月で時計の針が止まっているのではない、風評払拭という思いも込めて、福島の復興の姿を発信したいと思います。一方で、避難地域や県全体の風評の問題、急激な人口減少など、福島県は他の自治体にはない複合災害に直接向き合いながら、まだまだ復興の途上でもあります。震災から8年、9年経っても、福島は復興の途上であり、難しい課題を抱えているという影の部分についてもしっかりと訴えていきたいと思います。
 いずれにしても、来年の東京オリンピック・パラリンピックが、真の意味での復興五輪になるよう、福島県としても全力で臨んでいきたいと思います。

【記者】
 昨今、海外から多くの観光客が来たり、日本酒も(7年)連続で金賞受賞数日本一を成し遂げるなど、オリンピックは(福島県にとって)風評払拭の大きなチャンスではないかと思います。海外においてはWTOの水産物の問題等がありますが、(知事も)大きなチャンスになると思われますか。

【知事】
 2020年の東京オリンピックに向け、福島県として海外への情報発信に力を入れていきたいと思います。それには二つの方法があります。一つは私自身のトップセールスも含め、海外に出かけていき、現地で直接、政府の要人や経済関係者、輸出関係者、エアライン関係者の方々などと会い、福島の現状を発信し、理解していただくことです。もう一つは、インバウンドの促進です。実際に福島に来て、見て、食べていただくことが、風評払拭の一番の力になり、その方たちが福島に行って楽しかったと、笑顔でSNS等で発信していただくことが、全世界の理解促進につながっていくと思います。現在、海外からの観光客の数が順調に増えていますが、まだまだ増える余地はあると考えています。県の新年度の新規施策などにより、インバウンドを更に増やし、国内外への情報発信を進めていきたいと思います。

2 福島空港の民営化について

【記者】
 空港の民営化が各地で進んでおります。(福島県と)同じタイミングでJALが撤退した静岡県でも、空港の民営化で海外から観光客が来ていますが、インバウンドの促進という意味で、空港の民営化という考えはありますでしょうか。

【知事】
 仙台空港や静岡県等でそういった動きが進んでいる状況は把握しております。その上で、福島空港は、率直に申し上げますと、他の空港とは異なる環境にあると思います。民営化は一つの手段にはなるかもしれませんが、現状では、民営化は難しいと考えています。
 福島空港の利用拡大を検討する場などにおいて議論を進め、一つ一つの施策に取り組んできましたが、平成の後半から福島空港の利用者数はずっと減り続けていました。しかし、この2年間でようやく底を打って、少しずつですが、利用者数は増加基調にあります。これまでの取組を一つ一つ広げ、福島空港の路線の安定化、チャーター便の拡大、そして定期路線の増加、こうした地道な取組を一歩一歩続けていくことが重要だと考えています。

3 米の全量全袋検査の今後の方向性について

【記者】
 本日の朝刊で、米の全袋検査において、福島県が抽出検査への緩和を認める地域について、かつて一部地域が避難区域に指定された市町村を加えるという報道がありました。サンプル検査の対象地域の現状について、県がどういう取組をしていて、どのように考えているのか、お聞かせください。

【知事】 
 米の全量全袋検査について、県としての基本的な考え方をお話しさせていただきます。全量全袋検査の今後の方向性については、通算5年間、基準値超過がなかった場合に、モニタリング検査に移行することとし、避難指示のあった区域等においては、営農再開の進捗状況を考慮しながら、全量全袋検査を当面継続することとしたところです。
 現在、該当市町村に米の放射性物質検査に対する考え方について、聞き取りを行っているところであり、農業関係団体等の意見も聴取してまいります。今後、本年産米について全量全袋検査を行い、その結果を踏まえた上で、避難指示のあった区域等に該当する市町村等については、その意向を十分に確認しながら、来年度以降の検査体制を検討してまいる考えであります。

【記者】
 該当市町村への聞き取り調査ですが、取りまとめ時期はいつ頃を目途としていますか。

【知事】
 まだ具体的には決めておりません。現在、丁寧にお話を伺っているところです。 

4 福島第一原発廃炉作業のトラブルについ

【記者】
 第一原発の廃炉状況についてお聞きします。当初、20日の予定だった排気筒の解体が遅れた原因について、先週、東京電力から発表がありました。事前段階で想定が甘かったとのことですが、事故から8年が経ってもこのような想定の甘さが出てしまう東京電力に対し、知事の受け止めについて伺います。

【知事】 
 福島第一原発の廃炉作業において、最近、幾つかのトラブル事案が報告されております。廃炉に向けた取組が安全かつ確実に進められることが、福島県の復興の大前提です。今後も使用済み燃料や燃料デブリの取り出しなど、困難な作業が続きます。東京電力においては、常に緊張感を持って細心の注意を払いながら、安全・安心の確保を最優先に作業を進めていただきたいと考えております。

【記者】
 トラブルがあると、県が東京電力に要望や要請をすることがあると思いますが、現段階でそういった考えはありますか。

【知事】
 今回、報告を受けておりますので、その中で私どもの思いを申し上げております。廃炉安全監視協議会も含め、様々な場において、県としての考え方を東京電力に直接伝えているところです。

5 財政制度等審議会財政制度分科会における地方財政改革案につい

【記者】
 財務省の財政制度等審議会において、地方職員をもっと減らせるという主張がありました。知事は先ほど、「復興の途上」とおっしゃっていましたが、もっと減らせるという意見に対し、どのように考えますか。

【知事】 
 国の財政制度等審議会において試算が示されたことについて、報道等で拝見しております。現在、福島県及び県内の市町村は、震災からの復興・創生業務や原子力災害への対応などに懸命に取り組んでいるところです。当面は事業を着実に進めていくためにも人員の確保が必要であると考えており、他県や民間企業等からの応援も頂きながら、取り組んでいるところです。今後とも、復興・創生の進展や中長期的な行政需要などを踏まえながら、適正な人員配置に努めてまいります。 

6 氏名のローマ字表記について

【記者】
 文化庁が近く日本人名のローマ字表記を姓・名の順にするように都道府県などに通知します。内堀知事も現在、海外で講演する際などは、「Masao  Uchibori」と表記されているのではないかと思います。県職員の方の名刺を拝見すると、名・姓の順になっておりますが、通知に従って改めていく考えはありますか。。

【知事】 
 政府部内における外務大臣の御発言あるいは今般の文化庁の通知等についての報道を拝見しております。今後、県でも姓・名の順での情報発信を進めていきたいと考えております。

【記者】
 県職員の名刺なども、今後は姓・名の順にするという理解でよろしいでしょうか。

【知事】
 一度には難しいかもしれませんが、更新する際には、姓・名で作ることを基本にしたいと思います。私自身の名刺も姓・名で作り直したところです。

7 賃金の地域間格差の是正につい

 【記者】
 選挙も絡んでいますが、「最低賃金を見直しすべきだ」という声が上がっている一方で、経団連や日商から、「経済団体として最低賃金はこれ以上上げられない」という反対の意見が多数出ています。福島県だと(最低賃金は)772円です。東京から反対の声は聞こえて来ますが、地方は中小企業が基本的に支えています。中小企業の最低賃金について知事はどのように考えますか。

【知事】
 最低賃金については、国においても、政党間で様々な御意見がございます。また、労使それぞれの立場があります。都市部と地方でも状況は異なり、福島県内でも都市部と地方では状況が異なります。現在、有効求人倍率が高止まりをしていますが、様々な事情で雇用が難しいという側面もあります。政府においては、それぞれの条件を考えながら、基本的な設計をしていただきたいと思います。一概に言うのは難しいのですが、最低賃金が労働者にとって非常に重要な要素になっているという点を踏まえながら、今後も対応を進めていただきたいと考えております。

【記者】
 地方から首都圏への移動、一極集中を是正するためには、地方でもきちんと働けばきちんとお金がもらえるという仕組みが大切だと思います。人口減少ということを考える上では、地方の自治体にとって、賃金が確保されるということが極めて重要なファクターになると思いますが、どのように考えますか。

【知事】
 最低賃金の話から外れるかもしれませんが、県では現在、地方創生の中で移住・定住政策を一生懸命進めているところです。特に都市部から若者や働き盛りの方々に来ていただく際、「どういった仕事があって、どういった生活設計ができるのか」は、当然ながら非常に大きな関心事です。先週、ある自治体を訪問した際に、移住窓口を担当している方々と意見交換をしました。その中で、「この地域に来たとき、この仕事をすればこれぐらいの賃金がもらえる、その上で、食費や教育費、住居費がこれくらいかかるので安心して生活ができる」という具体的なデータを見せながら話をすると、非常に理解が進むとのことです。しかも、説明される方自身が移住者で、「私はそれで十分にやっています」と話をすると、相手の方も納得されると伺いました。
 物価水準や給食費の無料化の状況など、自治体によって大分違います。県で移住政策を進める際には、そういった関心を持っておられる方に、個別具体的なデータを示しながら相談に乗ることで、より彼らの心に届くと考えております。

 (終了)

【問合せ先】
1 東京オリンピック・パラリンピックに向けた思いについて
→文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671

2 福島空港の民営化について
→観光交流局空港交流課 電話024-521-7211

3 米の全量全袋検査の今後の方向性について
→農林水産部水田畑作課 電話024-521-7360

4 福島第一原発廃炉作業のトラブルについて
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

5 財政制度等審議会財政制度分科会における地方財政改革案について
→総務部行政経営課 電話024-521-7893
 総務部市町村行政課 電話024-521-7304

6 氏名のローマ字表記について
→総務部文書法務課 電話024-521-7049
 生活環境部国際課 電話024-521-7183

7 賃金の地域間格差の是正について
 (最低賃金に関すること)
→商工労働部雇用労政課 電話024-521-7289
(移住施策に関すること)
→企画調整部地域振興課 電話024-521-8023