■日時 令和元年6月17日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 世界経済フォーラム ニュー・チャンピオン年次総会への出席について
【質問事項】
1 サマーダボス出席について
2 参議院議員選挙について
3 東京電力による福島第二原発の廃炉表明について
4 室屋義秀選手のエアレース選手権での活躍について
【発表事項】
今月30日から中国大連市で開催される「世界経済フォーラムニュー・チャンピオン年次総会」、通称「サマーダボス」に出席しますので、発表いたします。
これまでにも、スイスでのダボス会議とマレーシアでのASEAN会合に出席し、福島県の正確な情報発信を行うとともに、世界のリーダーと率直に意見を交換してまいりました。今回、世界の政治、経済、学術等のリーダーが参加するサマーダボスに招待を頂きました。自治体の首長が招待されることは希であり、世界各国のリーダーに直接、情報発信できる貴重な機会であることから、出席させていただくこととしました。
会議においては、世界から参加される各界のリーダーの皆さんに対し、これまでの御支援に対する感謝の思いと、復興に向けて着実に歩みを進める福島県の姿をしっかりとお伝えしてまいります。
【質問事項】
【記者】
サマーダボスについて伺います。今ほど、他国の支援に対する感謝と、本県の現状を発信するという話がありましたが、本県の現状、課題について、具体的にどのようなことを発信していく考えでしょうか。
【知事】
今回、中国の大連で開催されるサマーダボスにおける発信について、二つのキーワードがあると思っています。一つは「アップデート」、もう一つは「ビジット」です。
まず、「アップデート」ですが、2011年の東日本大震災及び原発事故から8年余が経過しています。これまでの私自身の経験から、世界においては、2011年の映像イメージが非常に色濃く残っていると思います。「福島の時計の針は止まっていない」「復興に向けて前進している」、この8年余の福島県の復興が具体的にどう進んでいるのかをアップデートし、現在の福島の姿を正確に伝えたいと考えています。併せて、8年が経過しても、原子力災害を含めた複合災害により、避難地域の復興・再生や原発の廃炉・汚染水対策、風評の問題、急激な人口減少など、いまだ重い課題を抱えており、これからも長い時間をかけて取組を継続していかなければいけない。こうした情報のアップデートを進めたいと考えています。
もう一つは、「ビジットふくしま」。「是非福島県を訪問していただけませんか」という思いを伝えていきたいと思います。実際に来ていただくことで、皆さんのイメージが変わります。先週、香港のトミー・チョン議員を始め、食品の輸入関係団体の皆さんが福島を訪問されました。そのうち数名は、私が1月に香港に伺ったときに直接お会いしたメンバーであり、香港の地において、福島の現状について認識を深めていただき、その時も一定のアップデートはされたと思いますが、実際に福島の地を訪れ、メンバーの皆さんの顔が変わったというのが私の率直な感想です。機会があれば今年でもよいのですが、特に来年は東京オリンピック・パラリンピックがありますので、東京に来た時は、そこから1時間半という非常に近い距離で福島の地を訪れることができます。日帰りでも泊まっていただいてもいいので、是非、福島を訪れてほしい、「ビジットふくしま」という思いを伝えていきたいと思います。
今回のサマーダボスの中で、「アップデート」と「ビジット」を大切なキーワードとして取り組んでいきたいと思います。
【記者】
サマーダボスの内容について調整中ということですが、知事として、特に希望されているセッションや、バイ会談で何か調整しているものがあれば教えてください。
【知事】
現時点で正に調整中ですが、これまでの経験から言うと、ダボス会議はぎりぎりにならないと(内容が)固まりません。セッションが非常に数多くあり、その中で、福島県知事として福島の現状や、今後の復興の方向性について発言するのにふさわしいセッションに、いくつか候補を挙げてエントリーしております。ただ、多くの方がエントリーされますので、残念ながら参加できないこともあると思いますが、限られた日程の中で、出来る限り多くのセッションに参加し、様々な形で発言すること、また、そのメンバーと親しくなり、笑顔で名刺を交換し、「(福島に)来てください」と直接伝えるということが大事だと思います。
また、セッションは発言時間が限定されますが、バイ会談はマン・ツー・マンで話すことができます。今回、中国に伺いますので、中国の方とお会いしたいと思っておりますし、各国の首脳やトップの方、あるいは大臣クラスの方々が数多く来られますので、今後の福島との関係で重要な方々とのバイ会談のエントリーも始めているところです。様々な方々と直接意見を交換し、「アップデート」、「ビジット」の両方を伝えていければと考えています。
【記者】
中国とのバイ会談について、中国の場合、農産物の輸入規制がまだ続いていることもありますが、このあたりについて働き掛けていくということでしょうか。
【知事】
輸入規制の問題に直接触れるかどうかについては、若干デリケートな部分があると思います。私がお会いするのが中国政府の方になるのか、省や市などの自治体レベルの方になるのか、今後の調整次第だと思います。現在、日本政府として、安倍総理、官房長官、外務大臣、農林水産大臣が、非常に難しい問題に、各国と真摯に対応いただいていますので、直接的な交渉は政府に委ねるというのが県の基本スタンスです。震災と原発事故から8年経った福島が、「時計の針が止まっていない」、「間違いなく復興に向けて前進している」という事実、正しい姿を知っていただくことが輸入規制緩和のベースになると考えています。したがって、光と影の両方を含めた今の福島の姿を率直に伝えること、また、福島県知事と中国を含めた各国の要人が信頼関係を作ることが大切だと思います。
香港のトミー・チョン議員のように、実際に現地でお会いし、福島で、あるいは東京でも結構ですが、またお会いすると表情が変わります。以前、スイスダボス会議でパリ市長のアンヌ・イダルゴさんとお会いし、その後、東京のフランス大使館でお会いしましたが、非常にフレンドリーに接していただき、そういった人間関係を作ることが福島に対する信頼を高めるということも、政府が輸入規制について直接交渉されるときの一助になると考えております。
【記者】
この夏、参議院選挙があります。重要な選挙だと思いますが、この選挙に知事として望むことについて伺いたいのと、知事選の時に支援した政党が両陣営いますが、選挙運営も含めて対応など、考えがあれば教えてください。
【知事】
今年の夏に参議院選挙を迎えようとしております。福島県としては、関係の国会議員、あるいは各政党に対し、福島の復興と地方創生に継続的かつ正面から対応していただきたいと考えています。福島の復興・創生は長い戦いになります。令和の時代に入っても、残念ながら、まだまだ時間がかかります。したがって、複合災害あるいは急激な人口減少という課題に直面している福島に対し、我が事として、真摯に臨んでいただきたいということが、参議院選挙に向けて私から望む点です。
また、参議院選挙に対する私自身の政治的なスタンスですが、御承知のとおり、県民党ということで多くの政党の皆さんから支援を頂く中、2回の知事選挙を過ごしてまいりました。したがって、これまで同様、特定の政党に対して云々ということはなく、中立的な対応ということになろうかと思います。
【記者】
福島の復興は長い戦いになるので、真摯に臨んでもらいたいというお話でしたが、福島の問題は、原発の廃炉の問題やトリチウム水の問題などいろいろあり、参院選である程度政策を具体的に公約などに掲げてもらいたいと思っているのですが、知事自身、具体的な政策について、こういう部分をもっと論議して、もっと進めてもらいたいという部分はありますか。
【知事】
今発言された部分、私と同じ考えだと思います。先般、7日に政府予算要望に伺いました。その時は霞ヶ関だけでなく、国会の関係者、例えば自民党の復興本部、あるいは、国民民主党、立憲民主党、公明党、こういった各政党の政策を扱っておられる方々と直接お会いしています。そこで福島県としての要望を出して、先ほど私が申し上げた福島の復興と地方創生について、具体的にこういう政策が必要であるということについてお話しました。
時間がある程度限られていますので、(要望の)エッセンスを各政党の代表に直接話しましたが、皆さん、全く同じ思いで受け止めていただいていると考えています。それを実際に参院選の公約にどこまで落とし込むかは、それぞれの立場もありますので、それぞれの御判断かと思いますが、福島の復興・創生にかける基本的な思いは、直接訴えたところでありますので、それを公約に、そして実際に選挙後は、政策の具現化という中で実行していただくことを期待しております。
【記者】
東電の社長が2Fの廃炉を表明してから1年が経ちました。この間、(県議会)議長が東京(電力)を訪問した際には、具体的な廃炉の工程表については(相手方から)意見がなかったとのことですが、知事は最近の動きについてどのように受け止めていますか。
【知事】
今月7日の国への要望において、経済産業大臣に福島第二原発の廃炉について改めて要請を行ったところであります。引き続き、東京電力に対し、福島第二原発の廃炉の正式決定に向け、スピード感をもって検討を進めるよう求めてまいります。
【記者】
室屋義秀さんが2連勝しました。総合優勝の可能性に近づいたと思いますが、室屋さんに向けて知事からメッセージがありましたらお願いします。
【知事】
室屋選手、優勝おめでとうございます。2月の初戦に続いての優勝であります。心からお祝い申し上げます。今期でエアレースの終了が報じられた後の大会です。様々な思いや重圧もあったことと思います。しかし、すばらしい集中力を発揮されて、見事に勝利を収められました。今回の勝利は年間総合優勝の実現にまた一歩大きく近づくものであり、室屋さんの飽くなきチャレンジ精神と関係の皆さんの御尽力が実を結んだものと考えております。残るレースにおいてもすばらしい成績を収められることを期待し、応援していきたいと思います。
(終了)
【問合せ先】
1 サマーダボス出席について
→生活環境部国際課 電話024-521-7181
3 東京電力による福島第二原発の廃炉表明について
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
4 室屋義秀選手のエアレース選手権での活躍について
→文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7742