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知事記者会見 令和元年7月8日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年7月10日更新

知事定例記者会見

■日時 令和元年7月8日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室

【質問事項】
1 参議院議員選挙につい
2 復興庁の後継組織について
3 総務省による「過疎」代替用語の検討について

知事定例記者会見 令和元年7月8日(月)   動画を再生する

【質問事項】

1  参議院議員選挙について

【記者】
 参院選が4日に公示され、3人の候補者が福島選挙区から出馬しておりますが、知事として、どういった論戦を求めるかについて改めてお聞かせください。

【知事】
 現在、経済政策、社会保障、外交、安全保障など、各政党が国政の様々な重要課題について公約を掲げておられます。福島県にとっての最優先課題は、復興と地方創生であります。福島の復興・創生は残念ながら長い戦いです。各政党においては、前例のない複合災害からの復興と急激な人口減少という課題に直面をしている福島県に対し、真摯に臨んでいただきたいと期待をしております。

2 復興庁の後継組織について

【記者】
 論戦の中で復興政策というのが一つのテーマとしてあり、いろいろな主張がなされていると思います。その中でポスト復興庁の話について、「福島復興庁」のように福島に特化した後継組織をつくるべきだという主張もあれば、いわゆる「防災庁」のような、もっと広い形で防災全般についての省庁を後継組織にという意見もありますが、知事はどのように考えますか。

 【知事】
 復興庁の後継組織の在り方は非常に重要な問題であります。現在の参議院議員選挙についての論評ということではなく、福島県としての基本的な考え方をお話しさせていただきたいと思います。 
 先日、復興推進委員会において、専任の大臣の設置と、大臣がリーダーシップを発揮することができる体制の確保を求めました。併せて、復興事業に係る要望の受理など、これまで復興庁が担っている総合調整機能等についても、後継組織において確保されるよう求めたところであります。県としては、引き続き、国が福島の復興に最後まで責任を果たすようしっかり求めてまいります。

【記者】
 復興庁の後継組織について、大臣を設置する方向で決まるとは思いますが、他に財源やどのくらいの期間続く組織になってほしいか、知事の考えをお聞かせください。

【知事】
 まず、「福島の復興には長い時間がかかる」という一番基本的な認識を政府、関係の皆さんとしっかり共有したいと考えています。その中で大切なことは、組織体制の在り方と併せて財源の確保であります。安定的な財源を確保できることが、県民の皆さんがこれから長い期間にわたり安心して復興に専念できる、一番の基本になると思います。
 現在、復興・創生期間後にどういった事業が必要かということについて、国と丁寧に協議を続けているところです。復興・創生期間後も財政需要、行政需要があるということを国に示し、それについて相互の理解を深めながら財源をつくり上げていくことが、広域自治体である県の大切な使命だと考えております。

【記者】
 復興庁の後継組織について伺います。(復興庁が)8年、10年で終わるということですが、設立当初から今までカウンターパートとして付き合ってきた中で、後継組織に対し、ここは改めてほしいとか、アップデートしてより良くしてほしいというところについてお聞かせください。

【知事】
 二つお話したいと思います。一点目は、私自身、震災直後は副知事でしたが、その時に一番苦しんだのは、自分のカウンターパートがいないということでした。復興庁がなかったため、震災からのしばらくの間、この特殊な複合災害に向き合う政府の責任をとるべき役所が存在せず、どこ(の省庁)に行ってもうちの管轄ではないと言われ、非常に苦しい時期がありました。
 復興庁という役所ができて、環境省が除染を担当するという政府間の組織が明確となったことにより、その後の福島の復興が大きく前に進んだと思います。復興庁という組織が前面に立ち、各省庁に対する総合調整機能を持って仕事を続けていく重要性を、私自身が副知事として、その後は知事として、実感しているところであります。
 二つ目は、復興・創生期間後の復興庁の後継組織においても、このリーダーシップ機能は極めて重要だと思います。大臣自身のリーダーシップもありますし、組織自体のリーダーシップもありますが、この二つの意味でのリーダーシップを後継組織において果たしうるか、これが一番のポイントになると思います。
 その前提として、「福島の復興は10年では終わらない。これからも中長期にわたって長い戦いが続く」というコンセンサスが、本当の意味で政府の中で共有できるかということに尽きると思います。そのコンセンサスの中心として、復興庁の後継組織が活躍されることを期待しながら、国に対して要請を続けていきたいと思います。

【記者】
 大臣はリーダーシップをとられると思いますが、(一方で)組織のリーダーシップについては、一部で、復興庁に要望をしても「窓口にはなりますが担当は別な省庁です」と言われ、結局ワンストップになってない。震災から時間が経つにつれて変わってきているのではないかという意見もありますが、知事はどのようにお考えですか。。

【知事】
 復興庁が発足して間もなくは、ワンストップ機能が発揮できていなかった時期があったと思います。その後、復興庁の組織がある程度しっかりしてきて、その中で、従前よりはワンストップ機能を発揮したり、各省庁に対し一定のリーダーシップを発揮されている具体的な事例を私自身が体感してきました。
 もちろん、全てが復興庁で決まるかというと、そうはいかない部分もあると思います。ただ、避難区域を抱えている、あるいは抱えていた12市町村は、自分たちのルーティンあるいは帰還してからの業務だけでも非常に大変な思いをされている。そういった自治体の方々が、それぞれの役所に行って個別に要望することは非常に御苦労が多いです。そういった自治体に、できる限り負荷をかけないよう、復興庁がどうしていくべきかについて、常に考えていただきたい問題であると思います。
 そういう意味で、個別の案件において復興庁が全てを仕切ることは難しいかもしれませんが、自治体の側に立って、どこまでフォローができるかという目配りはこれからも可能であると思います。自治体からも様々な御意見を聞いておりますので、今後、復興庁の後継組織の在り方についての議論の際に、国と丁寧に協議を続けていきたいと思います。

【記者】
 復興庁の復興・創生期間後の対応の中で、福島県の場合は原発への対応が非常に重要になってきますが、津波への対応も求めていくのか、それとも原発対応に特化していくのか、知事の考えをお聞かせください。

【知事】
 現在、復興庁の後継組織について、福島県のスタンスを話しておりますが、もう一つ大切なことは、宮城県、岩手県等の津波、地震等の被災地に対して、今後どう対応されるかという部分も当然ございます。先般の復興推進委員会においても、宮城県や岩手県の幹部からそういったお話がありました。
 福島県の原子力災害による避難区域になっていない津波被災地エリアでも、完全に(復興が)終わっているというわけではありません。したがって、こういった点について、「10年後、どういった業務が必要なのか」「ハード面、ソフト面について、どういったものが残っているのか」(を点検する必要があります。)先般、復興推進委員会で、今後の点検をするためのワーキングチームが発足したところですが、こういった組織も含め、我々自身も具体的にこういった点が重要であるということを国に対して訴えていかなければいけないと考えております。

【記者】
 宮城と岩手と一緒に、今後ある程度協調して臨んでいきたいと思っているのか、それとも原発という部分に特化して福島だけで要望していきたいのかを教えていただきたいと思います。

【知事】
 もちろん福島県の複合災害への対応も非常に重要でありますが、一方で、今回の東日本大震災は、福島・宮城・岩手の3県のみならず、太平洋側沿岸の広い地域にわたって、様々な被害が発生しております。それを受けて、これまで知事会を含め共に行動してきたところです。したがって、政府との様々なやりとりにおいても、福島県について考えつつも、他県のことも念頭に置きながら、要望あるいは協議を行うことを継続しておりますので、これからもこのスタンスは続けていきたいと考えております。

 総務省による「過疎」代替用語の検討について

【記者】
 総務省の有識者会議で「過疎」という言葉が実態に合わないので見直そうという動きが出ていますが、総務省を中心としてなぜこのような話が出てくるのか、知事に解説いただけないでしょうか。

【知事】
 報道を拝見しておりますが、解説できるような立場ではありませんし、よく分からない部分がございます。
 自分自身も過疎に関わる仕事を行ってきましたが、「過疎」という言葉が、「過疎辺地」という言葉で使われたりもします。ハンディキャップを抱えた地域に対し、国が特別な対策を講じるという前提で、昭和の時代から様々な法律や制度、財政措置が出来ております。そういったものが、これまで福島県を始めとする地方の人口減少や、地理的に不利な状況にある地域にとって非常に大きな支えになってきました。言葉のニュアンスのそれぞれの受け止めもあると思います。
 大切なことは、日本という狭い国土の中で、一極集中ではなく多極分散という言葉がありますが、「出来るだけ均等に発展をしていく」、これが国土政策の一つの根幹ではないかと考えます。そういう意味で、これまでの過疎制度や過疎対策が非常に重要な意味合いを持ってきたと私自身は受け止めております。
 したがって、今後どういった議論が進んでいくのか、どういう思いでそういった議論がなされているのか、注視していきたいと思います。

【記者】
 国土の均等な発展というのは、正に東京の発想、考え方であり、東京から見て均等に発展させていくという国側の考え方だと思います。一方で、地方に住んでいる者にとっては、「過疎」という言葉、目の前がシャッター通りになって人がいなくなるということを言い当てているような言葉を使っているのに、例えば、「自然の魅力があるね」と東京(の人)に言われると、現実から目を反らしているのではないかと思ってしまいます。知事は東京の官僚から地方の代表という立場に変わりましたが、「過疎」という言葉を変えることによって、何か取りこぼしてしまうものがあるかもしれないということについてどのようにお考えですか。

【知事】
 繰り返しますが、今どういった背景でそのような議論がスタートしようとしているのかよく分かっておりません。したがって、具体的なコメントは難しいのですが、先ほど、東京で「過疎」に対してどのような考えを持ってやってきたかという話をしました。一方で、私自身、社会人経験全体の中では、地方勤務が東京勤務よりはるかに長くなっております。その中で思うのは、福島の59市町村にすばらしい宝物があって、すばらしい人々がおり、すばらしい地域があるというプライドがあります。それぞれの地域のプライドをしっかりと守り育て、継承していくことが重要であり、それがここ数年言われている、地方創生そのものであると思います。地域の受け止め方は、外からの見方も重要ですが、やはり住んでいる方、暮らしている方、働いている方の心も大切だと考えています。
 福島県としては、県内の59市町村、浜・中・会津それぞれの地域が、自分たちの思いや宝物を大事にしながら地域を元気にしていく、そういう思いを持てるフィールドにできるよう、広域自治体として最大限の支援を続けていきたいと考えています

 (終了)

【問合せ先】

2 復興庁の後継組織について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-7129

3 総務省による「過疎」代替用語の検討について
→企画調整部地域振興課 電話024-521-7114