■日時 令和元年11月19日(火)10時00分~10時10分
■会場 応接室
【質問事項】
1 被災した中小企業支援について
2 トリチウム水の処分方法について
3 安倍政権歴代最長について
4 台風19号、大雨に伴う高の倉ダム放流について
【質問事項】
【記者】
台風19号関連に関して伺います。今回の台風19号で、商工会などの事業所も甚大な被害を受けました。県としては補正予算に計上するというお話も伺っていますが、改めて事業所などに対する支援策についてお聞かせください。
【知事】
今回、補正予算を計上しております。これは国が、11月8日に発表した、「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」を活用し、台風19号等で被災した中小企業者の支援に必要となる経費について緊急的に措置したものであります。
具体的には、被災された中小企業等の工場や店舗などの施設、生産機械などの設備の復旧、販路開拓などの事業再建を支援するものであり、実施に当たっては、市町村や商工団体等の関係機関と連携しながら、一刻も早く支援することが出来るよう取り組んでまいります。
【記者】
昨日の経産省の小委員会で、第一原発に貯まっている処理水を海洋放出した場合、それから大気中に蒸発させた場合の影響について、十分に小さいということが示されました。この問題に関し、科学的な問題とその他の問題があるかと思います。22年の夏には、構内に貯めているものが満杯になるというお話もありますが、この方向性について、知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
トリチウムを含む処理水の取扱いについては、現在、国において、御指摘を頂いたような社会的影響も踏まえた検討がなされております。昨日開催された国の小委員会においては、これまでの議論の整理と、残されていた論点について議論が交わされているところであります。
福島県としては、国及び東京電力において、引き続き、環境や風評への影響などを十分に議論の上、国民や県民に丁寧に説明しながら、慎重に検討を進めていただきたいと考えております。
【記者】
ALPS小委員会の関係で伺います。知事は、国民、県民に丁寧に説明しながら、慎重に検討して欲しいとおっしゃいましたが、国は近くに提言をまとめるということを昨日決めています。意見がまとまるとすれば、今の議論の進捗状況についてどのようにご覧になっていますか。
【知事】
今朝の報道等を拝見しておりますと、政府の小委員会は、様々な論点で議論を尽くした上で、処分方法の方向性をまとめ、政府に提言する時期は定まっていないという報道がなされております。昨日の小委員会の議論の中でも、委員の方から具体的にこういった点はどうかという御指摘があり、それについては改めてお答えをするという話が、国、東京電力からなされております。県としては、そういった議論の動向をしっかりと注視していくことが大事だと思います。
【記者】
小委員会についてですが、風評対策というのが具体的に示される前に、処分方法が決まってしまうのが良いのか、またはその前段として、具体的に発生することが想定される風評に対する対策がきちんと講じられた上で、処分・処理方法が発表されるのが良いのか、知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
今、御指摘いただきましたが、両方のプロセスがあると思いますし、また、第三のやり方もあるかもしれません。いずれにしても大切なことは、国、東京電力に対して、環境への影響のみならず、社会的影響も含め慎重に検討して欲しいということを県として申し上げております。今後とも、そういった観点で慎重な検討を進めていただきたいと考えております。
【記者】
第三の方法とはどのようなことを指してらっしゃるんでしょうか。
【知事】
今、言われた二つの方法もありうると思いますし、それ以外のアプローチもあるかもしれないということで申し上げたので、具体的に何かあるということではございません。
【記者】
私が質問しているのは、風評対策について決まる前に、処分方法だけが先行して発表される可能性もありますが、それでいいのか、あるいは先に風評対策をきちんと講じていることを示された上で、それを踏まえて処分方法はこのようにしますというのがいいのか、どちらがよろしいかということですが。
【知事】
小委員会の取りまとめの具体的な進め方について、県として直接発言する立場にはないと考えています。国と東京電力に対し、科学的な環境に対する影響、そして社会的な影響を十分勘案した上で議論を進めるべきということを申し上げているとお話したつもりでございます。
【記者】
福島県は、風評対策をきちんと示して欲しいということを言うべき立場にあると思いますが、そこで一歩引いてしまう理由が私は分からないのですが。
【知事】
引いているつもりはございません。正に、社会的影響を踏まえた議論をして欲しいということを、これまで幾度も、国と東京電力に対して申し上げているところでございます。
【記者】
安倍政権ですが、今日で、通算した在任期間が最長ということになりました。この期間、県内から見ると、ずっと復興の途上であると思います。安倍総理は、「全員が復興大臣だ」と言って、取り組んでいますが、一方で、長い政権の中では、復興大臣を始め、大臣の度重なる失言もあったかと思います。福島県から見て、安倍政権について、どのようにご覧なっておられますか。
【知事】
安倍総理大臣は、平成24年12月の就任後、最初の訪問地として福島を訪問され、その後の就任会見において、「国が前面に立ち、国の責任において福島の再生に取り組む」と発言されたことが強く印象に残っております。以来、復興予算フレームの見直し、福島復興再生総局の設置、福島イノベーション・コースト構想の推進など、ハード・ソフトの両面にわたり、本県の復興を力強く支えていただいていると感じております。しかしながら、震災と原発事故から8年8か月が経過する中、福島県には今なお様々な難しい課題があります。加えて、台風19号と大雨災害等からの復旧も含め、福島の復興には長い時間を要します。引き続き、「福島の復興なくして、日本の復興なし」との認識のもとで、福島県が抱える様々な課題に真摯に向き合い、本県の復興に最後まで責任を果たされるよう、前面に立って取り組んでいただきたいと考えております。
【記者】
先ほどの安倍政権に関する質問に答えていらっしゃらないと思いましたので、改めて伺います。過去最長の長期政権となった一方で、大臣の不適切な発言などで、大臣が変わるたびに、福島県に新しい大臣があいさつに来るということが続いておりましたが、長期政権のマイナス面について、どのようにお考えですか。
【知事】
長期政権と大臣交代の直接因果関係については、私自身はよく分かりません。大切なことは、大臣という大切なポスト、特に復興大臣という重要なポストに就かれた方が、真摯に福島の様々な課題に向きあいながら、幾度も本県に通っていただいて、福島県民と同じ思いで復興に継続的に臨んでいただくことが、福島の復興・再生にとって重要であると考えております。今後とも安倍政権に対しては、是非、そういった視点を踏まえた対応をお願いできればと思います。
【記者】
南相馬市の高の倉ダムについてお伺いします。(ダムの)緊急放流を行った結果、下流の住宅などに被害が出ており、南相馬市では、市長が今後、県と農業用ダムの在り方について協議していきたいというお話をされていましたが、県として、この辺りの動きにどのように認めておられますか。
【知事】
農業用ダムの治水の対応について、南相馬市から具体的なお話がありましたら、県として、それを丁寧に受け、一緒になって検討していく考えであります。
(終了)
【問合せ先】
1 被災した中小企業支援について
→ 商工労働部経営金融課 電話024-521-7288
2 トリチウム水の処分方法について
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
3 安倍政権歴代最長について
(福島県の復興・再生に関すること)
→ 企画調整部企画調整課 電話024-521-7129
4 台風19号、大雨に伴う高の倉ダム放流について
(農業用ダムの管理に関すること)
→ 農林水産部農地管理課 電話024-521-7409