■日時 令和元年12月9日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 福島イノベーション・コースト構想について
2 Jヴィレッジ付近の放射線量について
3 教職員の懲戒処分について
4 農業用ダムの管理について
5 福島県人口ビジョンの更新案について
6 東京オリンピック・パラリンピック聖火リレーについて
7 神奈川県文書の大規模流出について
【質問事項】
【記者】
先程、福島イノベーション・コースト構想の会議があり、復興・創生期間後を見据えた青写真が策定されましたが、一方で、県政の世論調査では、8割の方が(構想を)「知らない」と答えている現状もあります。
先程、青写真の中で、「浜通りはもとより、全県民、特に若者が参画、活躍したいと思えるような情報発信や対話を重ねていきたい」とのことでしたが、今後は全県民が参画していきやすいように、どのような情報発信をしていきたいか、具体的な考えについてお聞かせください。
【知事】
福島イノベーション・コースト構想は、今回策定した青写真を含め、前に進めていくために、やはり皆さんに知っていただくことが重要だと思います。構想の取組を県民の皆さんに広く知っていただくために、県政広報やホームページでの情報発信、セミナーやシンポジウムの開催、地域の様々なイベントへのブース出展などを通じてPRを続けてまいります。
併せて、最近では若い方々への発信を強化するため、SNSの活用を始めているところであります。今後も様々な機会を捉え、構想の取組や具体的な成果を県民の皆さんに分かりやすく発信し、地元企業やこれから構想を担っていただく若い人たちを始め、県民の皆さんの構想への関心あるいは参加意欲を高めていくとともに、構想自身の具体化を進め、浜通り地域の産業基盤の再生はもとより、その効果を全県に波及していくことが出来るよう、しっかりと取り組んでまいります。
【記者】
知事は「県民の参画意欲」とおっしゃいましたが、イノベーション・コースト構想というと、どうしても先端技術の研究開発というイメージが強く、一般の県民からすると、そういうことをやっている企業は関わるけれども、一般の県民はどう参画すればいいのか中々イメージがつかないように思いますが、どのように県民を巻き込むことをイメージしていらっしゃるのか伺います。
【知事】
御指摘いただきましたとおり、イノベーション・コースト構想、例えば、廃炉、ロボット、再生可能エネルギーなどは先端的な技術でありますので、やはり分かりづらいですとか、自分とはちょっと距離があるという実感を持たれる方もおられるかと思います。
一方で、イノベーション・コースト構想がスタートし、例えば、ロボットテストフィールドや水素エネルギーの生産拠点が造られる中で、地元の方々に着実に関わりを深めていただいています。分かりやすい例で言いますと、イノベーション・コースト構想、ロボットテストフィールドを冠したお菓子が幾つか発売されています。また、多くの研究者の方、あるいは大学生等がロボットテストフィールドに来ていただいておりますが、そういった方々が宿泊施設に泊まられた時に、地元の方々には「受け入れ」という点で取り組んでいただいています。ロボットテストフィールドは、単に研究の拠点だけではなく、地域の交流人口が増え、泊まったり、食べたり、様々な関わりがあるということを、地元の方々に実感していただいているところであります。
また、特に若い方々に対して、イノベーション・コースト構想に関する説明会や意見交換会を行っておりますが、それによって、高校生自身から構想の担い手になりたいということを言われたり、実際に若者が就業し始めているという実態もあります。
このような事例は、正直まだ一部であり、全体としてはこれからというところがございますので、イノベーション・コースト構想は前に進む部分も重要ですが、やはり県民の皆さんに、より関わりがあるということを感じていただけるよう、具体的なストーリーも含めて、発信していかなければならないと思っており、それについては工夫が必要だと考えております。
【記者】
確認ですが、最後に「ストーリー」とおっしゃいましたか。
【知事】
はい。
【記者】
先日、Jヴィレッジで、線量の高いホットスポットが見つかり、東電が再度除染をしましたが、五輪の聖火リレールートの近くということもあり、原発周辺地域を中心とした、聖火リレーの該当地域の線量が大丈夫なのかということで、県として改めて測定するようなお考えはありますでしょうか。
【知事】
Jヴィレッジに隣接しております楢葉町の町営駐車場において、高線量の場所があるという指摘を頂き、先週、東京電力による土壌等の除去作業を行ったという報告を受けております。また、現在、Jヴィレッジ敷地における放射線量の確認作業を東京電力と環境省で進めていると承知しております。
県としては、聖火リレーもございますので、安全・安心を最優先に、東京電力、環境省に対し、状況に応じた適切な対応を取るよう求めていきたいと思います。併せて、今後、聖火リレーの具体的な中身も明らかになってまいります。そういった中で、今でも一定のモニタリング等は行っているところでありますが、更なる対応が必要かどうか、関係の皆さんとも協議を進めていきたいと思います。
【記者】
原因について報告はありますか。
【知事】
原因については、現在、東京電力において調査分析中と聞いており、その報告を待ちたいと考えております。
【記者】
知事部局ではありませんが、教職員の処分についてお伺いしたいと思います。先週の会見の中で、一気に3人の方が免職と発表していまして、過去10年でもかなり多い部類に入るのかと思っております。本日午後に先生方を集めた講習会も行われるということですが、知事はこの免職処分の多さについて、どのように受け止めていらっしゃるのか。また、今後どうしていきたいか教えてください。
【知事】
先週、公立学校の教員3名が免職処分となりました。今回の処分については、県教育委員会において調査を行い、懲戒基準に基づいて厳正に判断し、決定したものと受け止めております。
先ほどの部長会議においても、正にこの件が議題としてありました。改めて、職員の綱紀粛正の徹底を図り、県民の皆さんの信頼回復に向け、職員一同、不祥事根絶に全力で取り組んでまいります。
【記者】
南相馬市長から、高の倉ダムなどの農業用利水ダムの取扱いについて要望を受けたと思います。ダムの改修となると中々大変な部分もあるかと思いますが、どのように県として対応していきたいか教えてください。
【知事】
御指摘があった件について、先週、南相馬市長から要望を頂きました。高の倉ダムについては、台風19号等の際に管理規程などに基づいて、南相馬市によりダムの操作が行われたところであります。このダムは農業用の利水を目的としたダムであるため、洪水調節機能を有していないという状況にございます。今後どういった対応が可能か、現在、国においても検討が進められております。その状況を見ながら、南相馬市と共に検討を深めていきたいと思います。
【記者】
要望書の中で、昭和50年代につくられたダムであり、農地は当時に比べて少なくなっていて、100%の貯水というのは、過剰な部分もあるのではないかという一つの問題提起がありましたが、この点について知事はどのようなお考えでしょうか。
【知事】
南相馬市から、お話があった件について説明を頂きました。そういった点も含めて、今後どういったやり方が最も良いのか、利水ダムとしての目的も当然果たしていく必要があり、一方で、今回のような災害対応で出来るだけ良い対応にしていかなければいけないと考えております。今後、丁寧に南相馬市との協議を行い、また国の方でも同じ問題意識で議論を深めていただいておりますので、その状況も見ながら、しっかり検討していきたいと思います。
【記者】
相馬市長も南相馬市長もおっしゃっていましたが、農業者の方々との調整も必要だということなので、県が関わって南相馬市内の農業者だけではなく、県内全域の農業者から意見を聞くような場を設けたりするような考えはないのでしょうか。
【知事】
現在、まだそこまで至っておりません。いずれにしても、農業用ダムは洪水調節機能を持っていないというのが一般的です。したがって、このハードの状態を前提にして、どういった災害対応が可能か、高の倉ダムだけの問題ではなくて、県全体の問題でもありますし、また、国全体の問題でもあろうかと思いますので、幅広く検討していきたいと思います。
【記者】
県の人口ビジョンの下方修正について伺います。先週、2015年策定の現行ビジョンから県の推計人口、目標人口を下方修正するという案が示されました。この4年間に、県としても人口減少対策というのはいろいろと進められてきたと思いますが、政策のどこが足りずにこういった状況になったのかということを伺いたいのと、また、「東京一極集中の是正」という文言が現行ビジョンにはありますが、新しい改定案には、そういった文言が落ちていたのですが、これについての認識は変わっていないのかということについてお伺いします。
【知事】
次期「ふくしま創生総合戦略」の策定に当たって、本県人口の現状と将来の目指すべき姿を示す福島県人口ビジョンの更新案を、先日の有識者会議でお示しさせていただきました。主な更新内容としては、国立社会保障・人口問題研究所による直近の推計結果を踏まえた将来人口推計と、県民アンケート結果や近年の社会動態などを反映した人口目標の更新であります。
将来人口推計はこの社人研の推計に準拠して行っており、長期の推計値が5年前に比べて下振れしていることから、これに合わせた形で更新を行ったものであります。やはり今回の更新によって一定の数が下がっているという厳しい現実があります。引き続き、現状に対する危機意識を持ちながら、自然増対策と社会増対策、こういった総合的な対策を講じていかなければいけないと考えております。
その上で、これまでの5年間弱においても、県として、地方創生に取り組んでまいりました。そうした中で、ある程度、「合計特殊出生率が回復している」、あるいは、「移住人口が震災前よりも増えていて、若い方の割合が増えている」といったプラスの部分もありますが、やはり全体として下がっているという厳しい現実には変わりがありません。
我々が行っている各種の施策は、一定の効果はあると思いますが、それ以上に全体として構造的に減っている部分が大きい。その結果が今回の人口ビジョンの更新結果になっていると思います。そういう意味で、やはり新しい総合戦略において、この厳しい現実を踏まえ、どういった県としての取組、あるいは市町村との連携が必要かということをしっかりと整理し、次の5年間で実行に移していきたいと考えております。
また、御指摘いただきました東京一極集中、これは御承知のとおり、データで出ております。全国知事会においてもその議論を行っておりますが、基本的にまず我々自身が努力をする。一方で、国全体における東京一極集中の是正というものは、国土政策としても重要な観点かと思いますので、こういった点は次の戦略においても入れていくということになろうかと思います。
【記者】
聖火リレーに、なでしこジャパンの皆さんが走るという報道がありますが、県として、何か情報はありますでしょうか。
【知事】
まだ報道の段階で正式ではないと思います。ただ、個人的には、2011年3月に東日本大震災と原発事故によりまして、県民の皆さんも含め、辛い、厳しい、悲しい状況にあった。そうした中で、なでしこジャパンの皆さんがワールドカップにおいて、一戦一戦すばらしい力を発揮して、最後に優勝までたどり着いたことは、我々の落ち込んだ気持ちに、光や勇気や希望を与えていただき、また、危機対応から徐々に復興に向けて頑張ろうという思いをつくるきっかけとなったのではないかと受け止めております。
最終的な発表を待ちたいと思っておりますが、仮に走っていただけるのであれば、福島県がこれから未来に向かって走っていくための大きな希望になると考えております。
【記者】
先週、神奈川県庁で行政文書のハードディスクなどが不正に持ち出されてデータが流出した件がありましたが、福島県のハードディスクなどの処分についての対応状況と、今回の件を受けて、追加で何か対策など講じる考えがあればお聞かせください。
【知事】
福島県におけるハードディスクのデータ消去に当たっては、専門の業者に委託し、ディスクに穴をあける物理破壊を行った処分状況を、写真で説明した証明書によって履行を確認していると聞いております。
ただ、今回の事案を受けまして、データ消去等の処理の際には、職員自身が立ち会い、確実に消去されたことを確認するなどの対応により、情報が流出しないよう万全の対策を講じていかなければいけないと考えております。また、庁内の各所属に改めて注意喚起を図り、情報の流出防止の徹底に努めてまいります。
(終了)
【問合せ先】
1 福島イノベーション・コースト構想について
→ 企画調整部福島イノベーション・コースト構想推進室 電話024-521-7193
2 Jヴィレッジ付近の放射線量について
→ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
(聖火リレーに関すること)
→ 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312
3 教職員の懲戒処分について
→ 教育庁職員課 電話024-521-7781
4 農業用ダムの管理について
→ 農林水産部農地管理課 電話024-521-7409
5 福島県人口ビジョンの更新案について
→ 企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
6 東京オリンピック・パラリンピック聖火リレーについて
→ 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312
7 神奈川県文書の大規模流出について
→ 企画調整部情報政策課 電話024-521-7138