■日時 令和2年2月17日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 令和元年度2月補正予算の概要について
【質問事項】
1 東京五輪 聖火リレーについて
2 令和元年度2月補正予算について
3 新型コロナウイルスに関する感染症対策について
【発表事項】
令和元年度2月補正予算の概要を発表いたします。今回の補正予算は、台風第19号等による災害への対応や国の補正予算を活用する事業を始め、緊急に措置すべき経費などについて計上いたしました。その主な内容といたしましては、台風第19号等による災害への対応として、浸水被害防止のための河川の洪水対策強化、営農再開に向けた農地や農業用ハウス等の復旧支援、国指定文化財の復旧支援の充実、 さらに、災害に強い道路ネットワークの整備や新しい時代の教育に対応するためのICT環境の構築などに要する経費、また、除染に伴う除去土壌搬出事業等、事務事業の年間所要見込額の確定に伴う補正についても、併せて計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、740億4千5百万円の減、本年度予算の累計は、1兆5,152億7千9百万円となります。
【質問事項】
【記者】
韓国の民間団体が、防護服を着た聖火ランナーを描いたポスターを作成し、関係各所で様々な声が上がっていますが、知事の受け止めをお聞かせください。
【知事】
今回のポスターは県民を深く傷つけるものであり、非常に残念であります。政府に対しては、国内外への正確な情報の発信を強化するよう、様々な場面を通じて求めてきたところであります。政府においては、外交ルートを通じて、韓国政府に強く抗議をされたと聞いております。引き続き、国、関係機関と連携して、本県の復興の現状や食の安全性など、正確な情報発信に粘り強く取り組むとともに、来月に迫った聖火リレー及び東京オリンピック・パラリンピックの成功に向け、しっかりと準備を進めてまいります。
【記者】
双葉町が聖火ルートに追加された件で、これまで知事は、「光」と「影」を発信していきたいとおっしゃっていて、双葉に関しては帰還困難区域もあり、いわゆる「影」の部分が大きいと思いますが、知事は、双葉の追加も含めて「影」の発信をしていくという考えなのでしょうか。
【知事】
聖火リレーのルート選定につきましては、県の実行委員会、国の組織委員会、そして市町村と綿密に相談しながら方向性を定めてきたところでございます。私自身、かねがね申し上げている「光」と「影」の発信ですが、「光」とは、復興が前に進んでいる明るいニュースが増えてきているという部分、「影」とは、福島県が複合災害を含め、まだまだ難しい課題に直面していて、これからもそういった課題を解決していかなければいけない。そういった問題に向き合っているということを指しております。
その上で、今年に入ってからも、私自身、県内や、東京あるいは横浜等も含め、様々な場面でお話をさせていただく機会がありました。その際、福島県には「光」と「影」が混ざり合って、その「影」を「光」に変えていくために様々な挑戦をしているという思いをお話ししております。今後、聖火リレーや東京オリンピックなど、様々な機会を頂けると思いますが、こうしたことをしっかりと続けていきたいと考えております。
【記者】
双葉町のルートについて、駅前が有力候補ということですが、放射性物質の件も含めて安全性の検証については、現状どのように行っているのでしょうか。
【知事】
現在、具体的なルートについて調整しているところですので、申し上げる段階ではないと思います。いずれにしても、ルート選定に当たっては、走られる方、そして応援される方の安全性をしっかりと保っていくことが前提条件になりますので、そういった観点も加味しながら、現在、調整を行っているところでございます。
【記者】
昨年、Jヴィレッジで緊急除染をするという件がありました。こちらのホットスポットについては、地上高1メートルで毎時1.7マイクロシーベルトということでした。毎時換算で3.8マイクロシーベルトが国の避難基準になるのですが、それよりは低い状況の中で除染をしたということを鑑みると、1.7という数字が、聖火リレールートにおいて安全性を保つ上での、県としてのメルクマールのような位置付けになるのでしょうか。
【知事】
具体的な数値をお話ししたことはないかと思います。今回の聖火リレーに当たって、特に避難区域であったエリアについては除染を行い、また、その後のモニタリングを行った上で、観客の方、走られる方、関係の方が安全に対応できるように、県として進めていきたいと考えております。
【記者】
逆に国の基準には達していない、毎時1.7マイクロシーベルトという場所を除染したのはなぜか。安全・安心とおっしゃいますが、「安心」の部分が強いということでしょうか。
【知事】
担当部局に聞いていただければと思います。
【記者】
韓国の民間団体のお話がありましたが、原発事故から間もなく9年が経つ現在においても、まだこのような事態、情報発信をされてしまう現状があると思います。知事は常々「アップデート」という言葉をおっしゃっているように、新しい情報を韓国側にも発信していると思いますが、このようなものが出てきてしまう要因について、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
要因分析そのものは、今回の件について、お答えできかねる立場であると思います。今、世界において、県産の農林水産物への輸入規制を行っている国・地域が20ほどあります。もともと54の国・地域がありましたが、30以上が減ってきたという部分は、アップデートがある程度、正確に進んできたのかなという受け止めができるかと思います。一方で、今なお20の国・地域が残っているというのは、中々アップデートが行き渡らない部分があるものと思います。
また、国内も含めてですが、丸9年経とうとしている今もなお、様々な形での風評が残っていると感じています。ある施策により全てが一瞬で解決するという特効薬があるわけではありません。粘り強く正確な情報を発信し続けていく。そしてそれを、県だけでなく、政府、関係機関が力を合わせて継続していくことが、何よりも大切だと考えております。
【記者】
補正予算について伺います。指定文化財保存活用事業がありますが、改めて、今回の補正予算の中に盛り込まれた理由を教えていただけますでしょうか。
【知事】
今回、県内の指定文化財の一部が、台風第19号等によって大きく被災しました。こうした文化財は福島県のみならず、国にとっての宝でもあります。これらの宝物を今後復旧していく上で、国の制度等も活用しつつ、また、県も支援しながら、早期に復旧することが重要だという観点で、今回の予算を計上しているところでございます。
【記者】
新型コロナウイルスへの対策について伺います。他の都道府県でも感染者が出ているところですが、都道府県によっては、知事自らが感染者の情報を説明しています。もし福島県で感染者が出た場合、知事自らが御説明されるのか。仮の話で恐縮ですが、お聞かせください。
【知事】
現段階で仮定の話にはお答えできないと思います。新型コロナウイルスの関係は、日々、どういった状況が起こるか分からないという切迫した事態にございます。そういった中で、県の対策本部会議、あるいは会見などの様々な形で、マスコミの皆さんのお力を借りながら、県民の皆さんに発信していくことになるかと思いますが、その時点時点で検討して判断をしていくということになろうかと思います。
【記者】
聖火リレーが全国で最初に福島県で行われるということで、福島県の対応が注目されると思いますが、現時点で何か聖火リレーの対策を考えておりますでしょうか。
【知事】
現時点における日本国内の新型コロナウイルスの状況を日々注視しております。その上で、3月26日から3日間、福島県で聖火リレーがグランドスタートという形で行われますが、当面は、観客の皆さんを始め、東京大会に従事する関係職員、都市ボランティアの皆さんに対し、咳エチケット、手洗いなど、正しい情報に基づいた感染症予防の注意喚起を行ってまいります。また今後も大会開催に向け、時点時点で状況が変わっていくかと思います。そういったものを踏まえながら、組織委員会を始め、関係機関と連携し、県としてしっかりと対応していきたいと考えております。
【記者】
先週金曜日に県で初めて(患者の)受け入れをし、現在まで5人を受け入れているということですが、相談窓口には、「医療機関をなぜ公表しないのか」、「そもそもどうして受け入れるのか」といった声が寄せられているということです。このことに対する知事の受け止めをお伺いします。
【知事】
先週、厚生労働省から横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス」の乗員で、新型コロナウイルス感染症が陽性の患者2名の受け入れ要請があり、14日、県内の感染症指定医療機関で治療のため受け入れを行いました。また、その翌日、3名の受け入れ要請があり、県内の感染症指定医療機関で受け入れたところであります。現在、県内での受け入れ人数は5名ということになります。患者を受け入れた感染症指定医療機関は、感染症の蔓延防止機能を備えており、一般の患者さんとは出入口を分けるなど、感染拡大防止に対応しているところであります。県民の皆さんには、過剰に心配することなく、咳エチケットや手洗い等の通常の感染症対策を行っていただくようお願いしたいと思います。引き続き、国からの情報を注視しながら、的確な情報提供を行い、県民の皆さんの安全・安心の確保に取り組んでまいります。
【記者】
新型コロナウイルスの情報公開についてお伺いします。知事は、「時点時点での判断」という言葉で説明されたと思いますが、一方で専門家からは、「場所や患者の状況などの必要な情報を出さないことで、逆に住民の不安をあおりパニックになる」という指摘もあります。情報公開についてどのように考えておられるのかお聞かせください。
【知事】
「情報公開」というのは、ダイヤモンド・プリンセス号の受け入れに関することでよろしいですか。
【記者】
はい。
【知事】
住民に不安を与えたり、医療機関への風評被害等のおそれがあるため、病院名、地域、箇所数等の公表を控えているところであります。また、患者の情報については、国においても公表されておりません。県としては、国に準じた対応を行っているところでございます。
【記者】
今後の感染拡大も懸念されている中で、例えば検査体制の拡充など、県としての対応方針についてお聞かせください。
【知事】
県としては、対策本部会議を立ち上げまして、関係機関、あるいは専門家の意見も伺いながら、現時点での国内の状況に対応できる体制を整えております。今後、様々な検査体制も含め、状況は日々刻々と変わってまいります。そういった際には、他の都道府県あるいは政府の力もお借りしながら、即時的確に対応していくことが重要であると思います。
まず、我々自身の体制を充実させ、県民の皆さんの安全・安心を確保していくこと、これが私たちにとって大切な使命だと考えております。
【記者】
医療機関の院内感染について伺います。和歌山県では、院内感染が疑われる事例が出ていますが、福島県内の医療機関で院内感染のようなことが起こり得ないかについては、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
現在、(県内の)指定医療機関は6か所あります。この6病院においては、院内感染が起きないよう、従前から対応を行っているところであります。まず、ハード面の対応、そして実際に従事される方のソフト面の対応、この両面がしっかりと現実に機能していかないと院内感染を防ぐことはできないかと思います。6病院ともそれぞれが知識を持って、真摯に対応いただいておりますので、院内感染を起こさない対応を期待したいと考えております。
【記者】
期待するというより、そうさせなければいけないと思います。ハード面は「陰圧室」などについて担当課から説明がありましたが、ソフト面の対策についてはあまり情報発信されていないように思います。ソフト面の対応について教えてください。
【知事】
例えば、病院関係者、医師や看護師の方は、タイベックスや手袋などの様々な防護服を着ておられます。着たり脱いだりした時に(ウイルスが)手に付いてしまうと、結果としてどんな防護をしていても感染してしまうことになります。実際に訓練を幾度も繰り返さないと、こういった対応が難しい部分があります。ソフト的な部分というのは、そういった対応であったり、あるいは患者の皆さんが身に付けていたものを清掃したり、処分する場合にも、きちんと現状に対応していかないと、ウイルスに触れてしまう可能性があろうかと思います。
こういったソフト面の対策と、お話がありましたような陰圧機能や、あるいはルートを完全に分けるなどのハード面対策の両方が噛み合わないと防護ができない、そういう思いで先ほどお話させていただきました。
【記者】
「日々刻々と状況が変わる」とお話がありましたが、例えば、検査体制もどんどん広げていかないと、感染者が増えていく中で間に合わないという状況があります。クルーズ船の中にも、まだ検査を受けてないような方がいらっしゃる状況で、以前、担当課から、県内の検査は簡易キットのようなもので、県内で完結するような形になっていないというようなお話も伺いました。
日々刻々と変わる状況に対応できるように体制を取っているというお話でしたけれども、検査体制については実際に拡充されているのでしょうか。
【知事】
検査体制につきましては、担当部局に具体的な内容を確認いただければと思います。
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
令和元年度2月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027
○質問事項
1 東京五輪 聖火リレーについて
→文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8676
(聖火リレールートの環境放射能モニタリングに関すること)
→生活環境部除染対策課 電話024-521-8495
2 令和元年度2月補正予算について
→総務部財政課 電話024-521-7027
3 新型コロナウイルスに関連した感染症対策について
→保健福祉部地域医療課 電話024-521-7238