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知事記者会見 令和2年3月30日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年4月3日更新

知事定例記者会見

■日時 令和2年3月30日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 災害時の被災者の氏名公表について
3 東京五輪 聖火の展示について
4 自主避難者に対する提訴について
5 ロボットテストフィールドの全面開所について
6 NHK朝のテレビ小説「エール」について

令和2年3月30日 福島県 知事   動画を再生する

 

【質問事項】

1  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  先週末、東京方面への外出自粛の要請をされえましたが、東京では感染が拡大しています。今後や今週末の対応として、知事はどのように考えていますか。また、学校の再開は4月1日から通常通り行うのかについても教えてください。

【知事】
  先週3月27日、県の対策本部員会議において、東京都の感染拡大防止対策に協力するため、東京方面への週末の不要・不急の往来を極力控えていただくよう、県民の皆さんにお願いしたところです。現在の厳しい状況を踏まえ、東京都の小池知事が、4月12日までは週末の外出を自粛し、平日も出来るだけ在宅勤務をして、夜間の外出を控えるよう都民に呼び掛けておられます。県民の皆さんには、「密閉」、「密集」、「密接」の三つの「密」を避けるとともに、手洗いと咳エチケットを徹底されるようお願いいたします。併せて、東京都の感染拡大防止対策に協力するため、引き続き、東京方面への不要・不急の往来は極力控えていただくようお願いいたします。
  また、学校の関係については、現時点において、4月から通常ベースでの再開を予定しております。ただし、総理の会見にもありましたが、日々状況が変わっており、現在、福島県内の陽性患者は2例ということで踏みとどまっております。県外の状況、国内外の状況を見ますと、今後、政府の専門家会議の意見あるいは状況を見ながら、臨機応変に対応していく必要があると考えております。

【記者】
  東京方面への外出の自粛は継続ということでよろしいでしょうか。

【知事】
  先日の土日だけでなく、現在、東京都が(往来)自粛を訴えておられる状況を考えますと、当面継続をすることが必要かと考えております。

【記者】
  東京方面の(移動の)自粛については、週末だけではなく、平日も適用されるのでしょうか。また、例えば、政府の高官と知事が会って今後の復興等の話をする機会や、大臣が(本県に)来られたりする機会などがあると思うのですが、そのような場合の対応について、今後どうしていくのですか。

【知事】
  東京方面への外出自粛のお願いについては、週末のみならず、平日(今日から当分の間)も含んでいます。当分の間とは、東京都の小池都知事が4月12日までと呼び掛けていますので、それが一つの目安になると思います。
  その上で、私自身が東京を往来することについては、やむを得ない場合を除き、ある程度そういった機会を減らしていくことも重要かと思います。現在、政府との間には、県の意向を総務省経由で速やかに提案するリエゾンという制度が出来ておりますので、既にこれを活用して、本県の様々な要望を行っています。
  また、一昨日には、根本衆議院議員に対して、経済対策、今後の新型コロナウイルス感染症対策について、重要な5項目の具体的な話をさせていただきました。根本議員からは、中小企業・小規模事業者政策調査会長として、また、これまで復興大臣、厚生労働大臣の御経験がありますので、政府与党に対して、福島県の実情をしっかり働き掛けていくという力強い御返事を頂いております。根本議員に対する要請事項については、西村経済財政政策担当大臣を始め、関係の省庁に対して、本日までに届けることとしております。様々な要請を直接お伺いしお話出来ることがベストではありますが、現下の厳しい感染症の状況を踏まえ、それぞれの場面でこれまでとは異なる対応が必要になってくると考えております。

【記者】
  東京方面への往来の自粛要請について、本来であれば、新型コロナ特措法による緊急事態宣言が出されて、それを受けて都道府県知事が外出自粛を要請するという流れだと思いますが、東京都を始め福島県も、それを先取りしているような形になっており、そうなると、何のための法律改正だったのかということになりかねないと思います。感染拡大を防ぐためには、きちんとした法律の手続きを取るというのも必要であると思いますが、知事はどのように考えますか。

【知事】
  先般、新型インフルエンザ等特別措置法の改正が行われました。これは、緊急事態宣言を発せざるを得ないような事態となった場合において、国あるいは自治体として、この改正法に基づいて対応するということかと思います。現時点においては、国として、政府として、緊急事態には当たらないという認識かと思います。そのような状況の中で、昨今、東京都における日々の陽性感染者の数が40名台から60名台に、また千葉県等においても、クラスター感染・集団感染が発生しており、それぞれの自治体が、現時点の制度の中で、任意の自粛要請をされております。そのような状況を勘案し、福島県としても、改正法に基づく対応の前の段階として、東京都やその周辺の県で自粛を要請しているという状況を鑑み、福島県は首都圏との距離も非常に近く、様々な行き来があるという実態も踏まえ、東京都の感染拡大防止に協力するという観点で、先日27日にお願いし、また、今日以降も当分の間続けていただくことをお願いしていきたいと考えています。

【記者】
  東京都や千葉県、あるいは首都圏等の近さという点では、福島県も現場の危機感というか、政府が緊急事態宣言をしないということへの乖離があるのではないかと思います。結局、自粛要請をする都道府県知事に責任が集中してしまっていると思うのですが、政府の対応のスピードについてはどのように考えますか。

【知事】
  今回の新型感染症は、潜伏期間が比較的長いため、タイムラグが出るというのが難しい点であると思います。現時点においては、緊急事態宣言を国として発する状況にないということは専門家会議の議論等も受けてのことかと思います。一方で、出来るだけ県民の皆さん、東京都であれば都民の皆さんの生命・安全を考えた時に、お願いレベルであっても、皆さんの危機意識を喚起し、醸成していくことも、地方自治体、特に、広域自治体としての大切な仕事かと思います。法律に基づく宣言、そしてその宣言に基づく自粛を突然行うよりも、段階的な対応というのがあってもいいのではないかと私自身は考えています。

【記者】
  三つの「密」というお話をされていますが、この会見場も三つの「密」がそろっているような気がするのですが、窓を空けたりできると思うので、次回以降、よろしくお願いします。

【知事】
 大切な御提案だと思います。今後、(人の)間隔をどうするかといった工夫も必要かと思います。

【記者】
 花見のシーズンということで、福島市にも開花宣言が出ました。各市の対応を見ていると、郡山市がブルーシートを敷いて止まるような形での花見を一律に自粛するよう呼び掛ける一方で、そこまでの対応をしてないところもあります。県としては、飲食を伴う、長時間止まっての花見について、どのようなスタンスですか。

【知事】
 福島県内においては、陽性患者が2例発症し、その後は見られないという状況にあります。一方で、今後増えてくる可能性も十分にあります。したがって、県民の皆さんに、「密閉空間」「密集した状況」「密接に人と関わる」、この三つの「密」を極力避けていただくことをお願いしております。
 今年も桜の開花の時期がやってきました。これから美しい桜が県内各地に咲き誇ると思います。やはりその場面、場面に応じた対応が必要だと思っております。例えば、花見山や三春の滝桜では、基本的に花見をお勧めしないという、通常とは違う観覧体制になっているかと思います。やはり、閉鎖空間で長時間、人と共にすることが感染リスクを高めることになりますので、県民の皆さんにはその点を心に置いていただきたい。市町村においては、それぞれの花見の場所や状況が異なりますので、実情に応じてきめ細かに対応していただくことや、実際に人が多く押しかけてくるような状況になれば、より強い形でお願いをしていくことも重要だと思いますので、各自治体の冷静な判断と対応を期待しております。

【記者】
 知事や都知事の発言における「不要・不急」という言葉に関し、どこまでを指すのかというのが議論になっていますが、知事の「不要・不急」というのは、どのあたりまでを考えているのかお聞かせください。

【知事】
 「不要・不急」の定義について、政府も東京都も悩みながら発信されていると感じております。私自身、東京都知事が3月29日に自粛要請した際に発言された定義、例えば、「特に用事がないのに出歩くこと」、「密閉された場所に出向くこと」、「人と接触するような行動や大人数で集まったりすること」、こういったものは、やはり不要・不急に当たると考えております。一方で、「スーパーや薬局などに食品や日用品、生活必需品を買いに行くこと」、「病院へ通院すること」、あるいは、「仕事のために公共交通機関を使うこと」については制限するものではないという話をされています。恐らく国民の皆さんの一般的な感覚としては、これらの例示については、現時点において一定の理解が得られると思います。ただし、県民の皆さんお一人お一人の状況は異なりますので、機械的に定義するのではなく、今、新型コロナウイルス感染症が本当に厳しい状況になっていて、その(状況の)中で、今日、自分がしようとしている行動は、本当に必要不可欠なのかということを考えながら行動していただくことが重要だと思います。

【記者】
 先週、知事が東京都方面への不要・不急の外出を控えるように求め、この土日の2日間で県民の自粛がなされていたかという確認と、今日からまた継続されるということですが、その検証はどのように行うのか教えてください。

【知事】
 まず、この土日について、様々な報道等を拝見している範囲では、人の動きが大きく減っていると感じております。私自身、土曜日に郡山に行きましたが、その道すがら、あるいは郡山市内や福島市内を見ていても、明らかに通常の土曜日に比べて大きく集客が落ちているのを実感しました。今後、例えばJRの新幹線の乗車状況などの客観的なデータもあると思いますので、これらを見て現時点の状況について確認してまいります。併せて、県民の皆さんには、東京方面への自粛について、先日の週末だけということで考えておられると思いますので、当分の間続けていただきたいということをしっかり広報してまいります。

2 災害時の被災者の氏名公表について

【記者】
 先週末、神奈川県の黒岩知事が、記者会見で「災害時の死者・安否不明者の氏名について、遺族の意向にかかわらず公表する」という方針を示しました。これらは日本新聞協会の要望を受けたものとなっています。福島県も同じ要望を受けていると思いますが、今後、現在の公表の方針や県の地域防災計画を修正する考えはありますか。

【知事】
 神奈川県の知事が言われたのは、自然災害の場合という理解でよろしいですか。

【記者】
 はい。

【知事】
 昨年の台風第19号災害においては、福島県として、あのような対応をさせていただきました。その後、この件については様々な議論があり、協会からの要望もあります。それらを踏まえ、現在、全国知事会を通じて、国に対して氏名の公表の在り方について、しっかりと方向性を出していただくようにお願いをしているところであり、この議論を見守ってまいります。

3 東京五輪 聖火の展示について

【記者】
 聖火について、Jヴィレッジへの展示がいよいよ始まるという報道もありますが、今、議論がどのようになっているのか教えてください。

【知事】
 今回、聖火リレーを実施することは出来ませんでしたが、森会長から安倍総理の提案ということで、一定期間、福島県で聖火を預かって欲しいとの話を頂きました。ギリシャから届けられた聖火が希望の灯火として県民の皆さんに見ていただける機会をつくっていただけることを、大変うれしく感じております。現在、聖火の具体的な展示場所や展示期間について、組織委員会と具体の調整を進めているところです。詳細につきましては、IOCの確認が取れ次第、公表されると聞いております。
 また、展示に際しては、マスク着用や消毒液の使用、体調不良者への呼び掛けはもとより、過度な密集状況をつくらないよう、観客の列を前後1メートル以上空けて整理・誘導するなど、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための対策をしっかりと行ってまいります。

【記者】
 知事の最初の要望がJヴィレッジということだったと思いますが、それに沿うような形で議論が進んでいると考えてよろしいでしょうか。

【知事】
 現在、具体的な内容を組織委員会あるいはIOCと調整中なので、今しばらくお待ちいただければと思います。

  自主避難者に対する提訴について

【記者】
 自主避難者について伺います。先週、県は自主避難者4世帯を提訴しました。県が県民を訴える事態となり、この中には生活が立ちゆかない世帯もあると聞いています。訴訟を回避できなかったことに対し、どのような考えがあるのか教えてください。

【知事】
 今月25日、国家公務員宿舎に未契約で入居している5世帯のうち、自主退去された1世帯を除く4世帯について、宿舎の明け渡し等を求め、福島地方裁判所に提訴したところです。これまで、調停を含め話し合いによる解決を目指し、住宅の紹介等の支援を継続してきたところですが、4世帯については新たな住まいの確保の見通しが立たないことから、やむを得ず提訴に至ったものです。

【記者】
 4世帯の提訴について、知事は、(先ほど)「新たな住まいの確保の見通しが立たないのでやむを得ず提訴した」とおっしゃいましたが、新たな住まいの確保が出来ないから提訴したというのは、追い出しているという印象を受けるのですが、本当にそれで良いのでしょうか

【知事】
 先ほどの4世帯については、それぞれ事情が異なります。それを具体的に述べるのはどうかというところもあり、包括的な表現としております。1世帯1世帯の状況が異なりますので、それについては担当部局に確認願います。私たちとしては、話し合いによる解決を目指してきたところです。

5  ロボットテストフィールドの全面開所について

【記者】
 ロボットテストフィールドについてお伺いします。トヨタとNTTが、スマートシティの関係で資本提携をしたというニュースがありました。郡山の医療機器センターが、一時、非常に厳しい状態にあり、ロボテス自体が二の舞にならないようにという御指摘が多々あると思いますが、各県がいろいろ始めていること(取組)について、今後、どのように競争していくのか、どのように対応されていくのか教えてください。

【知事】
 福島イノベーション・コースト構想の中核拠点である福島ロボットテストフィールドが、明日全面開所を迎えます。既に全国から最先端の企業や研究者が集まり、世界初の実証試験や、ロボットの新たな基準づくりに向けた試験が行われるなど、革新的な取組が進められています。今後、この拠点を核として、県内外の企業や研究者が緊密に結び付き、メードイン福島の革新的なロボット技術や製品が生み出されるよう、ロボット関連産業の振興に取り組んでまいります。
 また、今、日本の中で様々な新しい動きがあります。例えば、空飛ぶクルマについては、将来の話ではなく、近未来の重要な課題です。これについて、国内外のメーカー、研究者の皆さんが、正にしのぎを削って競争されております。空飛ぶクルマが国内で試験拠点として指定されているのは、我々のロボットテストフィールドのみです。全面開所を踏まえて、このような優位性をいかしながら、世界最先端の研究、また、産業の振興といったことにしっかりと取り組んでまいります。

6 NHK朝のテレビ小説「エール」について

【記者】
 今日からNHKで、朝ドラ「エール」が始まりましたが、知事はご覧になりましたか。また、今このような状況ですが、今後の期待というか、どのように県民に感じて欲しいかについて聞かせてください。

【知事】
 本日からNHKの朝の連続テレビ小説、「エール」がスタートしました。まだ朝の放送は見ておりませんが、録画して夜にしっかり見させていただきます。これから、私自身の習慣として、毎日「エール」を見て、土曜日は総集編的なものも見ていきたいと思います。昨日までに「エール」のPR番組を見ておりますが、非常に多くの登場人物が、生き生きと活動されています。古関裕而さんを窪田正孝さんが演じ、古関金子さんを二階堂ふみさんが、またその周りの俳優さんたちもすばらしいメンバーばかりです。福島県内でのロケも入っており、音楽も非常にすばらしいものがございます。
 今回、残念ながら、東京オリンピック・パラリンピックが結果として1年程度延期となりました。しかし中止ではなく延期です。皆さんに、国内外の方に、是非多くの方に「エール」を見ていただきながら、来年2021年の東京オリンピック・パラリンピックに向け機運を醸成していく。特に今、新型感染症の状況もあって、皆さん気持ちが落ち込む部分もあるかと思いますが、朝あるいはお昼に見て、元気になっていただくことを期待しております

 (終了)

【問合せ先】                               

1 新型コロナウイルス感染症について
→保健福祉部地域医療課 電話024-521-7238
(県内学校の再開について)
→教育庁健康教育課 電話024-521-7777

2 災害時の被災者の氏名公表について
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7194

3 東京五輪 聖火の展示について
→文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312

4 自主避難者に対する提訴について
→避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8629

5 ロボットテストフィールドの全面開所について
→商工労働部ロボット産業推進室 電話024-521-8058

6 NHK朝のテレビ小説「エール」について
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7286