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知事記者会見 令和2年6月22日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年6月25日更新

1  災害公営住宅家賃低廉化事業について

【記者】
 災害公営住宅の家賃低廉化事業について伺います。政府は、当初20年としていた特例的なかさ上げについて、10年短縮し、11年目以降は他の激甚災害と同レベルにするという方針を決めました。福島県は、これから運用が始まる災害公営住宅もあり、影響が大きいと思いますが、この当初の約束と違う政府の方針にどのように対応していくのでしょうか、

【知事】
 災害公営住宅は、災害が発生した際に、住民の皆さんの生活の本拠となる大切な住宅です。災害により、(被災された方々は、)経済的にも様々なダメージを受けられることと思います。福島県も、東日本大震災及び原発事故、あるいは台風災害に見舞われる中、災害公営住宅の在り方について、実際に経験をしてきたところであります。制度改正の方針を改めて確認しながら、今後、県としてどういった方向性がいいのか議論を行い、また、(政府に対して)申し上げるべきことは申し上げていきたいと考えております。

【記者】
 東日本大震災は、特例的に他の激甚災害以上の措置をするという方針でしたが、全国各地でいろいろな災害が相次いだことを背景に、そこに吸収される形になってしまいました。知事としては、それでやむを得ないと考えるのか、震災、原発事故は別ものだから、あくまでも別扱いとして欲しいと考えるのか、どちらの考えでしょうか。

【知事】
 政府の対応方針を改めて確認しながら、今後県としての方向性を固めていきたいと思います。

2 指名競争入札制度について

【記者】
 県の指名競争入札について伺います。事前審査の結果について情報提供いただいています。三百数十者が参加するとされていて、これは多ければ多いほど談合が防げるので良いのですが、その中で、地域ごとに概ね12者以上あれば、指名競争入札に移行できるという基準があります。12者以上ある地域は良いのですが、11者でも大丈夫だと担当課に聞きました。これは、基準がなし崩し的に後退するのではないかという懸念がありますが、担当課に聞きますと、「概ね12者」という表現だから11者でも良いとのことです。それでは、10者ならどうなるのかなどと心配してしまいますが、知事はどう考えますか。

【知事】
 今回、競争入札の方向性を変更いたしました。その際に重要なことは、公正性を保ちつつ、一方で、それぞれの地域における需要、ニーズに的確に対応できるようにすること、この両方のバランスをしっかりと取ることを視点としています。
 御指摘いただきました「概ね12者」の捉え方の御意見については、しっかりと承ります。その上で、11者でいいのか、あるいは10者まであり得るのか、それぞれの地域の現状があると思いますので、そういったことを加味しながら、県としてしっかり精査して対応していきたいと思います。

【記者】
 地域の現状によっては、10者でもあり得ると聞こえますが、そういうことですか。

【知事】
 「概ね12者」であり、地域の状況に応じて、時点時点で適切に対応してまいります。

【記者】
 そうしますと、「概ね12者」という数字は何の意味があって示したのでしょうか。

【知事】
 指名競争入札に移行する場合、それから競争入札の在り方として、一定数の会社がないと十分に機能しません。そういった中で、これまでの経験あるいは他県の状況を勘案しながら、12という数字、基準をまず設定し、その上で、完全に12者で出来るかどうかと議論した上で、「概ね」という表現にしているものと思います。

【記者】
 検討した結果、(参加する会社数が)10、11に下がるのであれば、当初の12というのは無意味になるのではないでしょうか。

【知事】
 まず「12」という数字でラインを引いて、明確に数値としてお示ししております。その上で、「概ね」の範囲は、時点時点での状況判断になることはあると思いますが、「12」という数字が出ている以上、これが極端にぶれるということはないと私は理解しております。

3  トリチウム水の処分方法につい

【記者】
 トリチウムの処理水について伺います。自治体の議会で決議が相次いでおり、中には反対するもの、陸上保管の継続を求めるものも多く出ています。
 以前、知事にこの場でお聞きした時に、「県としての考えを述べる段階ではない」とおっしゃっていました。基礎自治体や隣県から意見が出ている中で、県として意見を表明しないデメリットがあると思いますが、決議が相次いでいることについての知事の受け止めと、(意見を表明しないことの)メリット、デメリットについてどう考えていますか。

【知事】
 それぞれの自治体において、様々な御意見が出されている状況を拝見しております。今の質問の中で、「県としての意見を出していない」という御指摘がありましたが、私どもは、これまでも県としての意見を申し上げているつもりでございます。
 県としては、これまで、国及び東京電力に対し、環境や風評への影響などを十分に議論の上、国民や県民に丁寧に説明をしながら、慎重に検討を進めるとともに、具体的な風評対策の提示とトリチウムに関する正確な情報発信にしっかり取り組むよう求めてきたところでございます。

【記者】
 そうすると、従来の情報発信と風評対策から踏み込まない、そこに留まるということでしょうか。

【知事】
 受け止め方はいろいろあると思いますが、県としては、これまで処理水の問題について、常に国と東京電力に対して、ぶれずに一貫したお話をしてきたところでございます。

【記者】
 新たな意見については、今のところ考えていないのでしょうか。

【知事】
 今、申し上げた意見に基づいて、これからもしっかり臨んでまいります。

  国への要望活動について

【記者】
 ようやく都道府県の往来も緩和になりまして、今週、知事も要望活動に行かれると思いますが、これまでテレワークでお話を進めてきて、今回の要望活動をようやくフェイストゥフェイスで出来るようになったということで、このフェイストゥフェイスの必要性についてどのように感じているのか教えてください。

【知事】
 24日の水曜日に、官邸を始め、各政党、関係省庁に対し、令和3年度における福島の復興・創生に向けた提案、要望活動を行います。全国的に新型コロナウイルス感染症の影響が深刻な状況ではありますが、そのような中においても、福島県の復興・創生に向けた歩みを遅らせてはなりません。特に、復興・創生期間の最終年度となる本年度の要望活動は、本県の復興・創生を更に加速させる上でも、極めて重要であります。避難地域の生活環境整備や、帰還困難区域の復興・再生を始め、福島イノベーション・コースト構想等の更なる推進、風評・風化への対応、コロナウイルス感染症による甚大な被害からの再生など、引き続き、十分な体制と財源の確保を求めてまいります。
 この3か月余、新型コロナウイルス感染症の影響で、こうした東京への要望活動が難しい、あるいは出来ない状況になっていました。私自身、政府の大臣等とのテレビ会議や、全国知事会議のWEB会議、県内の市町村長とのテレビ会議というように、リモートワークを駆使して対応を行ってきました。これはこれで、一定の成果はあったと思います。
 しかし、相手方とお話しますと、リモートワークの良さもありますが、限界もあるということを認識しております。
 先日、19日に復興大臣が来られました。大臣とはこの間、6回ほどテレビ会議を行っており、いつもと違って相当距離のある対面でしたが、今回直接お会いすることで、実際に顔を見ながらお話しするメリット、大切さを感じたところであります。
 今、「ウィズコロナ」の時代です。東京での活動を、一定程度控えつつ、本当に必要な時には伺う。一方で、リモートワークが活用できる場合には活用する。その両立、バランスが大事だと考えております。

【記者】
 コロナの影響で、福島の復興についての話題が取り上げられなかった時期が多かったと思います。知事もおっしゃったように、風化についても対策をしなければならないということで、(このまま)風化してしまうのではないかという不安も、福島県民にはあったと思います。その点について、知事はどのように感じていますか。

【知事】
 私自身、新型感染症に向き合い、感染症拡大防止に力を入れてきました。感染症対策を講じながらも、常に頭の中には、「福島の復興にマイナスの影響が出るのではないか」という危機意識がありました。
 この3か月余、新型感染症によって、例えば、これまで浜通り等で懸命に復興を頑張ってこられた方がそういった活動や、事務所、お店をしばらくの間、休まざるを得ないという状況がありました。こういった状況の中で、心が挫かれかねないという心配を持っておられるというお話を聞いております。あるいは、この3月、4月は、復興に向け、大きく前進するいろいろなイベントや行事等が計画されていましたが、それが思うように出来なかったという現実もございます。
 また、私自身、機会があれば、出来る限り市町村や現場に伺い、お話を直接聞いているのですが、感染症の影響でそれが出来なかったというのもありました。
 こういった危機意識の中で、全国的に、東日本大震災、原子力災害からの復興という話題が、どうしても表に出づらい3か月間であったと思います。こういった状況について、復興大臣、政府、我々も共有しながら、復興・創生期間の最終年度において、これまでの遅れを取り戻すことが出来るよう、より力を入れていくことが重要だと考えています。

  東京都知事選について

【記者】
 18日に告示された東京都知事選について伺います。現職の小池百合子さんら22人が立候補しており、新型コロナへの対応や、東京五輪開催の是非が争点になっておりますが、福島県としては、東京五輪の議論が最も関心事であると思います。知事は都知事選をどのようにご覧になっていますか。

【知事】
 東京都は日本の首都であり、そのリーダーである知事の在り方は非常に重要であります。福島県との関係を申し上げますと、震災以降、東京都からは、避難者の受け入れを始め、職員の派遣や都内での復興、応援イベントの開催など、様々な御支援を頂いてきました。私自身、副知事時代から、猪瀬都知事、舛添都知事、小池都知事に様々な事業を進めていただいたことが記憶に残っております。
 また、1年延期された東京オリンピック・パラリンピックに向け、さらに今回の新型コロナウイルス感染症対策においても、東京都との密接な連携が必要であると考えております。引き続き、福島県の復興への御支援をお願いするとともに、感染症の収束に向けて協力しながら取り組んでいきたいと考えております。

【記者】
 東京都から応援職員を派遣していただいているということですが、MICE誘致や東電など、小池都知事と連携されてきた中で、知事としては、小池都政の4年間をどのように評価されていますか。

【知事】
 都知事自身が、様々な都の課題に向き合いながら真摯に対応してこられたと思います。特に、今回の新型コロナウイルス感染症の問題では、東京都における感染者の数は非常に多いです。これは、都民(への対応)だけでなく、クルーズ船の患者の受け入れなども含め、首都ならではの御苦労もあったことと思います。こういった難題に対しても、首都である東京都の在り方が全国に対して大きな影響を及ぼすと考えております。
 また、福島の復興についても、この4年間、小池知事と一緒に活動した様々な機会がありました。小池知事においては、一生懸命、福島の復興・創生に御尽力いただいたと受け止めております。
 一方で、今回の都知事選では、多くの候補者の方が出ておられます。今後、都民の皆さん一人一人が熟慮した上で投票されるものと受け止めております。

  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 新型コロナに関する情報公開について伺います。先日、(県内で感染拡大した場合の県独自の)基準に関して、検討はしているけれども、公表については未定であるというお話がブリーフィングの中でありました。検討しているとのことなので、公表する可能性もあると思いますが、これだけ県民に関わることについて、「公表しない」という選択肢を持っていることに驚いています。事業者も基準が分かっていれば、予測を立てて仕入れを絞ったり、予約を断ったり、自分の生活を守る手段を取れるので、公開すべきではないかと感じました。
 先日の空港の検査で(陽性患者が)出た際の居住地(の非公表)を見ても、県民の感情と情報公開の姿勢に多少ずれがあるように感じています。情報公開なども県には示していただきたいという思いがあるのですが、情報公開の改善について、知事の考えを聞かせてください。

【知事】
 今回の新型感染症について、情報をどこまでオープンにするのか、一方で、感染された方のプライバシーをどこまで守るのか、このバランスの中で、悩みながら対応してきたという現実がございます。私自身は、県民の皆さんの安全・安心の確保のために、出来る限り情報を出していく必要があると考えております。
 御指摘がありました、今後、感染が拡大した場合においての、指標の在り方をどうするのかということも重要な観点かと思います。直近1週間における人口10万人当たりの新規感染者数、これが基本になると考えております。具体的な対応に当たり、関連する指標もありますので、そうした指標、あるいは近隣県の状況なども総合的に勘案しながら、判断していく必要があると思います。具体的な判断指標等々については、引き続き、検討を深めてまいります。

【記者】
 19日に都道府県をまたぐ移動制限の解除、イベント実施基準の緩和などもあり、取材に行きましたが、鶴ヶ城はかなり人出が回復しているようでした。一方で、東京都の新規感染者数はかなり高い状況が続いています。今後、この社会・経済状況と感染対策のバランスが重要であると思いますが、知事はこの週末の人出の受け止めと、今後の在り方について、どう考えていますか。

【知事】
 6月19日以降、県と県をまたいだ移動が、全国47都道府県において解除されております。それを受けて、報道等を拝見しますと、人出が増えてきたなというのが実感としてあります。一方で、具体的な数字を拝見しますと、前年との比較では大きく落ち込んだままですので、恐らく、緊急事態宣言が出ていた時よりは、ある程度は出掛けるものの、従前の生活に戻っているわけではない。そういったバランスを考えながら、行動いただいているものと受け止めております。
 私自身も今週の水曜日に東京へ出張しますが、「この状況の中で行くことはどうなのか」、「これは今でないとならないのか」、「(本当に)必要なのか」、「リモートワークでできないのか」、こういったことを勘案しながら、今回、行くことを決めております。国民一人一人、県民一人一人が、仕事、観光、お出掛けをする際に、「新しい生活様式」の中で、自分の一つ一つの行動はどこまで重要なのか、今やらないといけないのかということを念頭に置いていただいていると思います。まだ(緊急事態宣言が)解除されて間もない状況です。これが1週間、2週間、1か月と経っていく中で、「新しい生活様式」への意識が薄れてくる可能性もあろうかと思います。「ウィズコロナ」の時代ということを常々申し上げておりますが、1か月、2か月経っても、新型コロナウイルスと向き合っていかざるを得ないのが実情ですので、県として、注意喚起を行っていきたいと思っております。一方で、社会活動、経済活動を、事業者の皆さんが工夫をしながら、新しい一歩を踏み出そうとしておられます。こういった皆さんの姿勢に対し、県としては様々な支援を行い、安心できる環境で社会活動、経済活動を再生できるよう、これからも力を入れていきたいと思います。

 (終了)

【問合せ先】  

1 災害公営住宅家賃低廉化事業について
→土木部建築住宅課 電話024-521-7519

2 指名競争入札制度について
→総務部入札監理課 電話024-521-7889

3 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

4 国への要望活動について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-8014

6 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238