■日時 令和2年11月2日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 東北電力女川原発2号機再稼働について
3 Go To イートキャンペーンについて
4 知事再選から2年について
5 大阪都構想について
6 トリチウム水の処分方法について
【質問事項】
【記者】
新型コロナウイルスについて、ここ最近、新規感染者数が1ないしゼロという日が続いております。知事は、この現状をどのように捉えているのか伺います。
【知事】
少し長くなりますが、丁寧にお答えさせていただきます。10月に福島県内では135名の感染が確認されています。これは最多となった9月の92名を上回る数値です。一方で、1週間単位の感染者数で比較しますと、10月11日からの1週間は48名、次の1週間は24名であったのに対し、最近の1週間は2名となっており、減少の兆しが見え始めています。
感染が拡大していた郡山市においても、直近の1週間は新規感染者が確認されておらず、減少傾向にあります。引き続き、駅前の飲食店に対するPCR検査を実施するとともに、県としても郡山市と連携して、飲食店を対象とした感染防止対策セミナーを開催するなど、感染防止対策に取り組んでまいります。
また、福島県内では、これまで感染者が確認されていなかった町村においても、散発的に感染が確認されています。さらに、最近では北海道、青森県、宮城県などで大規模なクラスターが発生し、短い期間で非常に多くの感染者が確認されています。一度、クラスターが発生しますと、感染が大きく拡大してしまいます。福島県内は、決して感染拡大が収束した訳ではありません。依然として先行きは不透明であり、引き続き、今後の推移を注視していく必要があります。
先週、7月から10月までの感染状況について分析しました。その結果、県外から流入した感染を起点として、家族や職場内へ広がったと推測されることから、家族内から福祉施設等への感染防止を徹底することが重要です。
県民の皆さんには、御家庭の中においても基本的な感染症対策をしっかり行っていただくとともに、少しでも体調に異常を感じた場合には、かかりつけ医、または「受診・相談センター」に相談していただくようお願いいたします。
また、先月開催されました政府の感染症対策分科会の提言において、感染リスクが高まる「5つの場面」が提示されるとともに、「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」が示されております。感染リスクが高まる場面として、一つ目は「飲酒を伴う懇親会等」、二つ目は「大人数や長時間に及ぶ飲食」、三つ目は「マスクなしでの会話」、四つ目は、寮などの「狭い空間での共同生活」、五つ目は仕事での休憩時間に入ったときなどの「居場所の切り替わり」が挙げられています。こうした場面において、ある程度の時間、マスクを外して近い距離で会話をすることは感染リスクが高くなりやすいと指摘されています。「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」につきましては、ガイドラインを遵守したお店の利用や、お酒を飲む場合には小人数、短時間、なるべく普段一緒にいる人と適度な量でといったことが示されております。県民の皆さんにおかれては、感染リスクを高めやすい場面においてのマスク着用など、感染防止対策を徹底していただき、感染対策が十分講じられていない場所への外出等は控えるなど、一人一人の慎重な行動をお願いします。事業者の皆さんにおかれては、改めてガイドライン等に基づく感染防止対策の点検と徹底をお願いしたいと思います。
また、県では、ガイドラインに基づく感染防止対策を適切に実施していることが確認された飲食店に対して、ステッカーを配付する取組を行っています。県民の皆さんが安心して利用できるよう、こういった制度の積極的な活用をお願します。
【記者】
先日の北海道東北地方知事会議で、これから冬になり、特に家庭内では換気が難しいため、国に具体的な対策を示すように求めるという提言があったと思います。家庭内での対策というと、家の中でもマスクをすることなどがあるかと思いますが、もう少し具体的に教えてください。
【知事】
先ほど申し上げましたように、9月、10月の2か月間を振り返ってみますと、やはり、県外から入ってきた感染を起点にして、御家族、職場といった身の回りの方に感染が広がるという事例が見受けられます。家庭内の対策については、「新しい生活様式」を徹底していただくことが大事です。特に、外から帰ってきた時に着替える、手を洗う、こうした対策を徹底して行うことが重要です。
また、先日の北海道東北地方知事会議で議論になりましたが、冬場に、これまでのように窓を空けて換気することは現実的ではありません。したがって、現在、西村大臣や政府の専門家に対し、寒い地域において冬場の換気をどうするのがより現実的であるかというアドバイスを求めておりますので、今後の政府における検討を注視していきたいと思います。寒い空気が入ってくると、かえってマイナスになるというお話もありますので、こういった点も、政府における専門家としての御意見を頂きたいと思います。
家庭内でのマスクの問題ですが、もちろん身近な御家族との関係で、常にマスクを着用して欲しいということではありません。食事をする機会もありますので、その際はマスクを外すことになりますが、手洗いや消毒薬でしっかり殺菌してから食事をしていただくことが大事だと思います。御家族の中で体調の悪い方がいる場合は、例えば、その方と一緒の食事は出来るだけ避ける、あるいは御家庭の中でもマスクを付けるというのがより適切だと思います。また、御家庭の中で高齢の方、あるいは持病、既往症を持っておられる方がいる場合で、その方と比較的長くお話をする場合には、マスクを着用することも必要だと思います。家庭によって事情が異なりますので、一律にこうしてくださいとは言えませんが、大切な方を守るために、自分の家ではどうするのがより望ましいのか、御家族で話し合いをしていただければありがたいと思います。
【記者】
女川原発2号機の再稼働について伺います。先日の北海道東北地方知事会議で、宮城県の村井知事から、「他県の知事にも意見を伺いたい」という発言がありましたが、知事は、どのような意見を表明される予定ですか。
【知事】
先週の北海道東北地方知事会議において、宮城県の村井知事から女川原発についてのお話がありました。控室で宮城県知事から、「ある県の知事から、隣県の意見も参考に聞いて欲しいとの意見を受けて、今回のお話をした」という補足の説明がありましたので、そのような御発言があったものと受け止めております。
【記者】
今週の金曜日が期限となっておりますが、内堀知事としては意見を表明される予定はないということですか。
【知事】
宮城県の村井知事からは、福島県に対して特に意見を求めているものではないというお話を直接、頂きました。
【記者】
福島第一原発事故後、福島県としては様々な教訓があると思いますが、再稼働を議論するに当たり、どういった教訓を伝えられると思いますか。
【知事】
女川原発については、先ほどお話ししたとおりです。福島県が、2011年の3月に過酷な原発事故を体験した県として、これまで一般的に申し上げておりますのは、原子力政策については、福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び事業者の責任において検討がなされるべきものということです。私はこの9年半、機会あるごとにこういったことを訴えてまいりました。
【記者】
女川原発再稼働に当たっては、避難計画の実効性が問題視されていると思います。福島の場合は、双葉病院や浪江の津島地区への避難などの教訓を伝えられると思いますが、避難計画について、どのようなメッセージを伝えますか。
【知事】
女川原発についての基本的な見解は先ほど申し上げたとおりです。その上で、今、御指摘がありましたとおり、2011年3月12日以降、原発事故が発生しました。その際、住民の皆さんは、突然、避難することとなり、いわゆる弱者の方が避難の面で非常に御苦労がありました。病院の方、高齢者の方、車を持っていない方、あるいは親戚の方が比較的近いエリアにおられない方、そういった方々が、3月の一時的に雪も降っていた中、避難に非常に苦労されたことが、私どもの経験です。こういった経験を、これまで様々な冊子にまとめたり、あるいは伝承館等においても一部触れておりますが、今後も機会あるごとに伝えていくことが重要だと考えております。
【記者】
女川原発について、(宮城県知事からは、)特に意見を求められてないということですが、県内の原発に反対している一方で、県外の原発に対し何も言わないのは、福島県の教訓が県内限定となるのではないかと思います。
宮城県の村井知事が意見を呼び掛けたのであれば、「何よりも住民の安全・安心を考える」ということを意見として出しても良いのではないかと思いますが、出さない理由について教えてください。
【知事】
今回、宮城県知事が知事会議で御発言をされたのは、特定の県知事の求めに応じてお話されたものであり、宮城県として、福島県に意見を出して欲しいということではないと、村井知事から直接聞いております。
ただ今の御発言については、御意見として受け止めさせていただきますが、福島県としては、これまで9年半余り、全国知事会の場も含め、機会あるごとに原発事故を経験した思いを訴えてきたところです。
【記者】
特定の県というのは、隣県の意見も聞いて欲しいと記者会見でおっしゃっていた山形県のことだと思いますが、山形県知事は原発事故の教訓として、(事故が起こると)被害が広範囲に及ぶ、つまり県境は関係ないため、隣県の意見も聞いて欲しいという発言をされたと承知しています。
福島第一原発の事故は宮城県にも影響を与えていますし、女川原発で何かあった場合、隣県は山形だけでなく福島もそうであり、当事者になり得ると思います。村井知事は、特定の県から求めがあったから発言したとおっしゃったのかもしれませんが、この機会を捉えて、福島県として発言することがあっても良いのではないかと思います。
【知事】
御意見として受け止めさせていただきます。
【記者】
今日からGo Toイート食事券の販売が始まり、感染リスクの高い飲食店を利用される方も増えてくると思いますが、県としての受け止めや呼び掛けたいことがあれば、教えてください。
【知事】
私たちは、今なお、「ウィズコロナ」の状況にあります。そういった状況の中で大切なことは、感染防止対策の徹底と地域経済・地域社会の維持・再生を両立していくことです。
県内では、本日から食事券が販売されました。参加される飲食店は、感染防止対策を講じることが条件となっています。皆さんに安心して来店してもらえるよう取り組んでおりますので、県民の皆さんには、この機会に是非、県内の飲食店を応援していただければありがたいと考えております。
【記者】
利用可能なお店は安心なので、どんどん利用して欲しいというのが、県としての考えということでよろしいでしょうか。
【知事】
緊急事態宣言が解除されて以降、県内の多くの飲食店は、本当に感染防止対策に気を配っておられます。その上で、お客様に来て欲しいということで、様々な努力を重ねています。
今回、このGo Toイートキャンペーンに参加いただく飲食店については、感染防止対策をしっかり行っていただくことが条件となっております。県民の皆さんには、このキャンペーンを利用される際、自分が行くお店がきちんと対策をしているかを確認した上で利用していただき、食事を楽しんでいただきたいと思います。
一方で、先ほどお答えしましたように、大きな声で長時間お酒を飲むことなどは、(感染リスクが)厳しい状況になりますので、事業者、利用される県民の皆さんが「新しい生活様式」を守りながら、Go Toイートキャンペーンに参加していただくことが何よりも重要だと思います。
【記者】
2018年10月に内堀知事が再選してから丸2年となりましたが、折り返し地点を迎え、この2年を振り返って、また、残りの任期2年の課題や取り組みたいことについて教えてください。
【知事】
ただ今、御指摘を頂き、2年の折り返しであることを率直に実感しているところです。
2018年に2期目がスタートしてから1年半は、復興の歩みを着実に進めることが出来たと考えています。もちろん、その途中で令和元年東日本台風もありましたので、復旧の問題はありましたが、東日本大震災と原発事故からの復興と台風災害からの復旧といった目標が明確であり、一定の方法が出来上がった中で着実に前進してきました。さらに、今年の東京オリンピック・パラリンピックという目標もありましたので、前に進んでいるという実感があったのが、前半の1年半だったと思います。
今年に入り事態が急変し、この半年間、新型コロナウイルス感染症の対応に相当の精力を注入しています。御承知のとおり、福島県は、第1波、第2波で感染された方が400名近くいるという厳しい状況にある一方で、地域経済と地域社会が、感染症の影響の下で非常に沈滞してしまいました。これを何としても再生していかなければならないという真っ只中に、この折り返しのタイミングを迎えたと思います。
これからの2年間の任期の中で、改めて東日本大震災、原発事故からの復興、令和元年東日本台風からの復旧、新型コロナウイルス感染症を踏まえての感染防止対策と地域経済・社会の再生、さらに人口減少対策に向けての地方創生などの課題が山積しており、その課題を同時並行で進めていかなければならないという思いを持っています。
特に復興については、あと5か月で第2期復興・創生期間のスタートとなります。大事な過渡期にありますので、政府に対して今の福島の現状を正確に伝え、これからの新しい5年間も福島の復興・再生が着実に進むよう、知事としてリーダーシップを発揮してまいります。
【記者】
大阪都構想についてお伺いします。大阪市を廃止して特別区に再編する都構想の住民投票が僅差で否決となりました。二重行政を排除して大阪の成長につなげようという目的でしたが、行政の在り方が問われたものでもあると思います。今回の結果について、知事はどのように受け止めていますか。
【知事】
大阪都構想の否決については、大阪市民の皆さん、それぞれが検討し、判断された結果であると受け止めております。今回、この構想について様々な議論が交わされました。地方が抱える課題の解決に当たっては、何よりも住民の立場に立って、様々な観点、角度から検討がなされ、議論を深めていくべきであると考えております。
【記者】
東京電力福島第一原発の処理水に関してお伺いします。先週の会見でも、正確な情報発信、具体的な風評対策が必要だと知事は見解を述べられました。
県は、これまで処理水の処分方法については賛否を示しておりませんが、その情報が十分に伝わって風評対策が整えば、処分を容認するというお考えでしょうか。また、情報が県民や国民に十分に伝わったと判断する指標など、どういった点で判断されるのか伺います。
【知事】
現時点において、仮定の前提に対してお答えをする段階にはないと考えております。国においては、様々な意見を踏まえて、慎重に検討を進めていただきたいと考えております。
また、国自身が当事者として、国民の理解を頂きながら努力を重ねていくことが重要であります。県としては引き続き、国に対して、正確な情報発信と関係団体等への丁寧な説明を求めてまいります。
【記者】
政府の小委員会では、処理水の処分の必要性を指摘しています。県として、処理水の処分の必要性に関してはどういった立場でしょうか。その必要性についても、政府の判断に委ねるという姿勢でよろしいでしょうか。
【知事】
国の小委員会の報告においては、処理水の取扱いについて様々な観点から専門的、総合的な検討が行われてきたところです。処理水の取扱いについては、それぞれの立場から様々な御意見がありますので、国においては、こうした意見等も十分に踏まえ、慎重に判断すべきものと考えております。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
2 東北電力女川原発2号機再稼働について
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
3 Go To イートキャンペーンについて
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270
6 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252