■日時 令和2年8月31日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室
【発表事項】
1 「福、笑い」パッケージデザインについて
【質問事項】
1 県オリジナル米「福、笑い」について
2 自民党総裁選について
3 第2期復興・創生期間について
4 新型コロナウイルス感染症について
【発表事項】
新しい県オリジナル米「福、笑い」のパッケージデザインについて、発表いたします。
「福、笑い」は、日本中が感動するようなお米をつくりたいとの思いで、食味と品質にこだわって開発しました。 「福、笑い」のパッケージデザインについては、デザイナーの寄藤文平氏に依頼し、県クリエイティブディレクターの箭内道彦氏の監修の下で制作しました。
このデザインは、「田園や米づくりにまつわる世界」を表現しており、「あたたかみのある手づくり感」や、皆さんから愛される「新しいプレミアム感」をコンセプトにしています。そして、店頭でしっかりと目立ち、家に持ち帰りたくなるような袋になることを意識して制作しました。
新しいパッケージの「福、笑い」は、11月から期間と店舗を限定して先行販売いたします。このデザインを通じて、ふくしまの米のトップブランドとなる「福、笑い」のおいしさ、魅力がより伝わるよう、関係の皆さんと力を合わせ、プロモーションに取り組んでまいります。
【質問事項】
【記者】
「福、笑い」のパッケージを初めてご覧になった際の第一印象と、今後、発売に向けた期待について改めてお聞かせください。
【知事】
今回のデザインのコンセプトは、3つあります。一つ目が「新しいプレミアム感」、二つ目が「田園や米づくりにまつわる世界」、三つ目が「店頭でしっかりと目立つ」、この三点です。既存のお米のパッケージとは一線を画す、思い切ったデザインとしました。
私自身がこのパッケージデザインを初めて見て感じたのは、「懐かしい」という思いであります。新しい令和の時代でも、このデザインを通じて福島らしい懐かしさや温かさが皆さんに伝わり、そして食べていただいて、「福島の米はおいしい」、「高級だ」、「品質が高い」といった、農業生産に関わる皆さんの「ふくしまプライド。」がまっすぐ伝わるすばらしいデザインだと考えています。
【記者】
「福、笑い」は11月から先行販売ということで、県としては積極的に県外に出向いて売り出したいところですが、コロナ禍の中で難しいのかなと思います。販売戦略、プロモーションについてどのように取り組むのか、知事の考えを教えてください。
【知事】
この「福、笑い」の本格デビューは来年秋となります。したがって、今年はプレデビューの年ということになります。11月に実施するプレデビューイベントを皮切りとして、首都圏や県内で、期間と店舗を限定した先行販売を行います。その際、企業や飲食店等とのタイアップ、小売店等へのサンプリング、各メディアによる情報発信を継続的に行いながら、来年の本格デビューに向けたPRを進めてまいります。
一方で、御指摘がありましたとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、従来のような、知事が実際に東京や大阪のお客さんに一人一人、間近で、直接サンプルを渡しながら行う対面型のトップセールスは、11月になっても難しい部分があるかもしれません。今、農林水産業のトップセールス、あるいは観光のセールスなど、コロナ禍においてどこまで可能かということを含め、様々な対応について考えています。「福、笑い」は、福島県にとって大切なブランド米であることから、「ウィズコロナ」の状況下でも出来るプロモーションを、これから悩みながら考えていきたいと思います。
【記者】
自民党の総裁選について、報道にもありますが、党員投票を省略するのかということが議題の一つとなっています。知事は、新しい総裁を決めるに当たって、どのような総裁選となることが望ましいと考えますか。
【知事】
私自身は福島県知事として、自民党の総裁選の具体的な手法についてコメントすることは差し控えたいと思います。
福島県知事として、今後選ばれる新しいリーダーに対して申し上げたいことは、安倍総理が2012年12月に就任されて以来、「福島の復興なくして日本の再生なし」「安倍政権の閣僚は全員が復興大臣だ」ということを常に掲げながら、復興政策に努めてこられたことです。
新しいリーダーにおいても、是非、そうした思いを心に置いて、実際に被災地に幾度も足を運び、被災地の状況、避難者の皆さんのお気持ち等を実感しながら、福島の復興に真正面から取り組んでいただけることを期待しています。
特に、今後、復興・創生期間の残り数か月間、そして、第2期復興・創生期間に入ります。新しいリーダーは、正にその期間における福島の復興を担うという重要な立場になります。今後とも、福島の復興をしっかり進めていくことで、日本全体が元気になっていくという思いを持って取り組んでいただければありがたいと思います。
【記者】
第2期復興・創生期間には幾つもテーマがありますが、その中で、具体的に福島にはこういう課題が残っているということを挙げていただけますか。
【知事】
昨日、復興大臣、経済産業大臣、環境大臣を始め、政府の関係の方々が出席され、福島復興再生協議会が開かれました。その場で私から申し上げたことが七点ございます。一点目は第2期復興・創生期間の在り方について、二点目が被災地の復興・再生について、三点目が避難者の生活再建について、四点目が風評・風化対策について、五点目が新産業の創出と既存産業の再生について、六点目が福島イノベーション・コースト構想の推進について、七点目がインフラ等の環境整備についてです。
七点は、数が多いと思うかもしれませんが、この7つ全てを同時並行で、第2期復興・創生期間において進めていくことが重要です。特に、6月の国会等において、今後の新しい復興期間における組織、制度、財源をしっかり固めていただきました。令和3年度は、第2期復興・創生期間の初年度となります。この初年度における予算を、新しいリーダーのもとでしっかりと確保していただくこと、これが福島の復興・創生を更に前進させるための重要なポイントになろうかと思います。私自身、先ほど述べた七点と福島の現状について、次の新しいリーダーに直接訴えていく必要があると考えております。
また、併せて大切なことが、今は「ウィズコロナ」であるということです。半年前までこういった状況になることは、恐らく誰も想定していなかったと思います。福島県における様々な復興に係る計画や構想等がありますが、「ウィズコロナ」、「ポストコロナ」によって、大きく影響を受けると思います。今後、政府においても、こういった状況変化に臨機応変に対応していただくことも、併せて訴えていきたいと考えています。
【記者】
28日に、政府がインフルエンザの流行期に備えた新型コロナウイルス対策の施策パッケージを決定しました。この中で、検査体制の整備計画を10月までに策定するよう、都道府県に要請するほか、都道府県単位で潜在保健師らの登録制人材ワークの創設などの検討を進めています。インフルエンザ流行期を迎えるに当たり、医療体制の不十分な部分や懸念されている課題、県独自で既に決まっている施策等があれば教えてください。
【知事】
御指摘のとおり、この秋冬、インフルエンザと新型コロナウイルスが並存する時期に備えた準備は極めて重要であります。政府においても、先週、新たな方向性を出されました。今後、県としても、その内容を検証し、実際の施策にしていきたいと考えています。
一方、本県においては、既に先週の段階で、検査体制や医療提供体制について充実・強化していることを公表しております。例えば、検査体制については、PCR検査を1日当たり600件実施できることを明らかにしております。PCR検査実施数は日によって差があり、多い日は300件の検査を行う一方で、100件ぐらいの日もありますが、今後、検査の必要数が増えることも想定されるため、臨時的に数が多くなった場合にも柔軟に対応できるような検査体制の充実について、政府の方向性も見ながら検討を深めていきたいと考えています。
そして、一番大切なことは、医療提供体制の強化です。これまで病院が229床、ホテルで100室、計329名分の準備をしてまいりました。病院の入院準備体制は、フェーズ1からフェーズ4まで4段階ありますが、現時点において、本県では既にフェーズ2の体制が出来ております。さらに先週、それを強化できるという見通しをお示ししましたが、それは629床となります。福島県において、(感染が)一番厳しい時の体制として、厚生労働省は500床必要と示しておりますが、それを上回る入院体制を、先週の段階において明確にさせていただいております。したがって、今後、感染状況が悪くなっていった場合に、この629床をスムーズに準備できるように、さらに中身を整えるとともに、それ以上に病床を増やす可能性についても、今後、探っていきたいと思います。
いずれにしても、国が秋冬のインフルエンザとの並存期に備えて重要な方向性を出しました。先週公表した県としての見通しについて、国の方向性を見ながら再度検証し、しっかり充実・強化を行うことで、県民の健康を守っていきたいと考えております。
【記者】
先週、県内ではコロナの患者が多く確認され、現在、人口10万人当たりの数が東北地方では一番多く、隣県と比較しても多くなってきたと思います。知事は、移動する先の感染状況を見ながら(移動して欲しい)と県民に呼び掛けていますが、本県に来られる方に対し、呼び掛けたいことがあれば教えてください。
【知事】
8月に入り、新しい感染者の方が増えております。現時点で(8月の感染者は)69例が確認され、4月のピーク時と並ぶ数値であります。また、今月に入って新たなクラスターも2件、確認されています。予断を許さない状況であり、改めて危機意識を持って、県の新型コロナウイルス感染症対策を進めていかなければいけないと考えております。
そういった中で、仕事や観光、あるいはプライベートなど、様々な機会で福島県に来られることもあろうかと思いますが、「新しい生活様式」を守って来県いただきたいということをお願いしたいと思います。先月から、この2か月間、徐々に感染が継続しておりますが、感染した事例を見ますと、大多数が県間の移動に伴うものです。福島県民の方が大都市で感染した、あるいは、大都市に住んでおられる方が帰省等で福島に来られ、御家族等と食事などをされる中で、結果として感染が広がったという事例が多く見られます。この感染が広がる時、必ず「新しい生活様式」のどれかが欠けているということが考えられると思います。
改めて、私から県民の皆さんに、3つお願いしたいことがあります。一点目が「ウィズコロナ」という意識の徹底です。「ウィズコロナ」というのは、家から一歩外に出たところに新型ウイルスがあるということだけではなく、家の中にもウイルスが存在している可能性があるということです。家の中でも、例えば、自分自身の衣服や身の回りの物に付いて、実際にウイルスが持ち込まれる場合もありますし、知らないうちに無症状のまま、御家族や自分自身が感染している可能性もあります。したがって、「ウィズコロナ」というのは、家の外だけではなく、家の中でもあり得るということが一点目です。
二点目はマスクの重要性です。8月の様々な感染事例を拝見しておりますが、マスクを外して食事をする、あるいは御家族、家庭の中ではあまりマスクをされてないと思いますが、そういう状況下においての感染事例があろうかと思います。したがって、マスクは非常に効果があり、外で着用することはもちろんのこと、家の中においても、長く会話する場合や、高齢者の方、病気をお持ちの方と接する際は、必要に応じてマスクを着用することもあり得るかと思います。
三点目は、粘り強さをお願いしたいと考えております。2月以降、特に3月以降は、本格的に新型感染症との闘いが続いています。恐らく、県民の皆さんも「もう疲れた」、「ずっと気を張っていて大変だ」という気持ちがあろうかと思いますが、残念ながら今も「ウィズコロナ」の時期が続いておりますし、さらに今月に入って69例という多くの新規感染が確認されている状況の中、「新しい生活様式」を徹底していただくこと、これに尽きると思います。これまでの数か月で疲れたという思いはよく分かりますが、これからも粘り強く、一人一人が、あるいは事業者、お店の皆さんがこの感染症対策を心がけて、続けていただくことをお願いしたいと思います。
また、マスクを着用する、3密を避ける、換気をするといったことを行っている中では、リスクは極めて低くなっており、(これらを実施することで、)結果として感染していないという事例も多々ございます。同じ御家族の中でも、一定の距離がある場合には感染がありません。したがって、「新しい生活様式」は有効であり、何とか粘り強く取り組んでいただくことを県民の皆さんにお願いします。また、今後、福島県に様々な機会でおいでになる皆さんにも、それを共有していただければありがたいと考えております。
【記者】
8月の感染者が69人で、緊急事態宣言下の4月と同水準になったということですが、改めてこれは「第2波」という認識で捉えていいのか。また、政府による宣言の再発令の必要性についてはどう考えますか。
【知事】
8月に入ってから昨日の時点で、69名の新規感染が確認されております。また、新たに2例のクラスターも発生している。こういう中において、福島県は第2波の状況にあると考えております。こういった厳しい状況の中で、大切なことが2つあります。一つが検査体制、医療提供体制を強化すること。そしてもう一つが、県民の皆さん、事業者の皆さんに「新しい生活様式」を徹底して継続していただくことです。
一方で、4月の緊急事態宣言下における第1波の状況とは異なる部分もございます。まず、医療提供体制ですが、4月の段階では病床占有率が40%を超え、5割に近づくという状況まで病床が逼迫しておりました。現時点で本県においては、先ほど申し上げましたように、629床を準備できる状況にあります。したがって、入院患者の受け入れ体制は十分確保できております。
また、本県においては、ホテルを療養者用として用意しております。一般的に、各県では、軽症者、無症状者の方はホテルにおける療養などで対応されていると思いますが、福島県では、従来から新規感染が確認された方全員に病院へ入院していただいております。その中で、病院からホテルに移っていただいた方が10名余おられますが、ほとんどの陽性患者は病院に入院し、退院していただくという対応しており、この対応をこれまで継続しているところです。政府においても様々な見直しの議論が進んでおりますが、福島県においては、医療提供体制をしっかり整えており、軽症の方も、無症状の方も病院に入り、医師や看護の体制の下で、安心して治療に専念できるよう、これからも取組を継続していきたいと思います。現在の厳しい状況を踏まえ、県として、自治体、医師会、病院、関係機関の皆さんと力を合わせて、新型感染症対策に全力で取り組んでまいります。
【記者】
知事は、第2波の状況にあるという認識とのことですが、先週の段階だと、国が示した6つの指標で見ると、全国の中でも落ち着いており、「ステージ1」の状況であるという認識だったと思います。具体的に6つの指標のどれかが超えるといった数値の面で、知事の判断が変わったということですか。
【知事】
先週この場でお話をした以降、7日間で33名の新規の感染が確認されています。先ほど、今月は既に69例と申し上げましたが、半分近くがこの1週間の感染ということになります。したがって、感染者数が拡大している、(感染拡大が)継続しているという状況を踏まえ、感染者数としては、第2波の状況にあるという考えを先ほどお示しさせていただきました。
政府において6つの指標を挙げておりますが、この指標を実際に検証してみますと、本県においては「ステージ1」の状況が継続していると考えております。全体としては、県として、検査体制や入院体制をしっかり確立しておりますので、これを継続し、今後(感染が)更に増えていく状況に備えて調整を進めます。
例えば、一つのお店などにおいてクラスターが発生しているわけではなく、個別に大都市圏との関わりによって感染が発生しており、その感染によって、御家族や職場内において感染が進むという事例が、69例の大半を占めております。こういった状況を勘案しますと、県民の皆さんに対しまして、「新しい生活様式」を徹底して欲しいということを継続して呼び掛けていくことが大切であると考えております。
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
「福、笑い」パッケージデザインについて
→農林水産部農産物流通課 電話024-521-7356
○質問事項
1 県オリジナル米「福、笑い」について
→農林水産部農産物流通課 電話024-521-7356
3 第2期復興・創生期間について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-7129
4 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238