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知事記者会見 令和3年1月12日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年1月14日更新

知事定例記者会見

■日時 令和3年1月12日(火曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室

冒頭発言

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について

 

令和3年1月12日 福島県 知事   動画を再生する

 

【知事】
 本県における新型コロナウイルス感染症については、先月から感染が拡大しています。今月に入ってからも更に加速を続けており、感染ステージを判断する6つの指標が、急激に悪化しております。判断指標の一つである病床の占有率、確保病床に対する利用率は、既にステージ4の目安である50%を大きく超える60%台という高い水準で推移しており、正に「医療提供体制の危機」と言わざるを得ない状況にあります。
 また、その他の指標のうち、直近一週間とその前の週の陽性者数との比較では、112人から245人へと約2.2倍に増加しています。人口10万人当たりの全療養者数についても、ステージ3の目安である15人を超えて18.31人となっており、一週間当たりの新規陽性者数についても、ステージ3の目安に到達する勢いで推移しております。
 1月9日には、1日当たりでは最多となる46人の感染者が確認されるなど、この3連休においても減少の兆しは見られず、高い水準を維持した状態が続いていることから、現在の本県における感染状況のステージは、「感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階」であるステージ3相当まで来ているものと認識しております。このため、現在、各部局に対し、今後の対応について早急に検討するよう指示しているところであり、本日の夕方、対策本部員会議を開催し、具体的な対応等について示す予定であります。

【質問事項】

1  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 ステージの引き上げについて、具体的に何をするかは、夕方の本部員会議で決定するということですが、他県を見ますと、政府に緊急事態宣言の再発令を要請している県があります。福島県としてはどのように判断されるのでしょうか。

【知事】
 政府の分科会の提言において、ステージ4相当の地域については、緊急事態宣言など強制力がある対応を検討せざるを得ないとされているところです。
 福島県においては、感染者数の増加に伴い、医療提供体制の負荷が増大しており、病床のひっ迫具合を表す病床利用率も60%を超えるなど、厳しい状況にありますが、感染状況のステージとしては、緊急事態宣言の対象地域とするよう要請する段階にはないものと考えております。これ以上、感染状況のステージが上がることがないよう、県民の皆さん、事業者の皆さんと危機感を共有しながら取り組んでまいります。

【記者】
 ステージの引き上げに関連し、知事もステージ引き上げの判断として寄与度が高かったと思われる医療のひっ迫具合について、福島県では、(陽性者が)直接、療養施設へ入所する運用を開始していますが、それほど数は多くなく、他県のような自宅療養というのは全く考えていない状況であるため、高い数字であると思えます。病床のひっ迫具合を下げるための特別な対応を考えておられるのか教えてください。

【知事】
 まず、基本的なステージの認識についてですが、先ほど(冒頭発言で)具体的な数値を申し上げたように、ステージ3、ステージ4の判断に当たっては、政府から六つの指標が示されております。福島県においては、現在、ステージ3を超えているのは、六つの指標のうちの三つになります。したがって、現時点では、ステージ3相当に来ているという認識であることを申し上げます。その上で、病院の受入体制を今後どうしていくかについては、現在、入院者の割合が6割に近い水準で継続しており、ステージ4の指標である50%を超えていることから、強い危機意識を持っています。ただ、各県によって対応の仕方が相当異なるのが実態です。
 福島県においては、県民の皆さんの健康と命を大切にしていきたいという強い思いのもと、原則として入院を優先し、その上でホテル療養等に段階的に移行するという努力を続けてきました。一方で、最近は連日のように、20名、30名、40名といった水準が続いていることから、中々原則(全ての方)の入院も難しいのが現実であり、正に病床がひっ迫しているということの現れかと思います。そういう中で、現在、宿泊療養施設であるホテルを積極的に活用しており、現時点で、66名の方がホテルに入っておられますが、やはり出来るだけホテルを活用し、病院にかかる負荷を出来るだけ減らしていくことは重要であることから、今後とも、この取組をしっかり行っていきたいと思います。
 また、自宅療養については、(現時点において)やらないという方向で対応しておりますが、今後また急激に感染者が増えて、状況が更に悪化する場合においては、どういった形での対応がより望ましいのかという議論は行わなければならないと思っております。
 一方で、他の都道府県では、自宅療養あるいは入院調整中という状況において、急激に病状が悪化して亡くなられた方、あるいは重篤化して急きょ入院された方が幾例もあります。そういった状況を真剣に受け止めながら、どうすべきかについて検討してまいります。
 いずれにしても、まず広域自治体としてなすべきことは、病床をしっかり確保すること、そして患者さんが出た場合に、一つの地域で受入れが難しい場合は、県全体の広域で入院調整を行い、出来るだけ速やかに安全な状態になっていただくことが基本であります。したがって、ホテルなどの、いわゆる療養されるための病床も活用しながら、一方で、入院体制を何とか確保していくために、今、医療関係者と様々な調整を行っているところです。
 また、宿泊療養施設は現在、160室を用意しておりますが、今後これを拡大することも視野に調整を進めてまいります。

【記者】
 知事は、ステージ3になった場合には、制約もお願いせざるを得ないということを繰り返しおっしゃっていたと思います。具体的な内容は夕方の本部員会議で(示される)ということですが、他県の事例を見ても、また、今まで集められた知見から考えても、飲食店への要請なども避けられないと思っております。一方で、福島市の深夜営業の自粛要請期間が本日未明で切れており、この状況でまた制限されることになると、多少の混乱もあるかと思います。状況が日々動いている中で、(急きょ要請することは)やむを得ない部分もあるかと思いますが、事業者の方も説明が欲しいと思いますので、知事の考えをお聞かせください。

【知事】
 只今の御指摘は重要だと思います。まず、福島市においては、昨年の12月下旬に時短営業をお願いしました。その際、福島県全体は、明確にステージ2の状況でしたが、福島市においてのみ急激に感染者数が拡大し、12月だけで県全体の3分の2を占める二百数十名という感染者が、さらに、クラスターが拡大し、特に、病院内のクラスターがその時点で2件出ており、二次救急医療の対応も含め、通常医療、救急医療、新型コロナの医療がひっ迫するという状況にございました。そういう中において、国とも協議をした上で、福島市という地域を限定した上で時短要請をお願いしたところです。
 現在は、その時点と状況が大きく変わっており、福島市においては、一旦ある程度感染が収まりました。ただ、ここ数日は、また感染者が出て来ている事実があります。
 また、冒頭で申し上げたように、県全体で見ますと、1週間における新規感染者が(前週の)倍以上に増え、さらに、病床のひっ迫具合が6割という水準であることから、福島県全体でステージ3相当に来ているという状況にございます。
 今日の夕方に明確な方向性を御説明したいと思いますが、やはり事業者の皆さん、県民の皆さんに対して、一定の制限・制約をお願いしていくことになろうかと思います。その際、特に福島市においては、(時短営業要請が)一度解除された後に改めて(要請すること)になると思いますので、こういった点については、福島市、医療関係機関、関係事業者の組合等とも連携しながら、丁寧に説明していかなければいけないと考えております。

【記者】
 昨年の3月からコロナへの対応をされてきた中、年末年始から急激に(感染者数の)桁が変わっているように感じます。ここ数日で感染者がかなり増えていることについて、担当部局から説明を受けていると思いますが、拡大している理由をどのように分析されておりますか。

【知事】
 この1週間で245名の新規感染者数が発生しています。その前の週も112名と非常に多かったのですが、優に2倍を上回る状況です。この要因分析については、先週の県のコロナ対策本部員会議で保健福祉部長から説明しましたが、年末年始において、人の移動があったことが一つの大きな要因かと思います。
 特に、昨年の12月から1月にかけて、東京を始めとした首都圏で感染が急拡大し、その結果が今般の緊急事態宣言となっております。今の福島県の感染拡大の状況は、東京等の首都圏の感染拡大に呼応した形となって増えているのが実感です。
 実際、新規感染者の様々な状況を詳しく拝見すると、例えば、帰省された方を起点として拡大する、あるいは、首都圏から来られた方から周辺の方に感染するという事例もかなり多くあります。
 したがって、首都圏等での感染急拡大が、地方部に大きな影響をもたらすことを実感しておりますし、北関東を見ますと、栃木県、茨城県、群馬県の3県でも、この1か月で感染が大きく拡大しています。特に栃木県は、関東の中では、これまで比較的感染が抑制され、落ち着いていた地域でしたが、首都圏の感染急拡大の中で劇的に増えています。そして100人を超える水準(の感染)が幾日もあり、現在、知事が緊急事態宣言を国に対し要請するという状況まで来ています。
 栃木県は福島県の隣県です。北関東、(本県の)隣の栃木県まで首都圏の急拡大が広がってきています。こういった状況も、冒頭でお話しした「ステージ3相当に来ている」という(認識の)根幹にあります。御承知のとおり、人と人との接触によって感染が拡大するからこそ、「三密を避けよう」、「マスクをつけよう」、「会食を控えよう」ということを、これまで「新しい生活様式」として幾度もお話しています。しかしながら、年末年始においては、結果として、「新しい生活様式」が一部崩れ、そこから御家族、親戚、友人あるいは職場の同僚などに広がっていったというのが、この1週間、2週間の急拡大につながっていると捉えております。

【記者】
 県内の病床のひっ迫具合などは、最も深刻なステージ4の状況まで来ている中、知事はステージ3相当と表現されていますが、ステージ3への引き上げではなく、なぜステージ3相当なのか、その(表現の)違いを教えていただけますか。

【知事】
 ステージ3、ステージ4については、政府から明確な指標や数値基準が示されております。その中に六つの指標があり、福島県においては、ステージ3を超えているのは六つのうちの三つという状況にあります。また、ステージ4の指標を超えているのは、御指摘があった「病床のひっ迫具合」であり、「重症者の病床のひっ迫具合」はステージ3を下回るステージ2の水準にあります。ステージの判断に当たっては、六つの指標を総合的に勘案し、さらには、全体としての感染状況を県が総合的に勘案した上で決めるとされております。したがって、私どもとしては、今の福島県内の感染状況を総合的に勘案し、具体的な指標の状況を見た上で、「ステージ3相当に来ている」という認識しているところです。

【記者】
 以前の会見で、知事はステージ3へ引き上げた場合には、県外への往来自粛や、飲食店への時短要請などもお願いせざるを得ないとにおっしゃっていました。詳しくは今日の本部員会議で決定すると思いますが、このステージ3相当となった場合に、県民にどのようなお願いをすることになるのか、今の段階で(答えられる範囲で)教えていただけますか。

【知事】
 今、正にその議論を集中的に行っているところです。この3連休の間も、日々の感染状況や、首都圏、北関東あるいは周辺地域の状況について、指標を一つ一つ見ながら、議論を進めてきたところであります。
 したがって、現時点において、まだ具体的なお話をする段階にはありません。現在、内閣府、政府と協議を行っているところであり、政府との協議も踏まえた上で、本日の午後、皆さんにステージ3相当における福島県としての具体的な対応策を明確に御説明させていただきたいと考えております。

【記者】
 県内において、コロナで亡くなられた方が、昨日時点で30人になりました。年代別では、やはり80代、90代など高齢者の方が7割以上と見ておりますが、ステージ4の東京都などと比較しても、全体の感染者(に占める)割合で見ると、福島県が2倍、3倍と高い推移となっていて、今後も心配が予想されます。(このことに対する)知事の受け止めと、これから懸念される部分について教えてください。

【知事】
 今お話がありましたとおり、県内で亡くなられる方がここ1か月で急増しております。亡くなられた方と御遺族に対して心からお悔やみを申し上げます。
 福島県においては、30名の方が亡くなられました。全国的な死亡率は約1%となっておりますが、規模の違いなどもありますので、一概に比較することは難しい部分もあろうかと思います。お亡くなりになられた30名のほとんどは70代以上の方であり、死亡例のほとんどが重症化しやすい高齢者であることが、福島県の死亡率が高い要因の一つとして挙げられます。高齢者や基礎疾患のある方が集まる医療機関や、高齢者施設等においては、より一層の感染防止の徹底が求められることから、引き続き、県としてこうした呼び掛けを強く行っていきたいと思います。
 また、このように亡くなる方がここ1か月で急増していることも、今回、ステージ3相当に来ているという判断や、それに伴う県としての措置につながっている部分があります。重症化される方、特に亡くなる方を出来る限り減らしていくことが、県としての重要な役割だと改めて認識をしております。

【記者】
 もう一点、1か月の間に(感染者が)急増していることについて、例えば、12月以降に病院での院内クラスターが相次いでいるという部分がすごく大きいと思います。基礎疾患を持っていた方で、もともと入院されていた高齢の方への影響というのもあったかと思いますが、その部分についての分析を教えてください。

【知事】
 ただ今の御意見を真剣に受け止めております。その上で、亡くなられた方については、御遺族の心情等に配慮した上で、御了解を頂いた範囲で情報を提供していることについて、御理解いただければと思います。
 一般論として申し上げますが、医療機関や高齢者施設等でのクラスターが発生した場合、高齢者や基礎疾患のある方に感染が広がることで重症化につながる可能性が高くなります。医療機関や高齢者施設に従事されている方が身近におられる場合には、是非、細心の注意を払った行動をお願いしたいと考えております。

【記者】
 先ほどお話あったステージの引き上げと、1都3県で緊急事態宣言が出ている中、あと2か月余で、福島県において聖火リレーが開かれる予定ですが、これに対する懸念と、今後政府や組織委員会に対策を求めていくような考えなどありましたらお聞かせください。

【知事】
 昨年から今年に1年延期された、東京オリンピックの聖火リレー、そして、東京オリンピック・パラリンピックの開催は、日本という国にとって非常に重要なイベントであると思います。特に福島県の場合は、聖火リレーがJヴィレッジからグランドスタートし、また、野球・ソフトボール競技の7試合を7月に開催する予定であるなど、非常に重要な役割を担っております。私どもとしては、組織委員会、政府、IOC等と連携して、着実に準備を進めてまいります。
 一方で、今なすべきことは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止だと思います。今、福島県でもステージ3相当に来ているというお話をせざるを得ない現実があります。また、首都圏においても緊急事態宣言が発令され、あるいは、各地域においても、追加で緊急事態宣言を発令して欲しいといった声が相次いでいるのが今の全国の状況です。
 したがって、国、地方自治体あるいは医療関係者を始め、関係機関の皆さんが総力を挙げて、この感染拡大防止を図っていくことが何よりも重要であり、福島県としてもその役割をしっかり果たしていきたいと考えています。

【記者】
 先ほど、宿泊療養施設160室の拡大も検討されるというお話がありましたが、確保している469床の病床拡大の検討はされているのか教えていただきたい。

【知事】
 直ぐに使用可能な病床は即応病床と言いますが、これは病床確保計画に基づき、本県の感染拡大状況に応じたフェーズ1からフェーズ4の段階ごとに確保することとしております。(病床利用率は、)1月10日の段階でフェーズ4の最も厳しい状況となっていることから、病床確保計画では、直ぐに使用可能な病床を350床、最大469床を確保することとしており、現時点では、300床程度確保しております。
 引き続き、救急医療を含む一般の医療提供体制との両立を図りながら、順次拡大してまいります。

【記者】
 ステージ3相当の「相当」の部分ですが、これまで「ステージ2」と言い切っていた時も、六つの指標のうち、ステージ3に到達しているものもあれば、ステージ1の数値のものもあって、それを総合的に判断してステージ2と言っていたと思います。先ほどの御説明で、ステージ4を超えているものもあれば、ステージ2のレベルのものもあり、それを総合的に判断したということですが、一般的に「何々相当」というと、ステージ3に準じると捉えられ、(言い方として)ちょっと弱いと思います。それを聞いた県民に対して、弱いメッセージになってしまうのではないかと心配されますが、「相当」を付けた理由について御説明お願いします。

【知事】
 まず、ステージ3、ステージ4の判断基準ですが、率直に言って、各都道府県で相当異なっております。
 私どもから見ますと、明らかにステージ3の六つの指標をほとんど超えていても、ステージ3と言わない県もありますが、私どもは、どちらかというと、より先んじて対応したいと考えています。したがって、先月、福島市において時短の措置を行った際も、ステージ2において行いました。より早めの段階で強めの対策を打つことによって、感染の急拡大を抑えたいというのが福島県の基本的なスタンスであります。
 他県で、六つの指標のうち三つがステージ3であるという状況で、ステージ3相当と言っているところはないと思いますが、福島県としては、昨今の急速な拡大と病床(利用率)が6割程度という非常に厳しい状況になっております。その6割という数字も、正直に言って、パーセンテージだけで判断できない部分もあると思います。入院調整中、自宅療養中の方の数が多い県もたくさんあります。それに対して、福島県は、出来るだけ短期間で、病院やホテルに全員入っていただく対応を取っておりますので、中々数字の指標だけで簡単に割り切れない部分があろうかと思います。
 今、私自身が重視しておりますのは1週間の新規感染者です。現在、福島県の場合は、277名を超えるとステージ3という指標に当てはまると思いますが、現在245名であり、幾ばくか下回っております。ただ、これも先週1週間のように、30人、40人というレベルが続いていけば、当然277名を超えると思います。
 したがって、その場合には、「相当」という表現が変わることもあろうかと思います。ちょっと弱く聞こえるのではないかという御指摘は理解できます。
 一方で、こういったものは客観的に判断すべきものもあると思いますし、夕方(の本部員会議で)、明確な行動制限についてお願いする形になりますが、それを見ていただければ、間違いなく福島県が極めて厳しい状況になったということが、県民の皆さんに伝わると思いますので、全体の中で丁寧に発信をしていきたいと考えております。

 (終了)

【問合せ先】                                                                    
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

(東京五輪 聖火リレーに関すること)
→オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671