■日時 令和3年4月26日(月曜日)10時00分~10時35分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウム水の処分方法について
3 風評・風化対策に係る組織改正について
4 処理水の処分方法決定に伴う風評対策について
5 東京オリンピック・パラリンピックについて
【質問事項】
【記者】
新型コロナウイルス感染症について、県内で先週1日当たり最多となる54人の新規感染者が確認され、月別では1月と同水準で拡大が続いています。
昨日からは4都府県で3度目の緊急事態宣言が始まりましたが、こうした状況を踏まえて、県として対策を強化する部分と、現在の県内のステージの認識とを併せて伺います。
【知事】
福島県における指標のうち、病床のひっ迫具合はステージ3のレベルであります。また、それ以外の4つの指標については、ステージ2のレベルにあります。今回、国の指標が変わったことを受けて、5つの指標で本県のステージを評価することになりました。今申し上げたような状況のため、福島県は現時点において、ステージ2相当にあるものと考えています。
また、指標に追加となった入院率は、療養者数に対する入院者数の割合です。この数値が低いほど状況が深刻で、ステージが上がることになります。この数値が40%以下の場合はステージ3、25%以下の場合はステージ4となります。本県の場合、病床使用率はステージ4の水準の前後で推移していますが、この入院率の数値は高くなっています。すなわち比較的良い状況にあり、現時点においては、必要な方に医療が提供できている体制にあると考えています。
しかし、県内では、先ほど御指摘いただいたように、4月に入ってから多くのクラスターが発生しています。また、新規感染者数も22日に過去最高となる54名が確認されるなど、高い水準で推移しています。ここで、万が一飲食や会合等により新たに大きなクラスターが発生した場合、爆発的な感染拡大につながり、医療提供体制が危機的な状況に陥る恐れがあります。
こうした県内の感染状況を踏まえ、大型連休が終了する5月9日までの間、クラスターの未然防止にポイントを絞った重点対策を継続しているところです。特にゴールデンウイークを控えて、県民の皆さんに改めて5つお願いします。
1点目は、飲食を伴う大人数の懇親会や会合の自粛。
2点目は、緊急事態宣言が発出された地域など、感染拡大地域との旅行や帰省等による往来の自粛。
3点目は、感染対策が徹底されていない接待を伴う飲食店、あるいは酒類の提供を行う飲食店等の利用の自粛。
4点目は、医療機関への早めの相談、受診のお願いです。「体調がいつもと違うな」、「調子がよくないな」と感じたら、早めに受診することが重要です。
そして5点目は、普段一緒にいない方との飲食等を控えること。いつも一緒にいない方と、狭い空間でマスクを外して会話をする、あるいは飲食を伴う会合を控えてください。
この5点が、特に、このゴールデンウイークを控えて極めて重要です。県民の皆さん、あるいは飲食店の皆さん、事業者の皆さんに、この5つの点をしっかり頭に入れて、行動していただくことが福島県全体の新規感染者数を抑えて、結果として、自分自身、あるいは自分の周りの大切な方の命と健康を守ることにつながり、さらに、県内の病院のひっ迫度合いを下げていくことにつながります。大型連休を控え、是非この5点について、皆さんのお力も借りながら、県としてしっかり伝えていきます。
【記者】
新型コロナウイルス感染症については、今月に入って感染者が多数出ており、いわき市では飲食店などへの時短要請なども検討に入っています。これについて県としての対応を伺います。
【知事】
まず、いわき市は、特に先週においては、極めて厳しい状況だと受け止めています。市長自身が病床ひっ迫宣言を発しており、特にゴールデンウイークが近づいている中、市民の方に対して厳しい呼び掛けを行っておられるのを拝見しています。そのような中で、いわき市において新規感染者が急増していることから、この4月16日の病床ひっ迫宣言続いて、23日には感染拡大防止一斉行動の実施が発表されるなど、大変厳しい状況にあります。
今後、いわき市から飲食店の時短営業について要請があれば、県として速やかに対応を検討してまいります。この2日間においては、いわき市、あるいは福島県全体でも17名、18名ということで、若干抑えられた状況にあります。
いずれにしても、今後、新規感染者数が連日、例えば40名、50名というようなことが連続する、あるいはいわき市において再度20名、30名ということが連続すれば、やはり厳しい状況になりますので、いわき市とは日々連携をしながら必要に応じてすかさず対応するというスタンスで臨んでまいります。
【記者】
(新型コロナウイルス感染症の)ゴールデンウイークの感染対策のお願いにおいて、「感染拡大地域」の定義については、いわゆるまん延防止地域と緊急事態宣言が発出されている地域と解釈してよろしいでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおりです。感染拡大地域とは、緊急事態宣言が発出されている県、そして、まん延防止が適用されている地域を指すと考えています。
【記者】
処理水に関連して、知事は繰り返し、福島だけの問題ではないということをおっしゃっており、私もそのとおりだと思います。しかし、現時点では、残念ながら国民的議論に発展しているとまでは言いがたい状況です。
一方で、先日、(双葉町の)伊澤町長は、これ以上の負担はもう受入れられないという趣旨の発言もされており、復興が進むにつれて、やはり福島だけの負担というのは無理があるとも感じています。また、風評の抑制という意味でも、我が事と捉えてもらってこそ、(国民の)皆さんの科学的知識も深まり、福島の負担について共感が広がってこそ、抑制されるという面もあると思いますので、非常に大事だと思います。この点について、大阪府の吉村知事の提案や、環境省の中間貯蔵の除去土壌について、県外での勉強会についても同じような性質を含んでいると思いますが、国民的議論に発展させていく上でどういったことが必要であると考えるか伺います。
【知事】
今の御指摘については全く同感です。これまで、例えば、避難区域の指定であったり、あるいは賠償の在り方であったり、さらには中間貯蔵施設の設置、特定廃棄物最終処分場の設置といった問題、福島県産の農林水産物や観光に対する大きな影響、風評の問題というものが、福島プロブレムということで、福島だけの問題として、この10年間議論されているのが現実ではないかと思います。
私自身は、この原発事故に伴う様々なマイナスの影響については、福島だけの問題ではなく、オールジャパンの問題だと考えています。例えば、県産農産物は、原発事故直後、54の国、地域で輸入規制がかけられていましたが、現在は39の国、地域で制限が解除されて15にまで減りました。
これは復興が前に進んだ部分と評価していますが、農産物については、福島だけが制限されていたわけではありません。福島県の周辺県、あるいは全国に対して、非常に厳しい評価をして輸入規制をかけている国、地域がありました。したがって、このこと一つとっても、福島だけの問題ではなく、全国の問題です。
また、先般、政府は処理水の基本方針として海洋放出すると決定しました。海に県境があるわけではないので、(海洋放出は)全国の問題であり、だからこそ、福島県の漁連のみならず、全国の漁連においても、それぞれ真剣な議論が行われ、そして、政府に対する申入れも行われています。ポイントは、こういった問題に直接関わる方々の中では、正に我が事として議論をしていただいており、この数年間、(処理水に関する議論が)ある程度活発になっているが、全国民での議論にまでは至っていないことだと思います。
ここ2週間ほど、政府の基本方針の決定を踏まえ、報道がかなり増えています。全国のニュースで取り扱っていただいている機会も多くあります。恐らくこれも一過性になってしまい、日々の様々な新しいニュースの中で埋もれてしまう可能性があります。
私自身、この2週間の間に、総理大臣、経済産業大臣、復興大臣、環境大臣を始め、それぞれの閣僚等々とお会いして、この問題は福島だけの問題ではなく、全国の問題だということを政府に対して再三再四強く訴えてきました。また、御承知のとおり、今、世界の各国の中では、日本のこの対応に一定の理解をしていただいている国、あるいは国際機関もありますが、強く反発されている国・地域もあります。これこそ正に日本全体の問題であり、国内問題でなく、国際的な問題にもなっています。国、政府が一丸となって、正確な情報をそれぞれの方に伝えていく、そして伝えるだけではなく、腑に落ちて理解していただけるように、どう響く発信をしていくかに尽きると思います。
一方、我々はこの10年間、福島県産の農産物、あるいはインバウンド、海外からの旅行客の御理解を頂くに当たって、様々な方々へ幾度も説明していますが、腑に落ちる発信、伝わる発信は、なかなか難しいという実感を持っています。
したがって、風評対策に特効薬はありませんが、政府が様々な方法で丁寧に発信し続けること、また、様々関係者に直接対応していただくことが、今後より重要になると考えています。
【記者】
処理水の問題について、先般の、梶山経済産業大臣への要望の中で、トリチウム水におけるトリチウムの分離技術について、「注視してほしい、柔軟に対応してほしい、それが全てのジレンマを解決する一つの解になる」というような趣旨でおっしゃられたと思いますが、この点について、取り除くべきは、トリチウムに対する「誤解」であり、(トリチウムという)物質自体は、海中にもあるわけなので、それを分離するとはどういうことであるのか、お考えを伺います。
【知事】
今お話しのあったことは、本質的な御意見だと思います。
率直に言って、トリチウム水およびトリチウムに対する正確な理解が日本全国、また世界的にも広がって、「福島県のトリチウム水というものが、いわゆる一般的な原発から出されるトリチウム水と本質的に同じである」、また、「人体に対する大きな影響はない」という共通理解が得られるのであれば、(トリチウムの)分離を将来において行う必要があるのか無いのかということについては、再度議論を行った上で、行わないという選択肢もあるかもしれません。
御承知のとおり、今、トリチウムに対する正確な理解が国内外で浸透しているとは到底思えません。
だからこそ、今、「海洋放出しないでくれ」、あるいは「タンク保管を継続できないのか」、「新しい風評が追加されるのではないか」、という心配が、県内はもとより、漁業者の方から出ている。そういった状況下において、現在、恐らく世界の科学技術の中でトリチウムを分離するということは非常に難しいというのが客観的な事実だと考えていますが、そこで(分離技術に関する)議論を遮断するのではなく、日々、あるいは年々新しい技術のブレイクスルーやイノベーションもある中、仮に実用化できる分離技術がある場合には、柔軟な方向転換というものもあり得るのではないか、というところが議論の出発点になっています。
おっしゃるとおり、仮に風評が収まって正確な理解が国内外に浸透していれば、それは必ずしも必要ないという判断が、将来においてなされる可能性もあると思います。
繰り返しになりますが、現時点においては、とてもそういう状況ではないと考えており、経済産業大臣に対して、5番目の項目について申入れをしたところです。
【記者】
処理水の関連で、先週、総理大臣に直接面会し、週末も大臣との面会がありました。
一通りと言ったら適切ではないかもしれませんが、閣僚の方とも直接お話しされて、県としての今のスタンス等は御説明できたと思います。ただ先ほどもお話があった中長期的な問題となる中で、今後、政府に対して、具体的にどのようなスケジュール感で、どのような趣旨で、働き掛けを続けていくのか伺います。
また、今後2年間、更にその先と段階はあると思いますが、具体的に今明らかな訴える内容や状況について伺います。
【知事】
まず、4月13日に基本方針が決定され、15日には経済産業大臣、そして翌16日には官房長官をトップとする関係閣僚等会議、そして同日に東京電力の社長、そしてその翌日である17日には小泉環境大臣、そして24日には復興大臣と、それぞれ懇談を行ったところです。さらに、総理とも22日に面談をしました。
私がこの間、総理大臣、官房長官、各大臣とお話をして一番感じたことは、政府の決意と覚悟です。
彼ら自身が、今回の処理水の海洋放出の基本方針の決定というものを、非常に重い問題だということを当然理解しながら、これは国を挙げて、必ずしっかりやっていくという決意と覚悟をお一人お一人が明確に私に伝えられました。その点をまず評価しています。
ただ、大事なことは、その決意と覚悟を形に、成果に、結果にしていくことです。
それがなければ、この処理水の問題は、福島県にとって極めて重い問題、重い負担になってしまいます。
県民の皆さんが、この10年間努力をしてきた風評対策や復興への歩みなどが、仮に今後2年間で(処理水の問題が)うまくいかなければ、それこそゼロ、あるいはマイナスになってしまいます。正に水の泡になってしまうのです。それは絶対にあってはいけません。
だからこそ、政府や、総理大臣、あるいは各大臣が持っている決意と覚悟を形にしていただきたいということを、知事としてこれからも強く訴えていきたいと思います。
そして、様々なスケジュール感があると思いますが、私が真っ先に国に行っていただきたいことは、関係者に対する説明と理解を得ることです。
関係者とは誰か。まず、海洋放出なので、漁業者の皆さん、もちろん漁連という大きな組織も大切ですが、各方部の、あるいは一人一人の漁師の皆さんに対し、まず丁寧にどういった考え方なのかということを説明して、できる限り理解を得ることが大切だと思います。
そして漁業者のみならず、漁業者を含めた農林水産業、観光業の皆さん、こういった方々も、正に風評の影響を直接受ける方々です。また、市町村、自治体も重要です。
政府において、真っ先に行うべきことは、自分たちが決定した基本方針を、福島県内であれば関係の皆さんに正確に伝え対話を行うこと。彼らの思い、悲痛な思いを直接聞くことだと考えています。
次に大切なことは、これは同時並行で行うべきですが、先ほども議論になったトリチウム水、あるいは第一原発の廃炉対策全体の工程の中で、なぜ今回の基本方針が決まったのかという正確な情報発信を国内外に対して行うことです。
現時点において、国民的な理解が得られているとは到底言えません。したがって、まずは正確な情報を国内に発信していただく。また、世界で出ている様々な異論について、私自身はその異論は正確な認識に基づいているものではないと思っていますが、政府としてきちっと言うべきことを言っていく、これも重要だと思います。このことを徹底して行うことが、現時点で真っ先に行うべきことだと思います。
併せて大切なことは、風評対策を行うことです。政府は今回の基本方針の中で、具体的に新たな対策を含めて列挙していますが、その中身をより掘り下げていくこと、例えば漁業者、あるいは関係する産業の皆さんとの対話の中で出る様々な御意見を踏まえて、効果的でよりわかりやすい具体的な風評対策を早期に提示していただくことが大事だと思います。
その風評対策とセットになってくるのが賠償の議論です。賠償については、従前よりは踏み込んだ姿を示していますが、それを、風評対策とセットでどのような賠償をするのかという考え方を、より具体的に網羅的に示されることも大切だと思います。
そして、処理水について大切なことは、今の福島第一原発から出るものは、いわゆる純粋なトリチウム水ではなく、それにはもともと60数種の核種が含まれていました、そこから分離技術を駆使して、トリチウム水に近づけるわけですが、それが、いわゆる通常の原発や原子力関係施設から出るトリチウム水とほぼ同等である、同じであるということが科学的に客観的に証明されることがまず大前提です。
いわゆる汚染水のまま放出することは絶対にあり得ません。したがって、それがトリチウム水と同等の処理水だということを、国内のみならず世界においても御理解いただくことで処分が可能になります。
また、モニタリングによって第三者的な認証が行われ、今後の2年間で世界に対して安全と安心を発信できる体制にしていくことは必須だと思っています。
今申し上げたようなことを、今後の2年間で全てきちっとやっていくことでしか、国内外の理解は得られないと思いますので、この2週間、私自身様々な形で申入れ、要請を行っています。今後も政府が提示する様々な具体策に対し、福島県として言うべきことを発信してまいります。
【記者】
県の組織体制について、このたび、風評・風化戦略担当理事と風評・風化戦略室を新設されました。組織設置の狙いと政府との連携も含めた今後の取組について伺います。
【知事】
今回の政府の基本方針の決定は、福島の復興にとって重く、また、困難な課題です。新たな風評への懸念が生じているほか、この処理水の処分が短期間ではなく長期間見込まれることから、中長期を見据えた対策が必要となるため、この風評対策をより強化していかなければなりません。
また、震災から10年が経過し、福島県への関心が薄れつつあるなど、加速する風化への取組も重要となります。そこで、県庁内の司令塔機能や総合調整機能、国との折衝機能の充実・強化を図るため、複数の部にまたがるような、特に重要な事務を担当する部長級の職として風評・風化戦略担当理事を新設することとしました。併せて、全庁的な推進体制の更なる強化を図るため、担当理事の指揮下に風評・風化戦略室を新設することとしました。
引き続き、私自身が先頭に立って、全庁一丸となり、この風評の払拭・風化の防止に向けて、中長期にわたって全力で取り組んでまいります。
【記者】
今回新しく出来た風評・風化戦略室の位置付けは相当大きくなってくると思います。事あるごとに、県としても、国からメッセージが出された時だけでなく、常に打ち込んでいくという姿勢も必要だと思いますが、新組織に対する抱負や懸ける思いについて伺います。
【知事】
今回の新しい部長級のポスト、それから戦略室の設置というのは、いわゆる横断的、全庁一丸とならなければいけないということを表しています。
要は、今回の処理水に伴う風評対策、あるいは賠償の議論、あるいは福島の復興の歩みを止めないということは、一つの部局でできることではありません。まさに全庁一丸となって取り組む必要があります。
ただ、その時どうしても、県庁という組織、あるいは国の省庁は縦割りになっていますので、部局を横断し、俯瞰的に見る人がいないと全体の調整をしづらいという部分があります。
そういう意味で、処理水の基本方針の決定を受けて、県として、この部分は横断的に徹底的にやっていくという思いを明確に示しました。
また、責任の所在、あるいは政府との交渉窓口を明確にするためにも、今回の担当理事を設置したところです。
【記者】
風評の定義は一応あるが難しいところで、安全性等、トリチウムに対する安全性等への、理解がある一方で、例えば誤解に基づく買い控えが起こったらまさしく風評だと思います。情報が伝わらない中、曖昧な情報で、消費行動として選択するということは、もはや風評ではなくて、情報が伝わらないという実害だと思いますが、これらについて、どのように分けているのか伺います。
【知事】
今お話があった件は、正にこの10年間の、例えば福島の農産物に対する風評の問題、これは定義の仕方を変えれば、実害だという見方もあると思います。だからこそ、正に損害賠償というものもこれまで行われてきましたし、率直に言って、この風評の定義は、広く捉らえれば一部実害を含んでいると思います。厳密に言えば、実害を抜いた風評という狭い定義の仕方もあると思います。
ただ、率直に言って、今、原発事故に伴う(風評という)ものは、広い定義で一般的に使われていると私自身は理解しています。恐らく政府も私と同じ捉え方をしていると思います。
先ほどの前半の質問ともリンクしていますが、今言われたような視点は、さっきの前半の質問ともリンクしていますが、大事な部分なので、今後正確な情報発信を行い、例えばトリチウムの問題や、食品における100ベクレルの基準の議論についての理解が進み、本質的な実害が無くなった後のフェアな風評の問題になっていくよう、政府も自治体も東京電力も、皆で力を合わせて立ち向かっていくことが大切だと思います。
【記者】
五輪の関連について、今、変異株の影響もある中で、東京における緊急事態宣言が本当に17日間で終わるのかという声が専門家の中でもあり、もし緊急事態宣言が延長された場合、福島での五輪開催までは2か月を切るスケジュールになってしまうと思いますが、福島での五輪開催の実現可能性を含めて、影響について伺います。
【知事】
東京オリンピック・パラリンピックが近づいてきました。現在100日を切るという状況にあります。特に、福島県の場合は、1番最初のソフトボールの試合を開催するという重要な役割を担っています。
そのような中で、福島県内の新型感染症の動向だけではなく、日本全国、さらには、世界における感染状況について連日注視しています。
東京オリンピック・パラリンピックについては、大事な目的が様々あります。
その一つは復興五輪です。また、選手、アスリートの皆さんが安全安心して競技に打ち込んで自分のベストを競い合うということも大切です。
さらに、それを御覧になる観客の皆さんが、すばらしい競技を見て、勇気、元気、希望を感じてもらうことも大切です。
その大前提が、やはり新型コロナウイルス感染症をできる限り抑え込んで、安全・安心な環境の中で、東京オリンピック・パラリンピックを開催することに尽きると思います。
先般、聖火リレーが福島県からグランドスタートしました。その際も、我々は本当に模索し、安全対策を徹底的に講じながら、3日間無事につないで、次の栃木県に聖火を渡しました。現在47都道府県、聖火そのものは進んでいますが、各県においては相当大きな違いがあります。
やはり皆さんが本来の聖火リレーの在り方を感じることが出来ない状況になっているというのが、現実だと思います。
したがって大事なことは、東京オリンピック・パラリンピックという大きな目的のためでもあり、それ以前の問題として、この新型感染症対策について、国を挙げて取り組むことです。特にワクチンについては、高齢者の方々に対するワクチン接種、今後ワクチンの供給も大分潤沢になってくるようであるので、着実に計画的に(ワクチンを)打って、皆さんお一人お一人のリスクをより下げていくことが大切だと思います。
そして今、緊急事態宣言のエリアが広がり、また、まん延防止適用地域も、これまでのように都市部だけではなく、地方部でも広がりを見せていますので、感染拡大を国民が一丸となって抑え込んでいくこと。この両方を行うことが、何よりも大切だと考えています。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
2 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
3 風評・風化対策に係る組織改正について
→総務部行政経営課 電話024-521-7893
4 処理水の処分方法決定に伴う風評対策について
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1129
5 東京オリンピック・パラリンピックについて
→オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671